JPS633896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、通常のスペアタイヤあるいはエアー
を抜いた扁平状態で収納させるようにしたスペー
スセイバータイヤ（以下スペアタイヤ等と総称す
る）の収納構造、詳細にはタイヤ収納部からスペ
アタイヤ等を取出すときのガイド構造に関する。

（従来技術） 車体リヤの収納スペース（ラゲージスペース）
を有効に利用する手段として、スペアタイヤをエ
アーを抜いた扁平状態で収納させるというスペー
スセイバータイヤ（SSタイヤ）がある。このSS
タイヤ及び通常のスペアタイヤの収納部は一般的
にホイルハウスの後方に設けられているのである
が、従来の収納構造は、ホイルハウスを被覆する
トリム部材にタイヤ収納部側に張り出す状態でフ
ランジを形成し、このフランジを蓋受け部材とし
てタイヤ収納部のカバー部材を取付けるようにし
ていた。

従つて、この従来の収納構造では、スペアタイ
ヤ等の着脱時、特にタイヤ収納部からスペアタイ
ヤ等を取出すときに、このスペアタイヤ等がタイ
ヤ収納部側に張り出たフランジに引掛かり、その
取出し作業に手間どつてスムーズな取出しができ
ないという問題があつた。さらに、最近は車輌の
旋回性能を向上するため、あるいは車輌重量を軽
減するためリアのオーバーハングをできるだけ小
さくしているので、スペアタイヤ等とホイルハウ
スの隙がせばめられて、この問題が増大してい
る。

（考案の目的） 本考案は、かかる従来の問題点を解消せんとな
されたもので、その目的とするところは、フラン
ジの張り出しに伴なう引掛りを解消して、スムー
ズなスペアタイヤ等の取出しができ、しかも前記
トリム部材の取付剛性が向上するようにした取出
しガイド構造を提供することにある。

（考案の構成） 即ち、この目的を達成するために、本考案のス
ペアタイヤ等の取出しガイド構造は、ホイルハウ
ス後方をタイヤ収納部とし、かつ前記ホイルハウ
スをトリム部材で被覆するとともに、該トリム部
材の後側面にフランジをタイヤ収納部側に張り出
した状態で形成し、該フランジを蓋受け部材とし
て前記タイヤ収納部のカバー部材を取付けるよう
にし、さらにスペアタイヤ等のガイド板を前記ト
リム部材のフランジと、ホイルハウスと、の間に
取付け、該ガイド板の受け面をタイヤ収納部側に
向け、かつ該受け面のフランジ取付け側をフラン
ジの外縁と同一又は該外縁よりもタイヤ収納部側
に張り出すように形成することとした。

（考案の効果） 従つて、前述のように構成した本考案の取出し
ガイド構造によれば、フランジとホイルハウスと
の間にガイド板を設けているので、ホイルハウス
を被覆したトリム部材の内部にスペアタイヤ等が
入り込むといつたことはなく、またその取出し時
にはスペアタイヤ等をガイド板の受け面でガイド
しながら取出すことができるので、その取出し作
業が楽に行なえるものである。又、ガイド板の受
け面をフランジの張り出しと同一又はより以上に
タイヤ収納部側に張り出しているのでスペアタイ
ヤ等をガイド板に沿つて取出しながらも、スペア
タイヤ等がフランジに引掛かるといつた不都合は
なく、このフランジの存在がスペアタイヤ等の取
出しに何ら障害になることはなく、その取出し作
業をスムーズに行なうことができるものである。
又、フランジが受け板を介して車体に取付けられ
ることになるため、トリム部材の取付け状態を強
固にできるし、トリム部材の剛性を向上すること
もできる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に示して説明す
る。図面は本考案の一実施例であるスペースセイ
バータイヤ（SSタイヤ）Ａの収納構造を示して
いる。図において、１は車体で、バツクドア（図
示せず）を有するハツチバツク等のタイプに形成
され、その後部を収納スペース（ラゲージスペー
ス）２としている。尚、３はバツクドアの開口
部、４はホイルハウスである。

５はトリム部材で、前記ホイルハウス４を被覆
する状態で車体１に取付けられ、かつその後側面
に開口部６を形成するとともに、該開口部６の口
縁に沿つてフランジ７を張り出し状態で形成して
いる。

８はSSタイヤＡのタイヤ収納部で、前記ホイ
ルハウス４の後方に形成されるとともに、車体Ａ
のフロア面よりも深底に形成されている。尚、９
はこのタイヤ収納部８に設けたタイヤ取付け用ス
テーで、取付けネジ（図示せず）によつてSSタ
イヤＡを立て姿勢で取付けるものである。

１０は前記タイヤ収納部８のカバーで、前記ト
リム部材５のフランジ７を蓋受け面としてタイヤ
収納部８の上面から正面にかけてカバーするよう
にしている。尚１１はカバー取付け用のブラケツ
ト、又、１２，１２はカバー取付け穴である。

次に、１３はガイド板で、前記タイヤ収納部８
側の面を受け面１３ａとして形成され、かつその
取付け構造は、一端をトリム部材５のフランジ７
内面にリベツト１４により止め付け、他端をホイ
ルハウス４にブチル系両面接着テープにより接着
した状態で、前記トリム部材５の開口部６に架設
されている。そして、このガイド板１３を取付け
た状態で、受け面１３ａのフランジ取付け側がフ
ランジ７の外縁７ａよりも若干の幅ｔだけタイヤ
収納部８側に張り出るようにしている。

従つて、タイヤ収納部８にSSタイヤＡを使納
すると、このSSタイヤＡの前側はガイド板１３
によつて受け止められることから、このSSタイ
ヤＡはトリム部材５の内部への入り込みを阻止さ
れることになり、また、SSタイヤＡの取出しに
際し、SSタイヤＡをガイド板１３の受け面１３
ａに沿つて手前に引き出せば、SSタイヤＡを受
け面１３ａでガイドさせた取出し作業が行なえる
し、更にはガイド板１３の受け面１３ａがフラン
ジ７の外縁７ａよりも幅ｔだけ張り出しているこ
とから、SSタイヤＡの取出し時に該SSタイヤＡ
がフランジ７に引掛かるといつたことはないので
ある。尚、SSタイヤＡの収納作業に際しても、
ガイド板１３の受け面１３ａでSSタイヤＡをガ
イドすることになるため、その収納作業も楽に行
なえるものである。又、トリム部材５の開口部６
をガイド板１３で補強することになるため、トリ
ム部材５の剛性を向上し、かつその強固な取付け
状態が得られるものである。

以上、本考案の一実施例について図面により説
明したが、本考案の具体的な構成は前記した実施
例に限定されるものではない。

例えば、ガイド板の取付け構造について、実施
例ではリベツトと接着テープとを利用している
が、両端共にリベツトしてもよく、又、逆に両端
共に接着によつてもよく、更にはボルト止めその
他の取付け手段を利用してもよい。ただホルイ側
の取付け手段については、ホイルハウスに穴を明
けることは水や泥の侵入を招くことから好ましく
なく、この点から接着剤が接着テープを取付け手
段とするのが好ましい。

又、実施例ではガイド板の受け面をフランジの
外縁から幅ｔだけ張り出すようにしたが、フラン
ジの外縁と受け面とを均一面にしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例であるスペースセイ
バータイヤの収納構造を示す斜視図、第２図は同
収納構造の一部断面図である。 Ａ……スペースセイバータイヤ（スペアタイ
ヤ）、１……車体、４……ホイルハウス、５……
トリム部材、７……フランジ、７ａ……外縁、８
……タイヤ収納部、１０……カバー、１３……ガ
イド板、１３ａ……受け面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホイルハウス後方をタイヤ収納部とし、かつ前
   記ホイルハウスをトリム部材で被覆するととも
   に、該トリム部材の後側面にフランジをタイヤ収
   納部側に張り出した状態で形成し、該フランジを
   蓋受け部材として前記タイヤ収納部のカバー部材
   を取付けるようにし、さらにスペアタイヤのガイ
   ド板を前記トリム部材のフランジと、ホイルハウ
   スと、の間に取付け、該ガイド板の受け面をタイ
   ヤ収納部側に向け、かつ該受け面のフランジ取付
   け側をフランジの外縁と同一又は該外縁よりもタ
   イヤ収納部側に張り出すように形成してあること
   を特徴とするスペアタイヤの取出しガイド構造。