JPS6344934B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は側面Ｖ型水冷エンジンの冷却水通路装
置に関するものである。

自動二輪車において、側面Ｖ型でクランクシヤ
フト横置の水冷エンジンが用いられる。水冷エン
ジンであるためエンジン前方のラジユエータと各
気筒のウオータジヤケツトを繋ぐ冷却水通路が必
要となる。前後の気筒の冷却水戻し通路は気筒間
のＶ型の谷間に設けられ、従来では、前後の気筒
から戻し管を谷間に導出し、谷間内から前後の戻
し管を個々にホースを介して制御用サーモスタツ
トに接続し、更に集合したホースを介してラジユ
エータに導いている。

以上の従来の冷却水通路装置は、Ｖ型の谷間内
で戻し管やホース類を取り廻わしているため、Ｖ
型の谷間空間の有効利用に改善の余地があるこ
と、ホースで前後気筒の導出管を個々にサーモス
タツトに接続しているため前後気筒の水通路の抵
抗が大きく、特に後部気筒は前部気筒に比し冷却
性が劣り易いことからでき得れば後部気筒の流速
を高め、冷却性向上を図りたいが、従来では充分
を期し難い。

本発明は以上を改善すべくなされたものであ
る。

本発明の目的は、サーモスタツトをエンジン前
方に配設して外観性の向上を図り、Ｖ型の谷間を
空けてこの部分への補機類配設のスペースレイア
ウトの自由度を向上させ、且つ後部気筒の冷却性
向上を図つて前後気筒を均等に冷却可能としたＶ
型水冷エンジンの冷却水通路装置を提供する。

以上の目的を達成するため本発明は、前後気筒
の冷却水戻り管をＶ型の谷間に導出し、且つ一側
方に導出し、連結管を前後方向に配設して該連結
管と前後気筒の導出管とを接続管で連結し、連結
管をエンジン前方に設けたサーモスタツトに接続
するようにしたことを特徴とする。

次に本発明の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車１の既略側面図を示し、フ
レーム２前端のヘツドチユーブ３を介して前輪５
を支持するフロントフオーク４を操向自在に支持
し、フレーム前部上には燃料タンク６を、又これ
の後方にはシート７を配設し、フレーム前部の後
部下部から後方に後輪９を支持するリヤフオーク
８を揺動自在に枢設延出する。

フレーム２の前部は例えばヘツドチユーブ３の
上部から後方に延出されたメインフレーム２０
１、下部から後方に延出されたエクステンシヨン
メンバ２０２、ヘツドチユーブ３の上部から下方
に垂下されたダウンチユーブ２０３、これの下部
から後方に延出されたダウンチユーブロア２０
４、これの後端から上方に起立され、メインフレ
ーム、エクステンシヨンメンバと連結するセンタ
ーチユーブ２０５等からなる。燃料タンク６下方
にはエンジン１０を搭載し、エンジン１０は側面
Ｖ型でクランクシヤフト横置の水冷エンジンで、
実施例では前後各２気筒の４気筒エンジンを示し
ている。

エンジン１０のクランクケース、ミツシヨンケ
ースを兼ねるミツシヨンケース１１前部には前上
傾する如く前部気筒１０１を突設し、又ミツシヨ
ンケース１１の中間部には若干後上傾する如く後
部気筒１０２を突設し、各気筒１０１，１０２は
下部のシリンダブロツク１０１ａ，１０２ａ、こ
の上のシリンダヘツド１０１ｂ，１０２ｂ、この
上のシリンダヘツドカバー１０１ｃ，１０２ｃか
らなる。かかる前後の気筒１０１，１０２間には
両側且つ上方に開放された側面Ｖ型の谷部１２が
形成されることとなる。

前部気筒１０１のシリンダヘツド１０１ｂの後
面左右には吸気口１０１ｄ，１０１ｅが、又後部
気筒１０２の前面左右には吸気口１０２ｄ，１０
２ｅが各開口し、これらは谷部１２に対向する如
く臨み、谷部１２の上部に配設した燃料供給装置
をなす気化器１３に接続されている。ミツシヨン
ケース１１の左側下部にはウオータポンプ１４が
配設され、既知の如くエンジン出力で駆動され、
一方、ダウンチユーブ２０３の上部前方で前傾し
た前気筒１０１上方にラジユエータ１５を配設
し、エジユエータ１５の冷却水出口とポンプ１４
の吸入部１４ａとは戻り連通管１６で連通接続す
る。ポンプ１４の吐出部１４ｂは供給連通管１７
に接続し、該管１７はケース右側のACGカバー
１８を半周して谷部１２の底上に右側から導か
れ、ジヨイント１９，２０、接続管２１を介して
前後の気筒１０１，１０２に連通接続される。

前気筒１０１のシリンダヘツド１０１ｂの後面
には左右に離間して冷却後の冷却水出口部２２，
２３を、又後気筒１０２のシリンダヘツド１０２
ｂの前面には左右に離間して同様の出口部２４，
２５を設ける。従つてこれら出口部２２〜２５は
谷部１２の中間部に対向する如く設けられること
となる。

前気筒１０１の出口部２２，２３には前部戻り
管２６を接続し、戻り管２６は平面略湾曲したＬ
型をなし、一側の湾曲部２６１の末端部２６２を
左側の出口部２３に接続し、戻り管２６の本体２
６３は直線状で左右方向に延び、本体２６３の中
間部をバンド２７で前気筒後面側に支持する。本
体２６３の端部には先端を膨径等した口金部２６
４を設け、これの手前に本体２６３と直交する如
く分岐管部２６５を設け、これを右側の出口部２
２と接続する。

後気筒１０２の出口部２４，２５には後部戻り
管２８を接続し、戻り管２８は前記戻り管２６と
対称形状をなす。一側の湾曲部２８１の末端部２
８２を左側の出口部２５に接続し、左右方向に延
びた直線状本体２８３先端の口金部２８４手前の
本体と直交する如く設けられた分岐管部２８５を
右側の出口部２４と接続し、本体中間部はバンド
２９で後気筒前面側に支持される。かかる前後の
戻り管２６，２８は前後に離間して平行し、口金
部２６４，２８４は右側を向き、気筒の右側面よ
り内方に位置する。

３０は金属パイプからなる連結中間ジヨイント
パイプで、パイプ３０はエンジン右側中間部の前
方寄り部に設けられ、前後方向に設けられる。パ
イプ３０の後端部には後部口金部３０１をパイプ
と軸方向が同一となる方向に設け、口金部３０１
は後部戻り管２８の口金部２８４の前方で、且つ
側方に位置し、一方、パイプ３０の後部にはエン
ジン側、即ち右側に突出する前部口金部３０２を
設け、口金部３０２はパイプ３０の軸方向と直交
し、前部戻り管２６の口金部２６４と略同軸線上
に配設される。後部口金部３０１と後部戻り管２
８の口金部２８４とをゴム等の接続管をなすホー
ス３１で連結し、口金部３０１と２８４は方向が
略直交する如く構成されているためホース３１は
湾曲した略Ｌ型となる。一方、前部口金部３０２
は前部戻り管２６の口金部２６４と略同軸線上の
ため直線状にホース３２で連結する。

パイプ３０の前端部に口金部３０３を設け、一
方、前気筒１０１の上方一側でラジユエータ１５
の上部後方に温水制御用サーモスタツト３３を該
ラジユエータ１５とホース３５で連通接続する如
く設け、これと口金部３０３をホース３４で連結
する。

以上のパイプ３０はミツシヨンケース１１の横
幅内に設ける。

ところで第４図は変更実施例で、パイプのみが
異なり、他は前記と同一のため同一部分に同一符
号を付し、詳細な説明は省略する。

本実施例ではパイプ１３０外周に冷却フイン１
３１…を多数設け、これによりパイプ１３０を走
行風等で冷却し、ラジユエータへの戻り過程で冷
却性向上を図つた。

次にその作用、効果を詳述すると、サーモスタ
ツトは前後気筒の谷部、或は谷部側方間に設けら
れず、ラジユエータ上部後方に設けたため、谷部
の上部及び側方にサーモスタツトが露出しないた
め外観性の点で好ましいこと、谷部が空いてこの
間に配設される気化器等の補機類のレイアウトが
自由となり、スペース利用上有利であり、又気化
器と熱源であるサーモスタツトが離間しているた
め気化器の作動上も好ましい。

ところで、後気筒の戻り管２８は湾曲したホー
ス３１で前後方向に延出したパイプ３０と接続さ
れ、従つて戻り管２８の冷却水の流れはパイプ３
０に対して順方向となる。一方、前気管の戻り管
２６はホース３２でパイプ３０と直角方向に連結
されることとなる。従つて後気筒の戻り管２８の
冷却水の通路抵抗は小さく、前記筒の戻り管２６
の冷却水の通路抵抗は戻り管２８に比して大きい
こととなる。従つて後気筒側の冷却水の流速は高
く、この分後方気筒の冷却性は向上し、前気筒に
比し若干冷却性が劣る後気筒の冷却性は向上し、
前後気筒冷却のアンバランスを補正し、略均等に
冷却を行うようにすることが可能となつた。

以上の如く本発明は多大の利点を発揮する。

尚実施例では前後各二気筒としたが、前後各一
気筒でも良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動二輪車の側面図、第２図は同前部
の拡大側面図、第３図はエンジンの説明的平面
図、第４図は変更実施例の同様の図である。 尚図面中１は自動二輪車、１０はエンジン、１
０１，１０２は前後の気筒、１５はラジユエー
タ、１２は谷、２６，２８は戻り管、３０は連結
管、３１，３２は接続管、３３はサーモスタツト
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 側面Ｖ型でクランクシヤフト横置で、エンジ
   ン前方にラジエータを備える自動二輪車等の水冷
   エンジンにおいて、前後の気筒の冷却水戻り管を
   気筒間の谷間に導出し、且つ一側方に向くように
   導出し、該前後の戻り管をエンジン側方で前後方
   向に配設した連結管に接続管を介して連結し、連
   結管をエンジン前方に設けたサーモスタツトを介
   してラジユエータに連通接続したことを特徴とす
   るＶ型エンジンの冷却水通路装置。