JPS6342842Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車のリヤシートバツクの角度
調整機構に関する。

従来、自動車のリクライニングリヤシートの角
度調整機構は、シートバツクをばねにより前方に
戻るように付勢し、所定の角度にシートバツクを
ロツクするロツク機構を備えた構造であつたた
め、シートバツクの角度を変える際に、先ず、ロ
ツクを外し、使用者がその背中でシートバツクを
少しづつ押しながらロツクする位置を捜す必要が
あつて、シートバツクの角度調整が煩雑になる欠
点があつた。

この考案は、上記の点に着目し、シートバツク
が静止する角度を数段階あらかじめ設定してお
き、手元の操作用ノブを引くことによりシートバ
ツクの静止角度を各段毎に変化させて簡単にその
角度調整を行なうことができるリクライニング機
構付きリヤシートバツクの角度調整機構を提供す
ることを目的とする。

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は、リヤシートバツクの角度調整機構を
示し、第２図は第１図の駆動部１３の分解図を示
している。リヤシートバツク１のフレーム１ａは
下部の２箇所を車体の床に枢支され、シートバツ
ク１の裏面には２本のリンク２を介してフレーム
１ａに連結された角度調整機構が設置されてい
る。シートバツクの角度調整機構は、２本の支持
アーム５を介して車体に対し回転可能に取付けら
れた回転軸４と、この回転軸４を歯車６と７を介
して一定の範囲で回転駆動するラチエツト機構１
５を備えた駆動部１３とから成り、回転軸４は２
本のリンク３を介してリンク２に連結されてい
る。駆動部１３は、第２図の分解図に示すよう
に、駆動軸１４に歯車７が軸着され、外周部に４
つの突起部９ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄを備えた従動
デイスク９が一体回転可能に嵌挿され、さらに、
この従動デイスク９に隣接して駆動デイスク１０
が回転自在に嵌挿支持されている。つまり、従動
デイスク９は駆動軸１４と歯車６，７を介して回
転軸４に連係される。駆動デイスク１０の外周部
には従動デイスク９の各突起部に係合する係合部
１０ａ，１０ｂが設けられ、さらに、その外周部
には座席使用者の手元に設けられた図示しない操
作用ノブに連結されたワイヤ１２の先端が接続さ
れ、操作用ノブを引くことによりワイヤ１２を介
してこの駆動デイスク１０を約90度の範囲で回転
させることができる。また、駆動デイスク１０に
は駆動軸１４を軸支する支持アーム８との間にコ
イルばね１１が取付けられ、このコイルばね１１
は作動後の駆動デイスク１０を元の位置までその
復元力により復帰させるように作用する。駆動軸
１４上に設けられたラチエツト機構１５は、駆動
デイスク１０及びこれと係合して回転されるデイ
スク９とから成り、ワイヤ１２を引いて駆動デイ
スク１０を回転させた時、その係合部１０ａ，１
０ｂが従動デイスク９の突起部９ａ〜９ｄに係合
する。一方、係合部１０ａ，１０ｂの片側は第３
図に示すように傾斜面とされており、ワイヤ１２
を操作した後、コイルばね１１の復元力により駆
動デイスク１０が元の位置に復帰する時、係合部
１０ａ，１０ｂの傾斜面が従動デイスク９の突起
部９ａ〜９ｄに当接し、駆動デイスク１０がコイ
ルばね１１を圧縮する方向ににげることによつ
て、係合部１０ａ，１０ｂが突起部９ａ〜９ｄを
乗り越える構造である。駆動軸１４は車体側に固
定された２本の支持アーム８により回転可能に支
持されている。また、ワイヤ１２の引き代は１回
のストロークで駆動デイスク１０が約90度回転す
るように設定されている。

次に、上記構成の角度調整機構の動作を説明す
る。

このシートに座つた使用者がその手元の操作用
ノブ（図示せず）を決められたストロークだけ引
くと、これに接続されたワイヤ１２が引かれ、駆
動デイスク１０が矢印Ａ方向に約90度回転する。
この時、従動デイスク９の突起部９ａと９ｃに係
合部１０ａ，１０ｂがそれぞれ係合して、従動デ
イスク１０は矢印Ａ方向に回転駆動される。する
と、この矢印Ａ方向の回転が歯車７と６を介して
回転軸４に伝達され、これを矢印Ｂ方向に回転さ
せ、リンク３が同じ方向に回わつてリンク２を前
方に押すように作用して、シートバツク１は一定
の角度だけその傾斜を立たせるように動作する。
そして、使用者が操作用ノブから手をはなすと、
駆動デイスク１０はコイルばね１１の復元力によ
り逆回転して元の位置まで戻る。この時、駆動デ
イスク１０の係合部１０ａ，１０ｂは突起部９
ｄ，９ｂとの係合を外して（突起部分をのり越え
て）元の位置まで戻り、従動デイスク９は静止状
態を維持する。このようなラチエツト機構１５の
動作が繰り返えされ駆動軸１４が一定方向にのみ
段階的に回転して、シートバツク１は一定の角度
づつ除々にその傾きを立てていく。なお、操作用
ノブの引つぱり操作毎に傾動するシートバツク１
の角度は歯車６又は７の歯数を変えるなどして調
整することができる。また、シートバツク１をね
かせる方向に傾動する時は、ワイヤ１２を繰り返
えし引いてシートバツク１を最も立つた位置まで
動かしてリンク２と３の上死点を通過させた後、
さらに、ワイヤ１２を引くことにより回転軸４を
矢印Ｂ方向に回転させて行なうことができる。

以上のように、この考案に係るリヤシートバツ
クの角度調整機構によれば、駆動デイスク及びそ
れと係合して回転される従動デイスクとから成る
ラチエツト機構が駆動軸上に設けられ、回転軸が
車体に対し支持フレームを介して取付けられると
共にリンクを介してシートバツクのフレームに連
結され、従動デイスクが駆動軸と歯車を介して回
転軸に連係され、ラチエツト機構の駆動デイスク
に復帰用のコイルばねを取付けると共に、操作用
のワイヤをこの駆動デイスクに接続して構成した
から、従来のリヤシートバツクの角度調整機構に
比べ、ワイヤを引くだけの簡単な操作で段階的に
シートバツクの角度を容易に変え得ると共に、使
用者が背中でシートバツクを押したりする必要が
ない等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示し、第１図はリヤシ
ートバツクの角度調整機構の斜視図、第２図は同
機構の駆動部１３の分解斜視図、第３図は駆動デ
イスク周辺の平面図である。 １……シートバツク、１ａ……フレーム、２，
３……リンク、４……回転軸、６，７……歯車、
９……従動デイスク、１０……駆動デイスク、１
１……コイルばね、１２……ワイヤ、１３……駆
動部、１４……駆動軸、１５……ラチエツト機
構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動デイスク及び該駆動デイスクと係合して回
   転させる従動デイスクとから成り、駆動軸上に設
   けられたラチエツト機構と、 車体に対し支持フレームを介して取付けられ、
   リンクを介してシートバツクのフレームに連結さ
   れた回転軸と、を備え、 前記従動デイスクが駆動軸と歯車を介して前記
   回転軸に連係され、前記ラチエツト機構の駆動デ
   イスクに復帰用のコイルばねが取付けられると共
   に操作用のワイヤを接続したことを特徴とするリ
   ヤシートバツクの角度調整機構。