JPH0240191Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、コンクリート型枠の接続構造に関
し、特に段ボール板やプラスチツク板等の軽量材
よりなるコンクリート型枠の接続に実施して好適
な型枠の接続構造に関する。

［従来の技術］ 近年、軽量であつて取り扱いやすいこと、安価
に製作できること等から従来の木製型枠や鋼板製
型枠に変わり、帯状の段ボール板やプラスチツク
板の軽量材を用いたコンクリート型枠が多く使用
されるようになつた。かかる軽量材よりなるコン
クリート型枠も従来の木製や鋼板製型枠と同様に
所定の幅と所定の長さを有する帯状のものであ
り、施工に際しては該型枠をその端部において接
続して使用する。

ところで、かかる段ボール板やプラスチツク板
等の軽量材よりなる型枠は、木製や鋼板製型枠に
比べて変形しやすく設置面になじませやすいもの
ではあるが、それでも特に法面工事に使用する場
合、地山の凹凸によつて型枠の接合部を合致させ
るのはかなり困難を伴なうものである。

第１図および第２図に従来の型枠接続方式を示
し、従来はいわゆる付き合せ方式を採用してい
た。第１図は現場の凹凸により広がつた場合を示
し、型枠ＡとＢとの間にできた空間を補充材Ｃで
補充した例であり、また第２図は重なる部分をカ
ツトＤした例である。このように従来の付き合せ
方式による場合は、空間を補充したり重なる部分
をカツトしたりせねばならない不都合があつた。

また段ボール板よりなる型枠を接続部材を用い
て接続することも知られている。例えば実開昭56
−1947号公報記載の技術では、段ボール板を構成
する波型板内に棒状体を挿入することにより段ボ
ール板よりなる型枠を接続するようにしており、
また実開昭56−91836号公報記載の技術では、段
ボール板の端部に長手方向に並列した伸びる２条
の孔を形成し、段ボール板の端部を重ね合せて合
致させ、合致した孔に接続金具を挿入することに
より段ボール板よりなる型枠を接続するようにし
ている。

しかしながら、これらの従来技術はいずれも段
ボール板よりなる型枠を直線状に接続することを
目的としてなされたものであり、型枠相互を折曲
されて接続することはできず、このため法面工事
に使用した場合、地山の凹凸に順応させることが
できず、型枠の設置に困難を伴なう。

［考案の解決しようとする問題点］ 本考案は従来の型枠の接続構造の前記欠点を解
消すべくなされたもので、その目的とするところ
は法面の工事のように地山に凹凸のある個所に用
いる場合に地山の凹凸によく順応させて適切に型
枠を設置することができるようにしたコンクリー
ト型枠の接続構造を提供するにある。

［問題を解決するための手段］ 前記問題点を解決するため、本考案では帯状の
段ボール板やプラスチツク板等の軽量材よりなる
コンクリート型枠の接続構造において、相互に接
続される一方の型枠の端部近くに、型枠の幅方向
に所定の間隔をへだて型枠の長手方向に並列して
伸びる少なくとも２条のスリツト（水平スリツ
ト）を形成し、また相互に接続される他方の型枠
の端部近くに、型枠の長手方向に所定の間隔をへ
だて型枠の幅方向に並列して伸びる少なくとも２
条のスリツト（垂直スリツト）を形成し、一方の
型枠の端部と他方の型枠の端部とを重ね合せてス
リツトを合致させ、合致したスリツト個所に接続
金具を挿入して型枠を接続するようにする。

実施に際して接続金具としては、例えば端部が
ほぼ直角に折り曲げられていて型枠の合致したス
リツトに挿入されるＵ字状挿入部材と、型枠から
突出したＵ字状挿入部材に打ち込まれる楔とから
なるものを用いるようにするとよい。

［考案の作用効果］ このように相互に接続される型枠の各接続端部
に、少なくとも２条の水平スリツトと少なくとも
２条の垂直スリツトを形成することにより、型枠
を自由に折曲させて接続することができ、また型
枠を広げてまた縮めて接続することもでき、した
がつて法面工事のように地山に凹凸があつてもそ
の凹凸によく順応させて型枠を容易にかつ適切に
設置することができる。

［実施例］ 以下、図面を参照して本考案の実施例につき説
明する。

第３図および第４図において１Ａ，１Ｂは相互
に接続される型枠で、例えば帯状の段ボール板に
より形成されている。一方の型枠１Ａの端部近く
には型枠の幅方向に所定の間隔をへだて型枠の長
手方向に並列して伸びる２条のスリツト２ａ，２
ｂが形成されており、また他方の型枠１Ｂの端部
近くには型枠の長手方向に所定の間隔をへだて型
枠の幅方向に並列して伸びる２条のスリツト２
ｃ，２ｄが形成されている。型枠１Ａと型枠１Ｂ
とを接続するには、一方の型枠１Ａの端部と他方
の型枠１Ｂの端部とを重ね合せてスリツト２ａ，
２ｂ，２ｃ，２ｄを合致させ、合致したスリツト
２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄに接続金具を挿入して型
枠１Ａと型枠１Ｂとを接続する。この実施例では
接続金具は端部をほぼ直角に折り曲げたＵ字状の
挿入部材３と楔４とよりなり、合致したスリツト
の個所に挿入部材３の折り曲げ部と反対側を挿入
して型枠１Ａ，１Ｂより突出させ突出した挿入部
材３に楔４を打ち込んで型枠１Ａで型枠１Ｂとを
固定する。第５図ないし第７図は各種の接続態様
を示し、第５図は斜めに接続した場合を、また第
６図は広げて接続した場合を、そして第７図は縮
めて接続した場合をそれぞれ示し、このように
種々の形態で接続できるので、法面に凹凸があつ
てもそれを吸収して適切に型枠を設置することが
できるものである。

なお、以上の実施例では２条のスリツトについ
て説明したが、３条以上のスリツトを設けてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の型枠接続方式を示
す説明図である。第３図および第４図は本考案の
実施例に係る型枠接続構造を示し、第３図は斜視
図、第４図は上方よりみた平面図である。第５
図、第６図および第７図は本考案の実施例に係る
型枠接続構造により型枠を接続した各種の態様を
示す説明図である。 １Ａ，１Ｂ……型枠、２ａ，２ｂ……水平スリ
ツト、２ｃ，２ｄ……垂直スリツト、３……挿入
部材、４……楔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 帯状の段ボール板やプラスチツク板等の軽量材
   よりなるコンクリート型枠の接続構造において相
   互に接続される一方の型枠の端部近くに、型枠の
   幅方向に所定の間隔を隔て型枠の長手方向に並列
   にして伸びる少なくとも２条のスリツトを形成
   し、また相互に接続される他方の型枠の端部近く
   に、型枠の長手方向に所定の間隔を隔て型枠の幅
   方向に並列して伸びる少なくとも２条のスリツト
   を形成し、一方の型枠の端部と他方の型枠の端部
   とを重ね合せてスリツトを合致させ、合致したス
   リツト個所に接続金具を挿入して型枠を接続する
   ことを特徴とするコンクリート型枠の接続構造。