JPS6357359B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は走行クレーンに関するものである。

〔発明の背景〕

従来の走行クレーン、例えば、天井クレーン
は、走行サドル上に２本のガーダを並設し、その
ガーダ上に該ガーダ上を横行するトロリーを設
け、そのトロリーによつて吊具を支えるように構
成されている。このタイプの天井クレーンは、２
本のガーダ上にトロリーを載せる構成のため、ガ
ーダ間に吊具が位置し、建屋走行方向への寄りに
制限を受けるという問題がある。

また、一方では、特公昭49−40819号公報に記
載のようなガーダを用い、１本のガーダ上からト
ロリーを吊り下げ、そのトロリーによつてガーダ
の中心に吊具を支える構造のクレーンがある。し
かし、このタイプのクレーンを走行させようとし
た場合には、走行時の振れを防止するために走行
サドルはある程度の長さを有する必要があり、こ
のためガーダ幅に比べて走行サドルの長さが長く
なり、吊具位置と走行サドル端部とまでにかなり
の距離を有することになつて、たはり建屋走行方
向の寄りが悪いという問題がある。

また、これらの問題を解決しようとしたものに
実開昭57−99887号公報に記載のように、走行サ
ドルとガーダとの間に転動機構を介在させてガー
ダを走行サドルの長手方向に移動可能にした天井
クレーンがある。しかし、これは、天井クレーン
の走行方向の駆動源をガーダ側に有したものの構
成、およびガーダ移動中の安全性の点について配
慮されていなかつた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、走行駆動源をガーダ側に有す
るものにおいて、安全なガーダ移動を行ない走行
方向の寄りを向上させることのできる走行クレー
ンを提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明は、走行サドル上にガーダを移動可能に
取り付け、ウオーム機構を有する駆動手段によつ
てガーダを移動させる。このとき、走行サドルの
車軸には駆動伝達手段を掛け、この駆動伝達手段
を介してガーダ側に設けた走行駆動源の駆動力を
車輪に伝える。これにより、ガーダ側に走行駆動
源を有したものにおいても、安全なガーダ移動を
行ない走行方向の寄りを向上させることができる
ようにしたものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を第１図から第５図に
より説明する。

第１図は走行クレーン、例えば、モノガーダ天
井クレーンを上からみた平面図、第２図はモノガ
ーダ天井クレーンの正面図を示す。第３図は第２
図におけるＡ―Ａ断面を拡大して示した部分断面
図、第４図は第２図におけるＢ断面を拡大して示
した部分断面図、第５図は第２図におけるＣ断面
を拡大して示した部分断面図である。

まず、第１図および第２図によりモノガーダ天
井クレーンの全体構成を説明する。ガーダ１は、
走行サドル２上移動可能に取付けられている。こ
のガーダ１と走行サドル２の取付けの様子は、後
で第４図を用いて説明するので、ここでは省略す
る。このガーダ１上にはトロリー３が載置されて
おり、トロリー３はガーダ１上を横行することが
できる。

トロリー３には、ガイドフレーム５が取付けら
れ、この下部中央部にヘツドシーブが設けてあ
る。また、トロリー３上には巻上ドラム４を設
け、巻上ドラム４と吊具７との間にロープを掛け
巻上ドラムの回転によつて吊具７の上下方向の移
動を行なう。６はガイドローラであり、ガイドフ
レーム５の下部側方部に設けてある。２４は走行
サドル２に取り付けた車輪の駆動源、すなわち、
走行駆動源である走行装置である。

次に、第３図により、吊具７の吊り方を説明す
る。第３図において、トロリー３にはガイドフレ
ーム５が取付けられ、このガイドフレーム５に
は、ガイドローラ６と、ヘツドシーブ８と、イコ
ライザシーブ９とが設けてある。ヘツドシーブ８
は、ガイドフレーム５の下部中央部に設けてあ
る。吊具７はワイヤロープ２５によつて吊下げら
れ、巻上ドラム４の回転によつて、トロリー下部
中央部を上下動するように構成される。すなわ
ち、巻上ドラム４から巻出されたロープ２５は、
ガイドローラ６、吊具７のシーブ、ヘツドシーブ
８、再び吊具７のシーブを経て、イコライザシー
ブ９に巻回されており、この場合、巻上ドラム４
の右回転で吊具７を下方を移動させることがで
き、巻上ドラム４の左回転で吊具７を上方に移動
させることができる。

この第３図に示す構成では、吊具７の位置は、
ガーダ１の中央部に位置することとなり、建屋の
両端に対してそれぞれの方向にクレーンを走行さ
せた場合に、吊具の位置は建屋端部に対してそれ
ぞれに同距離の寄りになる。また、ガーダに加わ
る力は、ガーダ中央部下部に吊具７を吊下げるの
で、ガーダ中心に荷重点がくることとなり、垂直
荷重だけとなる。したがつて、ガーダ１に捩り力
が加わらないので、ガーダ１の小形軽量化を図る
ことができる。

次に、第４図により、ガーダ１と走行サドル２
との取付けの様子を説明する。ガーダ１は、走行
サドル２上に載置してあり、このガーダ１には移
動装置が第４図に示す如く設けてある。すなわ
ち、この場合、ギヤードモータ１０、スプロケツ
トホイル１１、ローラチエーン１３、スプロケツ
トホイル１２、ウオームギヤ１４、ラジアル軸受
１５およびスラスト軸受１６からなる移動装置
が、ガーダ１の下部に設けてある。サドル２側に
は、ガーダ１の移動を行なわせるためのラツク１
７が設けてある。

また、第４図に示したウオームギヤ１４にガー
ダ１の重量が掛かることを軽減するために、この
場合、第５図に示す構成を用いている。すなわ
ち、サドル２上にガイドレール１８を取付け、ガ
ーダ１側にはガイド１９を設け、このガイド１９
とガイドレール１８とを係合し、ガイド１９とガ
イドレール１８とによつてガーダ１の重量を支持
してウオームギヤ１４にかかる力を軽減する。ま
た、このガイド１９は、ガーダ１が走行サドル２
上を移動するときのガイドを兼ねている。

通常は、第５図に示すように、サドル２の中央
にガーダ１が位置し、移動装置のウオームギヤ１
４によつて位置決めされ、走行サドル２が走行す
る。すなわち、この場合、ウオームギヤ１４をス
プロケツトホイル１１，１２およびローラチエー
ン１３を介してギヤードモータ１０によつて回転
させラツク１７上を移動させることによつて、ガ
ーダ１が走行サドル２上を移動し位置決めされ
る。この場合の位置決めは、ウオームギヤ１４と
ラツク１７との機構、すなわち、ウオーム機構に
よつて行なわれるのでで、ウオームギヤ１４とラ
ツク１７との噛み合いによつてウオームギヤ１４
の軸方向に外力が加わつても確実に位置決めさ
れ、ガーダ１を走行サドル２上の任意の位置に位
置させたままクレーンを走行させても、ガーダ１
と走行サドル２との位置はずれることがなく、ガ
ーダ１の移動およびクレーンの走行を安全に行な
うことができる。

また一方、走行サドル２の駆動系は第５図に示
すように、この場合、走行サドル２の両端にスプ
ロケツトホイル２０を有する走行ホイル２６が取
り付けてあり、スプロケツトホイル２０間に駆動
伝達手段であるローラチエーン２３を掛け渡し、
このローラチエーン２３の一部にガーダ１に取り
付けた走行装置２４の駆動軸につながる駆動出力
部であるスプロケツトホイル２１が噛み合わして
ある。また、スプロケツトホイル２１の両側には
ローラチエーン２３とスプロケツトホイル２１と
の噛み合いを取り、ローラチエーン２３の張りを
取る張車２２が配置してある。

このように構成した走行サドル２の走行、すな
わち、クレーンの走行は、スプロケツトホイル２
１の回転軸を走行装置２４によつて回転させるこ
とによつて、スプロケツトホイル２１が回転し、
これにかけ回されているローラチエーン２３がス
プロケツトホイル２０を回転させ、走行ホイル２
６を回転させることによつて行なわれる。

また、このような走行ホイル２６間にローラチ
エーン２３を掛け渡して、ローラチエーン２３の
一部にガーダ１につながるスプロケツトホイル２
１を噛み合わせた構成にしてあるので、走行サド
ル２上でガーダ１を移動させる場合に、スプロケ
ツトホイル２１がローラチエーン２３に沿つてガ
ーダ１の移動に合わせて回転移動し、ガーダ１側
に走行装置２４を有するクレーンでも走行サドル
２上でガーダ移動させることができる。

以上、本一実施例によれば、走行サドル２側の
駆動系に走行ホイル間に掛け渡したローラチエー
ン２３とローラチエーン２３の一部に噛み合うス
プロケツトホイル２１を有する駆動伝達手段と
し、ガーダ１の移動にウオーム機構を用いている
ので、走行装置２４をガーダ１に有していても、
ガーダ１の位置に無関係に走行駆動力を伝えるこ
とができるとともに、走行サドル２上でのガーダ
１の移動およびクレーンの走行を安全に行なうこ
とができ、吊具７は更に建屋に寄ることが可能で
建屋全体でのクレーンの動作可能範囲を大きくす
ることができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、走行駆動源をガーダ側に有す
るものにおいて、安全なガーダ移動を行ない走行
方向への寄りを向上させることができるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である走行クレーン
を示す平面図、第２図は第１図の正面図、第３図
は第２図をＡ―Ａから見た断面図、第４図は第２
図をＢから見た断面図、第５図は第２図をＣから
見た断面図である。 １……ガーダ、２……走行サドル、３……トロ
リー、４……巻上ドラム、５……ガイドフレー
ム、６……ガイドローラ、７……吊具、８……ヘ
ツドシーブ、９……イコライザシーブ、１０……
ギヤードモータ、１１……スプロケツトホイル、
１２……スプロケツトホイル、１３……ローラチ
エーン、１４……ウオームギヤー、１５……ラジ
アル軸受、１６……スラスト軸受、１７……ラツ
ク、１８……ガイドレール、１９……ガイド、２
０……スプロケツトホイル、２１……スプロケツ
トホイル、２２……張車、２３……ローラチエー
ン、２４……走行装置、２５……ワイヤロープ、
２６……走行ホイル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前後に走行ホイルを有し走行方向に移動可能
   な走行サドルと、 該走行サドル上に設けられ該走行サドル上を走
   行方向に移動可能なガーダと、 該ガーダを前記走行サドル上で走行方向に移動
   させるウオーム機構を有する駆動手段と、 該ガーダに設けられ前記走行ホイルの軸間で前
   記走行ホイルの軸に略平行に駆動出力部を配置し
   た走行駆動源と、 前記走行ホイルの軸間に掛け渡すとともに前記
   駆動出力部に掛け前記駆動出力部の駆動力を前記
   走行ホイルに伝達する駆動伝達手段と を有することを特徴とする走行クレーン。