JPS6344484Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は吊設部材用埋込アンカー、即ちオーバー
ヘツドスクリーン等のように天井面に吊下げ状態
で取付けて使用する部材を確実且つ着脱自在に保
持する為の埋込アンカーに関し、その目的とする
ところは、当該埋込アンカー自体の天井面への設
置を容易にし且つ取付状態を堅固となすことは無
論のこの取付前状態におけるアンカーナツトの破
損等を確実に防止しようというものである。

従来の埋込アンカーとしては、例えば第３図に
示すように取付板１の上面にナツトを溶着等によ
つて立設し、当該ナツトの上方に連続するアンカ
ー片を他のナツトのアンカー片と一体となし若し
くは図示のようにＨ型・Ｉ型等に連結して、この
アンカー片によつて取付板及び各ナツトを天井面
コンクリート部に埋設固定するようになしていた
が、このような形状及び構造では天井面に取付け
るに際してコンクリート打ちに先立つて配設され
た鉄筋を各アンカー片内に貫通させることが事実
上不可能であり、しかもこのアンカー片を鉄筋に
係止しなければ埋込アンカー自体の強度を保つう
えで殆んど効果がないことから、このような問題
点を解決する為に第４図に示すように各ナツトに
上設延長したアンカー片を互に連結することなく
各アンカー片間に鉄筋を通過し得る空間Ａを形成
し、当該空間Ａを通じて鉄筋Ｂに図示の如く各ア
ンカー片を係止させる構造のものが考案された。
しかしながら、このような構成によれば各アンカ
ー片の鉄筋に係止することは可能となるも各ナツ
トは図示の如く取付板に溶着固定されているだけ
であり、しかも各ナツトのアンカー片は上述のよ
うに空間Ａによつて個々に独立したものとなつて
いることから、各アンカー片即ちナツトは横方向
への負荷に対して極めて弱く例えば天井面への取
付前状態において運搬時等の取扱いにおいて何ら
かの原因でアンカー片若しくはナツトに外力が加
われば容易に屈曲若しくは溶着連結部分が破損し
て使用不能となる恐れが残されており、又各ナツ
トの取付板への取付時の位置決め用の基準となる
ものがないことから位置決めが極めて困難となる
欠点が残されていた。

本案は以上の如き従来の埋込アンカーに残され
ていた相反する欠点又は問題点を解決すべく考案
したもので、その要旨とするところは、従来各ア
ンカーの立設位置決め用に用いられていた取付板
を上方に屈曲して、この取付板自体にアンカー片
としての機能を付与し且つ当該取付板へのナツト
の取付けを容易且つ確実となすとともに各ナツト
の取付位置の位置決めを容易にしようというもの
である。

以下添付図面にて本案を詳説すれば、取付板１
は平板部に複数の開口５を形成するとともに、そ
の対向する両側縁を屈曲して立片２を形成し且つ
両立片には互に対向する方向へ屈曲したアンカー
片３を形成してなり、当該アンカー片３と平板部
間にナツト４を介在立設するものとする。

而して、各ナツトの固定法としては従来同様に
当該ナツトの上下端即ち取付板１及びアンカー片
３との接合部分を溶着することも可能であるが、
溶接作業は一般に面倒であることから本案では、
固定の一具体例として第２図に示すように取付板
１に形成した各開口５の周辺に上向きの環状隆起
部６を設け、該環状隆起部内上面にナツト４を嵌
合することによりナツト下端のズレを防止し、位
置決めを可能となすとともにナツトを図示のよう
に上下開口の筒状ナツトとなし、その上端開口を
アンカー片に形成した取付孔７と合致させ、当該
取付孔を介してボルト８をナツト４に螺合するこ
とにより上端部を固定するものとする。

尚図中９は立片２からアンカー片３にかけて形
成した切欠であり、この切欠を通じてコンクリー
トが両側立片２およびアンカー片３、取付板１間
によつて形成される空間に容易且つ確実に流入し
得るようになしたものでる。又、１０は本案の埋
込アンカーを天井面に仮止めするに際して用いる
釘孔である。

以上のような本案によれば、アンカーナツトの
立起保持にのみ用いられていた取付板１の対向す
る両側に立片２及びアンカー片３を形成すること
によりアンカー片３は第１図に示すように極めて
広面積となることから、従来のような単なる棒状
フツクのアンカー片に比べてコンクリート面への
係合面積が大となることから取付強度を強くし、
しかも当該アンカー片３と取付板１間に各ナツト
を立起保持するものであるから各ナツトは埋込取
付後は勿論のこと取付前においてもその上下が固
定保持されることから第３図に示すような従来の
ナツトに比べてその取付強度が極めて強く多少の
外力が加わつても取付位置から外れる等の恐れが
全くなく、しかもその固定時において従来のよう
に溶着を利用することなく下部を取付板１に形成
した上向き隆起部６内に嵌合し、上部はアンカー
片３の取付孔７から挿入したポルト８にて締着す
るだけで位置ズレ等生ずることなく確実に固定さ
れ、溶接等のように熟練した技術等は全く必要な
く簡単に取付けることができるのである。又立片
２及びアンカー片３は取付板１の対向する両側に
屈曲形成したものであるから当該両側アンカー片
３，３間は空間となつており、この空間を利用し
て鉄筋をアンカー片３の下側に位置させることも
可能であり第３図の従来構造のように鉄筋を挿入
係止させることができないという問題も解決する
ことができ、更に両側の立片２及びアンカー片３
には連続する切欠９を設けていることによりコン
クリート流入・打込時において、この切欠９から
コンクリートが容易に取付板１の上方の立片２，
２・アンカー片３，３にて形成される空間に容易
に流入するのでコンクリートの片打ち即ちコンク
リート流入にムラを生ずる恐れも解消できるので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の実施例を示す埋込アンカーの斜
視図、第２図はアンカーナツト取付構造を示す断
面図、第３図は従来の埋込アンカーの平面図、第
４図は従来の埋込アンカーの取付状態側面図であ
る。 １：取付板、２：立片、３：アンカー片、７：
アンカーナツト、５：開口、６：環状隆起部、
７：取付孔、８：ボルト、９：切欠、１０：釘
孔、Ｐ：吊設部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製取付板１の対向する両側を屈曲立起して
   立片２，２を形成するとともに該両立片２の上端
   を対向方向へ水平に屈曲してアンカー片３を形成
   し、このアンカー片３と取付板１間に複数のアン
   カーナツト４を、その螺孔を取付板の開口５を通
   じて下向開口状となして立起固定するとともに両
   側の立片２にはアンカー片３にかけて開口５を形
   成してなる吊設部材用埋込アンカー。