JPS6334233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔考案の技術分野〕 この考案は誘導加熱装置にかかり、特に発熱部
品廻りの構造の改善に関する。 〔考案の技術的背景とその問題点〕 誘導加熱装置にあつては、本体内に整流器など
の発熱電気部品およびその他電気部品で構成され
る高周波発振回路系が内装されていることは知ら
れている。特に発熱部品からの発熱は多く、この
ため通常、本体内に冷却フアンを配している。ま
た発熱部品では効率よく冷却が行なわれるよう放
熱板を使つた取り付けが従来からなされている。 詳しくは、第１図に示すように電気部品取付板
ａ上に放熱板ｂを設置し、この放熱板ｃ上に整流
器などの発熱電気部品ｃを取り付け、この発熱電
気部品ｃを電気部品取付板ａとともに、冷却フア
ン（図示しない）の風格にあたる本体の内底面に
設置する、放熱面積を大きくとつた構造が用いら
れている。 しかしながら、従来から放熱板ｂは、電気部品
取付板ａに対し密着させて取り付ける構造が用い
られているところで、このため冷却フアンからの
風の流れが妨げられ、発熱電気部品では十分な冷
却効果が得られないといつた問題があり、発熱電
気部品の故障、寿命が短かくなるなどの不都合を
きたすものであつた。 〔考案の目的〕 この考案は上記事情に着目してなされたもので
その目的とするところは、十分な冷却効果で発熱
電気部品を冷却することができる誘導加熱装置を
提供することにある。 〔考案の概要〕 この考案は、発熱電気部品が設置される放熱板
と、電気部品取付板との間に、２mm以上の隙間で
形成され、風路に臨む冷却風通路を設けることに
より、冷却風を放熱板と電気部品取付板との間に
流して、発熱電気部品における冷却効果を増大し
ようとするものである。 〔考案の実施例〕 以下、この考案を図面に示す一実施例にもとづ
いて説明する。第２図中１は上部ケース２と底板
３とから構成される本体で、上部ケース２の上側
部にはトツププレート４が設けられている。また
本体１内には、トツププレート４の下面側に位置
して加熱コイル５が設けられ、また右側に冷却フ
アン６が設けられている。さらに本体１内には、
高周波発振器７を構成する、トランジスタ７ａな
どを搭載したPC板７ｂが中央に配設されている
とともに、電源系８を構成する、トランス８ａ、
整流器８ｂなどが左側に配設されている。そし
て、これら電源系８、高周波発振器７は電気的に
接続されていて、上記加熱コイル５を駆動する高
周波発振回路系９を構成している。そして、この
電源系８の取付け構造が第３図に示されている。
この電源系８の取付けとしては、トランス８ａ、
整流器８ｂなどを電気部品取付板１０上に固定
し、この電気部品取付板１０を底板３の内底面の
幅方向沿いにねじ止め固定してなり、電源系８を
底板３に設けた吹出口３ａおよび吸込口３ｂで形
成される冷却フアン６の風路６ａに配置してい
る。なお、上述したPC板７ｂも風路６ａに配置
されているものである。そして、発熱電気部品の
うちのたとえば整流器８ｂに、アルミなどの金属
で構成された放熱板１１を使つた取付けが採用さ
れている。この放熱板１１を用いたこの考案の要
部となる整流器８ｂの取付け構造が第４図に詳図
されている。この整流器８ｂの取付けとしては、
第５図に示すように底板３の内底面に固定された
電気取付板１０の整流器設置面１０ａの中央の一
部にたとえば小径な、かつ取付部を兼ねたボス部
（突起部）１２を一体に突設する。そして、この
ボス部１２上に整流器８ｂとコ字状に成形した放
熱板１１とを放熱板１１が下になるように重ね合
せ、ねじなどでボス部１２を通じて整流器８ｂと
電気部品取付板１０とを連結してなり、放熱板１
１と電気部品取付板１０との間に２mm以上の隙間
ｔで形成され、風路６ａに臨む冷却通路１３を構
成している。なお、ボス部１２の高さは２mm以上
であることはいうまでもない。 しかして、このように構成される誘導加熱装置
の整流器８ｂの冷却状況としては、冷却フアン６
によつて送風されるPC板７ｂ、加熱コイル５を
経た風が整流器８ｂおよび放熱板１１に当るとと
もに、一部は冷却風通路１３を流れ、冷却風はそ
の流れが妨げられることなく効果的に整流器８ｂ
の冷却に供される。しかも、放熱板１１の下面が
露出するので効果的に整流器８ｂは冷却される。 したがつて、放熱板６と電気部品取付板１０と
の間に冷却風通路１３を設けたことで十分な冷却
効果で整流器８ｂを冷却することができる。しか
も、隙間ｔが２mm以上のときで顕著で大なる効果
を得ることができるものである。すなわち、実験
によれば、下記の表で示す結果が得られた。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、十分な
冷却効果で発熱電気部品を冷却することができ、
発熱電気部品の冷却不足による故障を解消するこ
とができるとともに、発熱電気部品の延命化を図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の誘導加熱装置における発熱電気
部品の取付けを示す側面図、第２図はこの考案の
一実施例の誘導加熱装置を示す断面図、第３図は
その電源系の取付けを示す分解斜視図、第４図は
その発熱電気部品の取付けおよび冷却風通路を示
す側面図、第５図はその冷却風通路を構成する構
成部を示す斜視図である。 １……本体、６ａ……風路、８ａ……整流器
（発熱電気部品）、１０……電気部品取付板、１１
……放熱板、１３……冷却風通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体の内底面に電気部品取付板を設け、この電
   気部品取付板上に放熱板を介して発熱電気部品を
   設置し、該発熱電気部品を本体内に形成された風
   路に配してなる誘導加熱装置において、上記放熱
   板と電気部品取付板との間に、２mm以上の隙間で
   形成される上記風路に臨む冷却風通路を設けたこ
   とを特徴とする誘導加熱装置。