JPS635271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車載用機器を車両にワンタツチで取付
けられるようにした固定具に関する。

従来、車に塔載する音響機器などはドライバー
などの工具を用いて車両のダツシユボードの底部
に直接取付けていた。しかし、車載用機器は比較
的重量があり、またスピーカーなどへの配線のた
めのリード線が出ているなどの理由で一人でその
取付作業をするには煩雑を極める欠点があつた。

また、この車載用機器は車両に対して取付けた
後に固定されてしまうため、その操作面の位置を
任意な方向（例えば上下方向）に設定することが
できない欠点があつた。

本考案は上記従来の問題点に着目してなされた
ものであり、車載用機器を車両に対しワンタツチ
で取付けられるようにするとともに、取付けた後
でもその操作面の方向は任意に設定できるように
した車載用機器の固定具を提供することを目的と
している。

本考案による車載用機器の固定具は、車両に固
定されるブラケツトの一端にフツクが形成され、
他端には前記フツクを中心とする円弧形状の縁部
が形成されて、この縁部に前記フツクと逆向きに
開口する複段のフツクが形成されており且つ、車
載用機器に固定される支持具には、前記各フツク
に掛止されるピンが間隔を開け且つ互いに接近す
る方向へ付勢されて設けられて成るものである。

以下、本考案の実施例を図面によつて説明す
る。

第１図、第２図は本考案による固定具を状態別
に示す側面図である。

図中の符号１は車載用機器の一例としての音響
機器である。この音響機器１の筐体はケース本体
２とその前部に組付けられたノーズ３とから成つ
ており、このノーズ３の前面が操作面４である。

この音響機器１は車両のダツシユボードの底部
５に固定具６を介して取付けられている。この固
定具６はブラケツト７と支持具８とから成つてい
る。

第３図にブラケツト７を斜視図にて示す。この
ブラケツト７は上面９に穴１０が穿設されてい
る。この穴１０はブラケツト７を前記ダツシユボ
ードの底部５にねじ（図示せず）を介して固定す
るためのものである。また、この上面９の両側に
はプレート１１，１１が相対向して下方に折曲げ
形成されている。このプレート１１の一側に前方
斜め下方から切欠かれたフツク１２が形成されて
いる。また、他側の端部１３はフツク１２の切欠
き中心Ｏを軸として円弧状となる形状に形成され
ている。この端部１３には二段のフツク１４，１
４ａが上下に設けられている。また、上記プレー
ト１１のフツク１２に対向して小プレート１５が
上面９から下方に折曲げ形成されている。この小
プレート１５にはフツク１２と同位置同方向にフ
ツク１６が設けられている。このフツク１２，１
６は後述する金具１７の長穴１９に挿通されたロ
ツクピン２１に掛止される。

第４図、第５図に支持具８を平面図ならびに側
面図にて示す。この支持具８は側部をコの字状に
折曲げ形成された金具１７が前記ケース本体２の
上面の両側に対称に取付けられている。また、こ
の折曲げられた立面部１８の図面視右手方向（音
響機器１のノーズ３方向）に前後に長い長穴１９
が穿設されており、その逆方向には丸穴２０が穿
設されている。この長穴１９および丸穴２０には
ロツクピン２１が挿通されている。このロツクピ
ン２１は端部にフランジ２２が形成されており、
このフランジ２２と外側の立面部１８との間には
間隙Ｃが設けられている。そして内側立面部１８
から突出されたロツクピン２１の先部２１ａにＥ
ワツシヤ２３が装着されて、ロツクピン２１は抜
け止めされている。また、上記長穴１９に挿通さ
れたロツクピン２１にはばね２４の一端が掛止さ
れている。このばね２４はロツクピン２１を他方
のロツクピン２１方向へ付勢すべく、他端が上記
金具１７の底面から切り起しされた突起２５に掛
止されている。なお、長穴１９に挿通されたロツ
クピン２１の間隙Ｃには前記ブラケツト７のプレ
ート１１が設けられたフツク１２が掛止し、ま
た、丸穴２０に挿通されたロツクピン２１の間隙
Ｃにはフツク１４，１４ａが掛止されるものであ
る。

次に、上記構成による本考案の作用ならびに効
果を説明する。

先ず、あらかじめ車両のダツシユボードの底部
５にブラケツト７を取付けておく。この取付け作
業はブラケツト７のフツク１２を運転席方向へ向
け、上面９を底部５に当接させ、ねじ（図示せ
ず）を穴１０から螺入させて行なう。

このようにして底部５に固定されたブラケツト
７に音響機器１を装着する。すなわち、音響機器
１の操作面４を運転席方向へ向けて、ケース本体
２の上面に取付けられた金具１７の長穴１９に挿
通されているロツクピン２１の間隙Ｃ部分と先部
２１ａを上記ブラケツト７のプレート１１に設け
られたフツク１２と小プレート１５に設けられた
フツク１６に対し、下方から掛止する。そして、
音響機器１を図示左方向へ押し出すとロツクピン
２１がばね２４の付勢力に抗して長穴１９内の他
端までスライドする。これにより、このロツクピ
ン２１と後方の丸穴２０に挿通されたロツクピン
２１とのスパンは拡げられる。この状態のまま音
響機器１の後部を、上記フツク１２，１６に掛止
されたロツクピン２１を中心として上方へ旋回さ
せる。その結果、丸穴２０に挿通されたロツクピ
ン２１が上記ブラケツト７の端部１３上を摺動す
る。このロツクピン２１がフツク１４ａに対向す
る位置にきたところで音響機器１に対する押出力
を解くと、上記フツク１２，１６に掛止されたロ
ツクピン２１はばね２４の復元力で戻される。ロ
ツクピン２１，２１間のスパンは初期状態になる
ため、丸穴２０に挿通されたロツクピン２１はフ
ツク１４ａに嵌着される。この状態で音響機器１
は操作面４が斜め上方に傾斜した姿勢で固定され
る（第１図の状態）。

操作面４を第２図に示すように水平にするに
は、上述旋回動作を、丸穴２０に挿通されたロツ
クピン２１がフツク１４に対向する位置まで行な
つてから、音響機器１に対する押出力を解けばよ
い。

なお、図の実施例ではプレート１１の端部１３
に二段のフツク１４，１４ａを設けたが、このフ
ツクを三段以上にしてもよい。また、ブラケツト
にロツク部材を設け、支持具にフツクを設けても
よい。

以上のように、本考案によれば、車載用機器に
固定される支持具に設けられたピンをブラケツト
に形成されているフツクに掛止させるだけで車載
用機器をブラケツトに取付けることができる。ま
た車載用機器の設置角度を変える際には、ばねに
よつて付勢されているピンをブラケツトに設けら
れた円弧状の縁部に摺動させて複段のフツクのい
ずれかに掛止させるようにしている。このとき支
持具に設けられた一対のピンのうちの一方を支点
とし、他方のピンを支点側を中心として円弧状に
形成された縁部に摺動させることによつて角度を
変えるようにしているので、ピンが円弧状の縁部
を摺動することによつて車載用機器の角度をスム
ーズに変化させることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案による固定具を状態別
に示す側面図、第３図はブラケツトの斜視図、第
４図は車載用機器に取付けた支持具の平面図、第
５図はその側面図である。 １……車載用機器、６……固定具、７……ブラ
ケツト、８……支持具、１２，１４，１４ａ，１
６……フツク、２１……ロツク部材、２４……ば
ね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両に固定されるブラケツトの一端にフツクが
   形成され、他端には前記フツクを中心とする円弧
   形状の縁部が形成されて、この縁部に前記フツク
   と逆向きに開口する複段のフツクが形成されてお
   り且つ、車載用機器に固定される支持具には、前
   記各フツクに掛止されるピンが間隔を開け且つ互
   いに接近する方向へ付勢されて設けられて成る車
   載用機器の固定具。