JPH0130508Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は土木建築用桟接合物の接合構造に関す
るものである。

ここで、土木建築用桟接合物とは、それぞれ少
なくとも１本の横桟と縦桟とを互いに直角に又は
傾斜させて連結して成る桟組立体であつて、建物
内部又は建物外部に付設されたり、建物の敷地や
公園、運動場、工場等の用地周囲等に設置された
り、或は道路や河川等に沿つて設置されるものを
いい、窓手摺、階段手摺、バルコニー手摺、橋梁
手摺等の手摺類、窓格子、格子戸、仕切格子等の
格子類、牧場、農場、花壇、芝生、道路、河川、
池、湖沼等の仕切又は防護柵や建物外構の塀、垣
根等のフエンス類等を含むものである。

従来の接合構造では、横枠や縦桟といつた２部
材は、ビスやリベツトで固着されていたが、この
方式では、ビス等の固着用部材の費用が嵩み、ま
た、固着作業の手間、労力がかかり、コスト高で
あつた。

そこで横枠と縦桟を嵌め込み接合後、横枠の一
部を強打して扁平に突出変形させ、この変形突出
部を縦桟の受孔に係合させて縦桟の抜脱を阻止す
るカシメ固着が提案された。

このカシメ固着方式は、ビス等の固着部材を特
に必要としないので材料費が安く、固着作業の手
間や労力もそれ程かからないが、前記強打によつ
て横枠の当該部分のメツキや塗装が相当損傷さ
れ、接合部の錆付きや腐蝕を招いた。

従つて、本考案の目的は、製品表面を一切打撃
せずに嵌め合い固着するので、メツキや塗装の損
傷による接合部の錆付きや腐蝕がなく、接合強度
を長期にわたつて高く維持すると共に、固着部材
を何等必要としないので材料費が安く、固着作業
の手間や労力も余りかからない接合構造を提供す
ることである。

以下、添付図面中の参照符号を用いて説明する
と、本考案の接合構造は、相交叉して接合される
２つの部材１，３の一方の部材１に、張出し基端
部２ｂ，２ｂ間の距離が先端部２ａの長さよりも
長い台形状係止片２を狭幅部５を介して突設し、
他方の部材３には、両端部４ｂ，４ｂが同じ向き
に屈曲した受孔４を設け、該受孔４の主体部分４
ａの長さを係止片２の張出し基端部２ｂ，２ｂ間
の距離よりも短かくし、前記屈曲端部４ｂ，４ｂ
間の受孔縁部４ｃと係止片２の一方又は双方を弾
性変形させて係止片２を受孔４に嵌挿し、嵌挿後
弾性復帰した係止片２の張出し基端部２ｂ，２ｂ
を、前記受孔主体部分４ａの両端受孔縁部４ｄ，
４ｄの内面に係合させたものである。

図示の実施例では、係止片２の受孔４への嵌挿
を容易にし、該嵌挿時における前記受孔縁部４ｃ
や係止片２の弾性変形量を過大にしないため、係
止片２の先端部２ａの長さを受孔主体部分４ａの
長さにほぼ等しくすると共に、受孔４の屈曲端部
４ｂ，４ｂ間の距離を係止片２の張出し基端部２
ｂ，２ｂ間の距離にほぼ等しくし、また、受孔屈
曲端部４ｂ，４ｂを受孔主体部分４ａに対して鈍
角に形成してある。

また、前記嵌挿後における受孔主体部分４ａに
沿つた係止片２の移動を阻止し、張出し基端部２
ｂ，２ｂと前記受孔縁部４ｄ，４ｄとの係合を確
保するため、受孔主体部分４ａの長さを狭幅部５
の長さにほぼ等しくしてある。

この接合構造では、係止片２の先端部２ａを受
孔主体部分４ａに一部挿入した後、部材１を部材
３に向つて押圧すると、台形状係止片２の傾斜側
端部２ｃ，２ｃと主体部分４ａに対して斜めに形
成された受孔屈曲端部４ｂ，４ｂの内壁面が互い
に傾斜カム面として働くため、前記受孔縁部４ｃ
と係止片２が内側に弾性変形して、係止片２が受
孔４を通過する。

この通過後、第３図及び第５図に示したよに、
受孔縁部４ｃが弾性復帰して狭幅部５の内側面に
当接する一方、狭幅部５の外側面には受孔主体部
分４ａの内壁面が当接するため、部材３の長さ方
向に沿つた部材１の移動が阻止される。

また、第４図及び第５図に示したように、係止
片２が弾性復帰して、その張出し基端部２ｂ，２
ｂが前記受孔縁部４ｄ，４ｄの内面に当接するた
め、部材３と直角方向への部材１の移動、即ち部
材１の抜脱が阻止される。かくして、部材１と部
材３は相互に連結され、手摺等の枠組構造物とし
て充分な接合強度を有するものとなる。

図示の実施例では、接合強度を高めるため、部
材１の一対の側壁板部１ａ，１ｂの双方に前記狭
幅部５と係止片２を突設してあり、これに対応し
て、部材３には、部材１の両側壁板部１ａ，１ｂ
間の間隔と等しい間隔を置いて前記受孔４を２個
設けてある。尚、係止片２と受孔４間の間〓を含
めた部材１と部材３間の間〓から雨水等が部材１
や部材３の内部に侵入するのを的確に防止するた
め、防水パツキングやコーキングを該部に施して
もよい。

以上のように本考案の接合構造は、張出し基端
部２ｂ，２ｂ間の距離が先端部２ａの長さよりも
長い台形状係止片２を狭幅部５を介して一方の部
材１に突設し、主体部分４ａの長さが係止片の張
出し基端部２ｂ，２ｂ間の距離よりも短かいと共
に両端部４ｂ，４ｂが同じ向きに屈曲した受孔４
を他方の部材３に設け、前記屈曲端部４ｂ，４ｂ
間の受孔縁部４ｃと係止片２の一方又は双方を弾
性変形させて係止片２を受孔４に嵌挿し、嵌挿後
弾性復帰した係止片２の張出し基端部２ｂ，２ｂ
を受孔主体部分４ａの両端受孔縁部４ｄ，４ｄ内
面に係合させるものであり、従来のカシメ固着方
式とは異なり、接合操作に当つて製品表面を打撃
する必要がないので、外部に露出する製品表面の
メツキや塗装を損傷することがない。

上記嵌挿操作時に係止片２と受孔４の孔縁部が
互いに摺接するので、これらメツキや塗装の損傷
が一部あり得るが、接合後においては係止片２が
部材３内に隠蔽される一方、受孔４の孔縁部が部
材１内に隠蔽されるため、係止片２や受孔４孔縁
部は雨水等の吹付けによる腐食老化に対して防護
されている。そのため、この接合構造によれば、
高い接合強度を長期にわたつて維持することがで
きるのである。

また、ビスやリベツト等の固着部材を別途使用
しないので材料費が低減できると共に、接合作業
が全て簡単な嵌挿操作だけであるから、固着作業
が労力負担少なく簡単に行え、接合コストの節減
が可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は両部
材の接合前の斜視図、第２図は両部材の接合後の
斜視図である。第３図は第２図のＡ−A′線断面
図、第４図は第２図のＢ−B′線断面図、第５図
は第３図のＣ−C′線断面図である。 １……一方の部材、２……係止片、２ａ……係
止片先端部、２ｂ……係止片張出し基端部、３…
…他方の部材、４……受孔、４ａ……受孔主体部
分、４ｂ……受孔屈曲端部、５……狭幅部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相交叉して接合される２つの部材１，３の一方
   の部材１に、張出し基端部２ｂ，２ｂ間の距離が
   先端部２ａの長さよりも長い台形状係止片２を狭
   幅部５を介して突設し、他方の部材３には、両端
   部４ｂ，４ｂが同じ向きに屈曲した受孔４を設
   け、該受孔４の主体部分４ａの長さを係止片２の
   張出し基端部２ｂ，２ｂ間の距離よりも短かく
   し、前記屈曲端部４ｂ，４ｂ間の受孔縁部４ｃと
   係止片２の一方又は双方を弾性変形させて係止片
   ２を受孔４に嵌挿し、嵌挿後弾性復帰した係止片
   ２の張出し基端部２ｂ，２ｂを、前記受孔主体部
   分４ａの両端受孔縁部４ｄ，４ｄの内面に係合さ
   せた土木建築用桟接合物の接合構造。