JPS6334058B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は車両用シートに関するものである。

近時、所謂ワンボツクスカーの新たな需要が高
まり、従来の商用車としてのイメージが消え、乗
用車並みの仕様が、特にレジヤー等の用途におけ
る車において要望されつつある。したがつて、ワ
ンボツクスカーの室内も種々の工夫がなされ、特
にシートはその取付固定のままでなく自由に配置
転換できることが、多様性を得るために要求され
る。しかしながら、シートを床面に固定しなけれ
ば危険であるから、シートの取付固定方式を基本
としなければならないことはいうまでもない。

ところで、シートの取付固定方式を基本とする
ならば、シートは一定の配置で固定的に室内に設
定され、変化しえないこととなり、室内の多用途
的機能を果すことができない。室内は人が着座し
て車両の移動により運ばれるべき容器にすぎなく
なる。

また一方、シートの取付固定方式を基本とし
て、一定の取付固定位置において着脱自在にシー
トを設けることにより、シートの撤去ができるな
らば、室内の多用途的機能を果さしめることも可
能である。しかし、このようなとき、撤去したシ
ートの置場所が問題であるし、室内に保管してお
くこととしてもスペースがなく、そもそも室内の
有効利用を果せない。更には、シートの撤去及び
装着に際する作業も極めて面倒である。

そこで、最も簡便には、室内におけるシートの
取付固定位置を変更することなく、また着脱自在
にすることもなく、所定の取付固定位置において
シートの着座方向を変更させることができれば、
室内の多用途的な利用を図ることができるであろ
う。例えば、一般的にワンボツクスカーに装着さ
れるシートは、室内の前部、中部及び後部にそれ
ぞれ横列して一基又は二基のシートが取付固定さ
れているが、この前部シート、つまり運転席のシ
ートを中部シート側に対面して着座しうるように
し、更に、中部及び又は後部シートを90度回転し
て室の側方へ偏らせることにより、着座者の全て
が顔を見合うことができる居室構成を採り得れば
前記要求に応えることができる。

そこで、この発明は前記事情に基づいて、ワン
ボツクスカーにおける室内の多用途的な利用を図
ることのできるシート配置若しくは構造の研究開
発の一環として、前記シートの取付固定方式を基
本とした場合において、シートの着座方向を転換
できるようにすることにより、困難性なくワンボ
ツクスカーの多用途的利用を図ることのできる車
両用シートを提供する。

この発明は上記目的のもとに、シートが垂直軸
を介して回動自在に支持され、かつ、その回動に
際し例えばタイヤハウジングなど室内に突出する
障害物を避けるべく水平軸を介し垂直方向に回転
操作することができるようにした車両用シートを
第１の特徴とする。

以下、この発明をその実施例を示す図面に基づ
いて説明する。

第１図、第２図及び第３図は、例えば車両の室
内における中部シート又は後部シートの支持構造
を示すものである。

図において、１は室内の床面に取付固定され、
上部に平面を有する台座、２はこの台座１上で垂
直軸に対し回転可能かつ水平軸に対し傾動可能に
設けられたシートクツシヨンフレームである。

台座１は浅底の箱体３の一対を対向してそれぞ
れの上端部に台板４を固着してなり、台板４の上
面である台座側回転座面４ａには、中央部に軸穴
５を穿設してある。そして、この軸穴５を中心と
して所定半径で円周を形成する回転ガイド環６が
台板４の上面に固着されている。この回転ガイド
環６は内周縁が台板４の上面から若干浮いて間隙
を有している。

この回転ガイド環６の内部において回転自在に
回転円盤７が挿入されている。回転円盤７の周縁
部は、回転ガイド環６の内周縁と台板４との間の
間隙に挿入され、かつ台板４と回転ガイド環６と
の間に転動部材であるローラベアリング８を介装
すべく設けてある。回転円盤７の中心には台板４
の中央部に穿設された軸穴５と対向する軸穴９を
備え、これらの軸穴５，９を中心として回転円盤
７は回転可能である。

そして、回転円盤７の上面には回転取付座１１
が筒軸体１０によつて固着されている。この回転
取付座１１は前記回転ガイド環６の内側に嵌合す
る凹部１２を下方に突出形成してなる長方形の板
体からなり、前記台板４と略同一の形状をなし、
かつ、その凹部１２の底部中心には、前記台板４
の軸穴５と合致する軸穴１３が穿設されている。
そして、この回転取付台座１１の下面には水平な
回転取付座側回転座面１１ａが形成されている。
台板４、回転円盤７及び回転数取付座１１の各軸
穴５，９，１３には垂直軸をなす筒軸体１０が嵌
装されている。更に、この回転取付座１１の上面
における一端側に一対のブラケツト１４が対向し
て取付けられる。このブラケツト１４には水平軸
をなす軸棒１５が貫挿され、その軸棒１５の両端
部はシートクツシヨンフレーム２の内側に回動自
在に軸支される。かくして、回転取付座１１は筒
軸体１０を中心として台板４の台座側回転座面４
ａにローラベアリング８を介して回転円盤７が支
持され、回転円盤７の回転に伴つて水平方向に回
転自在であり、かつ、シートクツシヨンフレーム
２は軸棒１５を中心として一端側へ垂直方向に揺
動できる。

一方、前記台板４、回転円盤７及び回転取付座
１１のそれぞれに、台座１とシートクツシヨンフ
レーム２の位置関係を90度変換してそれぞれの位
置を固定するロツク手段が設けられる。このロツ
ク手段は、回転取付座１１と回転円盤７の間で合
致する軸穴９，１３を中心として一対の係合穴１
７，１８が90度変位して合致するよう台板４に角
度的に離隔して穿設した係合穴１９と、並びにこ
れらの係合穴１７，１８，１９が合致したとき係
合するカギ形のフツクレバー２０を有する跳ね上
げロツク２１と、該跳ね上げロツク２１を前記係
合穴１９に係脱可能に操作する操作レバー２３と
からなる。

跳ね上げロツク２１はシートクツシヨンフレー
ム２の一部をなす横桟２ａなどに回動自在に吊支
されたフツクレバー２０を係合穴１７，１８，１
９から出没させるためのリンクレバー２２とを有
し、リンクレバー２２は操作レバー２３の一端に
軸支されている。操作レバー２３はその軸２３ｂ
をシートクツシヨンフレーム２あるいは回転取付
座１１に支持されて揺動自在であり、そのリンク
レバー２２の他端はフツクレバー２０に結合され
ている。

係合穴１９が回転取付座１１に設けられたとき
にはフツクレバー２０を台座１側に設けるととも
に、リンクレバー２２および操作レバー２３等も
台座１側に設けることができる。

一方、前記筒軸体１０には跳ね上げストツパ２
４を設けてある。この跳ね上げストツパ２４は、
シートクツシヨンフレーム２に一端が軸支され他
端が筒軸体１０の底部に掛止められる棒状体で筒
軸体１０の底部とシートクシヨンフレーム２との
間に跳ね上げスプリング２５を有している。

なお、シートクツシヨンフレーム２の上部には
シートクツシヨン２６が載置され、かつ、シート
バツク２７がリクライニングデバイス２８を介し
て取付けられることは勿論である。

次にこの発明の動作を説明する。

まず、シートクツシヨン２６を通常の着座位置
にするときは第４図Ａに示すように、台座１と平
行にシートクツシヨンフレーム２を位置させて着
座する。このときシートバツク２７は車両の前後
に向いて倒れ、人は車両の前方に向いて着座す
る。一方、シートクツシヨン２６を第４図Ｂに示
すように90度方向転換するときは、第１図に示す
操作レバー２３を図中時計方向へ回転すると、リ
ンクレバー２２がフツクレバー２０を引きフツク
レバー２０が穴１７，１８，１９から外れ、跳ね
上げスプリング２５の力を借りてシートクツシヨ
ンフレーム２を少し浮上させてそれらとの係合を
解く。したがつて、シートクツシヨンフレーム２
と回転取付座１１とは一体として筒軸体１０を中
心として回転自在な状態となる。回転取付座１１
は回転円盤７がローラベアリング８を有するとと
もに平面を有する台座１がシートの重量を広い面
で受けることができるから重いシートであつても
台板４上で容易に回転する。このとき操作レバー
２３を元に戻してもフツクレバー２０は台板４上
を移動し、シートクツシヨン２６を90度反時計方
向に回し、回転取付座１１と回転円盤７との係合
穴１７，１８と、台板４の90度変位した係合穴１
９とが合致するとフツクレバー２０が係合穴１
７，１８，１９に係合し、回転取付座１１と回転
円盤７とを回転不能に台板４に固定する。そし
て、このような操作時に、例えばシートクツシヨ
ン２６が水平状態のままで90度回転すると、シー
トクツシヨン２６の右端側に例えば第５図Ａに示
すように補助シート２９があつて回転の支障にな
るときは、前記操作レバー２３を引いて係合穴１
７，１８，１９からフツクレバー２０を出しシー
トクツシヨン２６を90度回転させる一方、軸棒１
５と反対側のシートクツシヨン２６端部を上方に
跳ね上げスプリング２５の力を借りて軽く十分に
持ち上げシートクツシヨン２６を傾斜して回転さ
せる（第５図Ｂ）。このようにシートクツシヨン
２６の片側を持ち上げて補助シート２９またはタ
イヤハウジング３３の障害物を避けながら90度回
転することができる（第５図Ｃ）。

なお、シートクツシヨン２６の片側を持ち上げ
ると、跳ね上げストツパ２４のスプリング２５の
力により持上げ力を軽減させ、かつ、一定の角度
以上に傾倒しないように棒状体がストツパとして
機能する。そして、シートクツシヨン２６が回転
及び取付座１１に降下するとスプリング２５を圧
縮して元の状態に復する。

以上記載した本発明によれば、ワンボツクスカ
ーに配置されるシートが広い水平支持面で回転可
能かつシートの一端を中心として傾斜自在である
から、重いシートであつても軽々と容易に回転さ
せることができ、さらに中又は後列シートに取付
けた場合にタイヤハウスなどの障害物を回避しな
がら回転させることができ、これによりシートの
着座方向を変換することが可能となるのでワンボ
ツクスカーの室内の多用途的な利用ができる。し
たがつて、ワンボツクスカーの付加価値を高める
ものであり、また一般の需要にも適合して自動車
産業の発展に資するものである。

さらに、回転取付座の中央部にシートクツシヨ
ンを上方へ付勢するスプリングを取付けた実施例
の場合には、シートを回転する際タイヤハウスな
どの障害物があつても持上げが楽でこれを回避す
るのに容易であるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
車両用シートの全体斜視図、第２図は第１図の
−断面図、第３図は車両用シートの回転及び傾
斜可能な構成を示す分解斜視図、第４図及び第５
図は車両用シートの操作例を示す説明図である。 １……台座、２……シートクツシヨンフレー
ム、４ａ……台座側回転座面、５，９，１３……
軸穴、６……回転ガイド環、７……回転円盤、１
０……筒軸体、１１……回転取付座、１１ａ……
回転取付座側回転座面、１４……ブラケツト、１
５……軸棒。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上部に平面を有する台座が車両の室内床面に
   固定され、該台座の上面には水平な台座側回転座
   面が形成され、該台座側回転座面の略中央部に回
   転取付座が回転可能に取付けられ、該回転取付座
   の下面には水平な回転取付座側回転座面が形成さ
   れ、該回転取付座側回転座面は転動部材を介して
   前記台座側回転座面に支持され、前記回転取付座
   上にシートクツシヨンを載置するシートクツシヨ
   ンフレームが水平軸に対し傾動可能に枢着され、
   前記回転取付座を前記台座に対し所定角度位置で
   固定可能にするロツク手段が設けられ、該ロツク
   手段は係合穴と、該係合穴に係脱自在な跳ね上げ
   ロツクと、該跳ね上げロツクを該係合穴に係脱自
   在に操作可能な操作レバーとからなり、前記台座
   若しくは前記回転取付座のいずれか一方に前記係
   合穴が設けられ、他方に跳ね上げロツクが設けら
   れ、 前記操作レバーは、該係合穴が該台座に設けら
   れているときは前記回転取付座若しくは前記シー
   トクツシヨンフレームに取付けられ、該係合穴が
   該回転取付座に設けられているときは該台座に取
   付けられていることを特徴とする車両用シート。