JPS6334135B2 - - Google Patents

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JPS6334135B2
JPS6334135B2 JP60283109A JP28310985A JPS6334135B2 JP S6334135 B2 JPS6334135 B2 JP S6334135B2 JP 60283109 A JP60283109 A JP 60283109A JP 28310985 A JP28310985 A JP 28310985A JP S6334135 B2 JPS6334135 B2 JP S6334135B2
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JP
Japan
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catalyst
cobalt
complex
methanol
reaction
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JP60283109A
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JPS62145035A (ja
Inventor
Yoshio Isogai
Akitomo Uda
Motomasa Hosokawa
Takashi Ookawa
Seiji Uchama
Kazuo Tanaka
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
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Publication of JPS62145035A publication Critical patent/JPS62145035A/ja
Publication of JPS6334135B2 publication Critical patent/JPS6334135B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はコバルト−第3ホスフインカルボニル
錯体の存在下、メタノール、一酸化炭素および水
素を反応させて選択的にエタノールを製造する方
法に関する。 (従来の技術) コバルトおよび第3ホスフインを含有する触媒
の存在下メタノール、一酸化炭素および水素を反
応させてエタノールを製造する方法は英国特許
2036739、特開昭55−49326、特開昭56−25121、
特開昭57−108027、特開昭58−26830等により知
られている。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、本発明者の検討によれば、上記
の如くコバルト−ヨウ素又は臭素、およびコバル
ト−ルテニウム−ヨウ素又は臭素系の触媒に第3
ホスフインを組合せた触媒系を使用した場合に
は、エーテル類の副生が抑制される傾向を示す
が、触媒活性は低下する傾向にあり、またメタン
等のガス状副生物、アセトアルデヒド、ギ酸メチ
ル、酢酸メチルジメトキシエタン等、種々の液状
生成物が依然多く副生し、遊離エタノールへの選
択率が必ずしも十分でない。 これまでに提案されて来た多くの触媒系は、よ
り高い反応活性、選択性、および安定した性能を
追求し、多成分かつ複雑な触媒調整法、厳密なる
反応条件等を規定する方向へと発展して来たきら
いがある。また触媒組成の表示は触媒調整あるい
は活性化時に仕込んだ元素組成で表現する場合が
殆んどで、具体的な活性有効成分として表現され
ることは少ない。それはこの種ホモロゲーシヨン
反応での反応活性について、反応機構との関連か
らいくつかの錯体種の存在が推定されるものの、
真にエタノール合成に有効な錯体化合物を単離お
よび同定するなど、その把握が困難であつたこと
に基因する。したがつて従来はエタノール生成以
外の副反応を如何に抑制するかの観点から触媒系
を開発せざるを得なかつたため、目的物生成に有
効なもの以外の触媒成分の共存が避けがたいもの
であつた。これら他成分の存在は、エタノール合
成に有効な錯体化合物にも影響を与え、その存在
量をも規定または抑制するため、その性能には頭
打ちがあり、効果的な触媒の使用態様になり得な
かつた。 一方、触媒のリサイクルをプロセス的な観点か
ら見ると、触媒性能は長期連続使用により徐々に
低下する。安定した触媒性能を維持するためには
適宜活性成分の添加や再成処理等の賦活化が必要
である。触媒活性成分が明瞭であればこれを添加
すればよく、性能回復の方法は容易となるが、従
来これは殆んど不可能であつて新触媒と全部ある
いは一部を交換するなどの方法がとられて来た。
したがつて、エタノール合成に有効な触媒錯体の
分離と、その使用が急務であり効果的なプロセス
確立のための最大の問題点となる。 一方、発明者はコバルト−第3ホスフインカル
ボニル錯体を含有する触媒系では反応生成液を順
相シリカゲルあるいはアルミナ、逆相シリカゲル
等の薄層クロマト上にてベンゼンあるいはメタノ
ール等の有機溶媒で展開すると、色調の異なるい
くつかのスポツトが観察されることを見出した。
これは触媒系が数種の錯体から成ることを示すも
のであり、従来、分離、解析の困難であつた触媒
構成錯体成分の分離に、クロマト手法の適用が可
能なことを示す。そこで、触媒系からのカラムク
ロマトによる錯体分離を鋭意検討したところ、驚
くべきことに従来達成することのできなかつた構
成錯体の分離、精製が可能であること、次いでこ
の分離した特定の錯体を触媒として使用した場合
に、著るしく高い活性と優れた選択性の得られる
ことを見い出し、本発明を完成した。 (問題点を解決するための手段) 本発明は以上の如き欠点を解消し、反応副生物
を極力抑制しつつ優れた触媒活性および高い選択
率でメタノール、一酸化炭素および水素からエタ
ノールを得る方法に関するもので、コバルト化合
物および第3ホスフインを含有する触媒組成物を
一酸化炭素および水素で活性化して得た触媒液か
らカラムクロマトによりP/Co=約2(モル比)
のコバルト−第3ホスフインカルボニル錯体を分
離し、この錯体存在下メタノール、一酸化炭素お
よび水素を反応させることより成る。 本発明のカラムクロマト法、すなわち有効錯体
成分のみを分離回収する方法を適用できる触媒原
料液とは、コバルト化合物と第3ホスフインを含
有する触媒組成物を一酸化炭素および水素加圧下
において反応させ、前処理を行ない合成した各種
コバルト−第3ホスフインカルボニル錯体を含む
触媒液、またはかゝる触媒組成物存在下メタノー
ルを一酸化炭素および水素と反応させて得られた
反応生成液等である。前者の方法はエタノール生
成反応に有効な錯体触媒成分のみを多量に得るこ
とができ、また後者の方法は有効錯体触媒成分の
みを選択的に回収リサイクルする方法に適用され
る。 本発明方法においてカラムクロマトにより分離
されるコバルト−第3ホスフインカルボニル錯体
とは、〔Co(CO)2(R3P)22の如き構造を有すると
考えられる。 本発明に用いられる触媒組成物はコバルト化合
物および第3ホスフインを含有することが必要で
あり、更に臭素、塩素等のハロゲン、ルテニウ
ム、鉄、オスミウム、ロジウム、イリジウム、ニ
ツケル、パラジウム、白金等の金属化合物等を含
んでいても良い。 本発明におけるコバルト化合物としては、ジコ
バルトオクタカルボニル、ヒドリドテトラカルボ
ニルなどのコバルトカルボニル以外に、水酸化コ
バルト、炭酸コバルトなどの無機コバルト化合
物、コバルト有機酸塩、コバルトセン、コバルト
アセチルアセトネートなどの有機コバルト化合物
等コバルトカルボニルを生成する種々のコバルト
化合物が使用できる。又、第3ホスフインとして
はトリエチルホスフイン、トリ−n−ブチルホス
フイン、トリ−n−ヘキシルホスフイン、トリフ
エニルホスフイン、トリシクロヘキシルホスフイ
ン、1,4−ビスフエニルホスフイノブタンなど
が好適に使用できる。 触媒の活性化は、一酸化炭素と水素との混合ガ
ス加圧下、コバルト化合物と第3ホスフインを含
有する触媒組成物を加熱処理することによつて行
なわれる。コバルト化合物と第3ホスフインの活
性化は同時に行なうことが必要である。 本発明触媒において前処理の効果が発揮し得る
第3ホスフインの使用量は、原子比でコバルト:
リン=1:1〜8、好ましくは1:1.3〜5の範
囲である。これより少ない場合には副生物が増加
し、またこれより多い場合には反応速度が低下し
好ましくない。 活性化に使用するガスは一酸化炭素と水素の両
者が必要であり、一酸化炭素単独下では効果がな
い。一酸化炭素に対する水素の含有量は、H2
CO≧0.25(モル比)であり、好ましくは0.5〜3
(モル比)の範囲である。活性化圧力は50Kg/cm2
G以上であり、上限には特に制限はないが、実用
的には100〜500Kg/cm2Gの範囲が好適である。こ
れらの混合ガス中には反応に不活性なガス、例え
ばアルゴン、窒素、炭酸ガス、メタンなどが混入
していても良いが、この場合には一酸化炭素およ
び水素の分圧を前記の圧力範囲内とする必要があ
る。 活性化温度は180〜280℃、好ましくは210〜250
℃の範囲である。これより低い温度では活性化効
果は小さく、またこれより高い温度では第3ホス
フインの安定性の面で好ましくない。 触媒の活性化処理は、不活性溶媒中メタノール
の不存在下で行なう。溶媒としては、特に炭化水
素類および環状エーテルが好適である。炭化水素
類としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどの
芳香族炭化水素、ヘキサン、オクタンなどの脂肪
族炭化水素、およびシクロヘキサンなどの脂環式
炭化水素などである。環状エーテルとしては1,
4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどが使用
できる。 溶媒の使用量は、コバルト1g原子当り1〜100
モル、好ましくは5〜50モルの範囲である。 本発明においては原料触媒組成物として反応生
成液中の触媒を用いることもできる。 これらの方法で得られた触媒含有液に対して、
本発明のカラムクロマト法による有効錯体触媒成
分の分離回収法を適用する。本発明のカラムクロ
マト法を適用できる多孔性合成樹脂の単位表面積
は大きいほど好ましい。また吸着能に特別な差異
が生じないかぎりその大小は特に限定されるもの
ではない。また樹脂の機械的強度、特に耐摩耗性
は高い方が好ましい。 本発明に用いられる非極性または極性の多孔性
合成樹脂の素材としては、例えばスチレン−ジビ
ニルベンゼン共重合体(商品名;アンバーライト
XAD−2、アンバーライト XAD−4(ロー
ムアンドハース社製)、(商品名;ハイポーラスポ
リマー HP(日本錬水社製))のような非極性合
成樹脂、ポリアクリルエステル(商品名;アンバ
ーライト XAD−7、アンバーライト XAD−
8(ロームアンドハース社製))、スルホキシド
(商品名;アンバーライト XAD−9(ロームア
ンドハース社製))、アミド(商品名;アンバーラ
イト XAD−11(ロームアンドハース社製))の
ような極性合成樹脂が挙げられる。 本発明のカラムクロマト法において使用される
展開、溶出溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−プロパノール、アセ
トン、メチルエチルケトン、イソプロピルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセ
ロソルブ、酢酸エチル、ベンゼン、トルエン、ヘ
キサン、石油エーテル、石油ベンジン、イソペン
タン、四塩化炭素、クロロホルム、ジメチルホル
ムアミド、メチルターシヤリイブチルエーテル、
水等、工業的に安価な、極性または非極性の溶媒
を単独で、あるいは種々の割合に混合した混合溶
媒として使用される。例えばスチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体のような非極性多孔性合成樹脂
はメタノールのような極性溶媒から錯体成分を吸
着させ、次にメタノールにアセトンを加えて極性
を弱めた混合溶媒で溶出させる。またアクリル酸
エステル重合体のような、極性合成樹脂は逆にヘ
キサンのような非極性溶媒により展開、溶出させ
る。溶出操作が終了した樹脂は触媒錯体が全く吸
着しない溶媒で洗浄すれば再使用が可能である。
洗浄溶媒はアセトン、イソプロピルエーテル、ベ
ンゼン等の比較的非極性な有機溶媒が効果的であ
る。 本発明において、特に好ましい錯体分離のカラ
ムクロマト法としては、多孔性合成樹脂として非
極性合成樹脂を用い、展開、溶出溶媒として水、
アルコール類、ケトン類、ジメチルスルホキシ
ド、N,N′−ジメチルホルムアミド、アセトニ
トリル等の極性溶媒を使用する方法が適してい
る。この場合に用いられる極性溶媒は、一般には
炭素数1〜5のアルコール類、炭素数3〜6のケ
トン類を基本とする混合溶媒、例えばメタノール
と水、メタノールとアセトン、メタノールとn−
ヘキサン、アセトンと水などの組合わせが実際的
に有利である。またその他種々の組合わせ、また
は単一溶媒の使用が可能な事は勿論である。 本発明のカラムクロマト方法は一般に次の順序
によつて実施される。塔長径比1.0以上のカラム
に水を満たし、分離回収精製錯体の3倍(容積/
重量)以上の樹脂をつめる。次に有効触媒錯体成
分が溶出しない極性溶媒(A)でカラムを置換したの
ち、原料触媒液をカラム上部に加える。クロマト
グラフイーは一般の方法と同様に行ない、溶出液
を区分して採取したのち、薄層クロマトあるいは
液体クロマト等の分析方法により目的P/Co比
1〜2の錯体成分を含む溶出画分を判定したの
ち、この区分を濃縮、乾固することにより得られ
る。次にアセトン、ベンゼン、エーテル、エステ
ル類などの溶出力の大きい溶媒によりカラムを洗
浄し、不要錯体等を除き、次に前記溶媒(A)でカラ
ムを置換することにより再び分離クロマトグラフ
イーを実施することができる。 本発明方法で分離した錯体触媒はそのまゝエタ
ノール合成触媒として使用することができ、助触
媒を必要としないが、必要に応じ例えばハロゲ
ン、ルテニウム、鉄、ニツケル、マンガン、レニ
ウム、白金、パラジウム等の化合物を適宜併用す
ることもできる。通常、それらの使用量はコバル
ト1g原子当りハロゲンまたは金属として0.01〜2g
原子の範囲である。またこの他に芳香族カルボン
酸等の有機酸、硫酸、スルホン酸、セレン酸等の
無機酸を添加することもできる。 本発明におけるメタノール、一酸化炭素および
水素を反応させる反応条件は、一酸化炭素と水素
の混合比がH2/CO=0.25〜4(モル比)、好まし
くは0.5〜3(モル比)の範囲である。反応圧力は
50Kg/cm2G以上で上限に特に制限はないが、実用
的には100〜500Kg/cm2Gの範囲が好適である。反
応温度は180〜280℃、好ましくは210〜250℃の範
囲である。これより低い温度では反応速度が小さ
くなり、またこれより高い温度では副生物が多く
なるので好ましくない。 (発明の効果) 本発明方法によれば、従来の一括仕込み法では
触媒活性が低く、到底成し得なかつたP/Co(原
子比)の高い領域で、触媒の安定性と共に触媒活
性を高め、しかも高選択率でエタノールが得られ
る。また触媒の安定化により触媒の回収、再使用
が円滑に実施できる利点もある。また本発明によ
れば触媒として腐食性の高いハロゲン化物および
異種金属化合物を特に併用しなくても遊離エタノ
ールを高空時収率でかつ高選択率で得ることがで
きる利点があり、工業的に有利なエタノール製造
法である。 (実施例) 以下の実施例および比較例におけるメタノール
反応率、エタノール選択率、実質メタノール反応
率、および実現可能エタノール選択率は次の如く
定義される。
【表】 水素化又は加水分解により回収されるエタノール
分を意味する。
参考例1 (触媒原料調製) 内容積500mlのステンレス製電磁撹拌式オート
クレーブに、ベンゼン150g、塩基性炭酸コバル
ト(2CoCO3・3Co(OH)2)19.2g(COとして
0.185g原子)、トリn−ブチルホスフイン75g(P
として0.370g原子)を仕込み、密閉した。これに
水素と一酸化炭素の混合ガス(H2/CO=1モル
比)200Kg/cm2Gを圧入し、230℃で1.5時間加熱、
活性化処理し、冷却した後、系内残留ガスをパー
ジした。次に内容液を取出し、ロータリーエバポ
レーターに仕込み、窒素雰囲気下温度60℃、60mm
Hg減圧下にて溶媒ベンゼンを留去し、粘調液を
得た。これを触媒原料として実施例1,2及び比
較例1に使用した。 実施例 1 参考例1で得たコバルト−ホスフインカルボニ
ル錯体30gを300mlの試薬一級メタノールにとか
した。一方、45φ×600Lのガラス製カラムに、非
極性多孔性合成樹脂ハイポーラスポリマー HP
−20(商品名;日本錬水社製)0.75を試薬一級
メタノール溶媒で充填した。このカラム内をメタ
ノールを十分通過させたのち、前記活性化処理回
収触媒のメタノール溶液を室温下で通した。 回収触媒中の有効触媒錯体の選択的吸着による
黄色〜橙色が、ゲル上に観察された。次いで試薬
一級メタノール;アセトン=1:1(容量比)の
混合溶媒を流下させると、直ちに有効触媒錯体の
脱離が生じた。溶出液約600mlを濃縮、乾固し、
約9.5gの有効触媒錯体を得た。これは融点95〜96
℃の結晶であり、P/Co=2(原子比)のカルボ
ニル錯体であつた。 この分離したカルボニル錯体のうちコバルトと
して0.0116g原子を含む量だけを秤り取り、内容
積100mlのステンレス製振とう式オートクレーブ
に仕込み、原料メタノール10g(0.3121モル)、溶
媒ベンゼン10gを仕込み、密閉した。水素、一酸
化炭素の混合ガス(H2/CO=1、モル比)200
Kg/cm2Gを圧入し、230℃にて15分間反応させた。
反応後オートクレーブを冷却し、残留ガスをパー
ジし、反応生成液をガスクロマトグラフイーを使
用して、内部標準法にて分析した。その結果、メ
タノール反応率32.4%においてエタノール選択率
84.3%となり、他に少量のメチルエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、アセトアルデヒド、酢酸
メチル、プロパノール等が副生した。これらを考
慮した実現可能エタノール選択率は89.6%であつ
た。 実施例 2 実施例1と同様活性化触媒の回収触媒約30gを
秤り、試薬一級(メタノール10%含有ベンゼン)
溶液300mlにとかした。一方45φ×600Lのガラス
製カラムに極性多孔性樹脂アンバーリスト
XAD−7(商品名:ロームアンドハース社製)約
0.75を充填し、メタノール10%含有ベンゼンで
十分置換したのち、前記回収触媒液をのせて展開
したところ、有効錯体の選択吸着による青色〜赤
褐色がゲル上に観察された。次いでメタノール:
アセトン:ヘキサン=1:1:1(容量比)混合
溶媒(いずれも試薬一級)を流下させると、直ち
に有効触媒錯体の脱離が生じた。溶出液約600ml
を濃縮、乾固し、約9.5gの有効触媒錯体を得た。
分析の結果P/Co=2(原子比)のカルボニル錯
体で、実施例1の逆相カラムクロマト法の場合と
同様、融点95〜96℃の結晶であつた。 この分離したカルボニル錯体のうち、Coとし
て0.0116g原子を含む量だけを秤り取り、実施例
1と同様の手法により230℃、15分間での触媒性
能試験を行なつたところ、メタノール反応率32.0
%、エタノール選択率84.0%となり、その他少量
の副生物を考慮した実現可能エタノール選択率は
87.7%であつた。 比較例 1 実施例1での触媒原料粘調液は見かけ上P/
Co=2(原子比)となつているが、Coとして
0.0116g原子相当分を含む量だけ秤り取り、その
まま実施例1と同様のオートクレーブに仕込み、
引きつづきメタノール10g、ベンゼン10gを仕込
み密閉し、実施例1と同様の条件で反応させた。
但し、メタノール反応率31.0モル%を得るには
1.5時間を要した。このときのエタノール選択率
は80.7%となり、その他少量の副生物を考慮した
実現可能エタノール選択率は84.7%であつた。 本比較例と比べて実施例の場合には、同様触媒
コバルト量において約6倍強の反応速度が得ら
れ、またエタノール選択率も高いことが判明し
た。 参考例2 (触媒原料調製) 内容積500mlのステンレス製電磁撹拌式オート
クレーブにメタノール100g(3.120モル)、ベンゼ
ン100g(1.280モル)、触媒としてジコバルトオク
タカルボニル20g(0.058モル)およびトリ−n−
ブチルホスフイン47.3g(0.234モル)を仕込み密
閉した。次に水素、一酸化炭素の混合ガス
(H2/CO=1、モル比)200Kg/cm2Gを圧入し、
1.5時間反応させた。反応後オートクレーブを冷
却し、残留ガスをパージした。内容物を取り出
し、ロータリーエバポレーターに仕込み参考例1
と同様の条件にて反応生成物および溶媒を留去
し、粘調液を得た。これを実施例3、比較例2に
使用した。 実施例 3 参考例2で得られたコバルトホスフインカルボ
ニル錯体を含む粘調液(回収触媒)約30gを300
mlの試薬一級メタノールに溶かした。一方45φ×
600Lのガラス製カラムに非極性多孔性合成樹脂ハ
イポーラスポリマー HP−20(商品名:日本錬
水社製)0.75を試薬一級メタノール溶媒で充填
した。このカラムにメタノールを十分通液したの
ち、前記カルボニル錯体メタノール溶液を室温下
で通した。回収触媒中の有効触媒錯体の選択的吸
着による黄色〜橙色がゲル上に観察された。次い
でメタノール:アセトン=1:1(容量比)混合
溶媒を流下させると直ちに有効触媒錯体の脱離が
生じた。溶出液約600mlを濃縮、乾固し、約10g
の有効触媒錯体を得た。 尚、回収触媒中の有効触媒錯体以外の成分は、
メタノール展開中にカラム外に溶出するが、この
溶出画分は濃縮、乾固再回収後、水素、一酸化炭
素加圧下230℃、3時間程度の加熱処理により有
効触媒錯体に変換されるので、カラムクロマト原
料としてくり返し使用できる。 得られた有効触媒錯体はP/Co=2(原子比)、
融点95〜96℃の結晶であつた。この分離した結晶
分のうち、コバルトとして0.012g原子相当分を含
む量だけ秤り取り、100mlオートクレーブに仕込
んだ。さらにメタノール、ベンゼンを実施例1と
同様の量だけ仕込み、同様の条件で反応させた。
反応時間20分においてメタノール反応率30.5%と
なり、エタノール選択率81.4%が得られた。少量
副生物を考慮した実現可能エタノール選択率は
86.2%であつた。 比較例 2 上記粘調液をそのままコバルトとして0.12g原
子相当分を含む量だけ秤り取り、その他は実施例
3とまつたく同様にして反応させた。3時間反応
させたが、反応率は26.1モル%であり、エタノー
ル選択率は65.1モル%であつた。副生物としては
ギ酸メチル、ジメトキシエタン、メチルエチルエ
ーテル、酢酸メチル、n−プロパノール等があ
り、これらを考慮して変換可能エタノール選択率
は74.7%であつた。 従つて、実施例3の場合にはコバルト量が同一
の条件にて約9倍の反応速度が得られ、かつ選択
性も格段と優れていることが判明した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 コバルトに対するリンの原子比が1:1〜8
    のコバルト化合物および第3ホスフインを含有す
    る触媒組成物を、一酸化炭素に対して水素が0.25
    モル倍以上含有する混合ガスを用いて50kg/cm2
    G以上の圧力下で180〜280℃に加熱することによ
    り活性化して得た触媒液から、カラムクロマトに
    よりP/Co=約2(モル比)のコバルト・第3ホ
    スフインカルボニル錯体を分離し、この錯体存在
    下メタノール、一酸化炭素および水素を反応させ
    ることを特徴とするエタノールの製造方法。
JP60283109A 1985-12-18 1985-12-18 エタノ−ルの製造方法 Granted JPS62145035A (ja)

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