JPS6340325Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用ウエザーストリツプの取付
構造に関する。

一般に、自動車では、第１図に示すようなドア
１の取付部分において、ドア１の周縁部と車体開
口部との間にシール機能を有するウエザーストリ
ツプが取り付けられている。

ところで、従来の自動車用ウエザーストリツプ
取付構造としては、第２，３図に示すようなもの
があり、第２図に示すものでは、例えばフロント
ピラー２に固着された断面Ｌ字型の取付部材３
に、ウエザーストリツプ４を挾持するようにして
取付けることが行なわれていて、第３図に示すも
のでは、同じくフロントピラー２に固着された取
付部材３′にウエザーストリツプ４′を挾み込むよ
うにして取付けることが行なわれている。

しかしながら、このような従来のウエザースト
リツプ取付構造では、前者の場合も後者の場合
も、ウエザーストリツプ４，４′が取付部材３，
３′から外れやすいという問題点がある。

本考案は、このような問題点を解決しようとす
るもので、車体から外れにくく、また雨水の誘導
や車内への浸入の防止を行なえるようにした、ウ
エザーストリツプの取付構造を提供することを目
的とする。

このため、本考案の自動車用ウエザーストリツ
プ取付構造は、車体開口部の縁部に一対の板部材
を重合して形成されたフランジ部に、同フランジ
部を挟持する一対の端縁をもつたウエザーストリ
ツプをそなえ、上記ウエザーストリツプにおける
一対の端縁の少なくとも一方に上記フランジ部を
挟持するための突起部が設けられるとともに、上
記フランジ部における上記一対の板部材の端縁部
の一方を他方より長く延在し他方側へ折り曲げて
上記突起部と係合しうるように形成されたストツ
パ部が設けられ、上記ウエザーストリツプの外周
側に雨樋用の凹所を形成する一対のシールリツプ
が設けられて、上記フランジ部における一対の板
部材の一方の折曲加工部と他方の先端とにより形
成される凹部にシール部材が取り付けられたこと
を特徴としている。

以下、図面により本考案の一実施例としての自
動車用ウエザーストリツプ取付構造について説明
すると、第４図は第１図のＡ−Ａ矢視部分におけ
る断面図であり、コンシールド型のフロントドア
１をそなえた車体開口部５の前側傾斜縁部を構成
するフロントピラー６には、フランジ部７が形成
されている。

このフランジ部７は、フロントピラー６の一部
を構成する一対の板部材６ａ，６ｂを、部分的に
重合させるようにして作られている。

そして、このフランジ部７には、これを挟持す
る一対の端縁８ａ，８ｂをもつた弾性材から成る
帯状のウエザーストリツプ８が取付けられてい
る。

ウエザーストリツプ８は、各端縁８ａ，８ｂの
内側に形成された突起部としての突条８a′，８
b′でフランジ部７を挟持することにより、このフ
ランジ部７に取付けられている。

また、フランジ部７を構成する２枚の板部材６
ａ，６ｂのうち一方の板部材６ｂにおける重合先
端部には、突条８a′と係合しうるストツパ部とし
てのＬ字型折曲加工部６b′が形成されている。

このように、ウエザーストリツプ８がＬ字型折
曲加工部６b′を有するフランジ部７に取付けられ
ることにより、ウエザーストリツプ８がやや外方
へ妨げられるため、その弾性復元力の作用によつ
て挟持力が強くなつて外れにくくなるほか、もし
ウエザーストリツプ８が外力を受けてフランジ部
７から抜け出ようとした場合でも、Ｌ字型折曲加
工部６b′と突条８a′とが係合するため、ウエザー
ストリツプ８がフランジ部７から抜け出ることは
確実に防止される。

さらに、このウエザーストリツプ８の外周側に
は、帯状のシールリツプ８ｃ，８ｄが形成されて
おり、シールリツプ８ｃはフロントドア１を閉じ
たときにフロントドア１の内側縁部に当接してシ
ールリツプ８ｃと車体との間のシールを行ない、
シールリツプ８ｄは同じくフロントドア１を閉じ
たときに、フロントピラー６近傍のウインドシー
ルドモール部９に当接してシールリツプ８ｄと車
体との間のシールを行なえるようになつている。

また、フランジ部７における一対の部材６ａ，
６ｂの重合部端縁としての折曲加工部６b′が次の
ようにして形成されている。

すなわち、一方の板部材６ｂの端縁部が他方の
板部材６ａの端縁部より長く延在して形成されて
おり、この一方の板部材６ｂの端縁部を他方の板
部材６ａ側へ折り曲げて折曲加工部６b′が形成さ
れている。

そして、この折曲加工部６b′において、他方の
板部材６ａの端縁と板部材６ｂにより形成された
凹部１５に、２枚の板部材６ａ，６ｂの重合部を
通じての雨水等のフロントピラー６内の空間１０
への侵入を防止すべく、塗装剤により硬化する半
硬化性のシール部材１１（ボデイシーラ）が取付
けられている。

なお、このウエザーストリツプ８は車体開口部
５の前側傾斜縁部としてのフロントピラー６のフ
フランジ部７に取付けられるほか、車体開口部５
の上側縁部としての車体ルーフ側縁部に形成され
たフランジ部７にも延在して取付けられており、
これによりこのウエザーストリツプ８は車体開口
部５の上側縁部から前側傾斜縁部にわたつて帯状
にに取付けられていることになる。

また、上記車体ルーフ側縁部付きのフランジ部
も、フロントピラー６付きのフランジ部７とほぼ
同じ構造をしており、ストツパとしてのＬ字型折
曲加工部の作用によつてウエザーストリツプ８が
車体から外れにくくなつている。

さらに、車体ルーフ側縁部においてもウエザー
ストリツプ８の一対のシールリツプ８ｃ，８ｄに
よつて２個所で確実にシールが行なわれており、
また車体ルーフ側縁部におけるフランジ部折曲加
工部付きのボデイシーラによつてもシール機能が
十分に確保されている。

ところで、このウエザーストリツプ８は、シー
ルリツプ８ｃ，８ｄで囲まれる凹所が雨樋部８ｅ
としてのドリツプチヤンネルを兼ねるように構成
されており、フロントドア１と車体との間の隙間
１２から入つてきた雨水等は、この雨樋部８ｅに
沿い流れ落ちて、所定の場所（例えばフロントフ
エンダパネル内側の空間）から排出されるように
なつている。

なお、ウエザーストリツプ８の後端部は、少し
高くなつていて閉塞しているか、または車体に形
成された導水路に向けて開口している。

また、図中、符号１３はフロントガラス、１４
はシール部材を示しており、このシール部材１４
はフロントドア１に取付けられて、フロントドア
１の閉時に車体に当接しフロントドア１と車体と
の間のシールを行なうようになつている。

この実施例についての効果ないし利点を挙げれ
ば次のとおりである。

(1) フランジ端縁にストツパ部６b′が設けられて
いるので、ウエザーストリツプ８がフランジ７
から離脱しようとしても、ウエザーストリツプ
８の突起部８a′，８b′に係止され、ウエザース
トリツプ８が車体から抜け出ることはない。

(2) 一対のシールリツプ８ｃ，８ｄにより、ウエ
ザーストリツプ８とドアパネルおよび車体側と
のシールが確実に行なわれるとともに、シール
リツプ８ｃ，８ｄにより形成される凹所を通じ
雨水等が誘導されるため、車内側への雨水等の
浸入が確実に防止される。

(3) フランジ部７における重合部端縁のシール部
材１１により、重合部を通じての雨水等の浸入
が防止されるため、シールリツプ８ｃ，８ｄに
よるシールとあいまつて、二重のシール機能が
なされ、フランジ部７の錆びるのを十分に防止
できる。

(4) シール部材１１は、一対の板部材６ａ，６ｂ
により形成された凹部１５に取り付けられてい
るので、シール部材１１の脱落を防止でき、一
対の板部材６ａ，６ｂ間のシールを確実に行な
える。

(5) フランジ部７に、これをカバーするようにウ
エザーストリツプ８が取付けられているので、
危険防止もはかれる。

なお、フランジ部７に設けられてウエザースト
リツプ８付きの突起部８a′と係合しうるストツパ
部を、前述の実施例のごとく、フランジに先端部
に設けられるＬ字型折曲加工部６b′として構成す
るほか、フランジ先端部に設けられるＴ型部や膨
大部等として構成してもよく、更にフランジ中間
部に設けられる係合突起部として構成してもよ
い。

以上詳述したように、本考案の自動車用ウエザ
ーストリツプ取付構造によれば、車体開口部の縁
部に一対の板部材を重合して形成されたフランジ
部に、同フランジ部を挟持する一対の端縁をもつ
たウエザーストリツプをそなえ、上記ウエザース
トリツプにおける一対の端縁の少なくとも一方に
上記フランジ部を挟持するための突起部が設けら
れるとともに、上記フランジ部における上記一対
の板部材の端縁部の一方を他方より長く延在し他
方側へ折り曲げて上記突起部と係合しうるように
形成されたストツパ部が設けられ、上記ウエザー
ストリツプの外周側に雨樋用の凹所を形成する一
対のシールリツプが設けられて、上記フランジ部
における一対の板部材の一方の折曲加工部と他方
の先端とにより形成される凹部にシール部材が取
り付けられるという簡素な構成で、以下のような
効果ないし利点が得られる。

(1) フランジ端縁にストツパ部６b′が設けられて
いるので、ウエザーストリツプ８がフランジ７
から離脱しようとしても、ウエザーストリツプ
８の突起部８a′，８b′を係止され、ウエザース
トリツプ８が車体から抜け出ることはない。

(2) 一対のシールリツプ８ｃ，８ｄにより、ウエ
ザーストリツプ８とドアパネルおよび車体側と
のシールが確実に行なわれるとともに、シール
リツプ８ｃ，８ｄにより形成される凹所を通じ
雨水等が誘導されるため、車内側への雨水等の
浸入が確実に防止される。

(3) フランジ部７における重合部端縁のシール部
材１１により、重合部を通じての雨水等の浸入
が防止されるため、シールリツプ８ｃ，ｄによ
るシールとあいまつて、二重のシール機能がな
され、フランジ部７の錆びるのを十分に防止で
きる。

(4) シール部材１１は、一対の板部材６ａ，６ｂ
により形成された凹部１５に取り付けられてい
るので、シール部材１１の脱落を防止でき、一
対の板部材６ａ，６ｂ間のシールを確実に行な
える。

(5) フランジ部７に、これをカバーするようにウ
エザーストリツプ８が取付けられているので、
危険防止もはかれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な自動車を示す部分斜視図であ
り、第２，３図は従来の自動車用ウエザーストリ
ツプ取付構造を示すもので、第２図は第１図のＡ
−Ａ矢視部分における断面図、第３図はその他の
例を第２図に対応させて示す断面図であり、第４
図は本考案の一実施例としての自動車用ウエザー
ストリツプ取付構造を第２，３図に対応させて示
す断面図である。 １……フロントドア、５……車体開口部、６…
…フロントピラー、６ａ，６ｂ……フロントピラ
ーの一部を構成する板部材、６b′……ストツパ部
としてのＬ字型折曲加工部、７……フランジ部、
８……ウエザーストリツプ、８ａ，８ｂ……ウエ
ザーストリツプの端縁、８a′，８b′……突起部と
しての突条、８ｃ，８ｄ……シールリツプ、８ｅ
……雨樋部、９……ウインドシールドモール部、
１０……フロントピラー内の空間、１１……シー
ル部材、１２……フロントドアと車体との間の隙
間、１３……フロントガラス、１４……シール部
材、１５……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体開口部の縁部に一対の板部材を重合して形
   成されたフランジ部に、同フランジ部を挟持する
   一対の端縁をもつたウエザーストリツプをそな
   え、上記ウエザーストリツプにおける一対の端縁
   の少なくとも一方に上記フランジ部を挟持するた
   めの突起部が設けられるとともに、上記フランジ
   部における上記一対の板部材の端縁部の一方を他
   方より長く延在し他方側へ折り曲げて上記突起部
   と係合しうるように形成されたストツパ部が設け
   られ、上記ウエザーストリツプの外周側に雨樋用
   の凹所を形成する一対のシールリツプが設けられ
   て、上記フランジ部における一対の板部材の一方
   の折曲加工部と他方の先端とにより形成される凹
   部にシール部材が取り付けられたことを特徴とす
   る、自動車用ウエザーストリツプ取付構造。