JP3841956B2 - 触媒燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料を触媒を用いて燃焼させ、発生する熱により被加熱流体を加熱する触媒燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
触媒燃焼装置は、触媒による燃料の酸化反応熱で被加熱流体を加熱するもので、比較的低温で安定した燃焼が可能であり、有害物質の排出が少ないことから、家庭用や自動車用の暖房装置等、各種用途への利用が期待されている。触媒燃焼装置は、一般に、内部を被加熱流体が流れる複数のフィン付き管を配設した熱交換部を備え、この熱交換部内に燃料と空気の混合気を導入して、フィン表面に形成した触媒層に接触させることにより、触媒燃焼を起こすようになしてある。触媒燃焼により発生した熱は、フィンより管壁を介して管内を流れる被加熱流体を加熱する。
【0003】
また、特許第2645776号には、上記フィン付き管を用いた構成あるいは、燃料ガスの流路内に触媒を担持したバッフルプレートを配設した構成において、バッフルプレートまたはフィンの基部を被加熱流体である水が流れる水管に面接触させた燃焼装置が開示されている。この装置では、バッフルプレートまたはフィンの基部から直接水管に吸熱されるため、熱伝導の効率がよく、装置の小型化、触媒温度上昇の抑制が可能である。また、気化室内で加熱空気により噴霧燃料を蒸発気化させ、この混合気を熱交換部に導入して、バッフルプレートまたはフィン表面で触媒燃焼させており、燃料のみを加熱する場合より低い温度で気化を完了することができる、加熱空気によりバッフルプレートまたはフィン表面の触媒を予熱でき、予熱のための他の熱源が不要であるといった利点がある。
【0004】
しかしながら、この装置では、以下のような問題点があった。すなわち、▲1▼加熱空気によりバッフルプレートまたはフィンを予熱し、装置の立ち上げを行っているが、バッフルプレートまたはフィンを伝って熱が水管に逃げやすい。このため、予熱に時間がかかる、空気加熱器の消費電力が大きくなるなど、立ち上げ性能が悪い。▲2▼バッフルプレートまたはフィンからの熱伝導で燃焼熱を水管内に取り込む構成であるが、バッフルプレートまたはフィンの先端部で発生する熱は有効に伝熱することができず、周囲を流れる燃焼ガスに熱を奪われやすいため、熱交換効率がよくない。▲3▼フィンを水管回りに面接触させたフィン付き管を製作するには、水管の外径よりやや大きい内径を有する筒状のフィンをプレスやバーリングで製作し、これを水管周りに一枚づつ差し込んでその基部をロー付けする方法が採られるが、差し込みやすくするためにフィン内径と水管外径とのクリアランスを大きくすると、ロー材が充填されない部分が生じロー付け不良となる。これを防止するには、高価なロー材を大量に使用する必要があり、コスト高となりやすい。あるいは、ロー材を用いず、フィンを水管周りに圧入する方法もあるが、この場合も、ロー材は不要となるものの圧入に手間がかかるため、製造コストが高くなる。
【0005】
しかして、本発明は、立ち上げ性能に優れ、熱交換効率が高く、しかも製作が容易でコストの低減が可能な触媒燃焼装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の触媒燃焼加熱装置は、一端側に燃料ガスの導入口を、他端側に燃焼排気ガスの排気口を設けた筒状のケースと、該ケース内に配設され、内部を被加熱流体の流路とする複数の管状体と、上記複数の管状体の間に形成される燃料ガスの流路と、上記管状体と所定間隔をおいて対向し、燃料ガスと接触する表面に触媒層を形成した触媒担持プレートを有する熱交換部を備えている。
【0007】
バッフルプレートまたはフィンから水管に面接触させた従来の構成では、触媒燃焼により発生した熱を固体から固体への熱伝導で水管に伝熱することで、抵抗の大きい気体と固体との熱伝達を少なくし、伝熱効率を向上させている。しかし、水管へ熱が伝わりやすいことが、逆に、立ち上げ時には、バッフルプレートまたはフィン表面の温度を上昇しにくくし、触媒の活性温度以上に昇温するために時間がかかってしまう。そこで、本発明では、被加熱流体が流れる管状体と所定間隔をおいて触媒担持プレートを対向させ、この触媒担持プレートの表面で発生する熱を輻射により上記管状体に伝熱するようにする。輻射伝熱は、絶対温度の4乗の差で効くので、低温時、すなわち立ち上げ時の伝熱は悪く、高温時の伝熱はよくなる。よって、立ち上げ時には発生する熱で触媒を早期に活性化し、立ち上げ性能を向上させるとともに、定常運転時には、発生する熱を速やかに上記管状体へ伝熱して被加熱流体を加熱することができる。また、上記触媒担持プレートを上記管状体にロー付けする必要がないので、製作が容易になり、コスト低減が可能である。
【0008】
請求項2記載の発明では、上記管状体が偏平管で構成されており、上記ケース内に所定間隔をおいて並設した偏平管列の間に、上記触媒担持プレートを挿通配置する。上記管状体を偏平形状とすることで、これに対向して配設される上記触媒担持プレートを曲面の少ない成形しやすい形状とすることができる。また、上記管状体を上記ケース内に設置した後、これらの間に差し込むことができるので、組立てが容易である。
【0009】
請求項3記載の発明では、上記触媒担持プレートを略U字状に屈曲成形して、偏平管よりなる上記管状体の周囲を囲むように配設し、かつ上記触媒担持プレートのU字の底部が上記燃料ガスの導入口側に位置するように上記ケース内に設置する。具体的には、上記触媒担持プレートを略U字状とすれば、一枚の上記触媒担持プレートで偏平管の側面のほぼ全周を囲うことができる。また、U字の底部を上記燃料ガスの導入口側に配置すると、上記触媒担持プレートの内側には燃焼ガスが流入しないので、上記触媒担持プレートの外側にのみ触媒を担持させればよく、製作が簡易となりコストも低減できる。
【0010】
請求項4記載の発明では、上記触媒担持プレートの表面に、対向する上記管状体ないし隣接する上記触媒担持プレートとの間を所定間隔に保持するための複数の突起を設ける。この複数の突起の数や大きさを適切に設定することで、上記触媒担持プレートを隣接する部材間に摩擦力で保持することができる。突起は形成が容易であり、上記管状体との接触は点接触となるので、上記突起を介しての熱の伝導量をごく小さくできる利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の触媒燃焼装置の第1の実施の形態について説明する。図1において、触媒燃焼装置は、両端開口の筒状ケース1の内部を熱交換部となしており、その一端側(図の下端部)には燃料ガスの導入口11が、他端側(図の上端部)には、燃焼排気ガスの排気口12が形成してある。ケース1の上記導入口11には、ブロア2に連通する空気通路3が接続され、該通路3には、ブロア2側より空気加熱用のヒータ31、燃料の気化噴霧器32が設けてあって、加熱空気が噴霧燃料と混合され、燃料ガスとして上記ケース1内に導入されるようになしてある。燃料気化噴霧器32により噴霧される燃料としては、例えば、灯油等を使用することができる。
【0012】
上記ケース1内には、内部を被加熱流体の流路とする管状体たる複数の偏平管4が、図1の左右方向に所定の間隔をおいて並列配設してある。ここでは、6本の偏平管4を設けており、各偏平管4内は、さらに複数の隔壁41により図の上下方向に仕切られている。これら偏平管4は、それぞれ燃料ガスの流れと直交する方向(図1の紙面上下方向)に延びており、各偏平管4の両端は、図2に示す管寄せ42、管寄せ43にそれぞれロー付け等により漏れのないように接続されている。また、管寄せ42には被加熱流体の導入管42aが、管寄せ43には被加熱流体の導出管43aが、それぞれ接続されており、かくして、導入管42aを入口とし、偏平管4および管寄せ42、43内を経て、出口となる導出口43aへ向かう被加熱流体(通常、水)の流路が形成される。
【0013】
図1において、各偏平管4の間には、上記導入口11から導入される燃料ガスの流路13が形成され、燃料ガスはこの流路13を下方より上方へ向けて流れる。各流路13内には、偏平管4の両側面とそれぞれ所定間隔をおいて対向する触媒担持プレート5が挿通配設してあり、この触媒担持プレート5の外表面で、燃料ガスが触媒燃焼するようになしてある。上記触媒担持プレート5は、ステンレス等の耐食性、耐熱性の高い金属材料よりなり、一枚の板材(板厚0.1〜0.3mm程度)を断面略U字形に折り曲げたものを、偏平管4の周囲を囲うように図1の下方から差し込んである。
【0014】
上記触媒担持プレート5の内外表面には、図3のように、多数の突起5a、5bがプレス加工にて形成してあり、突起5aにより隣接する触媒担持プレート5との間隔を、突起5bにより対向する上記偏平管4との間隔を適切に保つとともに、摩擦力により触媒担持プレート5を偏平管列の間に保持している(図1)。上記突起5a、5bの形状は、特に制限されず、例えば、図4のように、三角形の切り起こし5a´、5b´を設置してもよい。突起5a、5bの数、配置も、適宜設定することができるが、立ち上がり時の熱の逃げを少なくするには、上記偏平管4と接触する突起5bの数が少ない方がよい。なお、図2において、上記触媒担持プレート5の左右側端縁に、複数の突起5cが形成されており、管寄せ42、43間に上記触媒担持プレート5を位置決め、支持している。これら突起5cは、上記触媒担持プレート5を裁断する際に同時に形成することができる。
【0015】
上記流路13を流通する燃料ガスと接触する、上記触媒担持プレート5の外表面には、図5に示すように、γ−アルミナ等のセラミックスを溶射または塗布コーティングすることにより多孔質担体膜を形成し、この多孔質担体膜に白金等の燃焼触媒を担持させた触媒層51が形成してある。上記構成では、上記触媒担持プレート5の内表面には燃料ガスが接触することはないため、触媒層を設ける必要はない。また、上記触媒担持プレート5の内表面や偏平管4の外表面に、輻射率を向上させるために黒色の塗装52、44をそれぞれ施すと、輻射伝熱を促進する効果がある。この塗装52、44は、表面の輻射率が黒体(輻射率=1)に近いほどよい。あるいは、塗装の代わりに、サンドブラスト処理等の表面処理を施してもよく、表面の輻射率が一般に向上することが知られている。なお、触媒層51の形成は、上記触媒担持プレート5を曲げ加工する前、あるいは加工後のいずれに行ってもよい。
【0016】
上記構成の触媒燃焼装置の作動を説明する。ブロワ2からの空気は、ヒータ31で加熱され、燃料気化噴霧器32から噴霧される燃料と混合して、燃料を気化させながら、燃料ガスとして導入口11より熱交換部内に流入する。熱交換部では、上記触媒担持プレート5が加熱空気からの熱を受け、その表面の触媒が速やかに活性温度に達して、燃料が触媒燃焼を始める。燃焼熱は輻射伝熱により上記触媒担持プレート5から対向する偏平管4に伝わり、偏平管内部を流れる被加熱流体である水の温度を上昇させる。
【0017】
上記構成によれば、立ち上げ時、燃焼熱は、上記触媒担持プレート5をヒータ31による予熱温度からさらに昇温させるために主に使用される。ここで、上記触媒担持プレート5と上記偏平管4とは、突起5a、5bにて点接触しているのみであるので、従来のように、燃焼熱が上記偏平管4へ逃げることはなく、極めて速やかに立ち上げを行うことができる。また、立ち上げ後の定常状態では、ヒータ31の出力は燃料の気化熱をまかなう程度でよい。この電力は、例えば、灯油を燃料とする場合、燃料に加えて空気も加熱する場合の1/5〜1/10程度で十分であり、消費電力を大幅に低減できる。
【0018】
本発明の構成では、上記触媒担持プレート5の外表面で発生した燃焼熱を、プレート内表面へ伝熱し、内表面から上記偏平管4へ輻射伝熱するようになしてあり、触媒温度に応じた効果的な熱伝達が可能である。この伝熱量の変化を本発明の構成による場合と、従来のフィン付き管の場合とで比較して説明する。図6は、本発明の構成による場合で、上記触媒担持プレート5の触媒担持面(外表面)の温度T1 、熱伝導率λ1 、輻射面(内表面)の温度T2 、上記偏平管4の外表面の温度T3 、内表面の温度T4 、被加熱流体温度TL 、上記触媒担持プレート5の輻射面の輻射率をε1 、上記偏平管4の輻射面(外表面)の輻射率をε2 とした時、簡単のため輻射面を黒体とみなして、ε1 =ε2 =1とし、さらに、上記触媒担持プレート5の板厚t1 は十分薄いので、表裏の温度差はほとんどないことから、T1 ≒T2 とすると、上記触媒担持プレート5から偏平管4への単位面積当たりの輻射伝熱は、
1 =σ・(T1 4−T3 4)・・・(1)
で表すことができる。
【0019】
一方、図7は従来のフィン付管を示し、水管6の外周に設けたフィン61の板厚をt3 とし、水管6の板厚は本発明の偏平管4と同じt2 とする。フィン61の間隔はpとする。図6と図7で、偏平管4ないし水管6の内側に伝わる単位面積当たりの熱量が同じであるとすると、水管6の外表面の温度T5 、内表面の温度T6 とした時、T5 =T3 、T6 =T4 となる。この時、フィン61の奥行方向の寸法は1/pとみなす(なぜなら単位面積1=p・(1/p))。フィン61の先端側の温度をT7 、フィン高さをLとすると、水管6への単位面積当たりの伝導伝熱は、
1 =λ・(t3 ・(1/p))・(1/L)・(T7 −T3 )・・・(2)
となる。
【0020】
図8は、式(1)、(2)より、本発明のような輻射伝熱の場合と、従来のフィンの伝導伝熱の場合について、それぞれ温度と伝熱量の関係を示したものである。図8のように、ある温度Tで両方式の伝熱量が等しいとすると、それより高い温度Taでは、輻射伝熱の方が伝熱量が大きく、温度上昇に伴い伝熱量が急激に増大する。一方、ある温度Tより低い温度Tbでは、逆になり、輻射伝熱の方が伝熱量が小さくなる。この違いのため、低い温度から燃焼装置を立ち上げる際、輻射伝熱を利用する本発明では、偏平管4への伝熱が抑制されるために触媒の温度が上がりやすく、伝導伝熱を利用する従来方式に較べ、より早く活性温度に達することができる。また、定常時には、輻射伝熱の方が伝熱量が大きくなるため、伝熱性能が向上し、被加熱流体を効果的に加熱することができる。
【0021】
さらに、上記構成では、偏平管4を用いたので、複数の偏平管4をケース1内に並列配設した後に、上記触媒担持プレート5をこれら偏平管列の間に挿通すればよく、例えば、円管の周囲に筒状の触媒担持プレートを配設する構成に較べて、組立てが容易になる。また、上記触媒担持プレート5を断面略U字状としたので、上記偏平管4と上記触媒担持プレート5の間に燃料ガスが流通しないようにすることができる。よって、上記触媒担持プレート5の内表面に触媒を担持させる必要がなく、高価な貴金属触媒を大量に使用しなくてよいので、コスト低減が可能である。
【0022】
図9は、本発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形態では、上記図1の構成に加えて、断面略U字状の上記触媒担持プレート5の間に、さらに平板状の触媒担持プレート5´を挿通配置し、燃料ガスの流路13内に3枚の触媒担持プレート5、5´が位置するようにする。この時、触媒担持プレート5´は両面に触媒層(図略)を形成し、両側に位置する上記触媒担持プレート5の突起5aにてこれらの間に挟持されるようにする。
【0023】
上記構成によれば、定常燃焼時において、燃料ガスの流路13の中央に位置する触媒担持プレート5´は、その両側の触媒担持プレート5に対し、約100℃程度高い温度で燃焼することになる。第1の実施の形態の場合、従来のフィン付き管に較べて単位面積当たりの触媒面積を大きくしにくいので、燃料の種類によっては、燃料分子の拡散係数が小さいため、燃焼反応が未完了のまま、触媒担持プレート5の間を通り抜けてしまう可能性がある。このような場合、本実施の形態の構成とすると、単位体積当たりの触媒面積を大きくすることができる上、触媒の反応速度は温度に対して級数的に大きくなるので、約100℃程度高温となっていることで、燃焼が促進され、未燃燃料の排出を確実に防止することができる。
【0024】
なお、この未燃燃料の排出防止については、上記触媒担持プレート5´を設置しない上記第1の実施の形態の構成においても、比較的容易に防止することができ、以下、それについて説明する。輻射伝熱を主に利用している本発明では、上記触媒担持プレート5の温度に対しては、そこで燃焼する燃料の量を一定とし、上記偏平管4内を流れる水温が一定となるように水量を調節すると、支燃ガスである空気の流量が支配的となる。すなわち、空気が触媒担持プレート5から持ち去る熱量の大小で、上記触媒担持プレート5の温度が決まる。一方、燃料の燃焼速度は、触媒の反応速度が温度に対して級数的に変化することから、支燃空気の量を理論空燃比以上の空燃比の範囲で制御することで、上記触媒担持プレート5の温度を制御でき、従って、未燃燃料の排出量もこれに応じて制御することができる。
【0025】
この効果は、本発明のように主な伝熱に輻射を利用することで初めて得られるもので、従来のフィン付き管では難しい。つまり、従来のフィン付き管の場合に、空燃比を小さくすると、フィンの温度の上昇に伴い、燃料の濃い上流側では、級数的に発熱量が増大するのに対し、フィンの伝熱量は一次関数的にしか増加しない。従って、フィンの一部が本来の空燃比で燃焼させた時に較べて高温となり、このためフィンから空気に熱が余分に伝達されてしまう一方で、フィンから管内に取り込まれる熱は全体として減少する。これにより、全体の伝熱効率が低下するとともに、程度によっては、フィンの高温部がフィン材や触媒の耐熱温度を越えてしまうおそれがある。このように、従来のフィン付き管では、空燃比の制御範囲が狭く、フィンが過熱したり、過冷却で触媒燃焼が停止したりしやすい。これに対し、本発明の構成では、熱流れのバランスから自然に安定な温度に落ちつくので、触媒燃焼の安定性が高く、空燃比の制御範囲が広いといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す触媒燃焼装置の全体断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】触媒担持プレートに設けられる突起形状を示すもので、(a)は触媒担持プレートの正面図、(b)は触媒担持プレートの側面図、(c)は触媒担持プレートの斜視図である。
【図4】突起形状の他の例を示すもので、(a)は触媒担持プレートの正面図、(b)は触媒担持プレートの側面図、(c)は触媒担持プレートの斜視図、(d)は(a)のB矢視図である。
【図5】第1の実施の形態における熱交換部の部分拡大断面図である。
【図6】本発明の効果を説明するための熱交換部の部分拡大断面図である。
【図7】従来のフィン付き管の部分拡大断面図である。
【図8】輻射および熱伝導による温度と伝熱量の関係を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す触媒燃焼装置の全体断面図である。
【符号の説明】
1 ケース
11 燃料ガスの導入口
12 排気口
13 燃料ガスの流路
2 ブロワ
3 空気通路
31 ヒータ
32 噴霧気化器
4 偏平管(管状体)
41 隔壁
42、43 管寄せ
42a 導入管
43a 導出管
5 触媒担持プレート
51 触媒層
5a〜5c 突起

Claims (4)

  1. 一端側に燃料ガスの導入口を、他端側に燃焼排気ガスの排気口を設けた筒状のケースと、該ケース内に配設され、内部を被加熱流体の流路とする複数の管状体と、上記複数の管状体の間に形成される燃料ガスの流路と、上記管状体と所定間隔をおいて対向し、燃料ガスと接触する表面に触媒層を形成した触媒担持プレートを有する熱交換部を備え、上記触媒担持プレートの表面で発生する熱を輻射により上記管状体に伝熱するようになしたことを特徴とする触媒燃焼装置。
  2. 上記管状体が偏平管で構成されており、上記ケース内に所定間隔をおいて並設した偏平管列の間に、上記触媒担持プレートを挿通配置した請求項1記載の触媒燃焼装置。
  3. 上記触媒担持プレートを略U字状に屈曲成形して、上記偏平管の周囲を囲むように配設するとともに、上記触媒担持プレートのU字の底部が上記燃料ガスの導入口側に位置するように上記ケース内に設置した請求項2記載の触媒燃焼装置。
  4. 上記触媒担持プレートの表面に、対向する上記管状体ないし隣接する上記触媒担持プレートとの間を所定間隔に保持するための複数の突起を設けた請求項1ないし3のいずれか記載の触媒燃焼装置。
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