JPS633655Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、往復式電気カミソリにおける外刃取
付装置に関する。

従来の外刃取付装置は第１図、第２図、第３図
に示す如く外刃枠１の内部側壁に内方に向つて設
けられた係止ピン２に、外刃体４の４隅で固着さ
れた外刃取付具３に設けられた係止穴５が係合さ
れることにより成る。前記外刃取付具３は外刃枠
１に前述のように係止された時、外刃体４が内方
６の往復動方向（第１図の紙面と直交する方向）
に対し直交する方向に自在に移動できるよう弾性
を持つている。可撓性を有し、且つ略円弧状に張
つた外刃体４が係止された外刃枠１を器体ケース
７に装着すると、内刃ばね８の押圧により内刃６
と外刃体４との間には適度な接触圧が生ずる。電
気カミソリにおいては往復運動する内刃６が外刃
体４と常に適度な接触圧を保つて摺動するような
構造にしなければならず、従つて外刃体４が肌に
押し当てられて器体ケース７側へ移動した場合で
も常に内刃６と適度な接触圧を保つように、外刃
体４は外刃枠１に対し前記直交する方向に移動自
在の必要があり、それは外刃取付具３の弾性によ
る。ところがこの場合、外刃体４に器体ケース７
側への力が加わると、外刃取付具３の係止穴５は
外刃枠１の係止ピン２に係合して固定されている
ので、弾性足９の係止穴５を中心とした回転弾性
移動により外刃体４が器体ケース７側に移動する
のであるが、外刃体４は平行移動ではなく前述の
通り前記弾性足９の回転弾性移動によるものであ
るため、外刃体４に器体ケース７側の力が加わつ
た場合変形する可能性があり内刃６の摺動面全体
にわたり十分に内刃６と外刃体４の接触が行われ
なくなり、電気カミソリの基本機能である切れ味
が低下する。また、外刃枠１の係止ピン２と外刃
取付具３の係止穴５の間にはガタ（隙間）がない
ように寸法精度に高度なものが要求され、それゆ
えに外刃体４の外刃枠１への着脱が非常に困難と
なる。仮にこの寸法精度が保たれなければ外刃体
４の外刃枠１への固定が満足でなくなり、切れ味
の低下、騒音の発生を起こす。

一方、例えば特開昭47−15263号公報、実開昭
49−39697号公報に示されている様に、外刃体の
側端部に外刃枠の溝部などの係合部と係合する突
出部が設けられているものがあるが、この場合に
は外刃体の前記突出部を外刃枠の係合部より外し
ても前記突出部が外刃体の側端部から突出してい
ることにより、この突出部が外刃枠の内側面に引
つ掛かりやすくなり、外刃体を傾けて取り出すよ
うになつて操作性を悪くしているものであり、
又、外刃枠に対して器体ケースの反対側に取り出
すことができず器体ケース側のみに取り出さざる
を得ないという取り出し方向の制約を受けるもの
であつた。しかも、外刃体を外刃枠に着脱する
際、外刃体の側端部から突出する突出部が外刃枠
の内側面に引つ掛かり外刃体が傾く場合がある
が、この場合には、このまま外刃体の着脱操作を
続行すると、外刃体に無理な力がかかり外刃体に
塑性変形が生じて外刃体と内刃との密着性が損な
われ切れ味が低下するものであつた。

本考案はかかる欠点を除去したもので、その目
的は外刃体の着脱が容易で、それでいて外刃体が
内刃と常に適度な接触圧を保つ構造の電気カミソ
リの外刃取付装置を提供することである。

本考案の要旨は、往復動する内刃６と、可撓性
を有し且つ略円弧状の外刃体４と、外刃体４を係
止する係止突起１１を内側面に有し且つ器体ケー
ス７に係合支持される外刃枠１と、外刃体４にお
ける内刃６の往復動方向Ａと直交する方向の端部
に取着され前記係合突起１１に係合支持される切
欠き部１２を有した補強板１０とを有し、前記補
強板１０は、前記往復動方向Ａ側の幅が前記外刃
体４の前記往復動方向Ａ側の幅より狭く形成され
ており、前記切欠き部１２は、補強板１０におけ
る前記往復動方向Ａ側の側端部において前記係止
突起１１側に開口して形成されるとともに、切欠
き部１２の前記往復動方向Ａ側の底面１３が前記
係止突起１１の内端面１４に当接しており、且つ
切欠き部１２の前記直交する方向の幅は前記係止
突起１１の前記直交する方向の幅より広く形成さ
れていることを特徴とする電気カミソリの外刃取
付装置である。

以下、第４図乃至第７図に基づいて本考案を詳
細に説明する。

各図において、１は外刃枠、７は外刃枠１を係
合支持する器体ケース４は外刃枠１に略円弧状に
支持され可撓性を有する外刃体、６は外刃体４の
内面に往復動方向Ａ（第４図参照）に沿い往復動
する内刃６である。ここで、外刃枠１の内側面に
は係止突起１１が突出形成され、外刃体４におけ
る内刃６の往復動方向Ａと直交する方向の端部に
は合成樹脂の補強板１０が固着され、この補強板
１０の前記往復動方向Ａ側の幅が外刃体４の前記
往復動方向Ａ側の幅より狭く形成され、補強板１
０の前記方向の両側端部に切欠き部１２が形成さ
れている。この切欠き部１２は前記係止突起１１
に係合し外刃体４が外刃枠１に取着されるもので
あり、このため切欠き部１２は係止突起１１側に
開口する形状に形成されており、且つ切欠き部１
２の前記往復動方向Ａ側の内方の底面１３が係止
突起１１の内端面１４に当接し外刃体４の前記往
復動方向Ａの位置決めがなされる。又、前記切欠
き部１２の前記直交する方向の幅寸法は係止突起
１１の前記直交する方向の幅寸法より広く形成さ
れており、両者の寸法の差が前記直交する方向の
ガタとなりその量だけ外刃体４は移動でき、外刃
体４が肌に押し当てられて器体ケース７側に力が
加わつた場合でも常に外刃体４と内刃６とが適度
な接触圧を保ことができる。この外刃体４を係止
した外刃枠１を器体ケース７に装着すると内刃ば
ね８によつて押圧された内刃６により外刃体４は
外刃枠１の上面開口より略円弧状（アーチ状）に
張り該内刃６と外刃体４の間には適度の接触圧が
存在する。

この外刃体４を外刃枠１に装着するには、まず
外刃体４をアーチ状に曲げて外刃枠１の器体ケー
ス７側より外刃枠１に挿入し、前記切欠き部１２
と係止突起１１との位置を合わせてから外刃体４
より手を離すと外刃体４は自身のバネ力により外
方に開きこのため前記切欠き部１２と係止突起１
１が係合し取りつくものである。又、外刃体４を
取り外すには、外刃体４の一方の端部を内方に曲
げて前記切欠き部１２と係止突起１１の係合を外
してから、他方の端部も同様に内方に曲げること
により、その係合を外して外刃体４を取り外すも
のである。

以上により本考案は、外刃体４は内刃６の往復
動方向Ａと直交する方向の移動が自在であるた
め、常に内刃６と適度な接触圧を保つことがで
き、外刃枠１と補強板１０の係合を係止突起１１
と切欠き部１２で行つたことにより、係止穴と係
止ピンの係合によつて外刃枠に取りつけたものに
比し、外刃体４の着脱が容易で、外刃枠、補強板
の製作も非常に容易であり外刃枠、補強板の構造
が単純で毛くず等の付着がなく掃除が容易とな
る。ことに本考案は、補強板１０の内刃の往復動
方向Ａ側の幅が外刃体４の前記往復動方向Ａ側の
幅より狭くその切欠き部１２の位置も外刃体４の
側端部より内方に位置しているので、外刃体４の
着脱は、切欠き部１２と外刃枠１の係止突起１１
の係合のみを考えればよく、外刃体４を外刃枠１
に対し容易に着脱できる。つまり、外刃体４にお
ける前記往復動方向Ａ側の切欠き部１２が設けら
れた側端部には何も出つ張る突起部を設ける必要
がなく、従つて外刃体４の前記側端部は外刃枠１
の内側面より狭くなつていることから外刃体４を
外刃枠１から取りはすず時は、前記切欠き部１２
を係合突起１１か外すのみで外刃体４を外刃枠１
における器体ケース７側又はその反対側にそのま
ま移動でき、何ら外刃枠１にさまたげられること
がなく容易に外刃体４を外刃枠１から取り外すこ
とができる。又、外刃体４を外刃枠１１に取り付
ける場合も、上記の逆の操作をなせば容易に出来
るものである。これらの操作の容易性について
は、外刃枠の溝部などの係合部と係合する突出部
が外刃体４の側端部より外方に突出している従来
例（例えば特開昭47−15263号公報、実開昭49−
39697号公報に示されている）において、外刃枠
１に対する外刃体の着脱が外刃枠１における器体
ケース７側のみより行なわざるを得ない場合に比
べ顕著である。しかも、外刃体４の側端部から突
出部が突出する従来の場合に、この突出部が外刃
枠の内側面に引つ掛かり外刃体４が傾きそのまま
外刃体の着脱操作を続行し外刃体に無理な力がか
かり塑性変形が生じ外刃体と内刃との密着性が損
なわれることがあるのに対し、本考案では、外刃
体の側端面に突出部がないので、外刃体４が外刃
枠１内で傾くことがなく、従つて外刃枠１に対す
る外刃体４の着脱時に外刃体４に無理な力が作用
せず内刃との密着性も良好となり切れ味を良好に
維持する効果を有する。

一方本考案は、外刃体４の取外し、取付け時に
外刃体４の側端部に前述の様な外方に突出する突
出部がなく単に内刃に切欠き部が設けられている
ので、その操作時に手に傷を付けることもなく安
全である。

以上の点は、電気かみそりにとり外刃体の着脱
は、ヒゲクズの掃除、外刃体、内刃の交換等が頻
繁に行われることから極めて大切なことである。

又、本考案は、外刃枠の内側面に前述の係合突
起１１を内方に突出形成すれば良いので係合用の
溝を設ける場合に比べ強度的に見て外刃枠は肉厚
が薄くなつてもよいことから、小型で軽量な電気
かみそりをもたらすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の要部の断面図。第２図は第１
図の外刃取付部の斜視図、第３図は第１図の外刃
体を外刃取付具に取着した斜視図。第４図は本考
案の実施例の要部の断面図。第５図は第４図の側
方断面図。第６図は第４図、第５図の要部の外刃
取付部の斜視図。第７図は第４図乃至第６図の外
刃体平面図。 １……外刃枠、２……係止ピン、３……外刃取
付具、４……外刃体、５……係止穴、６……内
刃、７……器体ケース、８……内刃ばね、１０…
…補強板、１１……係止突起、１２……切欠き
部、１３……補強板の切欠き部の底面、１４……
係止突起の内端面、Ａ……内刃の往復動方向。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 往復動する内刃６と、可撓性を有し且つ略円弧
   状の外刃体４と、外刃体４を係止する係止突起１
   １を内側面に有し且つ器体ケース７に係合支持さ
   れる外刃枠１と、外刃体４における内刃６の往復
   動方向Ａと直交する方向の端部に取着され前記係
   合突起１１に係合支持される切欠き部１２を有し
   た補強板１０とを有し、前記補強板１０は、前記
   往復動方向Ａ側の幅が前記外刃体４の前記往復動
   方向Ａ側の幅より狭く形成されており、前記切欠
   き部１２は、補強板１０における前記往復動方向
   Ａ側の側端部において前記係止突起１１側に開口
   して形成されるとともに、切欠き部１２の前記往
   復動方向Ａ側の底面１３が前記係止突起１１の内
   端面１４に当接しており、且つ切欠き部１２の前
   記直交する方向の幅は前記係止突起１１の前記直
   交する方向の幅より広く形成されていることを特
   徴とする電気カミソリの外刃取付装置。