JPS6342050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車に設けられる荷室カバーを車体
に着脱可能に横架せしめる荷室カバーの取付装置
に関する。

バンタイプあるいはハツチバツクタイプの自動
車にあつては、車体後部に設けられる荷室をカバ
ーして日光の遮断や荷物の盗難を防止するため荷
室カバーが取り付けられる。従来、この荷室カバ
ーは荷室カバー本体の両端に取着用の機構が設け
られて車内に着脱可能に取り付けられていたた
め、荷室カバー本体が重くなり着脱作業がしにく
いものとなつていた。又、取着用の機構自体にも
設計上の制限が加わり、荷室カバー本体を適正位
置に、しかも確実に取り付けることが難しかつ
た。

本考案はこのような従来の欠点に鑑みてなされ
たものであり、荷室カバー本体を自動車内に簡単
に取り付けることができ、又、正確に、かつ確実
に取り付けることも可能な荷室カバー取付装置を
提供することを目的としている。

本考案は、ロツク爪が立設されて車体の内壁に
相対して取り付けられる台座と、この台座に穿設
されたガイド孔内に軸部が摺動可能に挿入される
と共に荷室カバーの両端に形成されたブラケツト
が頭部に回転しないように挿入されるロツカー
と、このロツカーの軸部に外挿されてロツカーと
車体の内壁との間に設けられる巻きばねと、前記
ロツカーの軸部の基端部に取り付けられる抜け止
め部材とを有し、前記台座のロツク爪に係合可能
なロツク片が前記ロツカーの頭部に形成され、前
記ロツカーと台座とに回転止めの係合機構が形成
されることにより、上記目的を達成したものであ
る。

以下、本考案の一実施例を添付図面を参照して
具体的に説明する。

第１図は本考案の一実施例の取付状態の平面
図、第２図はその正面図、第３図は車体へ取り付
けた状態の斜視図であり、自動車の荷室部の内壁
１の所定位置に台座２が取り付けられている。こ
の台座２は荷室部の反対側の内壁にも相対して取
り付けられており、後述するロツカー３を摺動可
能に支承するものであり、ねじ４によつて車体の
内壁１に固定的に取り付けられると共に、ガイド
孔５が貫通して穿設されている。又、ねじ４の反
対側にはロツク爪６が立ち上がつて連設され、ロ
ツカー３が飛び出さないように抑止している。な
お、第１図中、７は自動車の内壁の前面に取り付
けられた化粧板等からなる内張り板である。

前記ロツカー３は軸部８と軸部８の先端側に形
成される頭部９とからなつており、軸部８が前記
台座２のガイド孔５内に摺動可能に挿入されて頭
部９が車体の内壁１あるいは内張り板７の前面に
露呈された状態となつている。この軸部８の基端
側端面には軸部８よりも大径の座金１０が押え座
金１１及びねじ１２によつて固定されており、軸
部８が摺動しても該座金１０が車体の内壁１に裏
側から当接して、ロツカー３が内壁１から抜け出
るのを防止する抜け止め部材となつている。又、
前記頭部９には四角形状の凹部１３が前面側に穿
設され、この凹部１３内に荷室カバー２０の両端
側端面に取り付けられて該凹部と同一形状に形成
されたブラケツト２１が挿入されるようになつて
おり、これによりブラケツト２１と凹部１３との
間に滑りが生じないで係合されるから、ブラケツ
ト２１が回転しないように支承される。さらに、
この頭部９には台座２に立設された前記ロツク爪
６に係合するロツク片１４が形成されている。こ
のロツク片１４とロツク爪６との係合によつて、
ロツカー３は台座２に固定され、みだりに車内に
飛び出さないように抑止がなされる。又、このロ
ツク片１４とロツク爪６とには、共に湾曲状に削
成された滑り面１４ａ，６ａが形成されており、
ロツク爪６をたわめなくても頭部９を車体の内壁
１方向に押圧するだけでロツク片１４とロツク爪
６との係合ができるようになつている。

前記ロツカー３の軸部８には巻きばね１５が外
挿されて、ロツカー３を自動車の車内方向に附勢
するようになつている。すなわち、この巻きばね
１５は前記台座２とロツカー３の頭部９との間に
介在せしめられて設けられており、ロツク爪６と
ロツク片１４との係合が解除されると、第１図破
線で示すようにロツカー３は車内方向に自動的に
突出すると共に、このように突出した状態にあつ
てもさらに、巻きばね１５によつて同方向に附勢
せしめられており、従つて、荷室カバーが取り付
けられた状態では荷室カバーを両端から挾圧する
押圧力が作用して、荷室カバーを確実に保持する
ことが可能となつている。

さらに、本実施例では前記ロツカー３と台座２
とには、ロツカー３が回転しないように回転止め
係合機構１６が形成される。この係合機構１６は
台座２のガイド孔５に穿設されたキー溝１６ａ
と、ロツカー３の軸部８に形成されてキー溝１６
ａに挿入される凸条１６ｂとからなり、キー溝１
６ａと条１６ｂとの係合で、ロツカー３は台座２
に摺動可能であるが回転はしないようになつてお
り、結果として、このロツカー３によつて挾持さ
れる荷室カバー２０のブラケツト２１も回転しな
いように支持され、荷室カバー２０のハウジング
２２からカバー布が円滑に引き出すことが可能と
なつている。

なお、図中１７は取着棒１７ｂと取着棒１７ｂ
の両端に形成されたボタン１７ａ，１７ｂとから
なる操作杆であり、取着棒１７が前記ロツク爪６
の側部に固着されており、第４図に示すようにこ
の操作杆１７を指で押すことでロツク爪６がたわ
み、ロツク爪６とロツク片１４との係合が解除さ
れるようになつている。

第５図は、このような本実施例を車体に装着す
る順序の一例を示したものであり、キー溝を形成
した孔３０とねじ４が挿入されるねじ孔３１とを
車体の内壁１に穿設し、ロツカー３と巻きばね１
５とを台座２に装着して組み立てた状態で孔３０
内に挿入し、台座２をねじ孔３１方向に回動して
ねじ孔３１内にねじ４を螺合せしめることで装着
がなされ、車体へ容易に取り付けがなされる。

以上のように構成された取付装置に荷室カバー
２０を取り付けるには、第６図に示すように、荷
室カバー２０を両手で持ち上げた状態で操作杆１
７を指で押してロツク爪６とロツク片１４との係
合を解除し、突出した左右のロツカー３の凹部１
３内に荷室カバー２０の両端のブラケツト２１を
順に挿入することで可能となる。一方、荷室カバ
ーを取り外すには、同様に第６図に示すように、
荷室カバー２０を両手で握り、左右に押し動かせ
ばよく、この押圧力でロツク爪６とロツク片との
係合がなされ、ロツカー３は台座２に固定されて
取り外しがなされる。従つて、本実施例では極め
て容易に荷室カバーの取り付け、取り外しが可能
となる。

このように、本実施例では、ロツカー３が車体
の内壁１に取り付けられた台座２に対して摺動可
能に取り付けられ、しかもロツカー３は巻きばね
１５によつて附勢されているから、荷室カバー２
０を車内に確実に取り付けることができる。又、
この荷室カバー２０の取り付け、取り外しも特別
な工具を必要とせず、簡単に行なうことができ、
ロツカー３は回転しないから荷室カバーからカバ
ー布を確実に引き出すことができる。さらに、本
装置は自動車の内壁に取り付けられて荷室カバー
に取着機構を必要となるから、荷室カバーの構造
が簡略化されて軽量となり、上記に加えて着脱の
操作性がさらに向上する。

なお、前記ロツカーと台座とに設けられる凸条
とキー溝とからなる回転止めの係合機構は図示の
ものと反対に形成してもよく、凸条とキー溝に形
成しないでロツカーの軸部と台座のガイド孔とを
矩形状に形成して構成してもよい。又、ロツカー
の凹部と荷室カバーのブラケツトとを共に三角
形、六角形等に形成してもよく、このような矩形
状に形成しないで凸条とキー溝との係合によつ
て、回転しないようにしてもよい。さらに、前記
抜け止め部材を座金としないで、軸部の基端面に
大径の鍔板と熔接して形成してもよい。又、さら
に、ロツク爪とロツク片との滑り面は形成しなく
ても取り付けが可能であり、操作杆も操作が容易
であれば取り付ける必要もない。これらの場合に
も、前記実施例と同様な効果を得ることができ
る。

以上、詳細に説明したように、本考案によれ
ば、荷室カバーを正確に、かつ確実に取り付ける
ことができ、又、この取付操作も容易に行なうこ
とができる荷室カバー取付装置を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の平面図、第２図は
その正面図、第３図は装着状態の斜視図、第４図
イないしハは車体への取り付け順序を示す正面
図、第５図及び第６図は共に荷室カバーを取り付
ける操作を示す斜視図である。 １……内壁、２……台座、３……ロツカー、５
……ガイド孔、６……ロツク爪、８……軸部、９
……頭部、１０……抜け止め部材（座金）、１３
……凹部、１４……ロツク片、１５……巻きば
ね、１６……回転止めの係合機構、２０……荷室
カバー、２１……ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロツク爪が立設されて車体の内壁に相対して取
   り付けられる台座と、この台座に穿設されたガイ
   ド孔内に軸部が摺動可能に挿入されると共に荷室
   カバーの両端に形成されたブラケツトが頭部に回
   転しないように挿入されるロツカーと、このロツ
   カーの軸部に位置してロツカーと車体の内壁又は
   前記台座との間に設けられるばねとを有し、前記
   ロツカーを前記車体の内壁又は前記台座の所定位
   置に係脱自在に保持するロツク機構が形成され前
   記ロツカーと台座とに回転止めの係合機構が形成
   されていることを特徴とする荷室カバー取付装
   置。