JPS63348B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はエレベータの異常警報装置の改良に
関するものである。

従来エレベータに異常が発生し、階間停止する
と、直ちにかご内に備えたベルが鳴動したり、管
理室の制御盤に異常警報を表示させるようにして
いた。

しかし、最近の電子化されたエレベータは、何
等かの異常で階間停止しても基本的な安全を確保
して低速でエレベータを最寄階まで再走行させ、
乗客を安全に救出することを可能にするための低
速運転装置が備えられている。従つて、単純に従
来基準によつて異常警報を行うと不具合な事態と
なるケースが増えてきた。例えば、自動救出でき
るのに異常警報を出したことで係員が電源を切る
などして、かえつて手間取つたり、異常警報しな
がら、低速とはいえエレベータが自動的に走行す
るので、係員が処置にとまどうなどの不具合が目
立つようになつた。要するに、異常警報が出され
た時の処置において、付加された新しい機能に対
応した一貫性が伴わないからである。

この発明は、上記の欠点を解消するためのもの
で、階間停止しても再走行が可能であると検出し
たときには、直ちに異常警報することのないエレ
ベータの異常警報装置を提供しようとするもので
ある。

以下、この発明のエレベータの異常警報装置の
一実施例を第１図に基づいて説明する。

図中、１は安全検出リレーを示し、該リレー１
は消勢動作することで再走行不能検出となるもの
で、ガバナー接点GOV、かご上に備えた救助ス
イツチEES、最上階行過ぎ制限スイツチST、最
下階行過ぎ制限スイツチSB、非常止スイツチ
ESSと直列に接続され、＋、−の直流電源ラインに
並列に接続されている。１ａ，１ｂはそれぞれ安
全検出リレー１の常開接点及び常閉接点である。
２は付勢動作で異常検出を行う再走行可能な異常
検出リレーで、該異常検出リレー２は付勢動作で
ドアゾーン内検出を行うドアゾーン検出接点
DZa、前記安全検出リレー１の接点１ａ、かご走
行中で付勢動作する走行リレー（図示せず）の常
閉接点８ｂ及び後述の低速運転指令リレー３の常
開接点３ａを介して＋、−の直流電源に並列に接
続されている。３は消勢動作で低速運転指令を発
する低速運転指令リレーで、該リレー３は低速運
転スイツチ４及び後述の自動低速運転指令リレー
５の常閉接点５ｂを介して＋、−の直流電源に並
列に接続されている。５はオン・デレイタイマ形
式の自動低速運転指令リレーであり、付勢動作で
低速運転指令を出し、そして前記異常検出リレー
２の常開接点２ａ及び該接点２ａに並列接続した
自己保持接点５ｄとドアーゾーン検出接点DZbを
介して＋、−の直流電源に並列に接続されている。
６はオフ・デレイタイマ形式の異常検出タイマリ
レーで、前記低速運転指令リレー３の常開接点３
ｂと、走行リレーの常開接点８ａと、前記自動低
速運転指令リレー５の常閉接点５ｃとの並列回路
を介して＋、−の直流電源に並列に接続されてい
る。また７は異常警報装置で、前記安全検出リレ
ー１の常閉接点１ｂと、これに並列に接続した前
記自動低速運転指令リレー５の常開接点５ａと前
記異常検出タイマリレー６の常閉接点６ａと直列
回路を介して＋、−の直流電源に並列に接続され
ている。

以上の構成において、以下に本実施例の動作を
説明する。

まず、基本的な安全検出装置である接点GOV、
スイツチEES，ST，SB，ESSのいずれかのブレ
ークにより安全検出リレー１が消勢動作した場合
は、再走行不能となるから、直流電源＋−常閉接
点１ｂ−異常警報装置７−直流電源−の回路で、
直ちに異常警報する。一方、前記以外の何らかの
原因で、高速運転中のエレベータが階間停止する
と、電源＋−ドアーゾーン検出リレーの常閉接点
DZa−安全検出リレー１の常開接点１ａ−走行リ
レーの常閉接点８ｂ−低速運転指令リレー３の常
開接点３ａ−異常検出リレー２−電源−の閉回路
で異常検出リレー２が付勢動作し、これにより電
源＋−常開接点２ａ−ドアーゾーン検出リレー接
点DZb−自動低速運転指令リレー５−電源−の閉
回路で自動低速運転指令リレー５が励磁され所定
時間が経過すると、付勢動作して自動低速運転指
令が送出される。そして、前記自動低速運転指令
リレー５の付勢動作によりその常閉接点５ｂが開
成すると、前記低速運転指令リレー３が消勢動作
し、その結果、低速運転指令が送出される。

また、前記自動低速運転指令リレー３の常開接
点３ｂが開成すると、既に開成している走行リレ
ーの常開接点８ａと共に異常検出タイマーリレー
６の回路が開路し、その結果このタイマー（図示
せず）のタイムカウントが開始され、前記低速運
転指令の発令時より所定時間の経過後も走行リレ
ーの常開接点８ａが閉成しないと、前記異常検出
タイマーリレー６は消勢動作し、エレベータかご
は走行不能と判断され、この時点で電源＋−常開
接点５ａ−常閉接点６ａ−異常警報装置７−電源
−の回路で異常警報を行なう。

一方、上記所定時間内にエレベータかごが走行
すると、常閉接点６ａは開成しているため異常警
報は出されず、エレベータがドアーゾーンに到達
した時点で、ドアーゾーン検出リレーの接点DZb
が開成し、リレー５による自動低速運転指令を解
除する。

この発明は以上説明したように、エレベータが
異常停止しても再走行可能であることを検出した
ときは、所定時間の経過後も走行開始がなされな
い場合に始めて異常警報を出すようにしたので、
自動低速指令の発令時から所定時間内に運転が開
始された場合には低速でエレベータを最寄階まで
走行させてかご内の乗客を救出することを目的と
した自動低速運転装置の動作をその目的にそつて
円滑に行わせることができ、その結果、自動救出
できるので、異常警報をしたことで係員が電源を
切るなどの問題を一掃でき、エレベータの安全を
充分に確保することができるという効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この説明の一実施例を示す電気回路
図である。 １……安全検出リレー、２……再走行可能な異
常検出リレー、３……低速運転指令リレー、４…
…低速運転スイツチ、５……自動低速運転指令リ
レー、６……異常検出タイマーリレー、７……異
常警報装置、EES……かご上に備えた救助スイツ
チ、ESS……非常止スイツチ、DZ……ドアーゾ
ーン検出リレー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ エレベータが異常停止したとき再走行不能で
   あることを検出する第１の検出手段と、エレベー
   タの異常停止時に走行可能であることを検出する
   第２の検出手段と、この第２の検出手段が作動す
   ると所定時間後に低速でエレベータを最寄階まで
   走行させ、かご内乗客を救出する低速運転装置を
   備えたものにおいて、前記第１の検出手段が作動
   したときは直ちに異常警報を行い、第２の検出手
   段が作動した場合は、前記低速運転装置を駆動さ
   せる低速運転指令の発令時から所定時間経過後も
   再走行が開始されないときに初めて異常警報を出
   すようにしたことを特徴とするエレベータの異常
   警報装置。