JPS6338094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のフユーエルタンクをフロア
下面に締結固定するためのフユーエルタンクバン
ドの一端を、フロア側のブラケツトに支持する自
動車のフユーエルタンクバンドヒンジ部構造の改
良に関する。

従来、第１図に示されるように、自動車のフユ
ーエルタンク１をフロア２の下面に締結固定する
ためのフユーエルタンクバンド３の一端を、該一
端に形成されたループ４に挿通されるヒンジピン
５を介してフロア２側のブラケツト６に支持する
自動車のフユーエルタンクバンドヒンジ部構造が
ある。

前記ブラケツト６は、第２図に拡大して示され
るように、一枚の板状部材を、中央部を湾曲突出
させて、略凸字形状とし、該突出部６Ａに、切欠
６Ｂを形成して、この切欠６Ｂにフユーエルタン
クバンド３のループ４を挿入した後、第２図に示
されるような特殊ボルト７をヒンジピンとして前
記突出部６Ａおよびループ４内に挿通して座金付
ナツト８を螺合して固定するか、または、第３図
に示されるような孔付ピン９をヒンジピンとして
突出部６Ａおよびループ４に挿通した後、先端の
孔１０に割ピン１１を取付けることにより固定す
るものである。

しかしながら、これら従来のフユーエルタンク
バンドヒンジ部構造は、ブラケツト６を、第１図
に示されるように、フロア２の垂直面２Ａに取付
けたとき、フユーエルタンク１方向への突出量が
大きく、このためフユーエルタンク１のタンク容
量を小さくしなければならないという不都合があ
る。

また、前記第２図に示される特殊ボルト７およ
び座金部ナツト８を使用したフユーエルタンクバ
ンドヒンジ部構造は、組付工数がかかるととも
に、部品点数が多く、コストが高いという問題点
があり、また、第３図に示される孔付ピン９と割
ピン１１を利用したフユーエルタンクバンドヒン
ジ部構造は、部品点数が多くコストが高いという
問題点がある。

この考案は上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、ブラケツトの突出量が少なく、こ
れによつてフユーエルタンクの容量を大きくする
ことができるとともに、構造、形状が単純であつ
て、組付作業の工数が少なく、また部品点数が少
なく、コストの低減を図ることができる自動車の
フユーエルタンクバンドヒンジ部構造を提供する
ことを目的とする。

この考案は、自動車のフユーエルタンクをフロ
ア下面に締結固定するためのフユーエルタンクバ
ンドの一端を、該一端に形成されたループに挿通
されるヒンジピンを介してフロア側のブラケツト
に支持する自動車のフユーエルタンクバンドヒン
ジ部構造において、前記ブラケツトに、前記ヒン
ジピンを略上下方向かつ径方向に一定範囲で移動
可能に内包するよう形成された箱状部と、この箱
状部の前面略中央部に形成された前記フユーエル
タンクバンドのループよりもやや広幅の角孔と、
該角孔の上端近傍位置における前記箱状部の側面
に形成されたヒンジピン挿入孔と、を設けること
によつて上記目的を達成するものである。

またこの考案は、前記自動車のフユーエルタン
クバンドヒンジ部構造において、前記ヒンジピン
挿入孔を、前記箱状部の一方の側面に形成すると
ともに、他方の側面の、前記ヒンジピン挿入孔と
対向する位置に、前記ヒンジピンよりも小径のツ
ール孔を形成することによつて上記目的を達成す
るものである。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

ここでこの実施例において、前記第１図〜第３
図に示される従来のフユーエルタンクバンドヒン
ジ部構造と同一または相当部分にはこれらと同一
の符号を付することにより説明を省略するものと
する。

この実施例は、第４図〜第７図に示されるよう
に、自動車（全体図示省略）のフユーエルタンク
１をフロア２下面に締結固定するためのフユーエ
ルタンクバンド３の一端を、該一端に形成された
ループ４に挿通されるヒンジピン５を介してフロ
ア２側のブラケツト１６に支持する自動車のフユ
ーエルタンクバンドヒンジ部構造において、前記
ブラケツト１６に、前記ヒンジピン５を略上下方
向かつ径方向に一定範囲で移動可能に内包するよ
う形成された箱状部１２と、この箱状部１２の前
面１２Ａの略中央部に形成された前記フユーエル
タンクバンド３のループ４よりもやや広幅の角孔
１３と、該角孔１３の上端近傍位置における前記
箱状部１２の側面１２Ｂに形成されたヒンジピン
挿入孔１４と、を設けたものである。

前記ヒンジピン挿入孔１４は、前記箱状部１２
の一方の側方１２Ｂに形成され、これに対向する
他方の側面１２Ｃには、前記ヒンジピン挿入孔１
４と対向する位置に、前記ヒンジピン５よりも小
径のツール孔１５が形成されている。

前記角孔１３は、箱状部１２の底面１２Ｄに至
る範囲まで形成され、これによつて、該角孔１３
に、前記フユーエルタンクバンド３のループ４が
下方からも挿入され得るようになつている。

前記ブラケツト１６の、前記箱状部１２は、前
記フロア２の垂直面２Ａに沿つて湾曲して形成さ
れた板状のベースプレート１６Ａの前面に一体的
にプレス成型され、ベースプレート１６Ａをフロ
ア２の垂直面２Ａに溶着もしくはボルト締めして
取付けられている。

次に上記実施例の作用を説明する。

フユーエルタンクバンド３の一端をブラケツト
１６に取付ける場合は、まず、第５図において２
点鎖線で示される位置すなわち前記箱状部１２の
側面１２Ｂに形成されたヒンジピン挿入孔１４
と、ループ４の中心が整合する位置に、フユーエ
ルタンクバンド３のループ４を箱状部１２の前面
１２Ａに形成された角孔１３から挿入する。

この位置で、ヒンジピン挿入孔１４からヒンジ
ピン５を挿入すれば、該ヒンジピン５は、箱状部
１２内において、ループ４内に挿通されることに
なる。

従つて、ループ４はヒンジピン５を介して箱状
部１２に支持されることになる。

この状態で、ループ４とともに、ヒンジピン５
を、第４図および第５図において実線で示される
位置にまで引き下げれば、該ヒンジピン５は、箱
状部１２の側面１２Ｂおよび１２Ｃによつて軸方
向への移動が規制されるために、ループ４から抜
け出すことができない。従つて、フユーエルタン
クバンド３のループ４は、図の実線位置で上下方
向に揺動可能な状態で支持されることになる。

フユーエルタンクバンド３のループ４をブラケ
ツト１６から取り外す場合は、該ループとともに
ヒンジピン５を上方に移動させ、該ヒンジピン５
がヒンジピン挿入孔１４およびツール孔１５と整
合する位置まで引き上げ、この位置で、ツール孔
１５側からドライバー等によりヒンジピン５をヒ
ンジピン挿入孔１４から突出する方向に突き出
し、これによつて、ループ４を取り外せばよい。

この実施例においては、ブラケツト１６の箱状
部１２は、フロア２の垂直面２Ａに沿つて長く形
成され、フユーエルタンク１方向への突出量が少
ないために、スペースの節減を図ることができ、
従つて、フユーエルタンク１のタンク容量を増大
させることができるという利点がある。

また、フユーエルタンクバンド３のブラケツト
１６への取付作業は、単にピンをループ４内に挿
入するのみで足りるので、ナツトを螺合したり、
割ピンを取付けたりする作業が不要であつて、組
付作業工数が少なく、更に、ブラケツト１６は、
プレス成型により容易に製造でき、従つてコスト
が安いという利点がある。

なお上記実施例において、ヒンジピン挿入孔１
４およびツール孔１５は、ブラケツト１６の箱状
部１２前面１２Ａから側面１２Ｂおよび１２Ｃに
かけて、切欠を形成することによつて構成してい
るが、これは、側面に円形状の孔を穿設するよう
にしてもよい。

また、前記実施例は、ヒンジピン５の取外し時
に該ヒンジピン５を突き出すためのツール挿入用
のツール孔１５がヒンジピン挿入孔１４に対向し
て形成されているが、本考案は、ヒンジピン５を
容易に取外しすることができる構成であれば実施
例に限定されるものでない。

従つて、例えば、ヒンジピン５がヒンジピン挿
入孔１４に整合する位置で、フユーエルタンクバ
ンド３のループ４をヒンジピン挿入孔１４方向に
移動できるように、角孔１３の上端部近傍を、更
に、ヒンジピン挿入孔１４方向に幅広く切欠き、
これによつて、ループ４への挿通状態でのヒンジ
ピン５の端部をヒンジピン挿入孔１４から側方に
突出させることができるようにすれば、ツール孔
１５は不要である。

本考案は上記のように構成したので、フユーエ
ルタンクバンドのループに挿通されるヒンジピン
４支持用のブラケツトのフユーエルタンク方向へ
の突出量を小さくすることができ、従つて、フユ
ーエルタンクのタンク容量を増大させることがで
きるという優れた効果を有する。

更に、本考案は、上記のように構成したので、
ブラケツトへのフユーエルタンクバンドの組付作
業を簡単とすることができるとともに、部品点数
および製造コストの低減を図ることができるとい
う優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の自動車のフユーエルタンクおよ
びこれを締結固定するためのフユーエルタンクバ
ンド近傍を示す略示断面図、第２図は従来の自動
車のフユーエルタンクバンドヒンジ部構造を拡大
して示す分解斜視図、第３図は同他の従来のフユ
ーエルタンクバンドヒンジ部構造を示す分解斜視
図、第４図は本考案に係る自動車のフユーエルタ
ンクバンドヒンジ部構造の実施例を示す断面図、
第５図は同実施例の正面図、第６図は第５図の
−線に沿う断面図、第７図は同実施例の分解斜
視図である。 １……フユーエルタンク、２……フロア、３…
…フユーエルタンクバンド、４……ループ、５…
…ヒンジピン、１２……箱状部、１２Ａ……前
面、１２Ｂ，１２Ｃ……側面、１３……角孔、１
４……ヒンジピン挿入孔、１５……ツール孔、１
６……ブラケツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自動車のフユーエルタンクをフロア下面に締
   結固定するためのフユーエルタンクバンドの一
   端を、該一端に形成されたループに挿通される
   ヒンジピンを介してフロア側のブラケツトに支
   持する自動車のフユーエルタンクバンドヒンジ
   部構造において、前記ブラケツトに、前記ヒン
   ジピンを略上下方向かつ径方向に一定範囲で移
   動可能に内包するよう形成された箱状部と、こ
   の箱状部の前面略中央部に形成された前記フユ
   ーエルタンクバンドのループよりもやや広幅の
   角孔と、該角孔の上端近傍位置における前記箱
   状部の側面に形成されたヒンジピン挿入孔と、
   を設けたことを特徴とする自動車のフユーエル
   タンクバンドヒンジ部構造。 (2) 前記ヒンジピン挿入孔を、前記箱状部の一方
   の側面に形成するとともに、他方の側面の、前
   記ヒンジピン挿入孔と対向する位置に、前記ヒ
   ンジピンよりも小径のツール孔を形成したこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の自動車のフユーエルタンクバンドヒンジ部
   構造。