JPS6343133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、車両のフロント・ボデイ構造の改
良に関する。

一般に、車両、例えば、乗用車やピツク・アツ
プなどのフロント・ボデイ構造において、フロン
ト・ガラスはウインド・シールド・ウエザー・ス
トリツプを介して、フロント・ウインド・フレー
ム・フランジに取り付けられ、そのウエザー・ス
トリツプによつてキヤブ内と外側との気密性を保
持するように構成されてきている。

しかし、通常、そのウエザー・ストリツプのみ
で極めて高い気密性を得ることは困難であり、従
来のフロント・ボデイ構造には、そのウエザー・
ストリツプの取付けの際、不乾性シーラを使用
し、防水および防塵効果を高めるように構成され
てきている。

また、その乗用車やピツク・アツプなどのフロ
ント・ボデイ構造においては、カウル・ルーバの
先端をカウル・アウタ・パネルに固定し、後端を
そのフロント・ガラスの下方部分側に伸長してい
るため、従来のウエザー・ストリツプを使用し
て、そのフロント・ガラスをそのフロント・ウイ
ンド・フレーム・フランジに固定すれば、そのカ
ウル・ルーバの後端とそのウエザー・ストリツプ
との間に隙間を生じ、その隙間から塵、砂、水な
どが浸入し易く、カウル・ルーバまわりの外観が
損われる傾向にあつた。

この考案の目的は、フロント・ガラスをフロン
ト・ウインド・フレーム・フランジに確実に固定
し、かつ、不乾性シーラを使用することなく、キ
ヤブ内と外側との高い気密性を保持し、さらに、
カウル・ルーバの後端側における隙間を密閉し、
そのカウル・ルーバの後端側からの塵、砂、水な
どの浸入を防止し、しかも、そのカウラ・ルーバ
まわりの外観を良好にするところの車両のフロン
ト・ボデイ構造の提供にある。

それらを課題として、この考案の車両のフロン
ト・ボデイ構造は、カウル・インナ・パネルの上
方に配置され、かつ、フロント・ウインド・フレ
ームの下方枠部分を形成するフランジ付き受け段
を後端に備えたカウル・アウタ・パネルと、その
カウル・アウタ・パネルの上方を被うように、前
方端をそのカウル・アウタ・パネルに固定し、後
方端をその受け段側に伸長したカウル・ルーバ
と、そのフロント・ウインド・フレームに配置さ
れるフロント・ガラスと、そのフロント・ガラス
をそのフロント・ウインド・フレームに固定し、
かつ、その受け段よりも前方のそのカウル・アウ
タ・パネルの外側面に添えられるカウル側シー
ル・リツプ、および、そのカウル・ルーバの後端
の外側面に添えられるルーバ側シール・リツプを
それぞれ一体的に備えるウエザー・ストリツプと
を備えて構成している。

以下、この考案に係る車両のフロント・ボデイ
構造の望ましい具体例について、図面を参照して
説明する。

第１ないし３図は、ピツク・アツプ３０に適用
されたこの考案の車両のフロント・ボデイ構造の
具体例１０を示している。

そのフロント・ボデイ構造１０は、カウル・イ
ンナ・パネル１１、そのカウル・インナ・パネル
１１に協働されてカウル・ボツクスを形成するよ
うに、そのカウル・インナ・パネル１１の上方に
配置され、かつ、フロント・ウインド・フレーム
１３の下方枠部分を形成するフランジ付き受け段
１４を後端に備えたカウル・アウタ・パネル１
２、そのカウル・アウタ・パネル１２の上方を被
うように、前方端をそのカウル・アウタ・パネル
１２に固定し、後方端をその受け段１４側に伸長
したカウル・ルーバ１６、そのフロント・ウイン
ド・フレーム１３に配置されるフロント・ガラス
２２、そのフロント・ガラス２２をそのフロン
ト・ウインド・フレーム１３のフランジ１５に固
定し、かつ、その受け段１４よりも前方のそのカ
ウル・アウタ・パネル１２の外側面に添えられる
カウル側シール・リツプ２７、および、そのカウ
ル・ルーバ１６の後端の外側面に添えられるルー
バ側シール・リツプ２８をそれぞれ一体的に備え
たウエザー・ストリツプ２３などより構成されて
いる。

カウル・インナ・パネル１１は、パン型に形成
され、ピツク・アツプ３０のアンダ・ボデイに溶
接されている。

カウル・アウタ・パネル１２は、そのカウル・
インナ・パネル１１に協働されてカウル・ボツク
スを形成するように、そのカウル・インナ・パネ
ル１１の上方に配置され、しかも、そのピツク・
アツプ３０のフロント・ウインド・フレーム１３
の下方枠部分を形成するフランジ付き受け段１４
を後端に備えている。

勿論、そのフロント・ウインド・フレーム１３
の上方枠部分は、ルーフ・パネル２０の前方の縁
によつて形成され、また、両側枠部分は、左右の
フロント・ピラー２１の内側の縁によつて形成さ
れ、しかも、その上方および両側枠部分は、その
下方枠部分と同様に、フランジ付き受け段をそれ
ぞれ備えている。

従つて、そのカウル・アウタ・パネル１２の後
方の両端に、左右のピラー２１の下端をそれぞれ
溶接し、そのルーフ・パネル２０の前方の両端を
その左右のピラー２１の上端に溶接すれば、略方
形状のフロント・ウインド・フレーム１３が形成
され、しかも、その受け段１４のフランジ１５に
後述するウエザー・ストリツプ２３を嵌め込み得
るように構成される。

カウル・ルーバ１６は、そのカウル・アウタ・
パネル１２の上方を被うように、前方端をそのカ
ウル・アウタ・パネル１２に固定し、後方端をそ
のカウル・アウタ・パネル１２の受け段１４側に
伸長している。

すなわち、そのカウル・ルーバ１６は、そのカ
ウル・アウタ・パネル１２の上方を被うように鋼
板からプレス成形されたもので、前方の側を下方
に段付けして折り曲げ、フアスナ１８によるその
カウル・アウタ・パネル１２への取付けを可能に
し、後方の側を内側に折り返し、フアスナ１９の
フツク３３のための引つ掛け孔１７をその折り返
し部分に形成して、そのフアスナ１９によるその
カウル・アウタ・パネル１２への取付けを可能に
している。

従つて、そのカウル・ルーバ１６は、それらの
フアスナ１８，１９によつてそのカウル・アウ
タ・パネル１２に取り付けられ、後方端をそのカ
ウル・アウタ・パネル１２の受け段１４側に伸長
している。

勿論、そのカウル・ルーバ１６の前方端を固定
するフアスナ１８は、そのカウル・ルーバ１６の
前方に配置されるフード３２のシール性を向上す
るためのリツプ付きシール・ラバー３１をそのカ
ウル・アウタ・パネル１２に固定している。

フロント・ガラス２２は、そのピツク・アツプ
３０のフロント・ウインド・フレーム１３の開口
を閉塞するようにそのフロント・ウインド・フレ
ーム１３に配置され、後述するウエザー・ストリ
ツプ２３によつてそのフロント・ウインド・フレ
ーム１３のフランジ１５に固定される。

ウエザー・ストリツプ２３は、そのフロント・
ガラス２２をそのフロント・ウインド・フレーム
１３のフランジ１５に固定するウエザー・ストリ
ツプ本体２４と、その受け段１４よりも前方のそ
のカウル・アウタ・パネル１２の外側面に添えら
れるように、そのウエザー・ストリツプ本体２４
の下方部分に突出されたカウル側シール・リツプ
２７と、そのカウル・ルーバ１６の後端の外側面
に添えられるように、そのウエザー・ストリツプ
本体２４の下方部分に突出されたルーバ側シー
ル・リツプ２８とより構成されている。

そのウエザー・ストリツプ本体２４は、合成ゴ
ムから略方形の枠型に形成されたもので、そのフ
ロント・ウインド・フレーム１３のフランジ１５
を嵌め込む外向きのフランジ溝２５、および、フ
ロント・ガラス２２を嵌め込む内向きのガラス溝
２６をそれぞれ長さ方向に沿つて備えている。

換言するならば、そのウエザー・ストリツプ本
体２４は、ルーフ・パネル２０のフランジ側に配
置される上方部分、その上方部分の両端に連続的
に形成され、左右のフロント・ピラー２１のフラ
ンジ側に配置される両側部分、および、その両側
部分の下端を互いに連結するように形成され、カ
ウル・アウタ・パネル１２のフランジ側に配置さ
れる下方部分より略方形の枠型に構成され、その
フロント・ガラス２２をそれらのフランジ、すな
わち、フロント・ウインド・フレーム・フランジ
１５に固定するように、外向きのフランジ溝２
５、および、内向きのガラス溝２６をそれぞれ長
さ方向に沿つて備えている。

勿論、そのフロント・ウインド・フレーム・フ
ランジ１５は、そのルーフ・パネル２０、左右の
フロント・ピラー２１、および、カウル・アウ
タ・パネル１２のそれぞれの縁をプレス成形によ
り折り曲げて形成されるが、そのプレス成形の
際、そのルーフ・パネル２０、左右のフロント・
ピラー２１、および、カウル・アウタ・パネル１
２は、ジヨグリング、いわゆる段付き曲げ加工さ
れ、ほぼ平坦な受け段１４をそのフロント・ウイ
ンド・フレーム・フランジ１５の前方に形成して
いる。

従つて、そのウエザー・ストリツプ本体２４
は、その受け段１４に収められるようにして、そ
のフロント・ウインド・フレーム・フランジ１５
およびフロント・ガラス２２をそのフランジ溝２
５およびガラス溝２６にそれぞれ嵌め込み、その
フロント・ガラス２２をそのフロント・ウイン
ド・フレーム・フランジ１５に固定するように構
成されている。

また、そのウエザー・ストリツプ本体２４は、
外周に所定の間隔を保つて僅かに突出され、か
つ、長さ方向に伸長された複数のリブ２９を備え
ることが望ましく、そのようなリブ２９が備えら
れるならば、そのフロント・ウインド・フレー
ム・フランジ１５をそのフランジ溝２５に嵌め込
むとき、その複数のリブ２９の先端がその受け段
１４に接触し、そのカウル・アウタ・パネル１２
とのシール性が向上される。

カウル側シール・リツプ２７は、そのカウル・
アウタ・パネル１２の受け段１４よりも前方側の
外側面に添えられるように、そのウエザー・スト
リツプ本体２４の下方部分に長さ方向に沿つて突
出されている。

勿論、そのカウル側シール・リツプ２７は、弾
性的な復元力をもつて、その受け段１４よりも前
方側の外側面に添えられ、そのカウル・アウタ・
パネル１２とのシール性を確実に保持するように
構成されている。

また、そのカウル側シール・リツプ２７の突出
長さは、そのカウル・アウタ・パネル１２とのシ
ール性を確保し得る長さをもつて予め決定され、
しかも、両端の突出長さが順次短くなるようにさ
れている。

ルーバ側シール・リツプ２８は、そのカウル側
シール・リツプ２７の上方で、カウル・ルーバ１
６の後端の外側面に添えられるように、そのウエ
ザー・ストリツプ本体２４の下方部分に長さ方向
に沿つて突出されている。

勿論、そのルーバ側シール・リツプ２８は、弾
性的な復元力をもつて、そのカウル・ルーバ１６
の後端の外側面に添えられ、そのカウル・ルーバ
１６とのシール性を確実に保持するように構成さ
れている。

また、そのルーバ側シール・リツプ２８の突出
長さは、そのカウル・ルーバ１６とのシール性を
確保し得る長さをもつて予め決定されている。

上述のようにして、ウエザー・ストリツプ本体
２４の下方部分には、カウル側シール・リツプ２
７およびルーバ側シール・リツプ２８がそれぞれ
突出されているため、そのウエザー・ストリツプ
２３における下方部分の縦断面形状は上方部分お
よび両側部分のそれぞれの縦断面形状と異なる。

従つて、そのウエザー・ストリツプ２３の上方
部分および両側部分は、フランジ溝２５ガラス溝
２６ルーバ側シールリツプに相当するリツプ、お
よび、複数のリブ１６を形成するように連続的に
押出し成形され、一方、そのウエザー・ストリツ
プ２３の下方部分は、フランジ溝２５、ガラス溝
２６、カウル側シール・リツプ２７、ルーバ型シ
ール・リツプ２８、および、複数のリブ２９を形
成するように型成形され、さらに、その両側部分
の下端が、その下方部分の両端に型成形加工でそ
れぞれ連結される。

勿論、そのウエザー・ストリツプ２３の上方部
分および両側部分は、連続的に押出し成形される
ものとして説明したが、それぞれ分割して押出し
成形し、上方部分の両端に両側部分のそれぞれの
上端を突き合わせ、型成形加工により、コーナ部
分で連結することも可能である。

上述のこの考案の車両のフロント・ボデイ構造
１０において、上述した以外の構成は既存のピツ
ク・アツプにおけるフロント・ボデイ構造と同様
に構成されるため、それらの構成の説明を省略す
る。

次に、上述のフロント・ボデイ構造１０におい
て、フロント・ガラス２２およびカウル・ルーバ
１６の取付け方法について説明するに、先ず、そ
のフロント・ガラス２２の周囲をウエザー・スト
リツプ２３のガラス溝２６に嵌め込み、さらに、
そのウエザー・ストリツプ２３のフランジ溝２５
をピツク・アツプ３０のフロント・ウインド・フ
レーム・フランジ１５に嵌め込む。

そのような状態で、そのウエザー・ストリツプ
２３の複数のリブ２９は、カウル・アウタ・パネ
ル２３の受け段１４に接触し、しかも、カウル側
シール・リツプ２７は、その受け段１４よりも前
方側で、そのカウル・アウタ・パネル２３の外側
面に添えられる。

従つて、そのフロント・ガラス２２がそのフロ
ント・ウインド・フレーム・フランジ１５に確実
に固定され、しかも、そのカウル側シール・リツ
プ２７が上述のようにしてそのカウル・アウタ・
パネル１２の外側面に添えられているので、防水
および防塵効果が高められ、特に、不乾性シーラ
を使用することなく、そのカウル・アウタ・パネ
ル１２との高いシール性が保持される。

勿論、そのカウル側シール・リツプ２７によつ
て、そのカウル・アウタ・パネル１２との高いシ
ール性が保持されることから、受け段１４の断面
形状が異なる各種のフロント・ボデイ構造にその
ウエザー・ストリツプ２３を適用することがで
き、例えば、その受け段１４が傾斜状に形成され
ている場合にも、そのカウル側シール・リツプ２
７により、高いシール性が保持される。

また、カウル・ルーバ１６をそのカウル・アウ
タ・パネル１２に固定するには、予めフアスナ１
９をそのカウル・アウタ・パネル１２の後方寄り
の位置、すなわち、そのカウル側シール・リツプ
２７よりも僅かに下方の位置に取り付け、そのカ
ウル・ルーバ１６の後端の外側面上に、そのウエ
ザー・ストリツプ２３のルーバ側シール・リツプ
２８を載せるように、そのカウル・ルーバ１６の
折り返し部分に形成された引つ掛け孔１７をその
フアスナ１９のフツク３３に引つ掛ける。

次いで、そのカウル・ルーバ１６の前方端をフ
アスナ１８を使用して、そのカウル・アウタ・パ
ネル１２に固定する。

そのようなカウル・ルーバ１６の取付け状態に
おいて、そのウエザー・ストリツプ２３のルーバ
側シール・リツプ２８がそのカウル・ルーバ１６
の後端の外側面に添えられているため、そのカウ
ル・ルーバ１６の後端側における隙間がそのルー
バ側シール・リツプ２８によつて密閉され、塵、
砂、水などの浸入が防止され、そのカウル・ルー
バ１６まわりの外観が向上される。

如上のこの考案によれば、カウル・インナ・パ
ネルの上方に配置され、かつ、フロント・ウイン
ド・フレームの下方枠部分を形成するフランジ付
き受け段を後端に備えたカウル・アウタ・パネル
と、そのカウル・アウタ・パネルの上方を被うよ
うに、前方端をそのカウル・アウタ・パネルに固
定し、後方端をその受け段側に伸長したカウル・
ルーバと、そのフロント・ウインド・フレームに
配置されるフロント・ガラスと、そのフロント・
ガラスをそのフロント・ウインド・フレームに固
定するウエザー・ストリツプとを備えて構成さ
れ、そのウエザー・ストリツプがその受け段より
も前方のそのカウル・アウタ・パネルの外側面に
添えられるカウル側シール・リツプを備えている
ので、フロント・ガラスが不乾性シーラを使用す
ることなく、そのフロント・ウインド・フレーム
に確実に固定され、キヤブ内と外側との高い気密
性が保持され、さらに、そのウエザー・ストリツ
プがそのカウル・ルーバの後端の外側面に添えら
れるルーバ側シール・リツプを備えているので、
そのカウル・ルーバの後端側における隙間が密閉
され、そのカウル・ルーバの後端側からの塵、
砂、水などの浸入が防止され、しかも、そのカウ
ル・ルーバまわりの外観が良好になされ、極めて
実用的になる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の車両のフロント・ボデイが
適用されたピツク・アツプの部分斜視図、第２図
は第１図の２−２線に沿つて示した部分拡大縦断
面図、および、第３図はこの考案の車両のフロン
ト・ボデイ構造におけるウエザー・ストリツプを
示す部分斜視図である。 １０……車両のフロント・ボデイ構造、１１…
…カウル・インナ・パネル、１２……カウル・ア
ウタ・パネル、１３……フロント・ウインド・フ
レーム、１４……受け段、１５……フランジ、１
６……カウル・ルーバ、２２……フロント・ガラ
ス、２３……ウエザー・ストリツプ、２７……カ
ウル側シール・リツプ、２８……ルーバ側シー
ル・リツプ、３０……ピツク・アツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カウル・インナ・パネルの上方に配置され、か
   つ、フロント・ウインド・フレームの下方枠部分
   を形成するフランジ付き受け段を後端に備えたカ
   ウル・アウタ・パネルと、 そのカウル・アウタ・パネルの上方を被うよう
   に、前方端をそのカウル・アウタ・パネルに固定
   し、後方端をその受け段側に伸長したカウル・ル
   ーバと そのフロント・ウインド・フレームに配置され
   るフロント・ガラスと、 そのフロント・ガラスをそのフロント・ウイン
   ド・フレームに固定し、かつ、その受け段よりも
   前方のそのカウル・アウタ・パネルの外側面に添
   えられるカウル側シール・リツプ、および、その
   カウル・ルーバの後端の外側面に添えられるルー
   バ側シール・リツプをそれぞれ一体的に備えたウ
   エザー・ストリツプ とを備える車両のフロント・ボデイ構造。