JPH0354260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、土木建築用桟接合物の接合構造に関
するものである。

（従来の技術） ここで、土木建築用桟接合物とは、それぞれ少
なくとも１本の横桟部材と縦桟部材とを互いに直
角又は傾斜させて連結して成る桟組立体であつ
て、建物内部又は建物外部に付設されたり、建物
の敷地や公園、運動場、工場等の用地周囲等に設
置されたり、或いは道路や河川等に沿つて設置さ
れるものをいい、窓手摺、階段手摺、バルコニー
手摺、橋梁手摺等の手摺類、窓格子、格子戸、仕
切格子等の格子類、牧場、農場、花壇、芝生、道
路、河川、池、湖沼等の仕切又は防護棚や建物外
構の塀、垣根等のフエンス類を含むものである。

従来の接合構造では、縦横の桟部材はビスやリ
ベツトで固着されていたが、この方式ではビス等
の固着用部材の費用が嵩み、また固着作用の際熟
練者の技術を要し、手間、労力がかかり、コスト
高であつた。

（考案が解決しようとする問題点） そこで、横桟部材と縦桟部材を嵌め込み接合
後、横桟部材の一部を強打して扁平に突出変形さ
せ、この変形突出を縦桟部材の受孔に係合させて
縦桟部材の抜脱を阻止する、カシメ固着が提案さ
れた。

しかし、このカシメ固着方式はビス等の固着用
部材を特に必要としないので材料費が安く、固着
作業の手間や労力もそれ程かからないが、前記強
打によつて横桟部材の当該部分のメツキ塗装が相
当損傷され、接合部の錆付きや腐蝕を招いた。

従つて、本考案の目的は、製品表面を一切打撃
せずに嵌め合い固着するので、メツキや塗装の損
傷による接合部の錆付きや腐蝕の懸念がなく、接
合強度を長期にわたつて高く維持すると共に、固
着用部材を何等必要としないので材料費が安く、
固着作業の手間や労力も余りかからない土木建築
用桟接合物の接合構造を提供することである。

（問題点を解決するための手段） 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明する
と、本考案の接合構造では、相交叉して接合され
る２つの桟部材１，４のうち、一方の桟部材１の
前側壁１ａに帯状突立板部２を左右方向の全長に
わたつて設け、帯状突立板部２には前側壁１ａに
向かう程上り傾斜の切起し片３をその前端部側よ
り設け、他方の桟部材４の後側壁４ｄには、帯状
突立板部２が嵌挿される受溝６を左右方向の全幅
にわたつて設ける。

他方の桟部材４の左側壁４ａと右側壁４ｂに
は、帯状突立板部２が嵌め込まれる切込み５ａと
切込み５ｂを前記受溝６に連通させて設け、傾斜
側面３ａが受溝６の側縁部６ａに摺接する前記切
起し片３の後端には、他方の桟部材４の内側面４
ｃに当接する停止面３ｂを設ける。

（作用） この接合構造では、第１図に示したように最初
に一方の桟部材１と他方の桟部材４を交叉させ、
帯状突立板部２を受溝６から切込み５ａ，５ｂに
嵌挿し、切起し片３を受溝６から桟部材４の内側
に押し込む。この時、受溝６の側縁部６ａが切起
し片３の傾斜側面３ａに摺接するため、切起し片
３は弾性変形して帯状突立板部２の板厚内に伏没
させられる。

第２図に示したように桟部材４の後側壁４ｄが
桟部材１の前側壁１ａに当接するまで、帯状突立
板部２が切込み５ａ，５ｂに嵌め込まれ、受溝６
の側縁部６ａによる切起し片３の押圧が解除され
た時、切起し片３は弾性復元して帯状突立板部２
の板厚内より傾斜突出する。第３図に示したよう
に突出した切起し片３の後端の停止面３ｂが桟部
材４の内側面４ｃに当接することによつて、受溝
６からの帯状突立板部２の脱出が阻止され、桟部
材４が桟部材１に対して直角方向に離脱しようと
動きが阻止される。

（実施例） 第１図から第３図に示した実施例では、切込み
５ａ，５ｂは桟部材４の左右側壁４ａ，４ｂのほ
ぼ中央部まで設けられ、帯状突立板部２の前端部
２ａは、前記内側面４ｃに対向する桟部材４のに
側面４ｅには当接していない。

第４図に示した本考案の別の実施例では、切込
み５ａ，５ｂは桟部材４の左右側壁４ａ，４ｂの
ほぼ全幅にわたつて設けられ、帯状突立板部２の
前端部２ａは、前記内側面４ｃに対向する桟部材
４の内側面４ｅに当接している。

第５図から第１８図は本考案の他の実施例を示
しており、第５図に示した実施例では桟部材１の
本体部分は角パイプ形に形成され、帯状突立板部
２は前側壁１ａの中央部に直角に設けてある。

第６図に示した実施例では、桟部材１の本体部
分は角パイプ形に形成され、帯状突立板部２は前
側壁１ａの上端部に直角に設けてある。

第７図に示した実施例では、桟部材１の本体部
分は楕円パイプ形に形成され、帯状突立板部２は
前側壁１ａの中央部に直角に設けてある。

第８図に示した実施例では、桟部材１の本体部
分はチヤンネル形に形成され、帯状突立板部２は
前側壁１ａの中央に直角に設けてある。

第９図に示した実施例では、桟部材１の本体部
分はチヤンネル形に形成され、帯状突立板部２は
前側壁１ａの上端部に直角に設けてある。

第１０図に示した実施例では、桟部材４は四角
形断面の角パイプに形成され、第１１図に示した
実施例では、桟部材４六角形断面の角パイプに形
成されている。

第１２図に示した実施例では、桟部材４は四角
形断面の角パイプに形成されている。上側壁４ａ
の前後両端部には突部７，７を直角に設け、下側
壁４ｂの前後両端部には突部８，８を直角に設け
てある。

第１３図に示した実施例では、桟部材４は鼓腹
形断面に形成され、前側壁と後側壁は外側に膨ら
んだ円弧形をなしている。

第１４図に示した実施例では、桟部材４は四角
形断面の角パイプに形成され、後側壁４ｄの上下
両端部には突部７，８を直角に設け、前側壁の上
下両端部には突部７，８を直角に設けてある。後
側壁４ｄの突部７，８は桟部材１の前側壁１ａに
当接する。

第１５図に示した実施例では、桟部材４は鼓腹
形断面に形成され、上側壁４ａと下側壁４ｂは外
側に膨らんだ円弧形になつている。後側壁４ｄの
上下両端部には突部７，８を設け、前側壁の上下
両端部には７，８を直角に設けてある。後側壁４
ｄの突部７，８は桟部材１の前側壁１ａに当接す
る。

第１６図から第１８図に示した実施例では、矩
形状の切起し片３は停止面３ｂの側の側辺のみが
帯状突立板部２から切離されており、停止面３ｂ
に直角な２つの側辺３ｃ，３ｄは帯状突立板部２
から切離されていない。そのため、切起し片３は
桟部材１の横断方向の座屈強度や曲げ強度におい
て強く、桟部材１と桟部材４の接合は更に竪固に
なされる。

なお、桟部材１、桟部材４、切起し片３、帯状
突立板部２、受溝６、切込み５ａ，５ｂの形状と
形成位置は図示のものに特に限定されない。前記
土木建築用桟接合物は、図示の状態から前後反転
させたり、上下逆転させることもでき、取付使用
の態様も特に限定されない。また、受溝６に嵌挿
した後の切起し片３の弾性復元が不足するときに
は、適当な押圧用工具を桟部材に挿入して切起し
片３を傾斜位置に完全復元させることもできる。

（考案の効果） 以上のように本考案の土木建築用桟接合物の接
合構造は、一方の桟部材１の前側壁１ａに左右方
向の全長にわたつて帯状突立板部２を設け、帯状
突立板部２に前端部側より前側壁１ａに向かつて
上り傾斜の切起し片３を設け、他方の桟部材４に
左右方向の全幅にわたつて受溝６を設け、桟部材
４の左側壁４ａと右側壁４ｂに切込み５ａ，５ｂ
を受溝６に連通させて設け、帯状突立板部２を受
溝６から切込み５ａ，５ｂに嵌挿するとき、受溝
６の側縁部６ａで傾斜側面３ａを押圧して切起し
片３を受溝６から桟部材４の内側に押し込み、弾
性復元した切起し片３の後端の停止面３ｂを桟部
材４の内側面４ｃに当接させるものであり、従来
のカメシ固着方式と異なり、桟部材１と桟部材４
の接合に際しては、製品表面を何等打撃しないの
で、外部に露出する部分のメツキや塗装を損傷し
て腐蝕を招くことがなく、所要の接合強度を長期
にわたつて竪固に維持することができる。

また、ビスやリベツト等の固着用部材を使用し
ないので、材料費を低減できると共に、接合作業
が全て簡単な嵌合操作だけであるため、作業が労
力負担少なく簡単に行なえ、接合コストの節減が
図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る土木建築用桟
接合物の接合構造を示す斜視図であり、桟部材は
接合前の状態にある。第２図は接合後の状態の斜
視図であり、第３図は第２図のＡ−Ａ線断面図で
ある。第４図は本考案の別の実施例に係る接合構
造における接合後の状態の断面図である。第５
図、第６図、第７図、第８図及び第９図は本考案
の他の実施例に係る接合構造で使用される桟部材
の右側面図である。第１０図と第１１図は本考案
の更に別の実施例に係る接合構造で使用される桟
部材の断面図である。第１２図は本考案の更に他
の実施例に係る接合構造における接合前の状態の
断面図である。第１３図は本考案の更に別の実施
例に係る接合構造における接合前の状態の断面図
である。第１４図は本考案の更に他の実施例に係
る接合構造における接合前の状態の断面図であ
る。第１５図は本考案の更に別の実施例に係る接
合構造における接合後の状態の断面図である。第
１６図は本考案の更に他の実施例に係る接合構造
で使用される桟部材の平面図であり、第１７図は
第１６図のＢ−Ｂ線断面図であり、第１８図は第
１６図のＣ−Ｃ線断面図である。 １……桟部材、１ａ……前側壁、２……帯状突
立板部、３……切起し片、３ａ……傾斜側面、３
ｂ……停止面、４……桟部材、４ａ……左側壁、
４ｂ……右側壁、４ｃ……内側面、４ｄ……後側
壁、４ｅ……内側面、５ａ……切込み、５ｂ……
切込み、６……受溝、６ａ……側縁部、７……突
部、８……突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相交叉して接合される２つの桟部材１，４のう
   ち、一方の桟部材１の前側壁１ａに帯状突立板部
   ２を左右方向の全長にわたつて設け、帯状突立板
   部２には前側壁１ａに向かう程上り傾斜の切起し
   片３をその前端部側より設け、他方の桟部材４の
   後側壁４ｄには帯状突立板部２が嵌挿される受溝
   ６を左右方向の全幅にわたつて設け、他方の桟部
   材４の左側壁４ａと右側壁４ｂには帯状突立板部
   ２が嵌め込まれる切込み５ａと切込み５ｂを受溝
   ６に連通させて設け、傾斜側面３ａが受溝６の側
   縁部６ａに摺接する前記切起し片３の後端には他
   方の桟部材４の内側面４ｃに当接する停止面３ｂ
   を設けた土木建築用桟接合物の接合構造。