JPS636749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は感光体の現像不用な部分が現像され
るを防止した電子写真複写機の現像装置に関す
る。

従来この種の電子写真複写機では、原稿台上の
カバを開放した状態で原稿台の全サイズより小さ
な原稿を複写した場合、得られた複写は複写部分
の周囲がベタ黒となる大変見苦しいものとなる。
これは感光体の現像不用部分も現像されるため
で、感光体の現像不用部分の現像はベタ黒を生じ
ない場合でもトナーの消費量を増大したり、感光
体を清掃するクリーニング装置の能力を早期に低
下させたり、また複写機内を汚損したりする不具
合がある。

このため従来から感光体の現像不用部分の現像
を防止する方法が種々考案されているが、何れの
場合も構造が複雑で、複写機自体のコストアツプ
を招ねいている。比較的安価に実施できる方法と
しては、現像中に感光体に印加するバイアス電圧
を変化させる等現像装置自体の機能を変える方法
も公知であるが、この方法では感光体の現像不用
部分にトナーが付着しない反面、キヤリヤが付着
して２次的な障害も引き起すなどの不具合があ
る。

この考案はかかる従来の不具合を改善する目的
でなされたもので、磁気ブラシロールに近接して
設けた穂立ち規制ロールを回転して、穂立ち規制
ロールの磁極を変えることにより、感光体の現像
不用部分において上記磁気ブラシロールの穂立ち
を規制するようにした電子写真複写機の現像装置
を提供することにより、比較的簡単な構成で感光
体の現像不用部分が現像されるのを防止しようと
するものである。

以下この考案を図示の一実施例について詳述す
る。図において１は図示しない電子写真複写機の
感光体で、ドラム状をなしており、この感光体１
の周辺部に、該感光体１の外周面に近接して磁気
ブラシロール２が設けられている。磁気ブラシロ
ール２は現像装置の主要部を構成するもので、互
に異なる複数個の磁極Ｓ，Ｎを交互に配置した固
定磁石２ａと、この固定磁石２ａの周囲に回転自
在に設けられ、図示しない駆動系に連動して矢印
方向へと回転されるスリーブ２ｂとより構成され
ている。また上記磁気ブラシロール２の斜め上方
には穂立規制ロール３が設けられている。この穂
立規制ロール３は上記磁気ブラシロール２のスリ
ーブ２ｂ外周面と適当な間隔を存して設置された
スリーブ３ａと、このスリーブ３ａ内に設けられ
た磁石体３ｂとよりなる。スリーブ３ａは図示し
ない駆動系に連動されて矢印方向へ回転されると
共に、スリーブ３ａ内の磁石体３ｂは軸３ｃに支
持されて、この軸３ｃを中心に回動自在となつて
いる。磁石体３ｂは両端に異極となる磁極Ｓ，Ｎ
を有しており、一方の磁極ＳまたはＮが上記磁気
ブラシロール２の固定磁石２ａの例えばＳ極に対
向する位置に停止されている。

上記磁石体３ｂの軸３ｃはロータリソレノイド
のような駆動源４に接続されていて、感光体１の
軸杆１ａに取付けられたカム１ｂによりオンオフ
されるスイツチ５により180度回転が制御される
ようになつている。すなわち感光体１の潜像部分
を現像する際には固定磁石２ａの例えばＳ極に磁
石体３ｂのＳ極が対向し、感光体１の現像不用部
分が現像装置へ達したときには、上記カム１ｂに
より動作されるスイツチ５からの信号により、駆
動源４を介して磁石体３ｂが180度回転され、固
定磁石２ａの例えばＳ極に磁石体３ｂのＮ極が対
向されるようになつている。

一方６はクロスミキシング板であつて磁気ブラ
シロール２の外周面に付着して穂立ち規制ロール
３との間に達し、これらの間隙を通過できない余
剰の現像剤を図示しない撹拌機へ落下させる作用
をなす。また７は穂立ち規制ロール３外周面に付
着した現像剤を掻き落すためのブレードである。

しかして感光体１の潜像形成部分の現像に当つ
ては、穂立ち規制ロール３の磁石体３ｂの磁極
Ｓ，Ｎが第１図に示す位置にあり、これによつて
磁気ブラシロール２の固定磁石体２ａの磁極Ｓ
と、穂立ち規制ロール３の磁石体３ｂの磁極Ｓが
互に反発するため、この反発磁界によつて現像ブ
ラシロール２と穂立ち規制ロール３間の現像剤
が、反発磁界を形成する磁極に隣接する磁極側へ
移動されてこれに付着するため、現像に必要な高
さの穂立ちが形成されて感光体１の外周面に達
し、これを現像するが、感光体１の現像不用部分
が現像装置へ達すると、カム１ｂによりスイツチ
５が作動されて駆動源４が回転し、磁石体３ｂが
180度回転されて第２図に示すように固定磁石２
ａのＳ極に磁石体２ｂのＮ極が対向する。これに
より両ロール２，３間に達した現像剤の多くは穂
立ち規制ロール３側に吸着されてこれをほぼ１周
し、ブレード７に掻き取られて再び撹拌機へと循
環されるため、磁気ブラシロール２の外周面には
現像に必要な十分な穂立ちが生じず、これにより
感光体１の現像不用部分の現像が防止されるよう
になる。

なお上記実施例では感光体１とともに回転する
カム３ｂから同期タイミングを得て穂立ち規制ロ
ール３の磁石体３ｂを回転させるようにしたが、
勿論他の手段により磁石体３ｂを回転させるよう
にしてもよい。

この考案は以上詳述したように、磁気ブラシロ
ールの近傍に設けた穂立ち規制ロールの磁石体を
回転させることにより、感光体の現像不用部分に
おいて磁気ブラシロールの外周面に現像剤の穂立
ちが生じるのを規制するようにしたことから、感
光体の現像不用部分の現像が簡単な構成で確実に
防止できるようになる。これによつて得られた複
写の周囲に見苦しいベタ黒部分が生じたり、トナ
ーの消費量が増大したり、クリーニング装置や複
写機内が早期に汚染されるのを未然に防止するこ
とができると共に、穂立ち規制ロールが磁気ブラ
シロールに生じた現像剤の穂立ちを整形すること
から、別にトリマを設ける必要もない。また穂立
ち規制ロールの磁石体を用紙サイズに応じて複数
分割し、かつ用紙サイズごとにこれら磁石体を選
択的に回動するようにすれば、用紙進行方向の両
側における現像不用部分のトナー付着防止も可能
となる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は現
像状態の構成図、第２図は現像防止状態の構成図
である。 １は感光体、２は磁気ブラシロール、２ａは固
定磁石体、２ｂはスリーブ、３は穂立ち規制ロー
ル、３ａはスリーブ、３ｂは磁石体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに異なる複数個の磁極Ｓ，Ｎを円周方向に
   交互に配置した部分を有する固定磁石２ａと、該
   固定磁石２ａの周囲に回転自在に設けられかつ駆
   動系に連動して一方向へ回転されるスリーブ２ｂ
   とより成る磁気ブラシロール２により感光体１を
   現像するものにおいて、上記磁気ブラシロール２
   の近傍に、該磁気ブラシロール２のスリーブ２ｂ
   と反対方向へ回転するスリーブ３ａ及びこのスリ
   ーブ３ａ内に設けられ、かつ互に異極となる少な
   くとも一対の磁極Ｓ，Ｎを有する磁石体３ｂとよ
   りなる穂立ち規制ロール３を設けてなり、上記穂
   立ち規制ロール３の磁石体３ｂを、感光体１の潜
   像現像時は磁気ブラシロール２の固定磁石２ａと
   磁石体３ｂの同極同志が、また感光体１の現像不
   用部においては異極同志が互に対向するよう適宜
   回転手段によつて回転制御してなる電子写真複写
   機の現像装置。