JPS6351896B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車のドアに取付けるアームレスト
に関する。

一般にブロー成形により中空状に形成したアー
ムレストは、例えば実開昭56−111026号に示され
ている如くアームレストにおけるドアとの取付面
に螺子孔を備えたボス部を一体形成し、ドアのイ
ンナパネルに挿通したビスを、前記螺子孔に螺着
することで前記アームレストをドアの内側面に固
定するごとくしているが、以上の構造のものでは
ドアのインナパネルの裏面側からビスを通して前
記螺子孔に螺着しなければならず、前記アームレ
ストの取付作業性が悪く、又、アームレストの内
部が中空状であるため強度上問題がある。

そこで近年では、前記取付面と対向する側面に
開口し、且つ該側面から前記取付面に延出する有
底筒状の補強リブを一体形成し、該補強リブによ
つてアームレストの強度を向上させるとともに、
該リブの底面にビスの挿通孔を形成して前記側面
側からビスをドアのインナパネルに螺着可能と成
すことによりドアへの取付けが容易に行なえるよ
うにしたアームレストが開発されている。

ところが、例えばアームレストの内部空間を小
物入れとして利用すべくアームレストを大形とし
た場合には、前記補強リブが相当の深絞り形状と
なり、そのため、該アームレストの成形に伴な
い、前記補強リブにヒケや割れが発生するという
問題がある。

以上の問題点に対しては、前記補強リブの開口
部を大きく形成して、該リブの周側壁を底部に向
つて徐々に絞り込めば解消できるとしても、反
面、前記開口部が車室側に大きく露呈して外観を
損なうばかりか、アームレストの内部空間が狭く
なり、該内部空間を小物入れとして有効に利用す
ることが難しくなるのである。

本発明はこのような実情に鑑みて発明したもの
であつて、目的とするところは、極めて簡単な構
成で、強度的にも優れ、しかも、成形時、補強リ
ブにヒケや割れが発生することがなく、その上、
タツプンねじやビス等による前記アームレストの
ドアへの取付け時、取付け作業が容易に行なえる
アームレストを提供せんとするにある。

更に詳しくはブロー成形により中空状に成形し
たアームレストにおけるドアボデイへの取付部
に、表面材料を凹入した表側凹入部と、裏面材料
を凹入した裏側凹入部とを一連に設けて、前記ド
アボデイより一定長さ離反した位置に、前記両凹
入部に共用する底壁を形成し、該底壁の中心に、
貫通孔を設けて前記両凹入部を貫通させると共
に、前記裏側凹入部に前記ドアボデイへの取付ね
じ体を保持する保持面をもつた台形形状の保持筒
を固定したことを特徴とするものである。

以下本発明にかゝるアームレストを図面に示す
実施例に基づいて説明する。

図において１は、合成樹脂材料をブロー成形に
より中空状、換言すれば断面略々ボツクス状に形
成したアームレスト本体であつて、このアームレ
スト本体１の上壁面１ａに開口部１０を設け、該
アームレスト本体１の内部空間を小物入れとして
利用可能と成す一方、前記開口部１０に薄肉ヒン
ジ１１を介してリツド１２を一体に設け、このリ
ツド１２により前記開口部１０を開閉すべく成し
ている。

図面に示したものは、前記アームレスト本体１
をブロー成形により形成した後に、前記上壁面１
ａを一部コ字形に切欠き、この切欠きにより形成
される切欠片を前記リツド１２として用いるべく
成しているのであり、又該リツド１２の基部に設
ける薄肉ヒンジ１１はアームレスト本体１のブロ
ー成形時にあらかじめ形成しておくのである。

而して本発明は、前記アームレスト本体１にお
けるドアボデイ２への取付面となる裏壁面１ｂと
該裏壁面１ｂと対向する表壁面１ｃとにそれぞれ
前記アームレスト本体１の内部空間内に凹入する
裏側凹入部３及び表側凹入部４を相対向させて設
けるのであつて、具体的にはアームレスト本体１
のブロー成形時に用いる金型内に前記両凹入部
３，４を形成するための一組の圧縮部を相対向し
て設けておき、押出ダイにより押出されたパリソ
ンを前記金型内にセツトして圧縮空気を前記パリ
ソン内に圧入することで、第２図に示す如く前記
アームレスト本体１の裏壁面１ｂ及び表壁面１ｃ
をそれぞれ凹入させて前記両凹入部３，４を形成
すると同時に、前記ドアボデイ２より一定長さ離
反した位置に、これら両凹入部３，４の底部を一
体に合わせて両凹入部３，４に共用する底壁５を
形成し、且つ底壁５の中心に貫通孔５０を設ける
のである。

一方、前記裏側凹入部３内に、前記ドアボデイ
２への取付ねじ体６を保持することのできる保持
面７１を備えた台形形状の保持筒７を固定するの
である。

この保持筒７は合成樹脂材料から成り、前記裏
側凹入部３の深さとほゞ同一長さからなる有底筒
状を呈しており、該保持筒７の底壁面を前記保持
面７１と成して該保持面７１に前記取付ねじ体６
の挿通孔７２を設けるとともに、該保持筒７の開
口部周縁に外拡がり状のフランジ７３を一体形成
するのである。

而して前記保持筒７を裏側凹入部３内に固定す
るには、第２図に示す如く該凹入部３の開口部側
から前記保持筒７を凹入部３内に挿入して前記底
壁５に前記フランジ７３を当接した上で該保持筒
７を回転させ、いわゆるスピンウエルドにより前
記フランジ７３を底壁５に固着してもよいし、又
第３図に示す如く前記保持筒７の外径を前記底壁
５に形成した貫通孔５０の径よりも小さく形成
し、前記保持筒７を表側凹入部４から前記貫通孔
５０を介して裏側凹入部３内に挿嵌するとともに
前記フランジ７３を底壁５に当接させた上で前記
と同様スピンウエルドにより前記フランジ７３を
底壁５に固着してもよいし、あるいは前記フラン
ジ７３と底壁５とをリベツト止めしてもよい。

以上の構成からなるアームレストをドアボデイ
２に取付けるには、まず該アームレストをドアボ
デイ２の所定位置にセツトした上で、例えばタツ
ピンなどの取付ねじ体６を前記表側凹入部４から
前記保持筒７内に挿入するとともに、該ねじ体６
のねじ部を前記保持筒７に設けた挿通孔７２より
ドアボデイ２に螺着せしめるのである。

而して前記アームレスト本体１における前記表
側壁面１ｃと裏側壁面１ｂとの間に一体に設けら
れた前記両凹入部３，４の周側壁及び前記保持筒
７により前記アームレスト本体１は補強されるこ
ととなり、それだけ剛性が向上するのである。

以上の如く本発明によれば、ブロー成形により
中空状に成形したアームレストにおけるドアボデ
イへの取付部となる裏壁面と、該裏壁面と対向す
る表壁面に、前記アームレストのブロー成形時
に、前記裏壁面側の裏面材料を凹入した裏側凹入
部と、前記表壁面側の表面材料を凹入した表側凹
入部とを一連に設けて、前記ドアボデイより一定
長さ離反した位置に、前記両凹入部に共用する底
壁を形成したから、これら両凹入部を深絞り状に
形成せずとも、前記裏壁面と表壁面との間に、前
記両凹入部の周側壁により筒状の補強リブを一体
に形成することができ、因つて、前記両凹入部の
周側壁、更には、裏側凹入部に固定する保持筒に
より、アームレストの強度を高めることができる
のである。

しかも、前記の如く、両凹入部を一連に設け
て、ドアボデイより一定長さ離反した位置に、前
記両凹入部に共用する底壁を形成したから、これ
ら両凹入部を深絞り状に形成せずとも、これら両
凹入部の深さが比較的に浅いものでよいので、両
凹入部にヒケや割れが発生せず、かつ凹入部の開
口部の径を小さくすることが可能となつて、開口
部が車室側に大きく露呈してアームレストの外観
を損ねる虞れが全くなくなるのであり、また、前
記凹入部の外径もそれに伴つて小さくできるの
で、アームレストの内部空間を狭めることなく有
効に利用することができるのである。

その上、前記裏側凹入部に固定した、前記ドア
ボデイへの取付ねじ体を保持する保持面をもつた
保持筒を台形形状としたので、前記両凹入部に共
用する底壁の中心に設けた貫通孔と合致するタツ
ピンねじやビス等の取付け口が広く開口すること
になり、タツピンねじやビス等によるアームレス
トのドアへの取付け時、取付け作業が容易に行な
えるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかるアームレストの概略斜
視図、第２図は要部の断面図、第３図は別の実施
例を示す要部の断面図である。 １……アームレスト本体、２……ドアボデイ、
３……裏側凹入部、４……表側凹入部、６……取
付ねじ体、７……保持筒。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ブロー成形により中空状に成形したアームレ
   ストであつて、ドアボデイへの取付部に、表面材
   料を凹入した表側凹入部と、裏面材料を凹入した
   裏側凹入部とを一連に設けて、前記ドアボデイよ
   り一定長さ離反した位置に、前記両凹入部に共用
   する底壁を形成し、該底壁の中心に、貫通孔を設
   けて前記両凹入部を貫通させると共に、前記裏側
   凹入部に前記ドアボデイへの取付ねじ体を保持す
   る保持面をもつた台形形状の保持筒を固定したこ
   とを特徴とするアームレスト。