JPS6361270B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は一般の乗客の他に身体障害者用の車
椅子等の車類の搬送が可能なエスカレータ装置、
特に２つの踏段によつて形成される奥行きの深い
車椅子積載用スペース構成に関するものである。

〔従来の技術〕

車類の搬送が可能なエスカレータ装置として例
えば特公昭56−41555号公報に示されたものがあ
るが、一般の乗客用踏段の間に奥行きの深い車椅
子用踏段が設けられたものであり、車椅子用踏段
によつて車椅子が搬送され、また車椅子用踏段も
一般乗客用踏段とともにエスカレータ装置の主枠
内を循環するように構成されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記のような従来のエスカレータ装置では奥行
き寸法の長い車椅子用踏段を循環させるための反
転動作時の反転半径が大きくなり深い主枠が必要
となつて設置スペース確保の上から据付け場所の
制約を受けるという問題点があつた。

この発明はかかる問題点を解決するためになさ
れたもので、奥行き寸法の長い車椅子用踏段を設
けることなく、また主枠深さを増大させることな
く一般乗客、車椅子ともに搬送できるエスカレー
タ装置を得ることを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明にかかわるエスカレータ装置は、一般
乗客用踏段と同様な踏段に昇降機構を介して可動
踏板が設けられた車椅子踏段が配置され、隣接し
た通常踏段とによつて車椅子積載スペースを構成
するものである。

〔作用〕

この発明においては、エスカレータの乗降口に
車椅子用踏段を停止させて車椅子を積載し、車椅
子用踏段の昇降機構の入力体の移動軌跡上に作動
レールを変位させて、車椅子用踏段が乗降口から
移動するに従つて作動レールと係合した入力体が
上昇変位して可動踏板を上昇させ車椅子積載用ス
ペースが維持される。

〔実施例〕

以下、第１〜第８図によつてこの発明の一実施
例を説明する。

図中、１は傾斜して配置されたエスカレータ装
置の主枠、２は主枠１に設けられて詳細は後述す
るがレールを主体として構成されて無端状をなす
循環路で、主枠１の上面側に往路２ａが、端部に
は反転部２ｂが、底面側には帰路２ｃがそれぞれ
形成されている。３は循環路２に沿つて配置され
た多数の第１種踏段で、３ａはこれの軸、３ｂは
軸３ａの両端にそれぞれ枢持された前輪、３ｃは
第１種踏段３の反軸３ａ側に枢着された後輪、
３′は第、種踏段３の相互間に配置されて第１種
踏段３と同様に構成されて循環路２中に４個設け
られ、軸３′ａ、前輪３′ｂ、後輪３′ｃを備えた
第２種踏段、３１は第２種踏段３′の踏板、３１
ａは踏板３１の縁部に配置され第２種踏段３′本
体に固定された固定踏板、３２は２本のリンクが
相互に枢着されてＸ字状をなすリンク機構を主体
として構成されて第２種踏段３′に設けられた可
動機構からなる昇降機構、３２ａは第２種踏段
３′の幅方向の両側にそれぞれ設けられ一端が第
２種踏段３′に枢着され他端は踏板３１裏面に設
けられたレール３２ｂにローラを介して摺動可能
に保持された昇降機構３２の第１リンク、３２ｃ
は一端が踏板３１裏面に枢着されて、長手中心が
第１リンク３２ａの長手中心に枢着され、かつ他
端は第２種踏段３′に設けられたレール３２ｄに
ローラを介して摺動可能に保持された第２リンク
３２ｅは一端が第１リンク３２ａの長手中心と、
第２種踏段３′との枢着端の間に枢着されて第２
図において下方に突出し突出端にローラ３２ｆを
枢持した入力体、３２ｇは第２種踏段３′に固定
されて入力体３２ｅが摺動可能に嵌合された案内
具、３２ｈは一端が第１リンク３２ａのピンに、
他端は案内具３２ｇに保持された引張りコイルば
ねからなる付勢体、４は第１、第２種踏段３，
３′の軸３ａ，３′ａに係合されて循環路２に沿つ
て配置された踏段鎖、５は主枠１に固定されて循
環路２に沿つて配置され前輪３ｂ，３′ｂを案内
する前輪リール、６は主枠１に固定されて循環路
２に沿つて配置され後輪３ｃ，３′ｃを案内する
後輪レール、７は主枠１に設けられて往路２ａに
沿つて配置されてローラ３２ｆに対応する作動レ
ール、８は主枠１の長手に適宜な間隔で設けられ
る作動レール７に対応した作動装置で、８ａはこ
れのブラケツト、８ｂはアルミニウム等の非磁性
体からなりブラケツト８ａに遊嵌されて一端が作
動レール７背面に固着された作動棒、８ｃは作動
棒８ｂを駆動する電磁石、８ｄは作動棒８ｂに固
定された吸着板、８ｅは両端がそれぞれ作動棒８
ｂ、ブラケツト８ａに保持されて作動棒８ｂを引
退方向へ付勢する圧縮コイルばねからなる付勢体
である。

すなわち、第１種踏段３の間に第２種踏段３′
が配置されて踏段鎖４によつて連結され、主枠１
に設けられた駆動装置（図示しない）により踏段
鎖４を介して第１、第２種踏段３，３′が循環路
２を循環運転される。このときに前輪レール５に
よつて前輪３ｂ，３′ｂが、後輪レール６によつ
て後輪３ｃ，３′ｃが案内され、第１、第２種踏
段３，３′は往路２ａの端部では水平移動し往路
２ａの中間部では水平姿勢を保つて傾斜移動す
る。また通常時は作動装置８の電磁石８ｃが消勢
されていて、作動棒８ｂが付勢体８ｅによつて引
退位置に保持されて第８図の状態となるので、昇
降機構３２のローラ３２ｆが作動レール７に係合
せず、付勢体３２ｈにより第１リンク３２ａが第
２図において時計方向へ回動され、第２図に示す
ように第２種踏段３′の踏板３１は後退位置に保
持されて第１種踏段３とともに循環運転され、一
般乗客が搬送される。そして、車椅子の使用者を
搬送するときには、人為操作によつて電磁石８ｃ
が付勢され作動装置８の作動棒８ｂが付勢体８ｅ
に抗して突出し作動レール７が第７図に示すよう
に前進して昇降機構３２のローラ３２ｆとの係合
位置に配置される。このため、第２種踏段３′が
往路２ａ端部の水平移動から傾斜移動に移るとロ
ーラ３２ｆが作動レール７に係合されて変位して
往路２ａの中間部の全域にわたつて作動レール７
に案内される。このときには昇降機構３２の入力
体３２ｅがローラ３２ｆを介し、また付勢体３２
ｈに抗して押圧され第１リンク３２ａが第２図に
おいて反時計方向に回動されることによつて踏板
３１が上昇し第４〜第６図に示すように隣接した
第１種踏段３の踏面に対応した位置に配置され
る。したがつて第１図に示すように循環路２往路
２ａの一方の端部において第１種踏段３とこれに
隣接し踏板３１が後退位置にある第２種踏段３′
によつて形成されるスペースに車椅子を積載しエ
スカレータを運転すると車椅子を乗せた第２種踏
段３′が傾斜移動に移るに従つて昇降機構３２の
動作によつて踏板３１が上昇し車椅子の積載スペ
ースが水平に保持される。そして車椅子を乗せた
第２種踏段３′が往路２ａの他方の端部に近ずく
に従つて作動レール７により踏板３１が次第に後
退し車椅子の積載スペースが水平に保たれて第
１、第２種踏段３，３′が水平移動に移行する。
このように不具合なく車椅子の使用者を搬送する
ことができ、また車椅子等車類の積載のため奥行
きの深い踏段を設けないので、主枠１が大形化す
ることがなく容易に据付けることができる。

また、第１〜第８図の実施例において、第２種
踏段３′の踏板３１は付勢体３２ｈにより後退位
置に保持されたものとしたが、作動レール７を循
環路２の全域にわたつて設け昇降機構３２を介し
て２種踏段３′本体に対する踏板３１の位置を制
御することも可能でああて、付勢体３２ｈを省く
ことができる。

また、第１〜第８図の実施例において、昇降機
構３２の第１、第２リンク３２ａ，３２ｃの比を
適宜に設定し踏板３１が上昇したときに主枠１下
端寄りの縁部を対向した他方の縁部よりも高い位
置とし、車椅子を安定よく積載することができ
て、安全性の高いエスカレータ装置が得られる。
更に、上記実施例においては、２つの踏段による
幅広の積載スペースの形成が車椅子搬送時に行わ
れるものとして説明したが、車椅子の搬送に限ら
れるものではないことはいうまでもない。

〔発明の効果〕

以上説明したとおりこの発明は、一般乗客用の
第１種踏段の間に、この第１種踏段と同様な第２
種踏段を配置しこの第２種踏段にＸ字状のリンク
機構からなる昇降機構を介して可動踏板を設け、
車椅子搬送時にはエスカレータの乗降口に第２種
踏段を停止させて車椅子を積載し、昇降機構の入
力体の移動軌跡上に作動レールを変位させて、第
２種踏段が乗降口から移動するに従つて作動レー
ルと係合した入力体が上昇変位することにより可
動踏板が上昇し隣接した第１種踏段とによつて車
椅子用スペースを得るものである。

これによつて車椅子の使用者等の車類を不具合
なく運搬することができ、また車類用の外形寸法
の特別な踏段を設けないので、踏段の反転半径の
増大を伴なうことがなく主枠が大形化せず設置場
所の制約が少なく容易に据付けできるエスカレー
タ装置を実現するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるエスカレータ装置の一
実施例を概念的に示す縦断側面図、第２図は第１
図の部拡大図、第３図は第２図の要部平面図、
第４図は第２図の第２種踏段の踏板が上昇した状
態を説明した図、第５図は第４図の−線断面
図、第６図は第４図の−線断面図、第７図は
第６図の部拡大図、第８図は第７図の作動装置
の動作を説明した図である。 １……主枠、２……循環路、２ａ……往路、２
ｂ……反転部、２ｃ……帰路、３……第１種踏
段、３′……第２種踏段、３１……踏板（可動踏
板、３２……昇降機構、３２ａ……第１リンク、
３２ｃ……第２リンク、３２ｅ……入力体、７…
…作動レール。なお、図中同一部分は同一符号に
より示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 傾斜して配置されて上面側に往路が端部に反
   転部が底面側に帰路がそれぞれ形成された循環路
   を構成した主枠と、上記循環路に多数が連続して
   配置されて循環運転され上記往路の端部では水平
   移動し上記往路の中間部では水平姿勢を保つて傾
   斜移動する第１種踏段と、これら第１種踏段の相
   互間に設けられて上記第１種踏段とともに循環移
   動し、かつ２本のリンクの中間部が相互に枢着さ
   れてＸ字状をなすリンク機構及び上記リンクを変
   位させる入力体からなる昇降機構を介して装着さ
   れて常時は上記第１種踏段相当の後退位置に保持
   された踏板が設けられた第２種踏段と、上記主枠
   に設けられて上記往路に沿つて配置されかつ上記
   主枠の幅方向に変位可能に構成され、車椅子搬送
   時に上記入力体の上記往路における移動軌跡上に
   変位して上記入力体と係合し上記往路の中間にお
   いて上記入力体を上昇変位させ上記踏板を隣接し
   た上記第１種踏段の踏面対応位置に上昇させる作
   動レールとを備えたエスカレータ装置。