JP2544145Y2 - プリント基板の自動面取り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、弱電器械，通信器械等に使用されているプ
リント基板（通称金HUL基板）の両角部を同時に面取り
することが出来るプリント基板の自動面取り装置に係る
ものである。

〔従来の技術〕 プリント基板にバリ等が出ていると組み込みずらく作
業性に劣るから基板の挿入側の両角部のバリ等を取って
面取りしている。

従来は、作業者がプリント基板を一枚一枚を回転カッ
ターに押しつけて切削して面取りを行っているが、両角
部の片方づつを行なわなくてはならないから非常に手間
がかかり、加工スピードが上がらない欠点があると共に
作業者の感を頼る作業であるから高い精度が得られない
欠点もあり、また、作業中に粉ジンが発生するから作業
環境が悪いため作業者から敬遠される作業でもあった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、かかる欠点を解決したもので、プリント基
板をベルトコンベアで所定の位置まで送り、基板固定装
置で固定した上、切削装置を移動させてプリント基板の
両角部を同時に切削して面取りを行うことが出来、加工
スピードがアップし、その上精度良く面取りが出来るプ
リント基板の自動面取り装置を提供することが技術的な
課題である。

〔課題を解決するための手段〕

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

プリント基板１を１枚ずつ移送するベルトコンベア装
置ａと，ベルトコンベア装置ａの途中に設けたプリント
基板１をベルトコンベア上方に持ち上げて固定する基板
固定装置ｂと，ベルトコンベア装置ａと平行させて往復
動自在に設けたプリント基板１片側の両角部を同時切削
する切削装置ｃとより構成し、前記ベルトコンベア装置
ａをプリント基板１の搬送方向巾よりも狭い巾のベルト
コンベア３と，このベルトコンベア３上に搬送されるプ
リント基板１の側部を支承ガイドする基板支承台10とか
ら構成し、このベルトコンベア装置ａの途中にベルトコ
ンベア３上のプリント基板１を上昇せしめる基板押上台
12をベルトコンベア３を境にして左右に昇降自在に配設
し、この一対の基板押上台12の上昇によりベルトコンベ
ア３上より上昇せしめるプリント基板１を位置決め係止
する嵌挿杆16を垂下配設し、プリント基板１にこの嵌挿
杆16が嵌挿する固定用孔15を形成して前記基板固定装置
ｂを構成し、この基板固定装置ｂの基板押上台12により
支承状態で持ち上げ上昇され固定用孔15に嵌挿杆16が嵌
挿することで位置決め係止固定されるプリント基板１の
片側両角部が切削装置ｃにより同時切削され、再び基板
固定装置ｂにより下降し、ベルトコンベア装置ａにより
プリント基板１が支承搬送されるように構成したことを
特徴とするプリント基板の自動面取り装置に係るもので
ある。

〔作用〕

プリント基板１をベルトコンベア装置ａで定位置まで
送ると次に基板固定装置ｂが作動してプリント基板１を
ベルトコンベア装置ａの上方に持ち上げて固定する。

次にこのプリント基板１を固定した状態で切削装置ｃ
がベルトコンベア装置ａと平行に移動してプリント基板
１片側の両角部を同時切削して面取りを自動的に行う。

面取り後、基板固定装置ｂが作動してプリント基板１
の固定を解除して面取りされたプリント基板１をベルト
コンベア装置ａ上に下ろした後、切削装置ｃは元の位置
まで移動し、そして、このプリント基板１をベルトコン
ベア装置ａによって送り出し、送り出し側に設けた基板
回収ケース２の中に順次積み重ね状態で回収される。

上記動作を繰り返して連続してプリント基板１の面取
り作業を行う。

〔実施例〕

ベルトコンベア装置ａはプリント基板１よりも巾の狭
いベルトコンベア３を機台４上の前後端と機台４下方中
心に設けたローラ５間に懸環し、送り出し側のローラ５
を駆動ローラとし、この駆動ローラにモータ６の駆動力
をチェーン７を介して伝達している場合を図示してい
る。

このベルトコンベア３の送り込み側にベルトコンベア
装置ａ上にプリント基板１を順次１枚ずつ供給する基板
自動供給装置ｄを設けている。

この基板自動供給装置ｄはプリント基板１を積み重ね
て収納する基板収納ケース８と，この基板収納ケース８
に関設したプリント基板１を順次１枚ずつ上方に送り出
して行く基板送り出し機構９と，最上部のプリント基板
１を吸着し、これをベルトコンベア３の送り込み側上に
のせる基板送り込み機構28とより構成し、29は吸着杆、
30は昇降杆、31は往復動杆、32,33はエアーシリンダで
ある。

基板固定装置ｂはベルトコンベア３両側の機台４上に
ベルトコンベア３を挾むように対設した基板支承台10間
にシリンダ11（例えばエアーシリンダ）の作動により昇
降下する基板押上台12を設け、この基板支承台10の一側
の機台４上に取付板13を突設し、この取付板13の上端部
にプリント基板１上面を押さえる基板押さえ板14を設
け、この基板押さえ板14の前後端にプリント基板１の前
後端部に穿孔されている基板固定用孔15にスライド嵌挿
される嵌挿杆16を垂設して第５図に示すように基板押上
台12の上面12aと基板押さえ板14の下面14aと嵌挿杆16と
の三者によって固定する場合を図示しているもので、34
はベルト通過間隙である。

また、前後の嵌挿杆16間の基板押さえ板14下面14aに
基板押下げピン36をスプリング37に抗して出入り自在に
突設して基板押上台12が降下した時に基板押下げピン36
でプリント基板１を押し下げて嵌挿杆16から引き抜いて
プリント基板１をベルトコンベア３上に落下させるよう
にした場合を図示し、38は調節ネジ、39はピン保持部で
ある。

この基板支承台10はプリント基板１の巾に合わせて調
節し得るように可動自在に設けられており、また、これ
に合わせて取付板に基板位置決板17を設けているもので
18は調節ネジである。

切削装置ｃは取付板13と反対側の機台４上にベルトコ
ンベア３と平行させてレール19を設け、このレール19上
にシリンダ35（例えばエアーシリンダ）の作動により往
復動する往復台20を設け、この往復台20上の一側先端部
に切刃21、一側にＶ字状のガイド面22を有する切削刃体
23を設けてプリント基板１の両角部を同時に切削して面
取りする場合を図示し、この切削刃体23はプリント基板
１の巾や厚みに合わせて左右方向並びに上下方向に微調
整出来るように設けられているもので24は調節台、25は
調節ネジ、26は刃取付部、27は調節ネジである。

〔考案の効果〕

本考案は上述の様に構成したから、ベルトコンベア装
置ａ上にプリント基板１を送り込むだけでプリント基板
１の面取りを連続して行うことが出来るから従来の手作
業に比して極めて加工スピードがアップすることにな
る。

この場合、プリント基板１の両角部の面取りを同時に
行うことが出来るから一層加工スピードがアップするこ
とになるし、プリント基板１の供給も自動供給すること
により完全自動システムの面取り装置になり一層加工ス
ピードがアップすることになる。

その上、この面取りは機械加工によるものであるから
バラツキのない精度の高いプリント基板１を提供するこ
とが出来る。

更に切削のため粉ジンの発生もなくきれいな作業環境
を作ることが出来る等秀れた実用上の効果を有するもの
である。

しかも、本考案は前記ベルトコンベア装置ａをプリン
ト基板１の搬送方向巾よりも狭い巾のベルトコンベア３
と，このベルトコンベア３上に搬送されるプリント基板
１の側部を支承ガイドする基板支承台10とから構成し、
このベルトコンベア装置ａの途中にベルトコンベア３上
のプリント基板１を上昇せしめる基板押上台12をベルト
コンベア３を境にして左右に昇降自在に配設し、この一
対の基板押上台12の上昇によりベルトコンベア３上より
上昇せしめるプリント基板１を位置決め係止する嵌挿杆
16を垂下配設し、プリント基板１にこの嵌挿杆16が嵌挿
する固定用孔15を形成して前記基板固定装置ｂを構成し
たから、この基板固定装置ｂの基板押上台12により安定
した支承状態で持ち上げ上昇され、更に固定用孔15に嵌
挿杆16が嵌挿することで位置決め係止固定され、この係
止固定状態でプリント基板１の片側両角部が良好に切削
装置ｃにより同時切削されることとなり、しかも再び自
動的に基板固定装置ｂにより下降し、ベルトコンベア装
置ａによりプリント基板１が支承搬送されることとな
る。従って、このように作業能率に秀れる前記作用効果
が確実に発揮されるプリント基板の自動面取り装置が簡
易な構成により実現できる極めて実用性に秀れたプリン
ト基板の自動面取り装置となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は本装置
の正面図、第２図は要部の平面図、第３図は要部の斜面
図、第4,5図は要部の側断面図、第６図は基板固定装置
の正断面図である。 １……プリント基板、３……ベルトコンベア、10……基
板支承台、12……基板押上台、15……固定用孔、16……
嵌挿杆、ａ……ベルトコンベア装置、ｂ……基板固定装
置、ｃ……切削装置。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント基板を１枚ずつ移送するベルトコ
   ンベア装置と，ベルトコンベア装置の途中に設けたプリ
   ント基板をベルトコンベア上方に持ち上げて固定する基
   板固定装置と，ベルトコンベア装置と平行させて往復動
   自在に設けたプリント基板片側の両角部を同時切削する
   切削装置とより構成し、前記ベルトコンベア装置をプリ
   ント基板の搬送方向巾よりも狭い巾のベルトコンベア
   と，このベルトコンベア上に搬送されるプリント基板の
   側部を支承ガイドする基板支承台とから構成し、このベ
   ルトコンベア装置の途中にベルトコンベア上のプリント
   基板を上昇せしめる基板押上台をベルトコンベアを境に
   して左右に昇降自在に配設し、この一対の基板押上台の
   上昇によりベルトコンベア上より上昇せしめるプリント
   基板を位置決め係止する嵌挿杆を垂下配設し、プリント
   基板にこの嵌挿杆が嵌挿する固定用孔を形成して前記基
   板固定装置を構成し、この基板固定装置の基板押上台に
   より支承状態で持ち上げ上昇され固定用孔に嵌挿杆が嵌
   挿することで位置決め係止固定されるプリント基板の片
   側両角部が切削装置により同時切削され、再び基板固定
   装置により下降し、ベルトコンベア装置によりプリント
   基板が支承搬送されるように構成したことを特徴とする
   プリント基板の自動面取り装置。