JPS6333859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプレスで成形加工されたプレス部品を
積重ねる積重ね装置に関する。

（従来技術） プレス工場等においてプレスで成形加工された
プレス部品はコンベアで搬送されコンベアの終端
部でコンベア外の積重ねステージへ搬送され、そ
こで多数の同形状のプレス部品が多層に積重ねら
れ組立工場へ輸送されるのであるが、従来はプレ
ス部品をコンベア終端部から台枠上へ落下させて
積重ねるようにしたものが多く、その場合プレス
部品が少ししか積重ねられていない段階ではプレ
ス部品の落下高さも大きいためにプレス部品の縁
部が変形して損傷しやすく、また雑然と不規則に
積重なつていくため逐一積重ね状態を修正するか
若しくは所定枚数ずつ別途スタツカへ積み直すか
しなければならないという欠点がある。また、順
次送り込まれる物品を間欠的に持上げさせ、これ
を出没する係止片で順次積重ねるものが実開昭50
−73170号公報に記載されているが、構造が複雑
で位置決めが不正確になるという欠点がある。

（考案の目的） 本考案は上記諸欠点に鑑みてなされたもので、
コンベアから受取つたプレス部品を前後・左右方
向に正確に位置決めして整然と積重ねることがで
きるようなプレス部品の積重ね装置を提供するこ
とを目的とする。

（考案の構成） 本考案のプレス部品の積重ね装置は、プレス部
品を搬送するコンベアの終端部にコンベアの終端
部側を支点として揺動手段により傾斜位置と水平
位置とに上下揺動されるシユートを直列状に配設
し、上記シユートのコンベアと反対側の前端部に
シユートに投入されたプレス部品を受止めて前後
方向に位置決めするストツパを固定し、上記シユ
ートの左右両側に左右方向移動自在に付設された
センタリングバーでプレス部品を左右両側から中
心側へ押動させてセンタリングするセンタリング
装置を設け、上記シユートの上方の左右両側に垂
設されたフレームとこのフレームの下端部にプレ
ス部品の左右両側縁部に対応させて付設されプレ
ス部品を下方からは通過させるが落下しないよう
に受止める逆止爪とからなるスタツカを設け、上
記シユートを傾斜位置から水平位置へ上方揺動さ
せることによりプレス部品をスタツカに下方から
積重ねることが出来るようにしたものである。

以上の構成において、コンベアで搬送された来
たプレス部品は傾斜位置にした上記シユートへ投
入されストツパーで受止められて前後方向に位置
決めされ、次にプレス部品はセンタリング装置の
センタリングバーで左右方向の中心位置へセンタ
リングされる。この状態においてシユートが揺動
手段で水平位置へ上方揺動されるとプレス部品は
スタツカの逆止爪を通過して上方へ移動してスタ
ツカに順々に積重ねられ、シユートを下方揺動さ
せて傾斜位置へ復帰させたときにはプレス部品が
逆止爪で支持され落下することはない。

（考案の効果） 本考案によれば、以上説明したように、コンベ
アで搬送されて来たプレス部品をシユートに載せ
前後・左右方向に正確に位置決めしてからスタツ
カに下方から順々に積重ねていくことが出来るの
で、プレス部品が損傷することもなく、プレス部
品を整然と積重ねるのに要していた工数も節減で
きる。

これら位置決めと積重ねのための機構は極めて
簡単なものなので容易に自動化することも出来
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図〜第３図に示すように、プレス機械で成
形されたプレス部品Ｗを搬送するベルトコンベア
１の終端の前側にシユート２が直列状に配設さ
れ、このシユート２の上方にはシユート２から送
り込まれたプレス部品Ｗを積重ねていくためのス
タツカ３が垂設される。

上記シユート２は、シユート本体４と、シユー
ト本体４を支持するシユートフレーム５と、シユ
ートフレーム５を上下揺動させる為のエアシリン
ダ６と、センタリング装置７とから構成される。

上記シユートフレーム５の後端部５ａがコンベ
ア１の終端部の下側に位置し、この終端部５ａが
床面に立設された受台８の頂部に支軸９で枢支さ
れると共に、シユートフレーム５の前端部にはエ
アシリンダ６のピストンロツド６ａの先端がヒン
ジ結合されている。

上記シユート本体４は、金属板を成形すること
によりその中央部に前後方向に沿う広幅溝状の収
容部１１を形成すると共にこの収容部１１の両側
に鍔部４ａを設けたもので、このシユート本体４
は、上記シユートフレーム５の上側に所定間隔空
けて略平行に配設され、固定具１０でシユートフ
レーム５に固定される。

上記エアシリンダ６のピストンロツド６ａを伸
長させることによりシユート本体４及びシユート
フレーム５を第１図に示したように前下りに傾け
た傾斜位置にした状態においてプレス部品Ｗをコ
ンベア１から上記収容部１１へ投入し、またエア
シリンダ６のピストンロツド６ａを収縮させるこ
とによりシユート本体４及びシユートフレーム５
を上方揺動させて第１図に仮想線に示すように水
平位置にしてプレス部品Ｗを収容部１１からスタ
ツカ３へ送り込むようになつている。

ここで、上記収容部１１へ投入されたプレス部
品Ｗを受止めて前後方向に位置決めする為のスト
ツパ１２が、シユート本体４の前側で収容部１１
に対面する位置に設けられその下端がシユートフ
レーム５に固着される。

更に、上記シユート本体４の収容部１１に投入
されたプレス部品Ｗを左右方向に位置決めしてス
タツカ３に積重ねられたプレス部品Ｗに対応する
ように位置させるめのセンタリング装置７が次の
ように設けられる。

即ち、シユート本体４の前部と後部の左右４個
所には、収容部１１の底壁及び側壁と鍔部４ａと
に互つて左右方向に長いスリツト１３が開口さ
れ、上記各スリツト１３の直下においてシユート
フレーム５の上面にガイドブロツク１４が固定さ
れ、このガイドブロツク１４の左右方向のガイド
溝１４ａにセンタリングバー１５の脚部１５ａが
左右方向へ摺動自在に挿嵌され、センタリングバ
ー１５は脚部１５ａから上方へシユート本体４の
鍔部４ａの近くまで延出され、その上端側には各
種プレス部品Ｗの側縁部を受ける段状の受部が形
成されている。

そして、第３図に示すように左右各対のセンタ
リングバー１５の脚部１５ａの内端部分が各リン
ク１６を介して回動リンク１７に連結され、上記
回動リンク１７はシユートフレーム５の中央にブ
ラケツトを介してピンで枢支され、回動用シリン
ダ１８でレバー１９を介して回動されるようにな
つている。

尚、上記リンク１６、回動リンク１７及びレバ
ー１９はシユートフレーム５に開けられた左右方
向のスリツトを介して揺動可能になつている。

上記回動用シリンダ１８は小形の複動油圧シリ
ンダで、制御装置（図示略）により各油路の電磁
弁を介して制御され、この油圧シリンダ１８がプ
レス部品Ｗの幅に応じた適宜のストロークだけ伸
長すると、レバー１９を介して回動用リンク１７
が上記に対応する角度だけ回動し、左右のセンタ
リングバー１５がスリツト１３を通つて上記に対
応する距離だけ中央側へ移動し、プレス部品Ｗが
中央位置へ押動されセンタリングされるようにな
つている。

尚、前記揺動用のエアシリンダも上記制御装置
によりエア供給路の電磁弁を介して制御されるよ
うになつていて、上記制御装置は例えばプレス部
品Ｗがコンベアの終端部を通過したことを検出す
る検出器からの信号を受けて上記両シリンダ６，
１８を自動的にシーケンス制御するようになつて
いる。

次に、上記スタツカ３は上記シユート２から送
り込まれるプレス部品Ｗを多層に積重ねて保持し
これを次のステージへ搬送するためのもので、軌
条２０に沿つて搬送されるようになつている。

このスタツカ３は、主枠２１の前部と後部の左
右にフレーム２２を垂設し、各フレーム２２の下
端部にフレーム２２の内側へ突出する逆止爪２３
をヒンジ結合し、各逆止爪２３の下側をフレーム
２２の係止部２２ａで支えることにより各逆止爪
２３が上方へは自由に回動するが水平より下側へ
は回動不能にしたものであつて、左右の逆止爪２
３の先端は各々センタリングされたプレス部品Ｗ
の左右の側縁部よりも僅かに内側まで延出してい
る。従つて、シユート本体４及びシユートフレー
ム５を上方揺動させて水平位置にしプレス部品Ｗ
をスタツカ３のフレーム２２間に送り込むときに
は上記逆止爪２３が上方へ回動するのでプレス部
品Ｗは逆止爪２３で妨げられることなく上方へ通
過するが、シユート本体４及びシユートフレーム
５が下方揺動したときにはプレス部品Ｗの左右の
側縁部が逆止爪２３で支持されることになる。

以上説明したように、上記のプレス部品の積重
ね装置においては、シユート２を傾斜位置にした
状態でコンベア１から搬送されて来たプレス部品
Ｗがシユート本体４の収容部１１へ投入され、ス
トツパ１２で受止められて前後方向に位置決めさ
れる。その直後にはセンタリング装置７が作動し
てプレス部品Ｗがセンタリングバー１５でセンタ
リングされると、エアシリンダ６が作動してシユ
ート２が支軸９を中心に上方へ揺動されて水平位
置へ移動し、プレス部品Ｗはスタツカ３のフレー
ム２２の内側へ逆止爪２３を通過して送り込まれ
てスタツカ３内に下方より積重ねられ、その直後
にはセンタリング装置７のセンタリングバー１５
が外側の原位置へ復帰しつつシユート２が下方揺
動して傾斜位置へ復帰し、プレス部品Ｗは逆止爪
２３で支持されることになる。

尚、上記エアシリンダ６に代えて油圧シリンダ
を用いてもよく、上記センタリング装置のセンタ
リングバーは各センタリングバーに連結したエア
シリンダなどで中心側へ均等に移動させるように
したりまた各左右一対のセンタリングバーに共通
のシリンダ（エア又は油圧）の各端部を連結し、
このシリンダでセンタリングバーを中心側へ移動
させるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
プレス部品の積重ね装置の側面図、第２図は第１
図−線断面図、第３図は第１図−線断面
図である。 １……コンベア、２……シユート、３……スタ
ツカ、４……シユート本体、５……シユートフレ
ーム、６……エアシリンダ、７……センタリング
装置、１２……ストツパ、１５……センタリング
バー、２２……フレーム、２３……逆止爪、Ｗ…
…プレス部品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンベアで搬送されるプレス部品を積重ねる装
   置であつて、コンベアの終端部に直列状に配設さ
   れコンベアの終端部側を支点として揺動手段によ
   り傾斜位置と水平位置とに上下揺動されるシユー
   トと、上記シユートのコンベアと反対側の前端部
   に固定されシユートに投入されたプレス部品を受
   止めて前後方向に位置決めするストツパと、上記
   シユートの左右両側に左右方向移動自在に付設さ
   れたセンタリングバーでプレス部品を左右両側か
   ら中心側へ押動させてセンタリングするセンタリ
   ング装置と、上記シユートの上方の左右両側に垂
   設されたフレームとこのフレームの下端部にプレ
   ス部品の左右両側縁部に対応させて付設されプレ
   ス部品を下方からは通過させるが落下しないよう
   に受止める逆止爪とからなるスタツカとを備え、
   上記シユートを傾斜位置から水平位置へ上方揺動
   させることによりプレス部品をスタツカに下方か
   ら積重ねることが出来るようにしたことを特徴と
   するプレス部品の積重ね装置。