JPS6343537B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 現在、コンクリート構築に使用されている機械
的継手は、円筒または楕円筒の閉鎖型スリーブで
ある。しかし、これを従来の柱等の鉄筋の継手と
して使用する場合は、鉄筋を自在に操作してスリ
ーブに両側から鉄筋の端部をそれぞれ挿入できる
ため、別に問題はない。

ところが、コンクリート建築の壁構造における
隣接したPC板から突出している鉄筋の継手の場
合には、PC板を取付けてから隣接したPC板の鉄
筋を連結するので、現在の上記スリーブの継手で
は、スリーブを取付けるための施工スペースが確
保できなく、スリーブを隣接した鉄筋にわたし嵌
合して取付けることが非常に困難である。

従つて、従来上記の隣接したPC板の鉄筋を連
結する場合には、第５図に示すように隣接した
PC板イ，イの鉄筋ロ，ロの突出部にわたして添
え鉄筋ハを当て、それらの鉄筋ロ，ハの重合部を
溶接ニして行つている。しかし、この溶接重ね継
手は、溶接の強度から来る継手の信頼性に問題が
ある上に、雨の日は作業できなくて天候の影響を
受け、また、電源を必要とし、且つ火花が散つて
作業上危険性がある等の欠点があつた。

そこで、本発明は上記欠陥を解消するため、ス
リーブを鉄板により倒Ｕ字形の開放型に形成し、
その両片の遊離端側の両側部にそれぞれくさび孔
を装設すると共に該くさび孔に対応させて彎曲頂
部に孔を穿設し、上記彎曲部の中心線に合わせて
両片の中央部に覗き窓を設け、隣接したPC板か
ら中心線が合つて突出している両側の鉄筋の突出
部等にわたしスリーブを簡易にかぶせて嵌合さ
せ、その後両側のくさび孔にくさびをそれぞれ圧
入することにより、スリーブと両側のくさびとで
両側の鉄筋をそれぞれスリーブの孔内に喰込ませ
て押圧挟持し、両側の鉄筋を機械的に容易迅速且
つ適確に連結しその強度も確保し得て作業性を向
上するようにしたことを特徴とする鉄筋の継手装
置に係るものである。

第１図乃至第３図に示す本発明の第１実施態様
についてその構造を説明すれば、ａは継手を示
し、１は継手ａの開放型スリーブで、適当長さの
鉄板を倒Ｕ字形に彎曲して形成し、その両片の遊
離端側の両側部に円形のくさび孔２を装設すると
共に、該くさび孔２に対応させてスリーブ１の彎
曲頂部に孔３を穿設し、スリーブ１の彎曲部の中
心線に合わせて両片の中央部に横長覗き窓４を設
ける。５はくさび孔２に打込むくさびで、丸棒の
片面をテーパーになして形成する。

ｂはコンクリート建築の壁を構成するPC板、
６はその鉄筋である。

次にその継手の使用法をPC板の鉄筋の連結に
ついて説明する。第１図に示すように、コンクリ
ート建築の取付けられたPC板ｂ，ｂの鉄筋６，
６の突出部にわたしスリーブ１をかぶせて嵌合さ
せると共に、覗き窓４に鉄筋６，６の端部がほぼ
等しく現われるようになす。そこで、両側のくさ
び孔２にくさび５をそれぞれくさび圧入機によつ
て圧入すれば、そのくさび５による鉄筋６の押圧
により、若干くさび５が鉄筋６内に喰込むと共
に、鉄筋６が孔３内に喰込んで鉄筋６の上面が孔
３の両側縁に圧接し、スリーブ１の彎曲部とくさ
び５，５とで鉄筋６，６をそれぞれ押圧挟持して
鉄筋６，６は継手ａにより連結される。

この場合、第４図に示す本発明の第２実施態様
のように、スリーブ１′の両側部にくさび孔２を
それぞれ２個づつ設けてそれらにくさびをそれぞ
れ圧入するようになすと、鉄筋６，６をスリーブ
１′の彎曲部とそれぞれ２個のくさびとにより押
圧挟持して鉄筋６，６を継手により尚一層強固に
連結することができる。

なお、本発明の継手装置は、上記PC板の鉄筋
の連結のほか、従来の柱の鉄筋の連結等にも上記
と同様に使用することができる。

本発明は鉄筋の継手装置を上記のように構成
し、そのスリーブが倒Ｕ字形の開放型であるか
ら、コンクリート建築において順次取付けられて
隣接するPC板の鉄筋を連結する場合等で施工ス
ペースが少なくても、スリーブを両側の鉄筋にわ
たしかぶせて嵌合させればスリーブを取付けるこ
とができ、中心線が合つている両側の鉄筋に常に
容易に取付け得る上に、その後スリーブの両側部
のくさび孔にくさびをそれぞれ圧入すると、スリ
ーブの彎曲部と両側のくさびとによつて両側の鉄
筋をそれぞれ押圧挟持し、スリーブの継手を介し
て両側の鉄筋を機械的で一直線状に連結すること
ができ、継手の取付け操作を簡易迅速になし得ら
れ、取扱い易くて作業能率を向上する。

更に、スリーブのくさび孔に対応して彎曲頂部
に孔を設けたから、そのくさび孔にくさびを圧入
して鉄筋を押圧したとき、若干鉄筋の上部が上記
孔内に喰込んで鉄筋の上面が孔の両側縁に圧接し
スリーブの彎曲部とくさびとにより鉄筋を押圧挟
持してその固定力を増大し、連結部には常に所要
の強度を確保し確実に安定して連結できる。

その上、スリーブの彎曲部の中心線に合わせて
両片の中央部に覗き窓を設けたから、スリーブを
両側の鉄筋にまたがせて嵌合するとき、その覗き
窓から覗き見てスリーブを両側の鉄筋に均等に配
置させ、スリーブの位置を容易に確認することが
できて作業上便利である。

しかも、継手全体の構成が板体を加工したスリ
ーブとくさびという加工が極めて簡単な装置で実
施でき、且つ容易安価に多量生産し得る等の効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施態様の継手で隣接し
たPC板の鉄筋を連結した状態の正面図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図はその継手の
スリーブの正断面図、第４図は本発明の第２実施
態様を示す継手のスリーブの正面図、第５図は従
来の溶接重ね継手によつて隣接したPC板の鉄筋
を連結した状態の正面図である。 １……開放型スリーブ、２……くさび孔、５…
…くさび、６……鉄筋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鉄板を倒Ｕ字形に彎曲し、その両片の遊離端
   側の両側部にそれぞれくさび孔を装設すると共に
   該くさび孔に対応させて彎曲頂部に孔を穿設し、
   上記彎曲部の中心線に合わせ両片の中央部に覗き
   窓を設けて開放型スリーブを構成し、そのスリー
   ブを両側の鉄筋の端部にわたしかぶせて嵌合し、
   該スリーブの両側部のくさび孔にくさびをそれぞ
   れ圧入してそのスリーブの彎曲頂部と両側のくさ
   びとにより両側の鉄筋をそれぞれ押圧挟持したこ
   とを特徴とする鉄筋の継手装置。