JPS634569Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円筒鋳物等の端面を機械加工によりむ
らなくバリ取り加工することができるようにした
端面バリ取り装置に関する。

従来、この種のバリ取り加工装置として、例え
ば第１図に示すように、サンドベルト１′をワー
ク２′の端面に沿つて回転させることにより、そ
のワーク端面のバリ取りを行なうようにしたもの
がある。

ところが、このものでは、一定の平面上でサン
ドベルト１′が回転するようになつているため、
バリ取りにむらが発生し、バリが十分に除去でき
ない。また、サンドベルト１′の破損が多く、交
換に時間がかかり、機械停止時間が長くなる欠点
もある。

また、例えば第２図に示すように、ワイヤブラ
シ３′をワーク２′の端面に沿つて回転させること
によりバリ取りを行なうようにしたものもある。

しかし、このものではワイヤブラシ３′の屈曲
性により、十分なバリ取り加工が行なえない欠点
がある。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、バリ取り時間の短縮、ワーク端面に倣つたむ
らのないバリ取りおよび刃具交換時間の短縮が図
れる端面バリ取り装置を提供することを目的とす
る。

本考案はこのような目的を達成するため、多角
形の開口部を前部に設けた回転用の円筒状アダプ
タと、そのアダプタの先端に外周が軸方向の曲面
を有し前記開口部と相互補形した多角柱を有する
スリコギ運動用支持軸を介して設けたフローテイ
ングプレートと、そのフローテイングプレートに
ネジで取付けられた切削工具と、前記アダプタと
前記支持軸間に設けられ切削工具方向にフローテ
イングプレートを押圧する弾性手段と、その弾性
手段に抗してフローテイングプレートをアダプタ
に保持する止めネジとから構成されたものであ
る。

このような構成により、切削工具がワーク端面
に倣い、むらなく、かつ効率よくバリ取り加工を
行なうようにすると共に、その切削工具の容易な
交換性によつて機械停止時間の短縮化が図れるよ
うになる。

以下、本考案の一実施例を第３図〜第７図を参
照して説明する。

切刃を有する切削工具としての断面凹状の複数
の丸コマチツプ１の各中央部をネジ２によつて円
板状のフローテイングプレート３の表面部に周方
向に間隔的に取付けている。このフローテイング
プレート３の中心部に設けた角穴３Ａにスリコギ
運動用の支持軸４の一端部（前部）の角柱部を嵌
挿して、このフローテイングプレート３と支持軸
４とが一体回転、いわゆるドライブされるように
し、互いに締め付ネジ５によつて固定している。
また、支持軸４は他端部（後部）に軸直角断面が
正６角形で外周面が軸方向に曲面状の６角柱を有
し、かつ他端面（後端面）を球面形状としてい
る。

一方、リング状のガイドプレート６を設け、こ
れを円筒状のアダプタ７の一端面（前端面）に複
数のネジ８によつて一体的に固定している。この
アダプタ７は、さらにネジ９によりその鍔状の他
端（後端）を回転軸１０に一体的に固定してい
る。

また、ガイドプレート６の内周部には、支持軸
４の後部の各曲面に対応する角数の角穴６Ａを設
け、その角穴６Ａによつて支持軸４の後部をイン
ローガイドすることにより、支持軸４の後部曲面
中心をガイドプレート６の中心線上に保持する状
態で、支持軸４の前部がスリコギ運動するように
している。なお、同時にガイドプレート６と支持
軸４との一体回転、つまりドライブも可能とな
る。

しかして、フローテイングプレート３は、ガイ
ドプレート６の前端側において軸方向に移動可能
な状態となつており、さらにフローテイング動作
が可能となるように、大径孔３Ｂを介して遊挿し
た複数個のフランジ付止めネジ１１によつて抜け
止めを施している。なお、フローテイング部分
は、端面蓋１２および外周リング１３によつて外
部から被閉し、屑埃等の侵入防止を図つている。

また一方、アダプタ７の内周部には有底筒状の
スプリングガイド１４を軸方向に摺動可能な状態
で同軸的に嵌挿し、このスプリングガイド１４の
内周部には圧縮コイルスプリング１５を挿配して
いる。このスピリング１５の後端を、調整ネジ等
で位置決め可能な状態でアダプタ７に固定された
プレート１６の前面に圧接させている。そして、
スプリング圧がスプリングガイド１４を介して、
支持軸４の球面状後端部に作用するようにしてい
る。そして、フローテイングプレート３が丸コマ
チツプ取付面方向に押圧される。この場合、支持
軸４の中心がアダプタ７の中心に対してスリコギ
運動の状態となつても、常に支持軸４の中心方向
にスプリング圧力が伝達され、ワーク端面に押し
当てられる各丸コマチツプ１が全て同一推力とな
るようにしている。

このような構成であると、丸コマチツプ１がフ
ローテイング動作することにより、例えば第６図
に示すように丸コマチツプ１がワーク２０に倣つ
ていない状態から第７図に示すように丸コマチツ
プ１がワーク２０に倣つた状態となつて、バリ取
り加工がワーク２０の端面に倣つてむらなく、か
つ効率よく行なえるようになる。

また、切削工具としての丸コマチツプ１はネジ
２等によつて着脱が容易に行なえるので、交換が
迂速になし得、機械停止時間の短いものとするこ
とができる。

なお、弾性手段としてのスプリング１５や切削
工具としてのチツプの形状、或いは支持軸４の外
周面の曲面数（３面以上）等については前記実施
例の構成に限らず、種々の変形、応用等が可能な
ことは勿論である。

以上のように、本考案によれば、スリコギ運動
用支持軸と弾性手段から生じるフローテイング動
作により切削工具がワーク端面に倣うためにむら
のないバリ取り加工ができ、また、スリコギ運動
用支持軸に多角柱を設けたことにより切削工具に
回転力を確実に伝えられるために効率のよい端面
バリ取り加工ができ、さらに切削工具をねじ止め
したことにより切削工具の交換時間を短縮するこ
とができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は夫々異なる従来例を示す
概略側面図、第３図〜第７図は本考案の一実施例
を示すもので、第３図は全体構成を示す縦断面
図、第４図は第３図の矢視図、第５図は第３図
の−線断面図、第６図および第７図は夫々作
用説明図である。 １……切削工具（丸コマチツプ）、２……ネジ、
３……フローテイングプレート、４……支持軸、
７……アダプタ、１１……止めネジ（フランジ付
止めネジ）、１５……弾性手段（圧縮コイルスプ
リング）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多角形の開口部を前部に設けた回転用の円筒状
   アダプタと、そのアダプタの先端に外周が軸方向
   の曲面を有し前記開口部と相互補形した多角柱を
   有するスリコギ運動用支持軸を介して設けたフロ
   ーテイングプレートと、そのフローテイングプレ
   ートにネジで取付けられた切削工具と、前記アダ
   プタと前記支持軸間に設けられ切削工具方向にフ
   ローテイングプレートを押圧する弾性手段と、そ
   の弾性手段に抗してフローテイングプレートをア
   ダプタに保持する止めネジとから構成されたこと
   を特徴とする端面バリ取り装置。