JPS6333315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、各種建築物の天井に設置される照明
装置に関するものである。

（従来の技術） 一般に、各種建築物の天井板には照明装置とは
別個に天井裏の各種配線や配管等を点検するため
の点検口が設けられている。この場合、点検口の
存在によつて天井面の外観が煩雑となり、かつコ
ストの面からも不利となる。この対応策として、
近年では天井板に対して照明装置の照明器ボツク
スが取りつけられる部位に点検口を形成し、この
照明器ボツクスの底板に相当する反射板を取り外
し可能に構成した形式の天井設置用照明装置が提
供されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の点検口を兼ねた照明装置においては、天
井裏の点検に際して、照明器ボツクス内に組込ま
れている螢光燈等の照明燈をその都度取外し、さ
らにこのボツクスの反射板を取外さなければなら
ず、照明装置と点検口とをそれぞれ別個に設けた
場合と比較して、点検に係る作業性が悪くなると
いう問題が生じる。

（問題点を解決するための手段） 上記の問題点を解決するために、本考案は次の
ように構成している。すなわち、第１図で示すよ
うに照明装置の基枠３は、天井板１にあけられた
天井裏点検用の開口部２から、この点検用開口部
２の面積と同一もしくはそれ以上の範囲で天井板
１の裏面にまでわたつて配設されている。そし
て、この基枠３には内部に照明燈１を備えた照明
器ボツクス１０が、前記の点検用開口部２の位置
から天井板１の裏面位置までスライド可能に取付
けられている。

（作用） 上記の構成において、照明器ボツクス１０を天
井板１の開口部２に位置させた状態で、この照明
器ボツクス１０内の照明燈１１を点灯すれば、こ
の天井板１下方の空間が照明されることとなる。

そして、天井板１の裏側を点検する場合には、
天井板１の点検用開口部２を覆うように位置して
いる照明器ボツクス１０を、基枠３に沿つて天井
板１の裏側に位置させるようにスライド操作す
る。これによつて、天井板１の点検用開口部２は
開放され、この開口部２を利用して天井裏を点検
することができる。なお、この点検用開口部２の
開放は、照明器ボツクス１０を基枠３に沿つてス
ライドさせることによつて行うのであるから、仮
に天井板１の裏側が低い構造の場合にも充分に対
処することができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に従つて具体的に
説明する。

天井設置用の照明装置を断面で表わした第１
図、第１図の平面を表わした第２図、及び第２図
の−線断面を表わした第３図において、天井
板１には点検作業者が天井裏への出入り可能な大
きさに設定された四角形状の点検用開口部２が形
成されている。この点検用開口部２から天井板１
の裏面にかけて基枠３が配設されており、この基
枠３の天井板１裏面に位置する部分の面積は、点
検用開口部２と同一もしくはそれ以上の面積に設
定されている。また、この基枠３の外周にはフラ
ンジ部４が一体に形成されており、このフランジ
部４はその複数箇所において、天井板１の上方に
位置する建築物の構造体（図示しない）に固定さ
れた吊ボルト５により、基枠３の下部周縁部３ａ
が天井板１の外面１ａに接するように支持されて
いる。

上記の基枠３において、天井板１の開口部２か
ら天井板１の裏面に向かう方向に関する両側部
（第２図の上下部）には、第３図の一部を拡大し
て表わした第４図から明らかなように、ガイドレ
ール６がそれぞれ形成されている。これらのガイ
ドレール６は、通常“ソロバンレール”と称され
る複数個の駒型ローラを並設した形式のものが使
用されている。

上記の基枠３には、天井板１の点検用開口部２
とほぼ同じ大きさの照明器ボツクス１０が組付け
られ、この照明器ボツクス１０の支持フランジ１
４は基枠３の上記ガイドレール６に対してスライ
ド可能に支持されている。従つて、照明器ボツク
ス１０をガイドレール６に沿つてスライド操作す
ることにより、上記開口部２の開閉が可能であ
り、この開口部２を開放した状態での照明器ボツ
クス１０は、第１図の仮想線で示すように天井板
１の裏面に位置することとなる。そして、この照
明器ボツクス１０の内部には、複数本の螢光燈等
を用いた照明燈１１ならびにその付属部品（図示
しない）が共に内蔵されている。また、照明器ボ
ツクス１０の底板部分（図示上板部分）は、照明
燈１１の反射部１２として構成されており、この
反射部１２の全部あるいは一部は、乳白色のアク
リル板等を用いた透光板１３によつて構成されて
いる。

上記基枠３において先に述べたように天井板１
の外面１ａに接している下部周縁部３ａには、照
明器ボツクス１０内を覆い隠す照明カバー１７
が、クリツプあるいはビス等によつて取外し可能
に取付けられている。なお、この照明器ボツクス
１０は一般には乳白色のアクリル板や半透明のプ
ラスチツク板が用いられている。

上記のように構成した天井設置用の照明装置に
おいて、前記の基枠３に対し、照明器ボツクス１
０を図面で示すように天井板１の開口部２に位置
させた状態で、その内部の照明燈１１を点灯すれ
ば、この各照明燈１１から発光される光により、
天井板１の点検用開口部２及び照明カバー１７を
透して天井板１下方の空間が照明されることとな
る。

さて、天井板１の裏側に配設されている各種の
配線や配管等を点検する必要が生じた場合には、
まず上記の照明カバー１７を基枠３の下部周縁部
１ａから取外した後、天井板１の点検用開口部２
を覆うように位置している上記の照明器ボツクス
１０を、基枠３のガイドレール６に沿つてて天井
板１の裏側に位置させるようにスライド操作する
（第１図の仮想線の状態参照）。これによつて、天
井板１の点検用開口部２は開放された状態とな
り、この開口部２を利用して天井裏を点検するこ
とができる。

なお、天井裏の点検作業に際して、第１図の仮
想線で示す状態にスライド操作された照明器ボツ
クス１０内の照明燈１１を点灯すれば、この照明
器ボツクス１０の反射部１２に設けた前記の透光
板１３を透して天井裏の照明も行え、点検作業の
ためのランプ等が不要となる。

このように天井裏の点検に際しては、上記の照
明カバー１７を取外して照明器ボツクス１０をス
ライド操作するだけで点検用開口部２を開放する
ことができ、天井裏の点検に係る作業性が良好と
なる。また、点検用開口部２の開放は上記の照明
器ボツクス１０を、基枠３のガイドレール６に沿
つてスライドさせることによつて行うのであるか
ら、仮に天井板１の裏側が低い構造の場合にも対
処することができる。

なお、上記の照明カバー１７は照明装置の設置
場所、あるいはその他の条件に応じて選択的に使
用されるものである。従つて、この照明カバー１
７を用いない場合の天井裏の点検作業は、上記の
照明器ボツクス１０を基枠３のガイドレール６に
沿つてスライド操作するのみで、天井板１の点検
用開口部２を開放することができる。

（考案の効果） 本考案によれば、天井裏の点検に際しては照明
器をスライド操作することで、天井板の点検用開
口部をその全面にわたつて解放できるので、点検
専用の開口を別途設ける必要がなく、しかも点検
作業は容易に、かつ能率よく行うことができる。
このことは、天井の外観が簡素化されるととも
に、コスト的にも有利となるのはもちろんのこ
と、点検に際して照明装置の反射板や照明燈を取
外す作業も不要となる。また、本考案では照明器
ボツクスを基枠に沿つてスライドさせることによ
り、点検用の開口部を解放できるので、仮に天井
裏が低い構造の建物であつても何等支障なく、こ
の点検用開口部の解放が可能となる。

特に、本考案では上記のように照明器をスライ
ド操作して天井板の点検用開口部を解放した状態
で照明器内の照明燈を点灯すれば、照明器ボツク
スの反射部を構成する透光板からの光の透光によ
つて天井裏の照明が行え、他の照明ランプなどを
使用することなく、明るい状態で天井裏の点検作
業が行え、また本考案の照明装置を複数個使用し
ている場合には他の箇所の照明装置からの透光も
あるため、天井裏全域にわたつて非常に明るくな
り、点検作業が一層容易となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は天井設
置用の照明装置を表わした断面図、第２図は第１
図の平面図、第３図は第２図の−線断面図、
第４図は第３図の一部を拡大して表わした断面図
である。 １…天井板、２…点検用開口部、３…基枠、１
０…照明器ボツクス、１１…照明燈。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 天井板にあけられた天井裏点検用の開口部か
   ら、この開口部の面積と同一もしくはそれ以上の
   範囲で天井板の裏面まで配設した基枠と、 この基枠に対して前記開口部の位置から天井板
   の裏面位置までスライド可能に取りつけ、かつ内
   部に所定の照明燈を備えた照明器ボツクスと、 この照明器ボツクスの反射部を構成し、前記照
   明燈の光を天井裏に向けて透す透光板とを備えた
   天井設置用の照明装置。