JPS6334751B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスキーに関し、特に上部層、下部層を
備えており、更に側壁及び、その上部層、下部
層、側壁によつて囲まれた芯部内に中間層を備え
たスキーに関する。

従来、平でない斜面を滑走する際、スキーの滑
走面に作用する衝撃力はスキー靴の底部を通つて
スキーヤーに伝達されるので、スキーヤーは脚
部、背中または他の部分で前述の衝撃力を吸収し
なければならないという欠点があつた。スキー靴
の底部は前述の衝撃力を多少緩衝することができ
るが、これを更に拡大することはできない。とい
うのは例えばスキー靴の底部を厚くしてスキー靴
底部の弾性を増加させるとスキー靴をスキー板に
確実に固定することができなくなるからである。
さらに、最近のビンデイングは、一般にスキー板
表面とスキー靴の底部を圧接して固定するもので
あるので、スキー靴底部の緩衝作用を減退すると
いうことを考慮しなければならない。

したがつて、本発明は従来のスキーと比較して
前述の如き衝撃力を緩衝する特性を改良すること
によりスキー板がスキーヤーに与える衝撃力を減
少させることができるスキーを提供することを目
的とする。

上記目的は芯部内に中間層を備えた上記スキー
構造に於て、ビンデイング固定領域の下部に設け
た緩衝板にゴム材あるいはプラスチツク材等の弾
性部材を用い、この緩衝板がスキーの構成層とほ
ぼ平行に敷設された上記中間層の上側あるいは下
側の少なくとも一方に設けられ、かつスキー板の
側壁まで延長された構成により達成することがで
きる。この緩衝板がスキー板の側壁に直接接する
ようにあるいは入り込むように延長されたことに
より、一般に硬い材質から成り衝撃等が伝播し易
いスキー側壁を伝達するスキーエツジあるいは底
面からの衝撃力を極めて効果的に吸収し、該衝撃
力がスキーヤーに伝播するのを効率よく防止・除
去することができる。さらに、中間層の上側ある
いは下側さらには両側に緩衝板を適宜設けること
が極めて容易であり、かつ、スキー板の重心が存
在する領域内から外れることなく設けることがで
きるので、スキー板の重量バランスを悪化させる
ことなく緩衝板を自在に選択することができる。
又、この緩衝板はスキー底部層の上側にも配置す
ることができる。すなわち、このスキー板は中間
層を備えているので、上述の緩衝板は例えば前述
の中間層の上側かあるいは下側のどちらかに配置
すると共に底部層の上に設けることにより、板厚
み方向に異なつた特性のものを離して配置するこ
とができる。

さらに他の実施例として、段階的に厚みの異な
る緩衝板を直接ビンデイング固定領域下に設ける
ことにより、中央部が厚くその両端部分が薄い構
成にすることが可能である。

以下図面を用いて本発明の実施例を詳しく説明
する。

第１図と第１ａ図に示す如く、本発明のスキー
は強化繊維樹脂ガラスまたはアルミニウムからな
る上部層１と底部層２、この上部層１と底部層２
との間に中間層３を備えている。底部層２の下部
には好ましくは金属で作られた保護エツヂ７が設
けられており、２コの長さ方向に延長するスキー
エツヂを構成している。エツヂ７と底部層２との
間には強化繊維樹脂ガラス又はアルミニウムから
なる底部中間層８が設けられており、又その下部
には公知の材料によつて作られた滑走面９が設け
られている。上部層１とその底部層との間にはス
キー芯部４が設けられており、その側面は側壁５
により覆われている。

スキーの滑走面９に加わる衝撃力を緩衝し、ス
キーヤーにその衝撃力が全部伝達されることを避
けるために、緩衝板６は芯部２の中に設けられた
中間層３の上に設けられている。その緩衝板６は
スキーの長さ方向に、スキーのビンデイング固定
領域である距離１０とほぼ一直線に、かつ側壁５
の外表面と同一面上までスキーの幅方向に伸びて
いる。スキーの製造段階に於てこの緩衝板６は、
他のスキー構成部材である中間層３と一緒にスキ
ーの製造用モールド内に挿入され、そして圧縮さ
れ、それらの構成部材と共に合成又はプラスチツ
ク接着剤によつて結合される。

緩衝板６は、例えばシヨアー硬度（シヨアー硬
度）70〜85の範囲の硬さを有するゴム材またはプ
ラスチツクの弾性部材から作られており、好まし
くはシヨアー硬度80が良い。上述の緩衝板６の距
離10はビンデイング固定領域と同等であることが
好ましく、大人用のスキーの長さ170cm〜215cmの
場合550mm、子供用のスキーの長さ140cm〜175cm
の場合480mmとするのが標準である。

前述の緩衝板６の厚さは、１mm〜３mmの範囲で
あり、好ましくは約２mmが良い。しかし必要に応
じてビンデイング固定領域１０の長さの２倍にす
ることも可能である。

スキーの芯部に緩衝板６を設けることによつ
て、そのスキーの底部に作用する衝撃力を緩衝す
ることができる。この緩衝作用を保証するため
に、ビンデイングを取り付ける際に、特にその取
り付ねじが緩衝板に触れないように注意すること
が必要である。

上記スキーとは多少違つた配置の緩衝板６を第
２図から第３ａ図を用いて説明する。第２図から
第３ａ図のスキーは、特に述べる相違点を除いて
は第１図と第１ａ図に示したスキーと同じもので
ある。

第２図と第２ａ図に示す実施例においては、こ
のスキーも中間層３が設けられており、緩衝板６
はその中間層３の下側に配置されている。

第３図と第３ａ図に示す実施例においては、緩
衝板６′が中間層の上部に段状に配置され、その
段状の部分１１は図中の距離１０の約2/3の長さ
を有し、厚さはその残部の２倍の厚さであるよう
構成されている。この緩衝板６′は１枚で構成さ
れるのは好ましくなく、異なつた長さの部分の２
重層のものがよい。第１図，第２図においても、
このように段状の厚さを有する緩衝板を複数設け
ることができる。

以上、本発明の特に好ましい実施例を図を用い
て、詳しく説明し、本発明のいくつかの部分の変
化例を述べたが、各部の配置の変更を含め本発明
の特許請求の範囲内に於て変形又は改良が可能な
ことは理解されるであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す側面図、第１ａ
図は第１図の―断面図、第２図は本発明の他
の実施例を示す側面図、第２ａ図は第２図の―
断面図、第３図は本発明の他の実施例を示す側
面図、第３ａ図は第３図の―断面図を示す。 図中符号、１…上部層、２…底部層、３…中間
層、４，４′，４″…芯部、５，５′，５″…側壁、
６，６′…緩衝板、７…エツヂ、８…底部中間層、
９…滑走面、１０…ビンデイング固定領域距離、
１１…段状部距離。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上部層、底部層及び側壁、前記上部層、底部
   層及び側壁によつて囲まれた芯部内に少なくとも
   １つの中間層３を有するスキーにおいて、ゴム材
   あるいはプラスチツク材の弾性部材で作られた緩
   衝板６が、前記中間層３の上側あるいは下側の少
   なくとも一方に配置されると共に、スキーの芯部
   のビンデイング固定領域下に平行に敷設され、且
   つ前記緩衝板６が前記側壁５まで延長されたこと
   を特徴とするスキー構造。 ２ 前記緩衝板６がシヨアー硬度70〜85の範囲で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載のスキー構造。 ３ 前記緩衝板６が厚さ１mm〜３mmの範囲である
   ことを特徴とした特許請求の範囲第１項又は第２
   項に記載のスキー構造。 ４ 前記緩衝板６が二重層部分を有し、該二重層
   部分の長さが前記緩衝板６の全長のほぼ2/3であ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項〜第３
   項のいずれか１項に記載のスキー構造。