JPS6344198Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プレスに加工材料を自動的に供給す
る薄板供給兼塗油装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の供給装置においては、マガジン
内に水平に収納された薄板を、１枚取り機構によ
つて取り出し、位置決め台上において位置決めし
た後、ハンド機構によつて、プレス内に挿入して
いる。

そして、プレス加工を容易とするため、薄板の
上下両面に、離型用の油が塗布される。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記した油の塗布を人手で行なうのは面倒であ
り、またこの作業の自動化は困難であり、しかも
プレス加工のために、薄板の両面に油を塗るのは
無駄である。

本考案は、薄板の搬送中において、薄板の下面
のみに油を塗布しうる塗布機構を設けた、プレス
用の薄板供給兼塗油装置を提供しようとするもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の装置は、基枠の一側方に、水平の薄板
を１枚ずつ吸着して側方へ移動させうる１枚取り
機構を、同じく他側方に、水平の薄板を吸着して
プレスに挿入するハンド機構を、また前記両機構
の下方にまたがつて、水平の薄板を支持して、両
機構の間を往復動しうる搬送台を設け、かつ前記
搬送台の上面に、油溜りを設けるとともに、この
油溜りの中に、油を毛管現象で吸い上げうる油塗
布材を、その表面を油溜りの上面よりやや突出さ
せて設けてなるものである。

〔作用〕

搬送台上に薄板を載せて運搬する間に、薄板の
下面に自動的に塗油される。

〔実施例〕

１は、プレスに薄板を供給するための供給装置
で、基枠２の左側に設けられた１枚取り機構３
と、基板２の左側に設けられたハンド機構４と、
両者の間で薄板を支持して、左右に移動する搬送
台５とを備えている。

搬送台５における水平の矩形枠７は、第１図に
示すように、基板２の周縁部より立設した複数の
支柱６をもつて支承され、矩形枠７の前後の枠材
の上面には、左右方向を向く１対のレール８，８
が止着されている。

レール８，８間には、レール８，８上を摺動す
るスライド脚５ａを介して、前記搬送台５が橋架
されている。

第３図に示すように、ほぼ矩形板状をなす搬送
台５の基板５ｂの中央部には、矩形状の凹部、す
なわち油溜り５ｃが形成され、この油溜り５ｃに
は、水平孔９を介して、送油管１０が接続されて
いる。送油管１０は、図示しない油タンクに接続
され、油溜り５ｃ内に離型用の油が供給される。

油溜り５ｃ内には、油塗布材１１が、その上面
を基板５ｂより若干突出させて収容されている。
油塗布材１１は、耐油性多孔質ゴム、あるいは不
織布等、油が毛管現象によつてにじみ出る性質を
有する素材からなり、その上面に載置された鋼板
１２の裏面に、油を付着させるようになつてい
る。

第２図に示すように、搬送台５の基板５ｂの一
側縁には、互いに間隔をおいて、１対のガイドピ
ン１３が立設されている。

基板５ｂの後部には、水平をなす前後方向の矩
形板の後端に上向き突片を連設してなるストツパ
１４の前端が固着されている。

基板５ｂの前端面中央には、鋼板１２の前端面
を押して、その後端面を前記ストツパ１４に当接
させて、位置決めを行なうための油圧シリンダ１
５が取付けられている。

油塗布材１１における油圧シリンダ１５のピス
トンロツド１５ａが往復動する部分には、切欠部
１１ａが設けられている。

矩形枠７における中央よりやや右寄りの下部に
は、ロータリーアクチユエータ１６が設けられて
いる。ロータリーアクチユエータ１６の回動アー
ム１６ａの遊端は、前記搬送台５の基板５ｂの下
面に枢着され、回動アーム１６ｂの回動によつ
て、搬送台５は、レール８上を左右に往復動させ
らるようになつている。

次に、ハンド機構４について説明する。

基枠２の右端に立設されたコラム１７の上部左
側面から、水平のブラケツト１７ａが突設され、
このブラケツト１７ａには、関節型アーム１８の
前端部が、上下回動自在に取付けられている。

関節型アーム１８の後端には、アタツチメント
２０と、アタツチメント２０から突出する下向き
の吸盤１９つきのアーム２１とからなるハンド２
２の前端が取付けられている。

矩形枠７の左側下方には、上面が開口するマガ
ジン２３が設けられ、このマガジン２３内には、
薄板、すなわち矩形状の鋼板１２が、積み重ねて
収容されている。

次に、薄板の１枚取り機構３について説明す
る。

２４は、側面視下向きコ字形をなす支持枠で、
その前後端部は、それぞれ矩形枠７の前端面及び
後端面に固着されている。

支持枠２４における水平をなす天板２４ａの中
央には、垂直の油圧シリンダ２５が取付けられ、
天板２４ａを貫通して下方に突出するそのピスト
ンロツドの下端には、水平の取付板２６が固着さ
れている。

取付板２６には、その対角線方向に延びる４本
のアーム２７が突設され、各アーム２７には、下
向きの吸盤２８が装着されている。

次に、以上のように構成された、薄板供給装置
の作動について説明する。

油圧シリンダ２５を作動させて、マガジン２３
内の最上位の鋼板１２を、吸盤２８をもつて吸着
し、矩形枠７上まで上昇させる。

次に、ロータリーアクチユエータ１６を作動さ
せて、搬送台５を第１図の左方へ移動させ、搬送
台５上に鋼板１２を載置させた後、搬送台５を右
方へ移動させる。

この搬送台５の移動中において、油塗布材１１
の上面ににじみ出ている油が、鋼板１２の下面に
塗布される。

第２図の想像線で示すように、油圧シリンダ１
５を作動させ、鋼板１２をストツパ１４に当てる
ことによつて位置ぎめした後、ハンド機構４を稼
動させる。

すなわち、吸盤１９をもて、再び鋼板１２の上
面を吸着保持するとともに、ハンド２２の関節ア
ーム１８を揺動させ、搬送台５から、プレス２９
へ鋼板１２を供給する。

以上の動作をくり返すことによつて、プレス内
に、下面のみに油を塗布された鋼板が、順次自動
的に供給される。

〔考案の効果〕

本考案のプレス用の薄板供給兼塗油装置によれ
ば、薄板の搬送中に、プレス加工に必要なその下
面にのみに油が自動的に塗布されるため、経済的
であり、かつ油塗布のための特別の作業を要しな
い。

しかも、構成がきわめて簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す正面図、第
２図は、同じく平面図、第３図は、第２図のＸ−
Ｘ線による搬送台の縦断面図である。 ２……基枠、３……１枚取り機構、４……ハン
ド機構、５……搬送台、５ｂ……基板、５ｃ……
油溜り、７……矩形枠、８……レール、１０……
送油管、１１……油塗布材、１２……鋼板、１５
……油圧シリンダ、１８……関節アーム、１９…
…吸盤、２２……ハンド、２３……マガジン、２
５……油圧シリンダ、２８……吸盤、２９……プ
レス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基枠の一側方に、水平の薄板を１枚ずつ吸着し
   て側方へ移動させうる１枚取り機構を、同じく他
   側方に、水平の薄板を吸着してプレスに挿入する
   ハンド機構を、また前記両機構の下方にまたがつ
   て、水平の薄板を支持して、両機構の間を往復動
   しうる搬送台を設け、かつ前記搬送台の上面に、
   油溜りを設けるとともに、この油溜りの中に、油
   を毛管現象で吸い上げうる油塗布材を、その表面
   を油溜りの上面よりやや突出させて設けたことを
   特徴とするプレス用の薄板供給兼塗油装置。