JPS6336377B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はヘルドフレームの昇降装置に関する。

従来の技術 ドビー機によつてヘルドフレームを昇降させて
タテ糸の開口運動を行うことが行われている。上
記ドビー機とヘルドフレームは、ワイヤロープに
よつて連結されたタイプ、あるいは連結ロツドに
よつて連結されたタイプがある。即ち後者は一般
に積極ドビーと称されるドビー機によつて操作さ
れる。

このような場合、複数枚のヘルドフレームは、
長期運転、あるいは糸種に応じて開口量の調整が
必要であり、ドビー機とヘルドフレーム間の運動
伝達経路途中において開口量の調整箇所が必要で
ある。従つて、一般に、連結ロツドによつてドビ
ー機の出力を伝達するタイプにおいては、少くと
も連結ロツドの一箇所において、該ロツドを２分
割し、該２分割したロツド間で長さ調整が行われ
ている。

発明が解決しようとする問題点 前記のように、分割したロツドにより長さ調整
を行い得るようにした場合、通常運転中は２分割
したロツドを一体的に固定しておく必要があり、
この固定が不確実であると、運転中に各ロツドの
引張り力、あるいは圧縮力により、ロツド間の距
離がズレたり、外れてしまつたり、あるいは破損
することがある。さらに、上記ロツドの引張り方
向、あるいは引張り方向と直角方向のずれを防止
するのに、ロツド間に歯溝あるいはラツクを形成
して噛合させて行うものがあるが、この場合上記
ずれには強いが、振動、衝撃等により歯底部分か
らきれつが発生し、破損することがあるとか、歯
溝の加工精度を出す必要があるため加工が面倒で
あるという問題点がある。

本発明は上記問題点を解決することを目的とし
たものである。

問題点を解決するための手段 本発明は、分割した各ロツドの重ね合わせによ
る接触部分を平面とし、該重ね合わせ部分を包囲
するクランプ材と該クランプ材を貫通する締付ボ
ルトにより、ロツドを連結したものである。

作 用 平面接触によつて重ね合わせるために長さ調整
が無段階で行うことができると共に加工、組付作
業が簡単に行える。

実施例 以下、本発明の実施例を図面に従つて説明す
る。

第４図において積極ドビー機とヘルドフレーム
を連結した一例を示す。本実施例ではドビー機１
をフレーム２上に設置した場合について示す。

ヘルドフレーム３は左右の連結ロツド４ａ，４
ｂにより揺動レバー５ａ，５ｂに垂下される。上
記揺動レバー５ａ，５ｂはフレーム２上の軸受６
ａ，６ｂに支承される軸７ａ，７ｂに回転自在に
枢支され、一方の揺動レバー５ｂには、アーム８
が一体的に形成され、該アーム８とドビー機１の
ジヤツクレバー９間に連結バー１０が長さ調整箇
所１１を有して連結される。上記バー１０の一端
はアーム８上のスライド固定可能なアジヤスタ１
２に連結されて、アーム８上の適当な位置に位置
固定され、ヘルドフレームの開口量の調整が可能
である。

さらに、上記揺動レバー５ａ，５ｂと一体の他
のレバー１３ａ，１３ｂ間には長さ調整箇所１
４，１５を有するコネクテイングロツド１６が連
結される。なお、上記レバー１３ａの軸７ａとコ
ネクテイングロツド１６の支軸１７ａ間の距離l1
と他のレバー１３ｂの軸７ｂとコネクテイングロ
ツド１６の支軸１７ｂ間の距離l1とは等しく、さ
らに軸７ａとヘルドフレームの連結ロツド４ａの
支軸１８ａ間の距離l2と他の揺動レバー５ｂの軸
６ｂと支軸１８ｂ間の距離l2も等しく、左右の連
結ロツド４ａ，４ｂのストロークが等しい。

なお、前記のようなヘルドフレーム昇降用の各
種レバー、ロツドが、第４図紙面と直角方向に複
数ユニツト配設され、複数枚のヘルドフレームの
昇降動作がドビー機の組織指令に基づいて行われ
る。

次に揺動レバー５ａ，５ｂとヘルドフレーム３
間の連結部４ａ，４ｂについて詳述する。左右同
様であるので、一方の連結部４ａについてのみ説
明し、他方を省略する。

第１〜３図において、連結部４ａは揺動レバー
５ａ側の第１のロツド１９と、ヘルドフレーム２
側の第２のロツド２０と、上記両ロツド１９，２
０の重ね合わせ部分２１を包囲するクランプ材２
２と、該クランプ材２２を貫通して螺入され、上
記両ロツドを締付固定する締付ボルト２３，２４
等より構成される。

上記揺動レバー５ａ側の第１の分割されたロツ
ド１９は、揺動レバー５ａに軸支１８ａされた２
枚の鋼板２５，２６間に一部１９ａを溶接、リベ
ツト継、ネジ等の固着手段で一体的に形成された
もので、ロツド１９は角材よりなり、対向するロ
ツド２０との接触面１９ａは平面を有している。

一方、ヘルドフレーム３側の第２の分割された
ロツド２０は、ヘルドフレーム３上の支持金具２
７のピン２８に支持された平板２９とロツド２０
の端部を突合わせ、両側面に継手板３０，３１を
溶接等により固着し、ロツド２０、平板２９、継
手板３１とを一体的に形成したものであるが、第
１図示の組合わせ形状と類似した一体物として加
工したものでも構わない。さらに上記ロツド２０
も前記ロツド１９と同様の角材で、接触面２０ａ
は平面とされる。

上記各ロツド１９，２０の重ね合わせ部分２１
には該部分を包囲する状態のクランプ材２２が両
ロツドと密接して装着される。クランプ材２２は
両側板３２，３３と底板３４を一体物の平板で折
曲げ加工し、開口部にブロツク材３５を溶接固定
したもので、ロツド１９，２０の長手方向両端面
には開口３６，３７を有し、該開口３６，３７を
通つてロツド１９，２０が長手方向にスライド自
在である。上記ブロツク材３５とロツド１９の締
付面１９ｂ間の隙間には押圧プレート３８が介在
しており、上記ブロツク材３５を貫通して螺入さ
れた締付ボルト２３，２４先端が上記押圧プレー
ト３８に当接し、ボルト２３，２４を締付けるこ
とにより、ロツド１９，２０が締結される。

なお上記クランプ材２２を２個に分割し、各ク
ランプ材に一本のボルトを螺入すること、あるい
は、実施例の２本のボルトを２本以上、あるいは
１本とすることは、適当な締結力を得るために変
更可能である。

上記の如き連結部４ａが第４図示の各箇所４
ｂ，１１，１４，１５に適用されている。

次に、前記ヘルドフレーム３側のロツド２０と
ヘルドフレーム２０間の取付、取外し装置につい
て、第１，２図において説明する。

ロツド２０と一体の平板２９にはヘルドフレー
ム側のピン２８が進入自在な円孔３９が形成さ
れ、ヘルドフレーム３の枠上面には金具２７が螺
着４０，４１される。該金具２７は上記平板２９
が該金具に固定した水平なピン２８の軸心方向に
着脱自在な片端面を開放した凹所４２が形成さ
れ、背板部４３にピン２８が固着される。さら
に、金具２７の前面４４にはピン４５が固着さ
れ、該ピン４５に平板２９のピン２８からの脱落
を防止するストツプ材４６が枢支される。該スト
ツプ材４６は上記平板２９の前面に位置して平板
２９のピン２８軸方向の移動を阻止するストツプ
板４６ａと、金具２７の端面２７ａに当接してス
トツプ材の位置決めを行う位置決め板４６ｂと、
上記ストツプ板４６ａと位置決め板４６ｂ間を接
続した接続板４６ｃとを一体的に折曲げ加工した
ものであり、接続板４６ｃから突出した操作片４
６ｄがストツプ材４６と一体的に形成される。さ
らに、上記ストツプ板４６ａと位置決め板４６ｂ
間には軸４７が固定され、該軸４７にトーシヨン
バネ４８が巻装されて、該バネ４８の一端４８ａ
が金具端面２７ａに当接し、他端４８ｂがストツ
プ材４６の接続板４６ｃに係止され、ストツプ材
４６を第１図時計針方向に付勢している。即ち、
上記ロツド２０の運動は主として上下方向であ
り、紙面前後方向の運動は理論上はないので、上
記平板２９を強固に両側から支持する必要はな
く、ピン２８の軸心方向への微少なスライドを阻
止する程度であればよく、むしろヘルドフレーム
の交換作業の際のロツド２０との切離し操作に好
都合である方に重点が置かれているのである。

従つて、ヘルドフレーム３の交換の際は、スト
ツプ材４６の操作片４６ｄを持つてスプリング４
８力に抗してストツプ材４６を反時計針方向に旋
回させ、ストツプ材４６が平板２９から離反する
位置まで移動させれば、平板２９をピン２８から
簡単に抜き出すことができるのである。

なお必要に応じ、上記ストツプ材４６を第１図
のピン２８を中心に対称位置に設け、ピン２８の
両側に設けることも可能である。

以上のようなヘルドフレームの昇降装置におい
て、特に、ヘルドフレーム３と、揺動レバー４
ａ，４ｂ間の連結ロツド５ａ，５ｂ部分には、織
機の高速運転により大きな引張り荷重、圧縮荷重
がかかるため、強固な締結力を必要とする。本発
明装置による連結部の締結強度を第５図示の測定
装置で測定した結果を次に示す。第５図におい
て、断面が６mm×12mm長方形で長さ（Ｌ）が120
mmの角材１９，２０を、重ね合わせ長さ（ｌ）を
65mmとし、重ね合わせ部分の一箇所をクランプ材
２２、押圧プレート３８、締付ボルト２３により
締結トルクを100Kg・cmとして締結する。一方の
ロツド１９を固定グリツパ４９で把持し、他方の
ロツド２０を可動グリツパ５０で把持し、該可動
グリツパを図示しない駆動源により矢印５１方向
へ荷重（Ｐ）で引張り、ロツド１９，２０間の接
触部５２のスリツプが生じた時の荷重（Ｐ）を測
定した。このようにして測定した結果スリツプ時
の荷重（Ｐ）は平均354Kgであり、クランプ箇所
を２箇所即ちボルト２３を２本とした時は660Kg
であり、大きな締結力が得られる。

発明の効果 以上のように、本発明によると、ドビー機とヘ
ルドフレーム間の動力伝達経路中の連結ロツドを
２分割したものを平面接触させて締結したので、
連結部において振動、衝撃等によるきれつが生じ
ることなく、高速開口装置に好都合であり、連結
ロツドの長さ調整も無段階に簡単に行うことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明装置の要部正面図、第２図は
同側面図、第２Ａ図は第２図Ａ部拡大図第３図は
第１図−断面図、第４図は同装置を適用した
ヘルドフレームの開口装置の一例を示す概略構成
正面図、第５図は連結部のスリツプ強度を測定す
る方法を示す一部断面正面図である。 １……ドビー機、３……ヘルドフレーム、１
９，２０……連結ロツド、２１……重ね合わせ部
分、２２……クランプ材、２３，２４……締付ボ
ルト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ドビー機とヘルドフレーム間の運動伝達経路
   中における連結ロツドを２分割し、該分割した各
   ロツドを平面接触状態で重ね合わせ、該重合わせ
   部分を包囲するクランプ材と該クランプ材を貫通
   する締付ボルトにより各ロツドを連結したことを
   特徴とするヘルドフレームの昇降装置。