JPS63707B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は気体または液体燃料を燃焼させ、その
燃焼ガスと室内空気を熱交換させる暖房機全般に
利用できる熱交換器に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来この種熱交換器は、第１図、第２図に示す
ように、熱交換器本体１の内面軸方向に複数個の
内部フイン２を押出形材にて一体的に構成し、こ
の外周面に外部フイン３を巻付加工後、炉中ろう
付等にて固着している。この熱交換器本体１の内
部には円錐台形状の中間筒４を配設し、一端には
バーナ５を具備した構成がある。バーナ５で燃焼
した高温燃焼ガスは内部フイン２を通過する際に
内部フイン２にて吸熱し、外部フイン３にて対流
空気流と熱交換される。

しかし、この種熱交換構造では次のような欠点
を有していた。

(1) 内部フイン間に拡乱体を具備せず、内部フイ
ンの吸熱面積を増大するか、または燃焼ガスの
流速を増大して熱伝熱を促進する構成である。

しかし乍ら、この構成では押出加工における
金型の強度的な制約により内部フイン間の小隙
間を形成することは困難であり、燃焼ガス流速
増大による熱伝達の向上は期待できず高度の熱
効率を得ることができない。

(2) ガス側伝熱面積を増大するため、内部フイン
の列数や高さを高くし面積を確保する必要があ
り材料費が割高となつたり、熱交換器のコンパ
クト性に欠ける。

(3) ガス側伝熱面積を増大しても上記１の理由に
より高度な熱効率が達成できない。

(4) ガス側伝熱面積の増大に伴ないバーナの火炎
に面した内部フインが輻射熱を集中的に受ける
ため、局部的に異常高温となり、変形を生じた
り溶解に至る等、耐久性の点で問題となつてい
た。また火炎が内部フインに直接接触すること
で、火炎が冷却されCOが大量に発生する等の
欠点を有していた。

(5) 外部フインを巻付け加工後、炉中ろう付けを
行なうものであるから、製造コストが割高とな
つていた。

発明の目的 本発明は、このような従来の欠点を除去するも
ので、高温燃焼ガスの乱流促進による小型高効率
化と、熱交換器温度の均一化による局部加熱を防
止し、耐久性を確保すると同時に低コストの熱交
換器を得ることを目的としている。

発明の構成 この目的を達成するために、本発明は内面軸方
向に複数個の内部フインを一体的に形成した熱交
換器本体の内面軸方向に複数個構成した内部フイ
ンと外周面円周方向に複数設けた外部フインと、
前記熱交換器本体の下流側に流路規制体外周部の
内部フイン間に拡乱体を配設し、前記拡乱体は複
数個の屈曲部を有する折曲片とし、拡乱体を内部
フインの円周ピツチの２ピツチ毎の内部フインを
介在してフイン端部より挿入している。

この構成によつて熱交換器本体の略中間部より
下流側の高温燃焼ガスの乱流が促進され、内部フ
イン表面における温度境界層の発達を防止して有
効な熱接触状態を保持することで比較的少ないガ
ス側伝熱面積で高度の熱効率（93％以上）を達成
するこができる。

熱交換器本体の上流側のガス側伝熱面積を抑制
することで、輻射熱等による部分的な温度上昇が
防止でき熱交換器温度の均一化が図れる。

熱交換器本体を押出形材にて一体的に構成し、
外部フインの圧入と、複数個の乱流体を挿入する
ことで低コストの熱交換器を得ることができる。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を第３図〜第７図の面
面を用いて説明する。なお前記図中の第３図、第
４図と同一部品については同一番号を付してい
る。

図において、６は熱交換器で一端に燃焼フアン
と一体的に構成したバーナ７と、他端に排気部８
を設け、同軸上で一体的に連設している。９はア
ルミ押出形材等で一体的に構成した熱交換器本体
で、内面軸方向に複数個の内部フイン１０を設け
ている。内部フイン１０のバーナ７側の一部は切
削加工により削除している。熱交換器本体９の一
端はバーナ７のフランジ部と、他端はフランジ１
１とそれぞれめ加工により固着されている。

１２は熱交換器本体９の外周に複数個設けた外
部フインで、四角のアルミ板からなり中央部にバ
ーリング部１３を設け熱交換器本体９の外周面に
機械的に圧入して固着せしめている。１４は熱交
換器本体９内の中央部で、且つ略中間部より下流
側に設けた流路規制体で、有頂筒状の円筒を排気
部８より突出している。１５は前記流路規制体１
４の外周部の内部フイン１０間に複数個配設した
拡乱体で、複数個の屈曲部１６を有した折曲片よ
り構成し、内部フイン１０の端部より第７図の如
く挿入し、絞り部１７と拡大部１８が交互に形成
するよう構成している。１９は熱交換器本体９の
上流側に構成した燃焼室、２０は燃焼室１９に形
成された火炎、２１はパツキン、２２は排気口、
２３はバーナ７の一部に設けた点火電極、２４は
燃焼検知を行なうフレームロツドである。２５は
定油面装置で電磁ポンプ２６を介してバーナ７に
給油している。２７はクロスフローフアン等で構
成した対流用送風機、２８はモータ、２９は対流
空気流、３０は燃焼ガス流、３１は筐体である。

上記構成において、バーナ７の燃焼フアンと電
磁ポンプ２６を駆動してバーナ７内に燃料を供給
し、これに点火電極２３により点火すると、燃焼
火炎２０を形成し燃焼が持続される。燃焼室１９
内で発生した高温燃焼ガスは矢印３０の如く流路
規制体１４の外周部を通過して排気部８を介し排
気口２２より外気に排出される。この過程で熱交
換器６の一部に設けたサーモスタツト（図示せ
ず）により対流用送風機２７が始動すると、燃焼
室１９内で発生した800〜1200℃の高温燃焼ガス
は、燃焼室１９の内壁で一部吸熱された後、流路
規制体１４の外周部に導かれる。この際、乱流体
１５の乱流促進により内部フイン１０及び熱交換
器本体９の内面で有効な熱伝達が行なわれ、熱交
換器６の外周部を通過する対流空気流２９と熱交
換を行ない、燃焼ガス温度が150〜200℃と大巾に
低下し排気口より排出口より排出される。

本実施例では拡乱体１５として複数個の屈曲部
１６を有した折曲片の構成を示したが、この他、
帯状の板片に多数の切り起こし片を交互に設け、
この板片をＵ字状に折曲げ構成してもよい。

さらに、他の拡乱体としては、流路規制体１４
の外周に多数の突起体を設け内部フイン１０との
間に位置せしめてもよい。

また、本実施例の流路規制体１４として有頂筒
状の円筒を示したが、この他、耐火レンガ或はセ
ラミツク等で構成することもできる。

さらに本実施例では熱交換器本体９をアルミ押
出形材で一体的に構成し、この周囲にアルミ板の
外部フインを機械的に圧入して固着せしめ、熱交
換器６を構成するものを示したが、他の手段とし
ては、内部フイン１０を含む熱交換器本体９と、
外部フイン１２を一体的にアルミダイキヤストで
構成することも可能である。

本実施例では、流路規制体１４の外周部の内部
フイン１０間に位置せしめた拡乱体１５の乱流促
進により、伝熱面における温度境界層の発達を防
止し、熱接触を向上させることで高度の熱効率
（93％以上）を達成できる。

また、内部フイン１０の円周ピツチが比較的大
きく構成し、熱交換器本体９の下流側で上記の如
く乱流促進で熱効率を確保する構成であるから、
上流側のガス側伝熱面積を少なくなくすることが
可能となり、燃焼室１９の周壁における輻射熱等
による吸熱を抑制し、熱交換器の部品的な異常加
熱が防止できるため、熱交換器６の全域において
アルミ常用限界温度すなわち250〜300℃に保持で
き、長期に亘つて耐久性を確保することができ
る。

さらに熱交換器本体９を内部フイン１０を含め
一体的に構成し、比較的格安なアルミ押出形材に
て構成し、しかも前記熱交換器温度の低下するこ
とで外部フイン１２を機械的な圧入加工のみで固
着でき、従来のように巻付け加工や、炉中ろう付
加工が不要となるため、熱交換器の製造コストが
大巾に低減できる。

さらにバーナ７と排気部８との間に熱交換器６
を介在し一体的に連設することで、温風機として
の温風吹出温度の均一化が可能となり快適性を向
上することができる。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明の熱交
換器は １ 内面軸方向に内部フインを形成した熱交換器
本体内の下流側に流路規制体を配設し、この外
周部の内部フイン間に乱流体を配設すること
で、燃焼ガスの乱流促進と流速増大により伝熱
面へのガス側熱伝達を向上し、高度の熱効率
（93％以上）を達成できる。

２ 熱交換器本体の上流側の受熱面積を減少し下
流側で熱伝達を促進する構成であるから、熱効
率を維持し、しかも熱交換器温度の局部加熱を
防止し、250〜300℃の低温度で且つ、均一な温
度を保持することで熱交換器の耐久性が向上で
きる。

３ 複数個の屈曲部を有する折返片からなる拡乱
体内部フインの２ピツチ毎に配設することで、
燃焼ガスの膨脹と収縮流を繰返してガス側熱伝
達の向上による高効率化が達成できる。また加
工性と組立性に優れ安価に作製できる。

４ 有頂筒状の流路規制体を排気部より突出して
設けることで、流路規制体外周部の伝熱面へ均
一的に高温燃焼ガスを導き、且つ排気部に於け
る環状流路を構成し乱流を促進して高熱効率が
得られる。

等の優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱交換器の縦断面図、第２図は
第１図のＡ―A′線断面図、第３図は本発明の一
実施例の熱交換器の温風機組込み状態を示す断面
図、第４図は同熱交換器の縦断面図、第５図は第
４図のＢ―B′線断面図、第６図は同熱交換器の
拡乱体の斜視図、第７図は同熱交換器における内
部フインへの拡乱体の装着状態を示す正面図であ
る。 ６……熱交換器、７……バーナ、８……排気
部、９……熱交換器本体、１０……内部フイン、
１２……外部フイン、１４……流路規制体、１５
……拡乱体、１６……屈曲部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱交換器本体の一端にバーナを、他端に排気
   部を一体的に連設し、高温流体とを熱交換する手
   段を設け、この熱交換器本体の内面軸方向に複数
   個構成した内部フインと、外周面円周方向に複数
   設けた外部フインと、前記熱交換器本体の下流側
   に流路規制体外周部の内部フイン間に拡乱体を配
   設し、前記拡乱体は複数個の屈曲部を有する折曲
   片とするとともに全体としてＵ字状にし、拡乱体
   の各端部を内部フイン間に位置するように内部フ
   インの円周ピツチの２ピツチ毎に、フイン端部よ
   り挿入してなる熱交換器。