JPH038706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はクレーンに係り、吊具が懸吊されてい
るワイヤロープの巻取り巻戻し用巻取りドラムを
有する巻上げ装置がクレーン本体に配置されてい
るクレーンに関する。

〔考案の背景〕

従来のクレーンは、第４図に示されるように、
４本の脚２，２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄによつて２
本のガーダ４，４Ａ，４Ｂが水平に支持されてお
り、ガーダ４には矢印方向走行可能にトロリ６が
組付けられている。このトロリ６の真下にはワイ
ヤロープ７によつて吊具８が懸吊されている。脚
２Ａと２Ｂ，２Ｃと２Ｄとはシルビーム１０によ
つてそれぞれ連結されており、このシルビーム１
０は、路面上に積上げたコンテナ群の中を通過し
やすくするためにその幅はできるだけ狭く形成さ
れており、この幅狭のシールビーム１０上に巻上
げ装置１１が長手方向に沿つて配設され、巻取り
ドラム１２は両端をシルビーム上に支持された両
端支持構造となつている。

ところが、吊荷の吊上げ時にはワイヤロープに
吊荷が荷重が作用し、巻取りドラム１２の支持部
からシルビーム１０にこの荷重に基づく曲げモー
メントが作用する。また巻上げ装置１１は巻取り
ドラム１２のほか、駆動モータ、減速ギヤ、ブレ
ーキ装置などから構成されており、これらの全重
量がシルビーム１０に作用する。そのためシルビ
ーム１０の強度を十分確保する必要があり、また
シルビームの強度確保のためにシルビームの板厚
が増し、車輪重が大となつてクレーン走行エリア
内の路面強度をそれに見合うようにしなければな
らなかつた。

〔考案の目的〕

本考案は前記従来技術の欠点に鑑みなされたも
ので、その目的はワイヤロープの巻上装置をコン
パクトなものとするとともに、芯出し作業を軽減
しかつクレーン本体の脚間に架設されているシル
ビームに作用する荷重負担を軽減することのでき
るクレーンを提供することにある。

〔考案の概要〕

前記の目的を達成するため、本考案に係るクレ
ーンはクレーン本体にワイヤロープの巻取りドラ
ムを備えた巻上げ装置が設置され、巻取りドラム
にワイヤロープを巻取り巻戻しすることによりワ
イヤロープに懸吊された吊具を昇降させるクレー
ンにおいて、巻上げ装置は巻取りドラムの駆動源
を挿通してクレーン本体の脚側板に配置され、駆
動源は一方の端面を脚側板に螺着されてその駆動
軸を横方向にして駆動軸の端面を脚側板に対向さ
せ、駆動軸に少なくとも一つの歯車を介して歯合
される環歯車が設けられ、環歯車の外周は脚側板
に螺着した枠体の内周にボールベアリングを介し
て回転自在に支持され、巻取りドラムの一方の端
面は環歯車に螺着されてあるように構成されてい
る。

この構成により、シルビームには巻上装置の重
量およびワイヤロープを介して伝達される力によ
る曲げモーメントが作用することがないので、シ
ルビームの軽量化が可能である。

〔考案の実施例〕

次に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本実施例に係るクレーンの斜視図を示
すものであり、この図において巻取りドラムを有
する巻上げ装置３０がクレーン本体の脚２Ａ，２
Ｂの内側面に設置されており、その他は従来のク
レーンと変らないため、同一符号を付すことによ
りその説明は簡略にする。

ガーダ４，４Ａ，４Ｂは４本の脚２，２Ａ〜２
Ｄによつて所定距離隔てて水平に延設されてお
り、このガーダ４にはトロリ６がガーダ４の方向
に走行可能に組付けられている。巻上げ装置３０
から延びるワイヤロープ７はロープシーブ１６，
１７，１８に順次掛回されてロープ端はガーダ４
に接続されており、巻上げ装置３０を操作するこ
とにより吊具８を昇降させてコンテナなどの吊荷
を移動させることができるようになつている。

巻上げ装置３０は、第２図および第３図に示さ
れるように、駆動歯車である太陽歯車３２のまわ
りにこれと噛合い軸心が固定されている遊星歯車
３４，３４Ａ，３４Ｂが配置され、この遊星歯車
３４と噛合う内歯を有する環歯車３６がこれらの
歯車３２，３４を取り囲むように配置されて遊星
歯車機構が形成されている。遊星歯車３４Ａ，３
４Ｂは脚２Ａ，２Ｂの対向する内側面と取付座４
９との間に固定された軸４０，４０Ａ，４０Ｂに
ボールベアリング４２を介して組付けられてお
り、太陽歯車３２は減速機３６を介して駆動モー
タ（駆動源）３８に連結されて一体となつて駆動
部が形成されており、駆動源３８のケーシングの
一方側の端面は脚２の側板の取付座４９にネジ止
めで螺着されている。そして駆動源３８の駆動軸
を横方向にして駆動軸の端面を脚２の側板に対向
させている。環歯車３６は巻取ドラム４８の一端
側に螺着され少なくとも一つの歯車を介して駆動
軸に歯合されるとともに、環歯車３６の外周は脚
２の側板に螺着された枠体４７の内周にボールベ
アリング４６を介して回転自在に支持されてお
り、この環歯車３６には内部に駆動部を挿通させ
て巻取りドラム４８の端部がネジ止めにより固定
されている。そして、駆動モータ３８により太陽
歯車３２を駆動させ、第３図に示すように遊星歯
車３４を介して環歯車３６と一体に巻取りドラム
４８を回転させてワイヤロープ７を巻取り巻戻し
するようになつている。

本実施例では、巻取りドラム４８を片持支持構
造をするとともに、ドラム４８内に減速機３６お
よび駆動モータ３８を組込んだことから、巻上げ
装置全体をコンパクトなものとすることができ、
またこれによつて巻上げ装置が吊具の移動の邪魔
となることはない。またドラムを片持支持構造と
することにより、減速機３６、ブレーキ付駆動モ
ータ３８などこの連結した部品を予め枠体４６に
セツトしておき、巻取りドラム４８を挿通してそ
の一方の端面を螺着すれば良いため、芯出し作業
が不要で取付作業が楽になる。

また巻上げ装置は脚２に設置されており、シル
ビーム１０には巻上げ装置の重量およびワイヤロ
ープの張力に基づく曲げモーメントが作用するこ
とはないので、シルビーム１０の軽量化を達成で
きる。その結果、クレーン車輪重も小さくなり、
路面の耐久性も向上する。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、巻取りドラムの一端が歯車を介して駆動源に
歯合されるとともに、脚側板に回転自在に支持さ
れる巻上げ装置を備え、駆動部の芯出し作業が不
要でかつシルビームに荷重負担をかけることのな
いクレーンを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るクレーンの斜視図、第２
図は吊具が懸吊されるワイヤロープを巻上げる巻
上げ装置の縦断面図、第３図は巻上げ装置の遊星
歯車機構を示す平面図、第４図は従来のクレーン
の斜視図である。 ２，２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄ……脚、４，４
Ａ，４Ｂ……ガーダ、７……ワイヤロープ、８…
…吊具、１０……シルビーム、１６，１７，１８
……ロープシーブ、３０……巻上げ装置、３２…
…駆動歯車である太陽歯車、３４，３４Ａ，３４
Ｂ……遊星歯車、３６……減速機、３８……駆動
モータ、４０，４０Ａ，４０Ｂ……軸、４２，４
６……ボールベアリング、４８……巻取りドラ
ム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クレーン本体にワイヤロープの巻取りドラムを
   備えた巻上げ装置が設置され、巻取りドラムにワ
   イヤロープを巻取り巻戻しすることによりワイヤ
   ロープに懸吊された吊具を昇降させるクレーンに
   おいて、前記巻上げ装置は前記巻取りドラムの駆
   動源を挿通して前記クレーン本体の脚側板に配置
   され、前記駆動源は一方の端面を前記脚側板に螺
   着されてその駆動軸を横方向にして該駆動軸の端
   面を前記脚側板に対向させ、前記駆動軸に少なく
   とも一つの歯車を介して歯合される環歯車が設け
   られ、該環歯車の外周は前記脚側板に螺着した枠
   体の内周にボールベアリングを介して回転自在に
   支持され、前記巻取りドラムの一方の端面は前記
   環歯車に螺着されてあることを特徴とするクレー
   ン。