JPH017661Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、インナパネルとアウタパネルとによ
つて下開放型の二重壁構造に形成された車体側部
にマツドガードを取り付けるためのマツドガード
の取付構造に関するものである。

（従来技術） 従来、例えば実開昭54−96956号公報等に開示
されているように、車両のタイヤ上部に設けられ
るフエンダライナを、樹脂製のフエンダライナ本
体の内部に発熱体を埋設して形成したものが提案
されており、このものではフエンダライナの車体
幅方向外縁部の一部をフエンダパネルにビス止め
により固定することにより、フエンダライナを車
体に取り付けるようにした取付構造が採られてい
る。

ところで、ピツクアツプタイプと呼ばれる小形
トラツクにおいては、その車体構造を乗用車に近
付けること等を意図して、荷箱の側壁部を１枚の
パネルで作るのではなく、インナパネルとアウタ
パネルとによつて下開放型の二重壁構造に形成す
る構造が採用されることがある。この構造では、
インナパネルとアウタパネルとの間が下方に開放
されているため、車両の走行時にこの開放部分か
ら両パネル間に泥や水等が浸入する虞れがあり、
このことを防止する目的で、両パネル間の空間の
開放端部をマツドガードによつて覆う必要があ
る。

そして、このマツドガードをインナパネルおよ
びアウタパネルに取り付ける際に、上記提案例で
のフエンダパネルに対するフエンダライナの取付
構造のように、マツドガードの外縁部をビス止め
によりアウタパネルに取り付けた場合には、車両
の走行振動等によりマツドガードの中間部がその
自重により垂れ下がつてしまい、マツドガードの
車体パネルへの沿いや外観見映えが低下するとい
う問題が生じる。

（考案の目的） 本考案の目的は、上記したインナパネルとアウ
タパネルとからなる下開放型の二重壁構造の車体
側部内に設けられるマツドガードを、上記両パネ
ル間に配置される部材を利用して両パネルに連結
することにより、マツドガードの垂下りを防いで
その車体パネルへの沿いや外観見映えを向上せん
とすることにある。

（考案の構成） 上記目的の達成のため、本考案の構成は、上記
のインナパネルおよびアウタパネルの各下部同士
をジヤンクシヨン部材によつて一体に連結して、
マツドガードは該ジヤンクシヨン部材に結合し、
該ジヤンクシヨン部材を介して両パネルに連結す
るようにしたものである。

（考案の効果） したがつて、本考案によれば、インナパネルと
アウタパネルとからなる下開放型の車体側部の開
放端部を閉成するマツドガードが、上記両パネル
を連結するジヤンクシヨン部材と一体となつて強
固に両パネルに連結されているので、上記ジヤン
クシヨン部材によつて車体外板の剛性を高めかつ
車体の幅寸法の精度を安定に保ちつつ、マツドガ
ードの垂下りを防いでその車体への沿いおよび外
観見映えを向上させることができるものである。

実施例 以下、本考案の実施例について図面に基づいて
説明する。

第１図は本考案を適用したピツクアツプタイプ
の小型トラツクを示し、１は運転室としてのキヤ
ビン、２は該キヤビン１の後側に設けられた荷箱
であつて、該荷箱２は荷物を載置するフロア３
と、該フロア３の左右縁部にそれぞれ一体に立設
された左右の側壁部４，４と、フロア３の前縁部
に一体に立設された前壁部５と、フロア３の後縁
部にヒンジ結合され、荷箱２の後端開口部を開閉
するテールゲート６とからなり、上記フロア３の
左右側縁の前後略中央部にはリヤタイヤ７，７と
の干渉を防ぐためのタイヤハウス部３ａ，３ａが
形成されている。

上記荷箱２の左右の側壁部４，４の各々は、第
２図に示すように、下縁部がフロア３に一体に溶
接固定されたインナパネル８と、該インナパネル
８の外側に所定の空間９をあけて配置され、上縁
部がインナパネル８上縁部に一体に固定されたア
ウタパネル１０とからなり、上記アウタパネル１
０の下部には上記フロア３の各タイヤハウス部３
ａと対応する部分を円弧状に切り欠いてなるホイ
ールアーチ部１０ａが形成されている。よつて、
車体の側部としての荷箱２の各側壁部４はインナ
パネル８とアウタパネル１０とにより両パネル
８，１０間に下方に開放された空間９を有する二
重壁構造に形成されている。

また、上記荷箱２の各側壁部４におけるインナ
パネル８とアウタパネル１０との間には、上記ア
ウタパネル１０のホイールアーチ部１０ａに対応
する部位および該ホイールアーチ部１０ａの前後
側に対応する部位にそれぞれ樹脂製のマツドガー
ドセンタ１１、マツドガードフロント１２および
マツドガードリヤ１３が両パネル８，１０間の空
間９の開放端部を閉成するように配置されてい
る。

上記マツドガードセンタ１１は、例えば左側用
のものを第３図および第４図に拡大詳示するよう
に、断面略円弧状の基部１１ａと、該基部１１ａ
の車体内側縁に一体形成され、上記荷箱２のフロ
ア３のタイヤハウス部３ａにおける垂直断面形状
に沿つて彎曲する縦フランジ部１１ｂと、基部１
１ａの車体外側縁に一体形成され、上記アウタパ
ネル１０のホイールアーチ部１０ａに沿つて左右
方向に延びる横フランジ部１１ｃと、基部１１ａ
の前後縁にそれぞれ一体形成された前側および後
側に取付フランジ部１１ｄ，１１ｅとを備えてい
る。上記基部１１ａにはその前後中間部の所定位
置に、上記縦フランジ部１１ｂから横フランジ部
１１ｃまでの間を直線的に連結するように延びる
底面を備えた４条の凹溝部１１ｆ，１１ｆ，…が
形成され、また上記各取付フランジ部１１ｄ，１
１ｅの車体内側縁近傍、基部１１ａの縦フランジ
部１１ｂ近傍ならびに最前端および最後端の凹溝
部１１ｆ，１１ｆの横フランジ部１１ｃ近傍には
取付孔１１ｇ，１１ｇ，…が穿設されている。

さらに、第５図に示すように、上記荷箱２の各
側壁部４におけるインナパネル８とアウタパネル
１０とはその下端部にて所定数のプレート状のジ
ヤンクシヨン部材１４，１４，…によつて一体に
連結されており、該ジヤンクシヨン部材１４，１
４，…のうちの所定のものは上記マツドガードセ
ンタ１１の各凹溝部１１ｆ内に嵌挿されるように
配置されている。そして、このマツドガードセン
タ１１の最前端および最後端の凹溝部１１ｆ，１
１ｆに嵌挿されたジヤンクシヨン部材１４，１４
の各々に、マツドガードセンタ１１の下側から該
各ジヤンクシヨン部材１４に対応する凹溝部１１
ｆの取付孔１１ｇを通してビス１５を螺合締結す
ることにより、マツドガードセンタ１１をジヤン
クシヨン部材１４，１４に取り付けるようにして
いる。また、マツドガードセンタ１１の車体内側
部分は上記凹溝部１１ｆ，１１ｆ内の取付孔１１
ｇ，１１ｇ以外の取付孔１１ｇ，１１ｇ，…を通
して上記フロア３とインナパネル８との接合部に
ビス１６止めされている（第２図参照）。よつて、
マツドガードセンタ１１はインナパネル８とアウ
タパネル１０とを連結する一部のジヤンクシヨン
部材１４，１４に結合され、該ジヤンクシヨン部
材１４，１４を介して両パネル８，１０に連結さ
れている。尚、上記マツドガードフロント１２お
よびマツドガードリヤ１３は図示しないが、上記
マツドガードセンタ１１の車体内側部分での取付
構造と同様にして、フロア３とインナパネル８と
の接合部にビス止めされて固定されている。

したがつて、上記実施例においては、荷箱２の
各側壁部４のインナパネル８とアウタパネル１０
との間に設けられるマツドガードセンタ１１が上
記両ネル８，１０同士を連結する一部のジヤンク
シヨン部材１４，１４に結合され、該ジヤンクシ
ヨン部材１４，１４を介して両パネル８，１０に
連結されているため、該マツドガードセンタ１１
の左右中間部はジヤンクシヨン部材１４，１４に
沿つた状態に強固に保持されて、自重により垂れ
下がることはなく、よつてマツドガードセンタ１
１の両パネル８，１０に対する沿いおよび外観見
映えを向上させることができる。

また、荷箱２の各側壁部４がインナパネル８と
アウタパネル１０とによつて下開放型の二重壁構
造に形成されてはいるものの、該両パネル８，１
０はその各下端部にてジヤンクシヨン部材１４，
１４，…によつて一体に連結されているため、上
記各側壁部４の剛性を高めることができるととも
に、荷箱２の左右の幅寸法つまり車体の左右の幅
寸法の精度を安定確保することができる。

尚、上記実施例では、ピツクアツプタイプの小
形トラツクにおける荷箱２の二重壁構造の各側壁
部４内にマツドガードセンタ１１を取り付ける場
合について説明したが、本考案は、インナパネル
とアウタパネルとによつて下開放型の二重壁構造
に形成された、乗用車等の各種車両の車体側部に
マツドガードを取り付ける場合にも適用できるの
は勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
ピツクアツプタイプの小形トラツクの後方斜視
図、第２図は第１図の−線断面図、第３図は
マツドガードの正面図、第４図は同斜視図、第５
図は第３図の−線拡大断面図である。 ２……荷箱、４……側壁部、８……インナパネ
ル、１０……アウタパネル、１１……マツドガー
ドセンタ、１１ｆ……凹溝部、１１ｇ……取付
孔、１４……ジヤンクシヨン部材、１５，１６…
…ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インナパネルとアウタパネルとによつて下開放
   型の二重壁構造に形成された車体側部内にマツド
   ガードを取り付けるマツドガードの取付構造であ
   つて、上記インナパネルとアウタパネルとはジヤ
   ンクシヨン部材によつて連結されており、上記マ
   ツドガードは上記ジヤンクシヨン部材に結合さ
   れ、該ジヤンクシヨン部材を介してインナパネル
   およびアウタパネルに連結されていることを特徴
   とするマツドガードの取付構造。