JPS627545B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は粉体トナーを用いた静電式複写機に
おける現像用マグネツトロールに関する。

従来、第１図及び第２図に示す如くマグネツト
ロール１はドラム状感光体３の全長巾とほぼ同じ
巾とされ、且つ外周面が全長巾に亘り同一径大を
していると共にその全長巾に亘り粗面となるよう
にローレツト仕上げされている。この為にマグネ
ツトロール１の外周にはその全長巾（長手方向両
端まで）に亘りほぼ均一状態に粉体トナー２が集
束して附着保持される。従つて、マグネツトロー
ル１外周に保持されるトナー２のトナー穂は感光
体３外周感光面３ａの露光巾Ａ以上の長い範囲即
ち、感光面３ａ全域及びその両端に帯状に表出す
るAlベース３ｂ，３ｂまでに亘る範囲に接触す
ることとなり、これにてマグネツトロール１に与
えられている例えばＤ_c100〜200Vのバイアス電
圧がイが第２図点線に示す如く粉体トナー２中の
キヤリアーを介してAlベース３ｂからアース４
に流れてしまう。即ち、バイアス落ちが生じる。
このバイアス落ちが生じると感光体３の感光面３
ａの静電潜像部分以外のところにもトナーが附着
して、コピーの地汚れの原因となる。そこで従来
では現像タンク５の両側部に掻き落とし板６を設
けてマグネツトロール１の両端方部外周の粉体ト
ナー２を掻き落としてバイアス落ち防止を図つて
いたが、確実性に乏しく、瞬時的にバイアス落ち
が発生し、コピーに灰色の横線地汚が出来てしま
う問題があつた。

この発明は上記事情に鑑みなされたもので、そ
の目的とする処は、感光体の感光面巾及びその最
大コピーサイズの原稿露光巾や保持されるトナー
穂の高さ等を考慮してマグネツトロール自体の外
周面形状を改善することにより、従来の様な掻き
落とし板を使用せずにバイアス落ちを確実に防止
して、良質なコピーが得られるようにしたものを
提供することにある。

以下この発明の一実施例を第３図乃至第５図に
従い説明する。図中１１は現像タンク１２内に回
転可能に装着されたマグネツトロール、１３はそ
のマグネツトロール１１の近傍に所定の間隙を存
して回転可能に配設されたドラム状感光体、１３
ａは感光体１３の外周に光導電体を蒸着等するこ
とにより設けられた感光面、１３ｂ，１３ｂは感
光体１３の感光面１３ａの両端に帯状に表出する
Alベース、１４はそのAlベース１３ｂに接続さ
れたアース、なお図中Ａは感光体１３外周感光面
１３内の最大露光巾（最大コピー可能サイズの原
稿より稍々広い巾）、Ｃは上記感光面１３ａの全
長の巾である。

ここで上記マグネツトロール１１を更に詳述す
ると、１５，１５は固定軸、１６は両固定軸１
５，１５間に配されたスペーサ、１７，１８は互
に極の向きを異にして交互に複数個づつ上記スペ
ーサ１６外周に配設された磁石、１９，１９は両
固定軸１５，１５にベアリング２０を介して回転
可能に取付けられた導電性回転支持体、２１は両
回転支持体１９，１９に支持されて上記磁石１
７，１８外周に回転可能に設けられた導電性外筒
体である。その外筒体２１はその外周面に抵抗を
大きくして粉体トナー２３の附着保持力を増大さ
せるためのローレツト面２２が巾Ｂに亘つて形成
されていると共に、そのローレツト面２２の両端
に粉体トナー２３が保持され難いよう外周面を平
滑にした段状小径部２４，２４が形成されてい
る。ここでそのローレツト面２２の巾ＢはＡ＜Ｂ
＜Ｃの関係、即ち上記感光体１３の感光面１３ａ
範囲内の最大露光巾Ａより広く、且つ上記感光面
１３ａの巾Ｃより狭い範囲に設定されている。ま
たそのローレツト面２２の巾Ｂ端と感光面１３ａ
の巾Ｃ端との距離が上記ローレツト面２２に附着
保持される粉体トナー２３のトナー穂の高さＤよ
り大きくなるように設定されている。一方上記両
端の平滑段状小径部２４，２４は外筒体２１外周
面にまずこの長手方向全体に亘りローレツト加工
し、その後上述した寸法巾Ｂのローレツト面２２
を残こすべくしてその両端部所定巾の部分を該ロ
ーレツト面２２に対し所定の段差ができるように
けずり取つて平滑にすることにより形成されてい
る。その段差はこの平滑段状小径部２４，２４と
感光体１３との間に、該平滑小径部２４に保持さ
れるトナー穂の高さｄ以上の間隙が得られるよう
設定されている。

而して、この発明のマグネツトロール１１では
粉体トナー２３が外筒体２１外周のローレツト面
２２の存在する部分に多量に附着保持され易くな
り、その両端部の片滑段状小径部２４，２４外周
には高速回転に伴うスリツプ現象により粉体トナ
ー２３が附着保持され難くなる。この為に従来の
掻き落とし板を用いなくても外筒体２１の回転時
粉体トナー２３のトナー穂は第５図に示す如くロ
ーレツト面２２では高さＤのように高く、その両
端平滑段状小径部２４，２４では高さｄのように
低くなる。ここで、そのローレツト面２２の巾Ｂ
がＡ＜Ｂ＜Ｃの関係であることから、その高さＤ
の高いトナー穂は感光体１３の感光面１３ａ内の
最大露光巾Ａより広い範囲に亘り接触して静電潜
像部分をもれなく可視像化するようになる。しか
しながら上記Ａ＜Ｂ＜Ｃの関係で且つ巾Ｂ端と巾
Ｃ端との距離が高さＤより大きいことから、その
高さＤなる高いトナー穂が巾Ｃを越えてAlベー
ス１３ｂ，１３ｂに接触するようなことは一切な
くなる。また両端平滑段状小径部２４，２４がこ
れと感光体１３との間に高さｄ以上の間隔が出来
るようにローレツト面２２に対し段差をつけられ
て小径となつていることから、そこに保持される
高さｄなる低いトナー穂が感光体１３のAlベー
ス１３ｂ，１３ｂに接触することも一切なくな
る。以上により粉体トナー２３は感光体１３の感
光面１３ａの端部の露光されていない絶縁性部途
中まで接触するが、それ以上外端のAlベース１
３ｂ，１３ｂには全く接触することが無く、この
ために粉体トナー２３のキヤリヤーを介して流れ
るバイアス電圧は感光面１３ａの端部絶縁性部に
て止まつて、その更に端部の帯状に表出したAl
ベース１３ｂ，１３ｂに流れることがなく、これ
にてコピーの地汚れや横線の発生など非常に問題
となるバイアス落ち現象が一切生じなくなり、簡
単且つ確実に良質なコピーが得られるようにな
る。

この発明は以上詳述した如く、マグネツトロー
ルの外周面にドラム状感光体の感光面内の最大露
光巾Ａより広く且つ感光面巾Ｃより狭い巾Ｂでも
つてローレツト面を設けると共に、その巾Ｂ端と
巾Ｃ端との距離を該ローレツト面に保持されるト
ナー穂の高さＤより大きくし、且つローレツト面
の両端に平滑段状小径部を、これと感光体との間
に該平滑段状小径部に保持されるトナー穂ｄ以上
の間隙が得られるように上記ローレツト面と段差
を付けて設けた構成としたから、粉体トナーは感
光体の感光面内の最大露光巾Ａより稍々広い範囲
に亘り接触するが、それ以上に感光面巾Ｃ端を越
えてAlベースに接触するようなことが一切無く
なり、これにて従来の如く掻き落とし板やその他
磁気ブラシ調整部材等の附属品を全く使用せずに
バイアス落ちを確実に防止することができ、コピ
ーの地汚れや横線の発生等の問題を無くせて、簡
単且つ確実に良質なコピーが得られるようにでき
ると共に、附属品を不要とすることで現像部のコ
ンパクト化や組立ての簡略化などが図れて実用上
も極めて効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す概略的側面図、第２図は
同正面図、第３図はこの発明の一実施例を示す概
略的側面図、第４図は同正面図、第５図は同一部
拡大断面図である。 １１……マグネツトロール、１３……感光体、
１３ａ……感光面、１３ｂ……Alベース、２２
……ローレツト面、２４……段状小径部、２３…
…粉体トナー、Ａ……最大露光巾、Ｂ……ローレ
ツト面巾、Ｃ……感光面巾、Ｄ，ｄ……トナー穂
の高さ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アースされたAlベース表面に感光面をこの
   両端に該Alベースが帯状に表出するようにして
   設けてなるドラム状感光体の上記感光面の露光巾
   内の静電潜像部分に粉体トナーを吸着させて可視
   像を形成すべく該感光体外周近傍に回転可能に設
   けられる現像用マグネツトロールにおいて、その
   マグネツトロールの外周面にローレツト面を、上
   記感光体の感光面内の最大露光巾をＡ、上記ロー
   レツト面巾をＢ、上記感光体の感光面巾をＣとし
   た場合、Ａ＜Ｂ＜Ｃの関係で、且つＢ端からＣ端
   までの距離がローレツト面に保持されるトナー穂
   の高さＤより大きくなる関係で形成し、そのロー
   レツト面の両端部には外周面を平滑にした段状小
   径部を、これと感光体との間に該平滑小径部に保
   持されるトナー穂の高さｄ以上の間隙が得られる
   ようにローレツト面と段差を付けて設けたことを
   特徴とする静電式複写機における現像用マグネツ
   トロール。