JPH0441227Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はデイーゼルエンジンのエンジン停止
装置の改良に関する。

（従来の技術） デイーゼルエンジンは圧縮着火のため、ガソリ
ンエンジンのような点火栓がなく、したがつてエ
ンジンを停止するときは燃料の供給を遮断する必
要があり、このためのエンジン停止装置は従来、
例えば第２図のように構成される（実開昭57−
126531号公報参照）。

エンジン停止時には、エンジンキースイツチ１
をOFFにするとリレー２の接点２ａが開き、電
磁弁３への通電が断たれる。これにより、電磁弁
３が切り換わつてバキユームタンク４のバキユー
ム圧をアクチユエータ６の背圧室６ａに供給する
と、ダイヤフラム６ｂがリターンスプリング６ｃ
を圧縮するように変形してロツド６ｄを介し燃料
噴射ポンプのストツプレバー５を燃料カツト位置
に回動する。

エンジン始動時には、エンジンキースイツチ１
をONにするとリレー２の接点２ａが閉じ、電磁
弁３は通電により切り換わつて、アクチユエータ
６の背圧室６ａをリリーフポート３ａを介して大
気圧下に開放する。これにより、アクチユエータ
６のダイヤフラム６ｂがリターンスプリング６ｃ
により押されて背圧室６ａを拡大するように変形
してストツプレバー５をアイドル位置に回動す
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、車両を駐車するときには通常、エン
ジンを停止させてパーキングブレーキをかけ、車
両から離れるのであるが、その際にパーキングブ
レーキのかけ具合が不十分であつたり、あるいは
パーキングブレーキをうつかりかけ忘れたりする
ことがあつた。

そこで、この考案はこのような問題点に着目
し、パーキングブレーキをかけなければエンジン
キースイツチを切つてもエンジンが停止しないよ
うにすることにより、パーキングブレーキのかけ
忘れを防止するエンジン停止装置の提供を目的と
する。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するためにこの考案では、エン
ジン運転停止操作を行うアクチユエータの作動室
の圧力を切り換える電磁弁をエンジンキースイツ
チを介してバツテリーに接続し、前記電磁弁への
通電を遮断したときにエンジン運転を停止させる
位置に前記アクチユエータを駆動するようにした
デイーゼルエンジンのエンジン停止装置におい
て、パーキングブレーキの非作動時に閉成するス
イツチと、エンジン回転に応動して回転時にのみ
閉成するスイツチとを直列に設けた回路を前記エ
ンジンキースイツチに対して並列に設けた。

（作用） 従つて、パーキングブレーキスイツチがOFF
のとき、つまりパーキングブレーキの作動状態で
のみ、エンジンキースイツチを切ると、電磁弁へ
の通電が遮断されて切り換わり、アクチユエータ
をエンジン停止作動させる。換言すれば、パーキ
ングブレーキの解除時にはエンジンキースイツチ
を切つてもエンジンは停止しない。

また、エンジン回転に応動して閉じるスイツチ
をパーキングブレーキ作動時に開くスイツチと直
列に設けたので、エンジン停止後にパーキングブ
レーキが解除され、あるいはそのスイツチが作動
不良を起こして閉じたままになつたとしても電磁
弁へとむだに電流が流れてしまうようなことがな
く、これによりバツテリー上がりが未然に防止さ
れる。

（実施例） 第１図において、アクチユエータ１０は作動圧
室にエア圧が供給されるとストツプレバー１１を
アイドル位置に、また作動圧室が大気圧下に開放
されるとストツプレバー１１を燃料カツト位置に
回動操作する。

アクチユエータ１０の作動圧室は電磁弁１２を
介してエア圧タンク１３に接続され、電磁弁１２
は通電時にエア圧タンク１３に接続され、電磁弁
１２は通電時にエア圧タンク１３のエア圧をアク
チユエータ１０の作動圧室に供給すると共に、非
通電時にはアクチユエータ１０の作動圧室をリリ
ーフポート１２ａを介して大気圧下に開放する。

電磁弁１２はエンジンキースイツチ１４を介し
てバツテリ１５に接続され、キースイツチ１４は
ONまたはSTの位置で電磁弁１２に通電する一
方、OFFの位置に切り換えると電磁弁１２への
通電を断つ。

そして、エンジンキースイツチ１４と並列にエ
ンジン回転に応動して閉成するスイツチとしての
リレー１６及びパーキングブレーキスイツチ１７
が介装され、リレー１６はジエネレータ１８の駆
動により通電作動して接点１６ａを閉じる、つま
りエンジン運転中でのみ接点１６ａを閉じる。

パーキングブレーキスイツチ１７はプレーキ作
動時にOFF側の回路を開いてON側を閉じる一
方、ブレーキ解除時には回路をON側からOFF側
に切り換える。

１９はパーキングブレーキ作動時に点灯するラ
ンプ、２０はダイオードを示す。

従つて、エンジンを始動する場合、エンジンキ
ースイツチ１４をONからさらにSTの位置にキ
ー操作すると電磁弁１２が通電され、既述のよう
にアクチユエータ１０がストツプレバー１１をア
イドル位置に回動する。

一方、エンジンを停止する場合、パーキングブ
レーキの解除状態ではエンジンキースイツチ１４
をOFFにしても、電磁弁１２はリレー１６、パ
ーキングブレーキスイツチ１７を介して通電状態
に保たれ、アクチユエータ１０はストツプレバー
１１をアイドル位置に保持したままエンジン停止
操作を行わない。これに対して、パーキングブレ
ーキの作動状態ではリレー１６、パーキングブレ
ーキスイツチ１７を介して電磁弁１２をバツテリ
１５に接続する回路が開成されるため、エンジン
キースイツチ１４をOFFにすると電磁弁１２へ
の通電が遮断され、アクチユエータ１０はストツ
プレバー１１を燃料カツト位置に回動してエンジ
ンを停止する。

一方、このようにしてエンジンが停止される
と、これに伴つてリレー１６への通電も停止され
るのでリレー１６が開いて電磁弁１２への回路を
遮断する。このため、エンジン停止後に何らかの
理由でパーキングブレーキが解除され、あるいは
スイツチ１９が故障して閉じたままとなつてしま
つても、電磁弁１２へとむだに通電されてしまう
ようなことがなく、従つてバツテリー上がり等の
トラブルを生じるおそれがない。

なお、ランプ１９はパーキングブレーキ作動
時、エンジンキースイツチ１４がONであれば、
ダイオード２０を介しての通電により点灯する。

なお本実施例ではエア圧により作動するアクチ
ユエータについて説明したが、バキユーム圧によ
り作動するアクチユエータでもよいことはいうま
でもない。

（考案の効果） 以上要するにこの考案によれば、エンジンを停
止する場合にはパーキングブレーキをかけなけれ
ばエンジンキースイツチを切つてもエンジンが停
止しないようにしたので、駐車時にパーキングブ
レーキをうつかりかけ忘れて車から離れるような
ことはなくなるという効果が得られる。

また、本考案によればパーキングブレーキに連
動するスイツチと直接にエンジン回転時にのみ閉
じるスイツチを設けたので、エンジン停止状態で
のバツテリーの消耗を確実に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す概略構成図、
第２図は従来装置の概略構成図である。 １０……アクチユエータ、１１……エンジンス
トツプレバー、１２……電磁弁、１４……エンジ
ンキースイツチ、１７……パーキングブレーキス
イツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン運転停止操作を行うアクチユエータの
   作動室の圧力を切り換える電磁弁をエンジンキー
   スイツチを介してバツテリーに接続し、前記電磁
   弁への通電を遮断したときにエンジン運転を停止
   させる位置に前記アクチユエータを駆動するよう
   にしたデイーゼルエンジンのエンジン停止装置に
   おいて、パーキングブレーキの非作動時に閉成す
   るスイツチと、エンジン回転に応動して回転時に
   のみ閉成するスイツチとを直列に設けた回路を前
   記エンジンキースイツチに対して並列に設けたこ
   とを特徴とするデイーゼルエンジンのエンジン停
   止装置。