JPS6347856B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規はフラツトスラブの構築方法に関
する。

一般に柱間に大梁を横架することなく、支柱に
直接床版を支持させた、いわゆるフラツトスラブ
構造の建物が構築されている。

このフラツトスラブ構造の建物は床版の下面に
は支柱の周囲の位置に小さなキヤピタルが突出し
ているのみで、大梁がないため、床版と床版との
間の空間を無駄なく有効に利用でき、しかも広い
床面積の建物では見通しが良く、重圧感がなく、
軽快でかつ明るい空間を得ることができ、更に型
枠の組み立てや鉄筋加工が少くてよい等の利点を
有している。

しかし、従来のフラツトスラブの構築はほとん
ど全ての部分を現場打コンクリートをもつて施工
しているため、下側の階に支持させて多数の支保
工材を立設し、その上に型枠を組み、配筋コンク
リート打設、養生、プレストレス付与の各工程を
各階毎に順次行う必要があり、工期が著しく長く
要するとともに多くの資材を長期間に渡つて使用
しなければならない欠点があつた。

本発明は上述の如き欠点にかんがみ、多層階を
同時に施工でき、支保工が少なくてよく短期間で
構築がなされるフラツトスラブの構築方法の提供
を目的としたものであり、その要旨とするところ
は適宜の方法により立設した複数の支柱にキヤピ
タル支持突部をそれぞれ一体形成しておき、その
各キヤピタル支持突部上に支持させてプレキヤス
トコンクリート製のプレート状をしたキヤピタル
を各支柱に固着させ、その各キヤピタル間に支保
材を掛け渡してその上面に前記キヤピタルと一体
にプレストレストコンクリート製のフラツトスラ
ブを現場施工することを特徴としてなるフラツト
スラブの構築方法に存する。

次に本発明の実施例を図面について説明する。

まず、コンクリート基礎１上に所定の支柱２を
立設する。この支柱２は一例としてプレキヤスト
コンクリート製のものを使用し、上端部にキヤピ
タル支持突部３を一体成形している。

支柱２の立設は第１図に示すように、アンカー
用PC鋼材４をコンクリート基礎１内に理設定着
させ、その上端を上方に突出させておき、このア
ンカー用PC鋼材４に支柱２内に挿通した支柱用
PC鋼材５の下端をカプラージヨイント６をもつ
て連結するようにしているものであり、まずコン
クリート基礎１の天端のレベル測定を行い、ライ
ナー等によつて水平度の調節を行つた後高強度モ
ルタルを塗布し、その上面に支柱２を立設する。
そして、支柱２の天端よりPC鋼材５を挿入して
カプラージヨイント６に連結して後、そのPC鋼
材５を天端より緊張してプレストレスを付与し、
コンクリート基礎１と支柱２とを一体化する。

なお、支柱２を更に上方に延長させる場合には
下側の支柱２のPC鋼材５の上端にカプラージヨ
イントを介して上側の支柱のPC鋼材と連結し、
同様にしてプレストレスを付与し、順次一体化さ
せて連結する。

このようにして立設した支柱２にプレート状の
キヤピタル７を一体的に固着させる。このキヤピ
タル７は第２図、第３図に示すように方形状に形
成され、中央に支柱嵌合窓８が形成されていると
ともに上面に格子状配置に多数のリブ９，９……
が一体に形成され、これにPC鋼材１０，１０…
…が挿通されるようにしている。またその各リブ
９の上面にはシア筋１１，１１……が多数突設さ
れているとともにキヤピタル７の側面に支保材受
け用のインサート１２が埋設されている。

そして、このキヤピタル７を支柱２に固着させ
るには第４図に示すように支柱２の上方よりキヤ
ピタル７を吊り下し、その支柱嵌合窓８内に支柱
２を挿入し、支柱嵌合窓８の周縁部をキヤピタル
支持突部３上に支持させる。

その後、支柱２とキヤピタル７と支柱嵌合窓８
の内面との間の目地部に支柱２及びキヤピタル７
に連続させて挿通する連結用のPC鋼材１３を挿
通するシースを配設し、その目地部に急速硬化
し、かつ高強度のコンクリート１４を充填する。

この目地部のコンクリート１２が硬化し、所望
の強度に達した後、キヤピタル７の各リブ９及び
支柱２とキヤピタル７に連続させてPC鋼材１０，
１３を挿通し、端部にて緊張してキヤピタル７に
プレストレスを付与すると同時にキヤピタル７と
支柱２とを一体化構造となす。

このようにしてプレキヤストコンクリート製の
キヤピタル７を支柱２に一体的に支持させた後、
各キヤピタル７間に支保材１５を掛け渡す。

この支保材１５の掛け渡しは、キヤピタル７の
側面のインサート１２に支保材支持具１６を取り
付けし、その支持具１６上に支保材１５の端部を
載荷させる。

そして、こ各支保材１５上にスラブ用型枠１７
を組み立て、その型枠１６上に必要な鉄筋及び
PC鋼材１８を配設した後、スラブ１９用のコン
クリートを打設する。

このコンクリートが硬化し所定の強度に達した
後、PC鋼材１８を緊張し、スラブ１９をプレス
トレストコンクリート構造となし、支保材１５及
び型枠を取り外す。

なお、上述の実施例ではプレキヤストコンクリ
ート製支柱を使用しているが現場打コンクリート
支柱でも鉄骨支柱でもよいものである。

本発明のフラツトスラブの構築方法は上述のよ
うに構成され、従来スラブとともに現場打コンク
リートもつて形成していたキヤピタルをプレキヤ
ストコンクリート製となし、これを支柱と一体化
させるとともに、このキヤピタルに支保材を掛け
渡し、その支保材の上面にスラブ型枠を組むよう
にしたことによつて施工しようとするスラブを下
側の階に支持させる必要がなくなり、従つて複数
階のスラブを同時に施工することができ、後期が
著しく短縮されるものであり、また従来のように
多量の支保工材を長期間にわたつて使用しないた
め必要な資材が少くてよりフラツトスラブの構築
が著しく短期間で経済的に行われることとなつた
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので第１図は支
柱の立設状態の断面図、第２図はキヤピタルの平
面図、第３図は第２図中の−線断面図、第４
図は支柱とキヤピタルとの結合状態の断面図、第
５図はスラブ用のコンクリート打設後の状態の部
分省略断面図である。 １……コンクリート基礎、２……支柱、３……
キヤピタル支持突部、７……キヤピタル、８……
支柱嵌合窓、１５……支保材、１７……型枠、１
９……スラブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 適宜の方法により立設した複数の支柱にキヤ
   ピタル支持突部をそれぞれ一体形成しておき、そ
   の各キヤピタル支持突部上に支持させてプレキヤ
   ストコンクリート製のプレート状をしたキヤピタ
   ルを各支柱に固着させ、その各キヤピタル間に支
   保材を掛け渡してその上面に前記キヤピタルと一
   体にプレストレストコンクリート製のフラツトス
   ラブを現場施工することを特徴としてなるフラツ
   トスラブの構築方法。