JPH0347005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車体の側面から屋根面にかけてド
ア取付用開口を形成し、そのドア取付用開口にル
ーフラウンドドアを開閉自在に装備した車両のシ
ール構造に関する。

（従来の技術とその問題点） 乗員の車内への乗降を楽にする目的のために、
ドア取付用開口を車体側面から屋根面の一部まで
含むように広くし、そのドア取付用開口にルーフ
ラウンドドアを取り付けた車両が開発されてい
る。ところで、車両においては雨水の車内侵入防
止も重要な事であるが、上記のようなルーフラウ
ンドドアを装備した車両が出現すると、従来のシ
ール構造における仕様では、異なる断面のシール
材を継ぐ必要があり、コストが高くつき、また確
実なシールを行なうことも難しいという問題があ
る。

（考案の目的） この考案は、上記従来の問題を解決するために
なされたもので、車体の側面から屋根面にかけて
ドア取付用開口を形成し、そのドア取付用開口に
ルーフラウンドドアを開閉自在に装備した車両に
おいてルーフラウンドドアと開口周縁部との間を
単一断面をもつシール材により確実にシールしう
る車両のドアシール構造を提供することを目的と
する。

（目的を達成するための手段） 上述の目的を達成するために、この考案では、
車体の側面から屋根面にかけて、側面開口と屋根
面開口とから成るドア取付用開口を形成し、その
ドア取付用開口にルーフラウンドドアを開閉自在
に装備した車両のドアシール構造において、 前記ドア取付用開口の周縁部に連続的に設けら
れて、その突出方向が、前記側面開口後部位置で
は前方に向けられ、前記側面開口部位置では後方
に向けられ、前記屋根面開口奥位置では下方に向
けられ、前記側面開口後部から前記屋根面開口奥
に至るコーナ位置では前方から下方へ順次捩れる
方向に向けられ、前記側面開口部から前記屋根面
開口奥に至コーナ位置では後方から下方へ順次捩
れる方向に向けられたフランジと、 Ｕ字状係止部の一側面にクツシヨン部を突出し
た断面を有し、係止部を前記フランジに外嵌し
て、クツシヨン部を前記フランジの外方位置に配
したシール材とを備えた構成とする。

（実施例） 第１図は、この考案にかかるシール構造を装備
したルーフラウンドドア付車両を示す。

図のように車両１の側面２には側面開口３ａが
設けられ、屋根面４には屋根面開口３ｂが設けら
れて、それらが連なつて一体となつた開口３を形
成している。そして、この開口３に前ヒンジのル
ーフラウンドドア５が取り付けられている。この
ルーフラウンドドア５を閉成した状態では、ルー
フラウンドドア５の側面部５ａは車体の側面２の
一部となり、ルーフラウンドドア５の屋根面部５
ｂは屋根面４の一部となつてそれぞれ車体側面お
よび屋根面を形成する。

そして、このルーフラウンドドア５の外周端部
６と接する開口３の周縁部７にはシール材８を施
している。

第２図は第１図の破線領域部の拡大図を示す。

開口周縁部７には、シール材８を取り付けるた
めのフランジ９と、雨水を車外へと導く樋１０と
が設けられ、このフランジ９は開口周縁部７の全
周に沿つている。このフランジ９で側面開口後部
位置７ａから突出したフランジ９ａは車体前方に
向つて延び、側面開口前部位置７ｂから突出した
フランジ９ｂは車体後方に向つて延び、屋根面開
口３ｂの奥端となる屋根面開口奥位置７ｃから突
出したフランジ９ｃは下方に向つて延びている。
また、車体後方側のコーナ周縁部７ｄから突出し
たフランジ９ｄは、フランジ９ａと交わる端部１
１ａは前方に向つて延び、フランジ９ｃと交わる
端部１１ｂは下方に向つて延び、フランジ９ｄは
全体として捩れた面となつて延びている。さら
に、車体前方側のコーナ周縁部７ｅから突出した
フランジ９ｅは、フランジ９ｂと交わる端部１２
ａは後方に向つて延び、フランジ９ｃと交わる端
部１２ｂは下方に向つて、フランジ９ｅも同様に
捩れた面となつて延びている。

このフランジ９を上方から見た状態を第３図に
示す。図のように上方から見るとフランジ９ｃは
厚みとして見え、フランジ９ａおよび９ｂは、そ
れぞれ車体の前方および後方に向つて延びている
ため巾のある面として見える。

また、第４図は、シール材８を取り付けたフラ
ンジ９ｃ付近を示す断面図である。

このシール材８はＵ字状の係止部８ａとその係
止部８ａの一側面から突出するクツシヨン部８ｂ
とをもつた一定断面のもので、いわゆるウエザー
ストリツプが使用されている。

このシール材８は、クツシヨン部８ｂがフラン
ジ９の外方位置に配置されるようにして、係止部
８ａをフランジ９ｃに外嵌して固定する。このシ
ール材８をドア取付用開口３の全周に沿つて取り
付ければ、フランジ９の突出方向とシール材８の
形状により、ドア取付用開口３の全周にわたりク
ツシヨン部８ｂがフランジ９の外方に位置するこ
とになり、したがつて、ルーフラウンドドア５を
閉成すると、シール材８のクツシヨン部８ｂがル
ーフラウンドドア５の外周端部６に確実に圧接さ
れてルーフラウンドドア５の外周端部６と開口周
縁部７との間が確実にシールされることとなる。

また前述した構成をとることにより、屋根面開
口３ｂの切込量もある程度任意設定できる。

（考案の効果） 以上のように、この考案の車両のシール構造に
よれば、車体の側面から屋根面にかけてドア取付
用開口を形成し、そのドア取付用開口にルーフラ
ウンドドアを開閉自在に装備した車両における、
ルーフラウンドドアと開口周縁部間のシールを単
一断面をもつシール材により確実に行うことがで
きるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案にかかるシール構造を備え
たルーフラウンドドア付車両を示す斜視図、第２
図は第１図の破線領域内の拡大斜視図、第３図は
その要部平面図、第４図はシール構造を示す断面
図である。 １……車両、２……車体側面、３……開口、４
……屋根面、５……ルーフラウンドドア、７……
開口周縁部、８……シール材、９……フランジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体の側面から屋根面にかけて、側面開口と屋
   根面開口とから成るドア取付用開口を形成し、そ
   のドア取付用開口にルーフラウンドドアを開閉自
   在に装備した車両のドアシール構造において、 前記ドア取付用開口の周縁部に連続的に設けら
   れて、その突出方向が、前記側面開口後部位置で
   は前方に向けられ、前記側面開口前部位置では後
   方に向けられ、前記屋根面開口奥位置では下方に
   向けられ、前記側面開口後部から前記屋根面開口
   奥に至るコーナ位置では前方から下方へ順次捩れ
   る方向に向けられ、前記側面開口前部から前記屋
   根面開口奥に至るコーナ位置では後方から下方へ
   順次捩れる方向に向けられたフランジと、 Ｕ字状係止部の一側面にクツシヨン部を突出し
   た断面を有し、係止部を前記フランジに外嵌し
   て、クツシヨン部を前記フランジの外方位置に配
   したシール材とを備えた車両のドアシール構造。