JPS6334244Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電磁プランジヤに関するものであ
る。

従来の電磁プランジヤは、第１図に示すように
磁性素材からなる帯状板を角筒状に曲折して外ケ
ース１を形成するとともに、コイル２を巻装した
ボビン３をその軸心が外ケース１の側面と垂直に
交差するように外ケース１内に横設し、外ケース
１の一側面に貫設した鉄心挿通穴（図示せず）を
介して前記ボビン３の中心空胴部（図示せず）に
鉄心４を進退自在に挿入して構成し、コイル２の
外部端子５，５間への通電により生起する磁気に
対し、前記角筒状をなす外ケース１で構成される
閉磁気回路により強力な磁界が得られ、その磁力
により鉄心４を吸引駆動するようにしたものであ
る。

そして、この電磁プランジヤの基板６などへの
取付は、ボビン３の軸心と平行な外ケース１の一
方の水平面部１ａに予めねじ穴を形成しておき、
前記水平面部１ａを基板６に接面させてねじ７で
締付固定するようにしている。

しかしながら、このような構成では、電磁プラ
ンジヤを取り付ける基板６自体が磁性素材である
場合には、基板６に接合固定される外ケース１の
水平面部１ａでは、磁性素材がこの外ケース１の
水平面部１ａと基板６との２重構造となり、閉磁
気回路の構成要件の観点からは外ケース１の水平
面部１ａは不要で、むしろ取付状態における電磁
プランジヤの厚味寸法（第１図にＨで示す）がそ
の水平面部１ａ分だけ大きくなつて取付所要空間
を大きく占めるという欠点を有する。

しかも、角筒状に曲折して外ケース１を構成す
る帯状板の両端部（第１図にＡで示す）は、圧着
やかしめなどの処理により結合して枠組する必要
があり、磁気回路を構成する必要などから厚い磁
性板を利用しているなどの理由で、前記の圧着・
かしめなどの処理に高い寸法精度が要求され、そ
の加工・組立作業が面倒であるという欠点も有し
ている。

したがつて、この考案の目的は、取付状態にお
ける外形寸法を小型化でき、加工・組立も容易な
電磁プランジヤを提供することである。

この考案の一実施例を第２図に示す。すなわ
ち、この電磁プランジヤは、前記従来例における
外ケース１に替えて、その外ケース１′を両端に
水平面状の取付フランジ１′ｂ，１′ｂを有する断
面ハツト形とし、外ケース１′の両端の取付フラ
ンジ１′ｂ，１′ｂを磁性素材からなる基板６′に
取付固定したものであり、コイル２′を巻装した
ボビン３′、鉄心４′などの配設構成は従来例と同
様である。

前記外ケース１′の取付フランジ１′ｂ，１′ｂ
にはそれぞれねじ穴（図示せず）を構成してい
る。

また、外ケース１′内に配設されるボビン３′の
側枠部やボビン３′に巻装されるコイル２′は、前
記取付フランジ１′ｂ，１′ｂの水平面よりはみ出
さないようにしている。５′はコイル２′の外部端
子である。このように構成したため、電磁プラン
ジヤの外ケース１′の取付フランジ１′ｂ，１′ｂ
を前記基板６′にねじ７′で締付固定することによ
り、基板６′の一部と外ケース１′とで閉磁気回路
を構成することができ、外ケース１′の厚味寸法
だけその外形の高さ寸法（第２図にH′で示す）
を従来例の場合より小さくすることができる。

また、外ケース１′は磁性素材の帯状板を曲折
加工するだけでよく、圧着・かしめなどによる結
合処理が不要のため高い寸法精度を要求されるこ
ともなく、その加工が容易であり、外ケース１′
は３つの側面が開放した形状であるためボビン
３′の装着などの組立も容易となる。

この考案の他の実施例を第３図および第４図に
示す。すなわち、この電磁プランジヤは、前記実
施例において、外ケース１′内へ横設するボビン
３′の高さを、このボビン３′の側枠部ないしこの
ボビン３′に巻装されるコイル２′の外周部の一部
が取付フランジ１′ｂの水平面より少しだけ外ケ
ース１′の外方にはみ出すように設定したもので
あり、鉄心４′その他の構成は前記実施例と同様
である。

このように構成したため、磁性素材からなる基
板６′へこの電磁プランジヤをねじ７′で締付固定
するさいに、外ケース１′の取付フランジ１′ｂの
水平面よりはみ出す前記ボビン３′の側枠部ない
しコイル２′の外周部の一部の突出を許容する窓
６′ａを前記基板６′に予め形成しておくことによ
り、前記窓６′ａからのボビン３′の側枠部ないし
コイル２′の外周部の一部の突出寸法分だけ外ケ
ース１′の側面部の高さ寸法を低く形成すること
ができ、外形の高さ寸法（第３図にH′で示す）
を前記実施例の場合よりもさらに小さくすること
ができる。

なお、基板６′に形成する窓６′ａは、基板６′
の一部に限定されるものであり、外ケース１′と
基板６′とで構成される閉磁気回路の効果にはほ
とんど影響を与えることなく、前記実施例と同様
に動作させることができる。

以上のように、この考案の電磁プランジヤは、
磁性素材からなる基板と、磁性素材からなり両端
の取付フランジを前記基板に取付固定した断面ハ
ツト形の外ケースと、この外ケースの両側面間に
横設したボビンと、このボビンに巻装したコイル
と、前記外ケースの側面に形成した鉄心挿通穴を
介して前記ボビンの中心空胴部に進退自在に挿入
した鉄心とを備えたものであるため、取付状態に
おける外形寸法を小さくでき、その加工・組立作
業も極めて簡単になるなどの効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す正面図、第２図はこの考
案の一実施例を示す正面図、第３図および第４図
はそれぞれこの考案の他の実施例を示す正面図お
よび斜視図である。 １′……外ケース、１′ｂ……取付フランジ、
２′……コイル、３′……ボビン、４′……鉄心、
５′……外部端子、６′……基板、６′ａ……窓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁性素材からなる基板と、磁性素材からなり両
   端の取付フランジを前記基板に取付固定した断面
   ハツト形の外ケースと、この外ケースの両側面間
   に横設したボビンと、このボビンに巻装したコイ
   ルと、前記外ケースの側面に形成した鉄心挿通穴
   を介して前記ボビンの中心空洞部に進退自在に挿
   入した鉄心とを備えた電磁プランジヤ。