JPS6357182B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、自動加工工程において、加工を指示
されたワークをNCパレツト上にプリセツトする
ためのワークのプリセツトシステムに関する。

機械加工工場の物流システムを自動化した自動
加工工程においては、品種数、工程数の多い工程
スケジユールを、いかにして無駄なく、かつ最短
の納期で実行するかが問題となるが、本発明はこ
のような点に鑑み、NC工作機械に供給するNC
パレツトへの素材（ワーク）のセツテイング作業
の集中化、専門化を図ることにより、物流システ
ム全体の能率向上、精度の向上等を図るものであ
る。

以下添附した図面を参照しつつ、本発明を具体
化した実施例について詳しく説明する。ここに第
１図は、本発明の一実施例に係るシステム全体の
レイアウトを示す平面図、第２図は、同システム
の物流全体を示すブロツク図、第３図は、同シス
テムにおけるプリセツト作業の順序を示すフロー
チヤート、第４図は同ブロツク図である。

本発明においては、全ての物品はNCパレツ
ト、若しくは一般の木製パレツトに載架されて運
搬される。NCパレツトは、NC機械にワークを
供給するためのパレツトで、ワークはNCパレツ
トに治具により取り付けられたままで運搬され、
加工される。従つて、ワークの位置決め精度上、
NCパレツト自身の精度が重要であると共に、
NCパレツト上へのワークのセツテイング（位置
決め）精度が極めて重要であり、このようなセツ
テイングは熟練者によつて治具を用いて、セツテ
イングエリアにおいて行われる。

又、本発明においては、コンピユータで入出庫
の管理が行われる自動倉庫が必須の要件である
が、これは第１図に示すような２列以上の倉庫を
用いてもよいが、また素材ロツトの量や取り扱う
部品数が少ない場合は、自動倉庫を１個にしても
よく、ワークセツト済みNCパレツトの物流管理
は、上記パレツトに付されたパレツト番号によつ
て行われ、その他のワーク、治具、木製パレツト
等の管理は部品コードで行ない部品表示の格一化
が図られる。

以下の実施例では、二列の自動倉庫を用いた場
合について説明する。第１図に示す如く、後方の
第１倉庫A₁は、それぞれ独立した複数の格納ブ
ロツクB₁，B₂，B₃………Bi………より構成され
ており、前方の第２倉庫A₂は、複数の格納ブロ
ツクＡ，A′，Ｂ，B′，Ｃ，C′，………Ｎ，N′の
ように左右に並んだ２個のブロツクＮとN′が一
対となつた状態の複数のブロツク及び独立した複
数の格納ブロツクによつて構成されている。両倉
庫間には両倉庫に平行に走行するスタツカークレ
ーン１が配備されており、部品や治具を載せてい
るか、又は載せていない空のパレツトを倉庫A₁
とA₂の間で移し換えたり、出庫装置２又は入出
庫装置３又は４へ運搬したりする。入出庫装置３
は通常の入出庫用でコンベア等によつて構成され
ており、入出庫時に入出庫する部品名、治具名、
ロツト番号、数量、等を載架するパレツト番号と
共にメインコンピユータに入力するための端末機
である入出庫設定盤５及び入庫が可能か否かを報
知する入庫可表示灯６が入出庫装置３の側部に設
けられている。当然ながらクレーン１のスライド
フオークは、倉庫A₁へも、又A₂へも出入りしう
るように構成されている。出庫装置２は、NCパ
レツト上に未加工ワークをセツトしたセツト済み
NCパレツトｆの搬出専用で、ここより搬出され
るNCパレツトｆの番号は、同出庫装置２に設け
たパレツト番号読取り装置によつて読み取られ、
コンピユータの内部記憶と照合される。

第２倉庫A₂の前面には、レール７に沿つて走
行するクレーンの一種であるトラバーサ８が配備
されており、このトラバーサ８には二組のスライ
ドフオークが取り付けられていて、同時に格納ブ
ロツクＮとN′からパレツトを取り出し、又は払
い出しすることができ、搬送能率を向上させる。

トラバーサ８の前面はセツテイングエリアで、
トラバーサ８から直接又はローデイングステーシ
ヨン９を介して種々のパレツトを受け渡すコンベ
ア１０、セツト、リセツトの作業台であるターン
テーブル１１及び自動トレーラRTへNCパレツ
トを受け渡すコンベア１２より成る第１セツテイ
ングエリアST₁及びコンベア１０′、ターンテー
ブル１１′、コンベア１２′より成る第２セツテイ
ングエリアST₂が設けられている。第１セツテイ
ングエリアST₁は、現在加工中ロツトのワークを
NCパレツトに付けかえるためにのみ用いられ、
第２セツテイングエリアST₂は、第１セツテイ
ングエリアST₁でのオーバーフロー分、次のロ
ツト分の準備作業（プリセツト作業もこれに含ま
れる）、夜間作業で完成したワークをNCパレ
ツトからリセツトする場合、等の処理を行うもの
である。両セツテイングエリアST₁，ST₂の側部
には、セツト又はプリセツトを行う状況であるこ
とを表示し、又セツテイング、プリセツテイング
を行つた部品、パレツト等に関する情報をコンピ
ユータに入力するための端末機であるセツテイン
グ表示盤１３、セツテイング設定盤１４が設けら
れており、オペレータはこの表示盤の表示を見て
セツテイングエリアの情況がセツト又はプリセツ
ト作業モードであることを確認して、プリセツト
作業等を行う。又、コンベア１０又はターンテー
ブル１１上には、NCパレツトが載架された時に
載架信号を発つし、そのNCパレツトに対応する
治具やワークの出庫が可能であることを報知する
リミツトスイツチ、フオトスイツチ等よりなる載
架確認手段が設けられている。

以上述べたシステムにおける物流手順の概要を
次に説明する。各NC機械Ｍ，Ｍ，………で加工
された完成品は、床面に敷設した誘導線Ｌに導か
れる自動トレーラRTに乗せられて、セツテイン
グエリアST₁又はST₂へ運ばれる。セツテイング
エリアST₂のローデイングステーシヨン９′，
９′へは、それぞれ一対のパレツトが置かれる。
各パレツトは空か、完成品又は未加工ワーク又は
治具が箱に入れられて乗せられている。

例えば、あるロツトの加工が開始される最初の
状態としては、未加工品セツト済NCパレツトを
工作機械に受給しなければならないから、入出庫
装置３からクレーン１によつて倉庫A₁又はA₂に
収納した未加工ワークを載せたパレツトｃと治具
パレツトａ及び空NCパレツト、空パレツトをク
レーン１及び／又はトラバーサ８を使つてセツテ
イングエリアST₁又はST₂に搬出する。セツテイ
ングエリアST₁において、オペレータは、完成品
をNCパレツトから外して、完成品積載用パレツ
トに積載し、ワークを取り出してNCパレツト上
に治具を用いてセツトし、セツテイング設定盤に
作業完了の信号を入力する。コンピユータは取り
出し終つたワークのパレツト及び完成品積載パレ
ツトを、トラバーサ８で第２倉庫の所定の格納ブ
ロツクＮ，N′へ送り込むように指示する。この
時取り出したワークの数及び完成品の積載数は、
セツテイング設定盤１４よりコンピユータに送ら
れ、記憶されている在庫数量が調整される。NC
機械前のパレツト交換装置に、加工待ちパレツト
がない時、次加工品が自動倉庫から自動的に出庫
装置に払い出される。自動トレーラRTは、コン
ピユータの指令に従つて、指定されたNC機械ま
で未加工品を載せたプリセツト済みNCパレツト
ｆを運搬し、NC機械は自動加工を行う。こうし
て次々に未加工品がNC機械に送られ、加工を終
了すると、終了のサインがNC機械よりコンピユ
ータに送られる。

コンピユータは、このサインに応じて自動トレ
ーラをNC機械まで走らせ、加工済NCパレツト
ｇをセツテイングエリアまで運ばせる。同時にコ
ンピユータは、クレーン１及びトラバーサ８にも
指令を出して、完成品積載用空パレツトａと素材
ワークパレツトｃを一対として取り出し、セツテ
イングエリアST₁に送る。同じ製品を順次加工す
る場合には、オペレータは完成品を前記空パレツ
トａに乗せ（以後完成品パレツトｄとなる）、未
完成品を必要数取り出してセツトし、セツト完了
の設定をセツテイング設定盤に行う。

これにより、コンピユータの指令によつてクレ
ーン１がそのパレツトを第２倉庫A₂の所定のブ
ロツクＮ，N′へ運ぶ。このとき、未加工品パレ
ツト積載数が０のとき、更に空パレツトとして第
１倉庫A₁に入庫し、かわつて未加工品を載せた
パレツトを取り出して第２倉庫A₂の所定のブロ
ツクＮへ送る。完成品の載つたパレツトｄは、第
２倉庫A₂の所定のブロツクN′に運ばれるが、満
杯のとき出庫装置１５より搬出される。以上述べ
たあらゆる入出庫及びセツテイングエリアでの部
品の授受は、逐一入出庫設定盤５、セツテイング
設定盤１４等よりコンピユータへ知らされ、在庫
管理及び各NC機械、自動トレーラの工程管理が
行われる。

これまで述べたのは現在加工中のロツトについ
てのセツテイング作業手順であるが、このシステ
ムでは、近い将来加工する予定のロツトについ
て、予めセツテイングしておき、セツテイング作
業の能率を向上させることができる。これがプリ
セツト作業で、加工ロツト先頭ワークに用いる数
パレツトのセツテイングであり、第２セツテイン
グエリアST₂で行われる。即ち、第２図乃至第４
図に示す如く、プリセツト作業は、プリセツト作
業開始設定１の作業から開始する。この作業では
現時点プリセツト作業を行うことが可能か、又は
適切であるか否かの確認を行う。プリセツト作業
は、リセツト作業、第１セツテイングエリアST₁
がオーバーフロー又はセツトリセツト作業中の場
合には行うことができない。このような情報は、
セツテイング表示盤１３の操作によりコンピユー
タの内部データをCRTデイスプレー、ミニプリ
ンター等に表示して確認される。プリセツトに優
先する作業がない場合には、セツテイング設定盤
上のキーの操作により、プリセツト情報リストを
発行させる（）。このリストにはそのロツトの
品番、品名、納期と共に、必要なNCパレツト、
治具、ワークの入庫数等が納期順に記載される。
オペレータは、このリストから適切なロツトを選
択し、その番号を表示盤１３へ入力する（）。
このプリセツトロツト番号設定によつてコンピユ
ータは予め自動倉庫に収納されたNCパレツト単
体ｂ、素材パレツトｃ、治具を載せたパレツトｅ
をセツテイングエリアST₁に取り出すべく、クレ
ーン１、トラバーサ８に指令を発する。そこでク
レーン１は、指定された格納ブロツクからNCパ
レツト単体ｂを取り出し第２倉庫A₂の中間ステ
ーシヨンＳ，S′に運び、トラバーサ８が中間ステ
ーシヨンＳ，S′からコンベア１０を経てターンテ
ーブル１１へNCパレツト単体ｂを載架する。同
時に、素材パレツトｃ、治具パレツトｅが中間ス
テーシヨンＳ，S′を通つてローデイングステーシ
ヨン９へ運び出される（）。この手順が完了す
るとコンピユータよりのプリセツト作業指示が出
され（）、オペレータはこうして運び出された
治具を使つてワークをNCパレツトにプリセツト
する（）。セツト済NCパレツトｆはコンピユ
ータの指令に従つて再度トラバーサ８、中間ステ
ーシヨンＳ，S′、クレーン１を経て第１倉庫A₁
の所定ブロツクに格納される（）。この再格納
の指令は作業完了数のみ（但しパレツト積載数が
データと異る場合はプリセツトされた部品数）を
設定盤より入力し、プリセツトの完了をコンピユ
ータに報らせることにより行われる（）。また、
使用済みの空パレツトａや残素材のパレツトｃ、
残治具のパレツトｅも所定のブロツクに収納され
る。こうして格納されたセツト済みパレツトｆ
は、NC機械からの要求に応じて適時出庫装置２
から出庫され、自動トレーラRTによつて、NC
機械へ搬送される。第２倉庫A₂の待期ステーシ
ヨンＡ，A′，Ｂ，B′………は現在加工中のロツ
トについての完成品積載用パレツトａ、素材パレ
ツトｃを一時的に格納し、作業の能率化を図るも
のである。第２図は上記した全てのパレツトの流
れを示すもので、各矢印に添えたａ〜ｇの符号
は、上記説明に用いた各パレツトに付した符号と
一致し、それぞれのパレツトの流れを示す。

本発明は以上述べたように、コンピユータによ
り入出庫数が管理される自動倉庫の前面に設けら
れ、この自動倉庫に沿つて走行し２組のスライド
フオークを有するトラバーサを具備するワークセ
ツテイングエリアと、上記自動倉庫の前面に設け
たワークセツテイングエリアと、この自動倉庫か
ら部品を供給する複数の工作機械とを連結し、自
動トレーラが走行する閉ループ状の搬送路と、こ
のワークセツテイングエリアに設けられ、上記ト
ラバーサとの間で荷の受け渡しを行うローデイン
グステーシヨンと、NCパレツトへのセツト・リ
セツト作業用のターンテーブルと、更に、上記コ
ンピユータの作業モードをセツト・リセツト作業
モードと、プリセツト作業モードとの間で切り換
えるセツテイング設定盤とを具備してなる自動加
工工程におけるワークのプリセツトシステム装置
であつて、上記セツテイング設定盤には、少なく
とも、上記コンピユータのモードをセツト・リセ
ツト作業モードとプリセツト作業モードとの間で
切り換える切換え手段と、現在のモードがいずれ
のモードであるかを表示する表示手段と、現在プ
リセツトが必要なワークのリストを上記コンピユ
ータからの入出庫管理情報により発行させるリス
ト発行手段と、発行されたリストからオペレータ
が選択したロツト番号を入力するプリセツトロツ
ト番号の入力手段と、オペレータによるプリセツ
ト作業が終了した時点で、プリセツトが完了して
いるワーク付きのパレツトの自動倉庫への格納を
指令する格納指令手段とを具えており、上記コン
ピユータは上記切換手段によるプリセツト作業モ
ードへの切換えの後、上記入力手段により入力さ
れたプリセツトロツト番号に基づいて、当該ロツ
トのプリセツトに必要なNCパレツト、素材、治
具を載せたパレツトを自動倉庫から上記ワークセ
ツテイングエリアへ出庫するべく上記自動倉庫お
よびトラバーサを動作させ、上記格納指令手段に
基づいては、上記自動倉庫およびトラバーサがプ
リセツトの完了したワーク付きパレツトをワーク
セツテイングエリアから自動倉庫の所定ブロツク
へ入庫するべく動作させるようになつていること
を特徴とする自動加工工程におけるワークのプリ
セツトシステム装置であるからセツト・リセツト
作業とプリセツト作業との切換え時に、共通のワ
ークセツテイングエリアで対応できるので、従来
の加工システムのように、セツテイングテーブル
とリセツテイングテーブルとを別個に設ける必要
がなく、工作機械の台数に対してはるかに少ない
ワークセツテイングエリアでまかなえることにな
つた。

また本発明では、自動倉庫からワークセツテイ
ングエリアへは２組のスライドフオークを有する
スタツカークレーンで、例えば空パレツトと未加
工ワーク等を同時に送り、ワークセツテイングエ
リアと工作機械との間を自動トレーラで未加工ワ
ークと加工完了ワークとを交互にとんぼ返り的に
運搬して同一ロツトの製品を次々に迅速に加工す
ることができるので、従来技術に較べてはるかに
作業能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例に係るシステム全
体のレイアウトを示す平面図、第２図は、同シス
テムの物流全体を示すブロツク図、第３図は、同
システムにおけるプリセツト作業の順序を示すフ
ローチヤート、第４図は同ブロツク図である。 （符号の説明）、A₁，A₂……自動倉庫、ST₁…
…第１セツテイングエリア、１……クレーン手
段、１３……セツテイング表示盤、１４……セツ
テイング設定盤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンピユータにより入出庫数が管理される自
   動倉庫の前面に設けられ、この自動倉庫に沿つて
   走行し２組のスライドフオークを有するトラバー
   サを具備するワークセツテイングエリアと、 上記自動倉庫の前面に設けたワークセツテイン
   グエリアと、この自動倉庫から部品を供給する複
   数の工作機械とを連結し、自動トレーラが走行す
   る閉ループ状の搬送路と、 このワークセツテイングエリアに設けられ、上
   記トラバーサとの間で荷の受け渡しを行うローデ
   イングステーシヨンと、NCパレツトへのセツ
   ト・リセツト作業用のターンテーブルと、更に、
   上記コンピユータの作業モードをセツト・リセツ
   ト作業モードと、プリセツト作業モードとの間で
   切り換えるセツテイング設定盤と を具備してなる自動加工工程におけるワークのプ
   リセツトシステム装置であつて、 上記セツテイング設定盤には、少なくとも、上
   記コンピユータのモードをセツト・リセツト作業
   モードとプリセツト作業モードとの間で切り換え
   る切換え手段と、現在のモードがいずれのモード
   であるかを表示する表示手段と、現在プリセツト
   が必要なワークのリストを上記コンピユータから
   の入出庫管理情報により発行させるリスト発行手
   段と、発行されたリストからオペレータが選択し
   たロツト番号を入力するプリセツトロツト番号の
   入力手段と、オペレータによるプリセツト作業が
   終了した時点で、プリセツトが完了しているワー
   ク付きのパレツトの自動倉庫への格納を指令する
   格納指令手段とを具えており、上記コンピユータ
   は上記切換手段によるプリセツト作業モードへの
   切換えの後、上記入力手段により入力されたプリ
   セツトロツト番号に基づいて、当該ロツトのプリ
   セツトに必要なNCパレツト、素材、治具を載せ
   たパレツトを自動倉庫から上記ワークセツテイン
   グエリアへ出庫するべく上記自動倉庫およびトラ
   バーサを動作させ、上記格納指令手段に基づいて
   は、上記自動倉庫およびトラバーサがプリセツト
   の完了したワーク付きパレツトをワークセツテイ
   ングエリアから自動倉庫の所定ブロツクへ入庫す
   るべく動作させるようになつていることを特徴と
   する自動加工工程におけるワークのプリセツトシ
   ステム装置。