JPS637612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は艦船、工場の通路、床面等に広く使用
されるグレーチングの取付固定金物の改良に関す
るものである。

グレーチングは公知のように矩形断面を有する
平鋼等よりなる縦条片ａを各上下面が同一平面に
なるように適宜間隔平行に配列すると共に、これ
と直角に適宜形状の一連の横条片ｂを縦条片ａ、
横条片ｂの各上面が同一平面にあるように固着し
て一体的なグレーチングを形成し、受材上に載置
敷設して使用されている。

これらのグレーチングの従来の取付固定方法
は、前記グレーチングを規定位置の受材上に敷設
し、一連の縦条片ａと横条片ｂの溶着結合した位
置よりずらし、縦条片ａと隣接する縦条片ａの空
間位置にボルト頭部を挿入し受材とボルト頭部を
手溶接にて溶着固定し、上部取付押圧金物のボル
ト脚部挿入穴にボルト脚部を貫通させ、ボルト脚
部ねじ部にナツトを螺合させ結合固定するもので
あつた。

そのため、受材の規定位置にボルト頭部を手溶
接にて溶着固定を行うことの手数は大変なもので
多量敷設取付固定方式に適せず、グレーチングの
取付固定において均等なる敷設取付固定が得られ
ない上に、グレーチングの取付位置の変更等のあ
つた場合には、受材とボルト頭部の溶着固定を取
外すのに困難を生じ美観を損ない、かつ現場敷設
に関して特にガス、電気等の設備を必要とする等
の欠点があつた。

本考案はこれを根本的に改良して多量敷設取付
固定方式に適するものとし、現場敷設に関してガ
ス、電気等の設備を要することなく、外観および
取付固定能率の点においても、特に優れたものを
提供し得るものである。

本考案の根本的な特徴とする点はグレーチング
の取付固定に際し、先端に凹凸部を設けると共
に、中央部長手方向に沿つて長穴形状のボルト摺
動穴を刻設し、かつ断面形形状の金属体をＬ形
形状に折曲げてなる受具を受梁下面に係止させる
と共に受具先端の凹凸部を受材上に載置したグレ
ーチングの縦条片ａ，ａ底部に嵌合させ、かつ縦
条片ａ，ａ上面間を跨間して、ボルト挿入穴を有
する押圧金物を載置し、縦条片ａ，ａの上縁を押
圧保持しながら押圧金物のボルト挿入穴にボルト
脚杆を挿入し、受具下面のナツトねじにボルト脚
杆ネジ部を螺合緊定した点である。

以下、本考案実施の１例を図面と共に説明する
と、第１図は公知のグレーチング１を示すもの
で、一連の縦条片ａを適宜間隔平行に配列し、そ
の上面に端部を除いて横条片ｂを適宜間隔ごとに
配置して両者の交点を電気圧接等により一体的に
構成し、該縦条片ａの端部には一連の縦条片ａの
板厚および高さに相当する端板ｃを当てて、縦条
片ａ端部と端板ｃとの相接する交点を全周溶接ま
たは上下溶接してグレーチング１を形成したもの
である。

そのほか本考案に使用するグレーチングは第６
図Ａ，Ｂの他の実施例に示すごとく、縦条片ａに
横条片ｂを貫通させ組立てた組立式グレーチン
グ、グレーチング１上にすべり止め床板１ａを固
定してなるグレーチング、またはプレス打抜き加
工して形成されたグレーチング等を含めグレーチ
ングと称呼するものである。

第２図、第３図は本考案のグレーチング取付固
定金物の受具を示すもので、第２図は金属体、第
３図は受具である。

第２図に示すごとく先端中央部に所要高さおよ
び適宜幅、厚さを有する凸部２ｂを設け、中央部
長手方向に沿つて長穴形状のボルト摺動穴２ｃを
刻設し、かつ断面形形状の金属体２ａの端部所
要の折曲げ線２ｄよりほぼ上方垂直に折曲げて第
３図に示す受具２を構成し、第４図、第５図に示
すごとく受具２を受材３下面に係止させると共に
受具２の凹部２b¹凸部２ｂを受材３上に載置した
グレーチング１の縦条片ａ，ａ底部および縦条片
ａ，ａ間に嵌合させ、かつ縦条片ａ，ａ上面間を
跨間してボルト挿入穴４ａを有する押圧金物４を
載置し、縦条片ａ，ａの上縁を押圧保持しながら
押圧金物４のボルト挿入穴４ａにボルト脚杆５を
挿入し、受具２の下面のナツト６のねじにボルト
脚杆５のネジ部５ａを螺合緊定するものである。

第７図Ａ，Ｂは他の受具の実施例を示す先端の
各種形状の凹凸部を示すもので、凹部２b¹凸部２
ｂを受材３上に載置したグレーチング１の縦条片
ａ，ａ底部および縦条片ａ，ａ間に嵌合固定して
使用するものである。

第８図は他の実施例の受具を形成する金属体、
第９図は受具を形成した縦断面図で、第８図に示
すごとく先端に凹凸部２b¹，２ｂを設けると共に
中央長手方向に長穴形状のボルト摺動穴２ｃを刻
設し先端所要位置にＶ形状の切欠ぎ２ｅを相対向
して設け、ボルト摺動穴２ｃの三周囲に折曲げ線
２ｄを設け、断面状に折曲げると共にＬ形状に
ほぼ上方垂直に折曲げ第９図に示すごとき受具２
を構成したものである。

第１０図Ａ，Ｂは他の実施例の押圧金物を示す
もので、〓形状のもの、ワツシヤーの深絞り状等
も必要に応じて適宜使用することもできる。

本考案受具は、両側縁にリブを有しかつＬ形形
状に曲げられているため縦条片を押圧金物および
受具を介して押圧挾持しボルト締結しても強度が
強く、かつ長穴形状のボルト摺動穴を設けている
ため受具の摺動調節固定が容易簡単で顕著なる効
果を有する。

本考案実施例は単に１例を示すもので、他の実
施例を含め本考案の技術思想を逸脱しない範囲に
おいて種々の変形構造、変形手段が案出されるが
すべて本考案に含まれる。

上述のように緊結したナツトおよびボルトの結
合部は確実に緊定され、グレーチング敷設の位置
ずれ是正等に要する複雑な作業がなく、至極容易
迅速に行うことができ、グレーチング取付位置の
変更があつた場合、ボルトの着脱により受具およ
び押圧金物をそのまま反復使用することができ、
グレーチング敷設取付能率を向上させ、かつ受具
の側縁にリブを有しＬ状に折曲げ成形してあるた
め、ボルト締結しても強度的に強く、更にボルト
摺動穴を有するため受材と縦条片底面との嵌合保
持の調節が容易簡単であり、敷設に要するガス、
電気等の設備を要せず等有益な特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に使用するグレーチングの斜視
図。第２図は受具を形成する金属体の斜視図。第
３図は本考案グレーチング取付固定金物の受具を
示す斜視図。第４図は本考案グレーチング取付固
定金物を装着した状態を示す一部底面斜視図。第
５図はグレーチング取付固定金物を装着した状態
を示す一部正面断面図。第６図Ａ，Ｂは他の実施
例を示すグレーチング斜視図。第７図Ａ，Ｂは他
の実施例を示す受具先端の凹凸形状を示す一部正
面図。第８図は他の実施例を示す受具を構成する
金属体平面図。第９図は他の実施例を示す受具の
中央縦断面図。第１０図Ａ，Ｂは他の実施例を示
す押圧金物の斜視図。 １：グレーチング、２：受具、２ａ：金属体、
３：受材、４：押圧金物、５：ボルト、６：ナツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受具の先端中央部にグレーチング縦条片ａ，ａ
   底部を嵌合するための凹凸を設けると共に、中央
   部長手方向に沿つて、長穴形状のボルト摺動穴を
   刻設し、且つ断面を形に形成し、その端部所要
   位置を上方に垂直に折り曲げた受具と、縦条片
   ａ，ａ上面を跨間して上縁を押圧保持すべく段差
   を設け、ボルト挿入穴を刻設した押圧金物よりな
   り、押圧金物のボルト挿入穴よりボルト脚杆を挿
   入し、受具下面のナツトに螺合緊定し、グレーチ
   ングと受材とを固定することを特徴としたグレー
   チング取付固定金物。