JPS6338338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主としてコンバインや農用トラクタ等
の移動農機に搭載されるデイーゼルエンジンの停
止装置に関するものである。

デイーゼルエンジンを搭載した移動農機におい
て、従来、始動スイツチをOFFにするとタイマ
ーユニツトによる停止装置が一定時間作動してエ
ンジンを停止させるようにした装置が提供されて
いる。しかしこの種従来のエンジン停止装置は、
コンデンサ、トランジスタ、リレー、ダイオード
等各種の電気部品を多数複雑に組合せてなるもの
であつて、装置自体が高価で徒らに複雑化するば
かりでなく、機体の振動、雨水や塵芥等過酷な作
業条件に晒される移動農機の性格上、電気系統が
故障し易く、電気系統が故障するとタイマーユニ
ツトが作動し得ず従つてエンジンが停止しない不
都合があるため、別途エンジンの緊急停止機構を
設ける必要があり、しかもエンジンの停止作動を
タイマーユニツトで行なう関係上、エンジンを停
止すべく始動スイツチをOFFにしても通電状態
を保持させる回路構成としなければならないた
め、装置の一部が故障した際、通電状態が続行し
てバツテリーが放電してしまう惧もあり、信頼性
の点で問題があつた。

本考案は上記の如き問題点を一挙に解消すべく
なされたものであつて、始動スイツチをOFF位
置から予熱、ON、始動の各位置に順次回動操作
してエンジンを始動させると共に、始動スイツチ
が予熱位置からOFF位置に自動的に復帰するよ
うにしたデイーゼルエンジンにおいて、エンジン
に対する燃料供給路中に燃料供給停止機構を設
け、始動スイツチを予熱位置に操作した際、上記
燃料供給停止機構が作動してエンジンが停止すべ
く関連構成したことにより、タイマーユニツトの
如き複雑・高価な回路構成を全く不要とし得て、
装置自体を大幅に簡略化させることができるう
え、エンジン停止時には単に始動スイツチを予熱
位置に回動操作するのみでエンジンを確実に停止
させることができると共に、故障の発生する余地
を極力少なくし得て信頼性を一層高めることがで
き、しかも機体の高性能化を図り得るものであり
ながら部品の削減化と相俟つてコストを著しく軽
減させることができるデイーゼルエンジンの停止
装置を提供しようとするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、第１図は燃料系統及びエンジン始
動回路の配線図であつて、１は燃料タンク、２は
電磁ポンプ、３は燃料フイルタである。４はイン
ジエクシヨンポンプで、その吸込み口側は上記燃
料フイルタ３に、また吐出口側は燃料噴射ノズル
５側に夫々連通連結されている。６はエア抜き用
の手動ポンプであつて、上記燃料タンク１内の燃
料は電磁ポンプ２により燃料フイルタ３を経由し
てインジエクシヨンポンプ４へ送られ、インジエ
クシヨンポンプ４から燃料噴射ノズル５を介して
デイーゼルエンジンの燃焼室内へ噴射されるよう
になつていて、これらによりエンジンに対する燃
料供給路Ｐが形成されている。

一方、７はエンジンの始動スイツチで、通常
OFF位置にあり、エンジンを始動させる際には
キイーをOFF位置に差込んで予熱端子Ｇ位置ま
で逆方向に回動してグロープラグ８を予熱してか
ら始動端子ST位置に回動し、セルモータ（図示
せず）を駆動してエンジンを始動させるようにな
ついる。そして上記始動スイツチ７のOFF位置
と始動端子ST位置間にはライト回路等の接続端
子ONが設けられている。Ｂはバツテリ端子であ
る。９はグローランプ、１０はバツテリである。

なおキイーを予熱端子Ｇ位置に回した後、手を
放するとキイーはスプリングによりOFF位置に
自動的に復帰するように構成されており、また始
動端子ST位置からライト等端子ON位置にも同
様にキイーは自動復帰するようになつている。

１１は燃料供給路中に配設されたソレノイドで
あつて、このソレノイド１１が作動するとエンジ
ンに対する燃料の供給が停止され、エンジンの駆
動がストツプするようになつていて、これにより
燃料供給停止機構Ｍが構成されている。図示例で
は上記ソレノイド１１をインジエクシヨンポンプ
４の吸込口側に設けた構成のものが示されてい
る。

１２は始動スイツチ７の予熱端子Ｇとバツテリ
端子Ｂ間に設けたソレノイド端子であつて、キイ
イーをOFF位置から予熱端子Ｇ位置に回動した
時バツテリ端子Ｂとソレノイド端子１２が接続さ
れ、これによりソレノイド１１が作動するように
なつている。

叙上の如き構成において、作動中のエンジンを
停止させる場合には、ON位置にあるキーを予熱
端子Ｇ位置に回せばよい。これによりバツテリ端
子Ｂと予熱端子Ｇとが接続してグローランプ８に
通電させると同時にバツテリ端子Ｂはソレノイド
端子１２とも接続してソレノイド１１に通電され
るためソレノイド１１が作動し、このソレノイド
１１の作動により燃料タンク１側からインジエク
シヨンポンプ４側への燃料の流入が阻止されるの
でエンジンは自動的に停止することになる。

そしてエンジンの停止後キイーから手を放すと
キイーはスプリングによりOFF位置に復帰する
のでソレノイド１１への通電は自動的に遮断され
る。このためキイーの切り忘れによつてバツテリ
が放電するという不都合も確実に解消されるもの
である。

なお、本考案によれば、エンジン始動の際の予
熱操作時にソレノイド１１に、またエンジン停止
時にグローランプ８に同時に通電されることにな
るが、エンジンの始動及び性能上支障はないもの
である。

上記したように本考案は、始動スイツチを
OFF位置から予熱、ON、始動の各位置に順次回
動操作してエンジンを始動させると共に、始動ス
イツチが予熱位置からOFF位置に自動的に復帰
するようにしたデイーゼルエンジンにおいて、エ
ンジンに対する燃料供給路中に燃料供給停止機構
を設け、始動スイツチを予熱位置に操作した際、
上記燃料供給停止機構が作動してエンジンが停止
すべく関連構成したから、タイマーユニツトの如
く各種の電気部品を多数組合せてなる複雑高価な
回路構成を全く不要とし得て装置自体を大幅に簡
略化させることができるうえ、エンジン停止時に
は始動スイツチを単に予熱位置に回動操作するの
みでエンジンを確実に停止させることができると
共に、バツテリーの無駄な放電をも解消し得るば
かりでなく、故障の発生する余地を極力少なくし
得て信頼性を一層高めることができ、しかも機体
の高性能化を図り得るものでありながら部品の削
減化及び構造の単純化と相俟つてコストを著しく
軽減させることができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例であつて、第１図は燃
料系統及び始動スイツチ回路の配線図、第２図は
始動スイツチの操作表示を示す正面図である。 図中、７は始動スイツチ、Ｐは燃料供給路、Ｍ
は燃料供給停止機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 始動スイツチをOFF位置から予熱、ON、始動
   の各位置に順次回動操作してエンジンを始動させ
   ると共に、始動スイツチが予熱位置からOFF位
   置に自動的に復帰するようにしたデイーゼルエン
   ジンにおいて、エンジンに対する燃料供給路中に
   燃料供給停止機構を設け、始動スイツチを予熱位
   置に操作した際、上記燃料供給停止機構が作動し
   てエンジンが停止すべく関連構成したことを特徴
   とするデイーゼルエンジンの停止装置。