JPS6347177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両のセンタピラー構造に関するもの
である。

［従来の技術］ 第１図に示すように、前部ドア開口１と後部ド
ア開口２とを仕切るセンタピラー３には、ドアチ
エツクアーム、ドアストライカ、ドアスイツチ、
ドア取付ブラケツト、ドアロツクなどの部品が取
り付けられ、この部品取付部を補強するために補
強部材が取付ブラケツトなどが結合される。すな
わち、第２図に示すように、センタピラーはそれ
ぞれ断面Ｕ字形の外板４と内板５とを互いに重ね
合せて断面箱型に構成され、前部ドア開口１に面
する外板５の側壁に、前部ドアのロツク取付用パ
ツチ６が重ね合されかつ溶接により結合される。
また、外板５の端壁と後部ドア開口２に面する側
壁とに、後部ドアのヒンジ取付用ブラケツト７と
ドアチエツクアーム取付用パツチ８がそれぞれ重
ね合せ結合される。

［考案が解決しようとする問題点］ 上述のように、部品取付部に補強部材や取付用
ブラケツトを設けることは、それだけ部品点数が
多くなるばかりでなく、取付けのための溶接工数
も増加し、コスト増加を来たすという欠点があ
る。実開昭58−41671号公報に開示されるセンタ
ピラー構造についても同様のことが言える。

本考案の目的は上述の問題に鑑み、取付部品を
ボルト締めとするに足る板厚と、捩れや撓みに対
し十分な剛性を有する車両のセンタピラー構造を
得ることにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の構成はド
アストライカなどの部品取付部において内板に外
板側へ押し出した外板よりも幅の狭い断面Ｕ字形
の窪みを設け、窪みの端壁と一方の側壁とを断面
Ｕ字形の外板に重ね合せて結合し、内板の他方の
側壁と外板との間に閉鎖空間を形成したものであ
る。

［作用］ 外板５と反対側へ断面Ｕ字形に成形される内板
４の部品取付け部に、外板側へ突出する断面Ｕ字
形の窪み３０が形成される。内板４の窪み３０の
一方の側壁１２が外板５の側壁５ｃと重ね合され
る。これにより側壁の板厚が倍加されるので、特
別の補強部材を設けないでも、ドアチエツクアー
ム２２、ドアスイツチ２３、ドアストライカ２１
などの部品を溶接またはボルトにより直接取り付
けることが可能になる。

また、窪み３０の他方の側壁１３と外板５の他
方の側壁との間に、閉鎖空間（閉断面）が形成さ
れるので、センタピラーの部品取付部の捩れや撓
みに対する剛性強度が確保される。

［考案の実施例］ 第３，４図は後部ドアのドアチエツクアーム取
付部の構造を示す。外板５が断面Ｕ字形に構成さ
れるのに対して、内板４はドアチエツクアーム２
２の取付部において、外板５の端壁５ｂに重ね合
される端壁１４と側壁１３，１２からなる窪み３
０が設けられる。

側壁１２が外板５と側壁５ｃと重ね合され、側
壁１２の内面にドアチエツクアーム２２の基端部
が重ね合れかつ溶接により結合される。ドアチエ
ツクアーム２２の先端部は側壁１２，５ｃを貫通
してドア開口側へ突出される。第４図に示すよう
に、窪み３０はドアチエツクアーム２２の取付部
において、内板４の幅のほぼ半分だけをへこませ
て形成されるもので、他の部分は外板５の場合と
同様に断面Ｕ字形に成形され、両側縁フランジ４
ａが外板５の両側縁フランジ５ａと重ね合せて結
合される。

内板４の窪み３０の他方の側壁１３と外板５の
他方の側壁との間に閉鎖空間が形成される。すな
わち、センタピラーが部品取付部においても断面
箱型とされるので、捩れや撓みに対するセンタピ
ラーの剛性が維持される。

第５図はドアストライカ２１の取付部における
センタピラーの断面構造を示す。内板４に端壁１
４と側壁１２，１３により区画される窪み３０が
成形され、端壁１４が外板５の端壁５ｂに重ね合
され、側壁１２が前部ドア開口に面する外板５の
側壁５ｃに重ね合される。側壁５ｃ，１２に通孔
が設けられ、側壁１２にねじ穴を有するタツピン
グプレート２５を当て、通孔を貫通するドアスト
ライカ２１が螺合支持される。

第６図に示すように、ドアスイツチ２３の取付
部についても、ドアストライカの場合と同様に、
内板４に端壁１４と側壁１２，１３で囲まれる窪
み３０が成形され、前部ドア開口に面する側壁５
ｃに図示していないビスによりドアスイツチ２３
が取り付けられる。この実施例でも、側壁５ｃ，
１２により十分な板厚が備えられるので、ボルト
によるドアスイツチ２３の螺着が可能となる。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、ドアストライカなどの
部品取付部において内板に外板側へ押し出した外
板よりも幅の狭い断面Ｕ字形の窪みを設け、内板
から突出された窪みの端壁と一方の側壁とを断面
Ｕ字形の外板に重ね合せて結合し、内板の他方の
側壁と外板との間に閉鎖空間を形成したから、内
板の側壁と外板の側壁との重ね合せ部に、取付部
品をボルトなどで結合するに十分な板厚と強度が
備えられ、補強部材が不必要となり、工数削減、
部品点数の削減や重量軽減が得られる。

また、内板の窪みの他方の側壁と外板の他方の
側壁との間に閉鎖空間（閉断面）が形成されるの
で、センタピラーの部品取付部の捩れや撓みに対
する剛性強度が確保される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用される車体の概略構成を
示す側面図、第２図は従来の車両のセンタピラー
構造の平面断面図、第３図は本考案に係るセンタ
ピラーのドアツクアーム取付部の平面断面図、第
４図は同センタピラー内板の斜視図、第５図は同
センタピラーのドアストライカ取付部の平面断面
図、第６図は同センタピラーのドアスイツチ取付
部の平面断面図である。 ３：センタピラー、４：内板、５：外板、５
ｂ：側壁、５ｃ：側壁、１２，１３：側壁、１
４：端壁、２１：ドアストライカ、２２：ドアチ
エツクアーム、２３：ドアスイツチ、３０：窪
み。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアストライカなどの部品取付部において内板
   に外板側へ押し出した外板よりも幅の狭い断面Ｕ
   字形の窪みを設け、窪みの端壁と一方の側壁とを
   断面Ｕ字形の外板に重ね合せて結合し、内板の他
   方の側壁と外板との間に閉鎖空間を形成したこと
   を特徴とする車両のセンタピラー構造。