JPS6332637Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、焼売や肉饅、或いは餡饅等、各種の
包み食品、即ち麺皮等の食用皮体によつて具を包
み込んだ包子（パオズ）の製造に際し、具が充填
されたカツプ形の包子用皮体の開口周辺部を絞つ
て閉じるための手段として活用し得る絞り装置に
関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種の包子製造装置に使用される絞り装置
は、具が充填されたカツプ形の包子用皮体の開口
周辺部を絞つて閉じるだけであつて、絞り切るも
のではないため、一般的には絞り孔を形成する可
動片を絞り孔縮小方向に移動させる駆動力にはス
プリングの付勢力を使用し、絞り対象部分のボリ
ユームが多少変化しても無理なく絞ることが出来
るように構成される。そして絞り孔拡大方向に前
記可動片を移動させる駆動力としてはカム等の強
制押圧力が使用される。

このような絞り装置に於いて、複数の絞り手段
を並設して各絞り手段を同時に作動させるように
構成する場合、駆動機構を各絞り手段毎に分けて
設けると、カムやカム従動レバー、及び連動機構
等、全て絞り手段の数だけ必要になるので、コス
ト高になる。又、各絞り手段に対応する複数のカ
ムの寸法精度やカム取り付け精度にバラツキがあ
ると、各絞り手段の絞り作用に時間的なずれが生
じる等の問題も考えられる。

そこで一つのカム従動レバーに全ての絞り手段
を連動させることが考えられたが、絞り対象部分
のボリユームは、麺皮等の包子用皮体が絞られる
ときの襞の出来具合や重なり具合によつて、或い
は皮体の厚さのバラツキ等が原因で一定しないの
で、一方の絞り手段に於ける絞り対象部分のボリ
ユームが、他方の絞り手段に於ける絞り対象部分
のボリユームよりも大きくなる場合がある。この
ような場合、スプリングの付勢力で絞り孔縮小方
向に駆動されている絞り手段は、絞り対象部分の
ボリユームが大きい方の絞り手段の絞り作用完了
に伴つて他の全ての絞り手段の絞り作用が終了し
てしまうことになるので、絞り対象部分のボリユ
ームが小さい方の絞り手段は完全な絞り作用が行
えなくなる。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し得
る包子製造用絞り装置を提案するものであつて、
その特徴は、並設された複数の絞り手段を備え、
各絞り手段には絞り孔開閉用可動片を設けた包子
製造用絞り装置に於いて、前記可動片を駆動する
被動レバーとこの被動レバーを絞り孔縮小方向に
付勢するスプリングとを各絞り手段毎に設け、カ
ムによつて駆動される一つのカム従動レバーに、
前記各被動レバーを前記スプリングに抗して絞り
孔拡大方向に押圧する押圧部を設け、各被動レバ
ーと前記カム従動レバーの押圧部とは離間移動可
能に構成した点にある。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図及び第２図に於いて、１は絞り装置であ
つて、並列する２つの絞り手段２Ａ，２Ｂを備え
ている。各絞り手段２Ａ，２Ｂは、共通の基板３
に設けられた正方形の貫通孔４内に嵌合する４つ
の可動片５ａ〜５ｄを有する。各可動片５ａ〜５
ｄは前記基板３に一端を固着されたガイドバー６
が嵌合するガイド溝７を備え、貫通孔４の各側辺
４ａにそつて移動し得るように支持されており、
各貫通孔側辺４ａに対して45度に傾斜する両側辺
８ａ，８ｂに於いて隣接する可動片と接して、正
方形の絞り孔９を形成している。１０は４つの駆
動溝１１を放射状に有する回転リングであつて、
前記可動片５ａ〜５ｄの下側で貫通孔４の中心と
同心状態で回転し得るように基板３と下側カバー
プレート１２との間に介装され、この回転リング
１０の各駆動溝１１には前記各可動片５ａ〜５ｄ
から突設された被動ピン１３が遊嵌している。
尚、各可動片５ａ〜５ｄの両側辺８ａ，８ｂの
内、正方形の絞り孔９を形成する側の側辺８ａ
は、縦断面形状に於いて下側が広がるように曲面
に形成されている。１４は前記基板３の上側に取
り付けられた上側カバープレートであつて、第１
図はこの上側カバープレート１４を取り外した状
態を示している。

尚、各可動片５ａ〜５ｄに前記被動ピン１３に
代わる被動溝を設け、回転リング１０に前記駆動
溝１１に代わる駆動ピンを突設しても良い。

上記両絞り手段２Ａ，２Ｂは第３図乃至第５図
に示す駆動手段１５によつて駆動される。当該駆
動手段１５は、回転駆動軸１６に固定された共通
のカム１７、このカム１７に当接するローラー１
８ａを備えたカム従動レバー１８、このカム従動
レバー１８に連設されたコ形レバー１９内に位置
するように前記カム従動レバー１８の支軸２０に
支承された２つの被動レバー２１ａ，２１ｂ、各
被動レバー２１ａ，２１ｂに各別に当接するよう
に前記コ形レバー１９に取り付けた２本のボルト
２２ａ，２２ｂ、各被動レバー２１ａ，２１ｂを
カム１７側に付勢するスプリング２３ａ，２３
ｂ、一方の絞り手段２Ａの回転リング１０から突
設されたレバー１０ａと一方の被動レバー２１ａ
とを連結するロツド２４、及び他方の絞り手段２
Ｂの回転リング１０から逆方向に突設されたレバ
ー１０ａと他方の被動レバー２１ｂとを作用方向
転換レバー２５を介して連動連結するロツド２６
ａ，２６ｂから構成されている。

上記のように構成された絞り装置１の使用例を
第２図、及び第６図乃至第９図に基づいて説明す
ると、２７は麺皮支持台であつて、等間隔置きに
連結された状態で水平直線状の移動経路２８上を
間歇的に移動せしめられる。２９Ａ，２９Ｂは移
動経路２８上の所定位置で停止した前後２つの麺
皮支持台２７の真上に夫々配置された具充填手段
であり、この具充填手段２９Ａ，２９Ｂの真下で
前記移動経路２８の下側に前記絞り装置１、昇降
自在な包子受け３０Ａ，３０Ｂ、カツター３１、
及び包子押し出し用プツシヤー３２が配設され、
更にプツシヤー３２の押し出し方向側には包子送
り出し用ベルトコンベヤ３３が設けられている。
前記麺皮支持台２７の中央には歯車形の貫通孔３
４が設けられ、この貫通孔３４と同心状態のリン
グ状抜き刃３５ａを備えた麺皮抜き型３５が前記
麺皮支持台２７上に付設されている。３６は前記
絞り装置１の上側に必要に応じて設けられる襞捩
じり手段である。

麺帯製造装置から供給される帯状の麺帯３７は
移動経路２８上を間歇的に移動する麺皮支持台２
７上に載せられて一体に移動している。そして具
充填手段２９Ａ，２９Ｂの真下に到達する前に、
押圧用ローラーによつて麺皮支持台２７上の麺皮
抜き型３５に押しつけられ、当該麺皮抜き型３５
の抜き刃３５ａによつて円形の麺皮に切り抜かれ
る。第６図に仮想線で示すように切り抜かれた円
形の麺皮３８はリング状抜き刃３５ａの内側で麺
皮支持台２７上に支持され、麺皮３８が切り抜か
れた残りの麺帯部分３７ａはリング状抜き刃３５
ａの外側で麺皮支持台２７上に支持されて搬送さ
れる。

麺皮３８を支持した２つの麺皮支持台２７が
夫々具充填手段２９Ａ，２９Ｂの真下所定位置に
到達して停止したならば、第６図に示すように具
充填手段２９Ａ，２９Ｂの昇降シリンダー３９を
下降させる。勿論、この昇降シリンダー３９内に
は所定量の具４０が具充填ピストン４１の下側位
置に供給されている。

昇降シリンダー３９の下降により麺皮支持台２
７上の麺皮３８は、第６図に示すように麺皮中央
部が昇降シリンダー３９によつて麺皮支持台２７
の歯車形貫通孔３４から絞り手段２Ａ，２Ｂの可
動片５ａ〜５ｄに囲まれた絞り孔９を経由して上
限位置で待機している包子受け３０Ａ，３０Ｂ内
に突き降ろされる。このとき前記絞り孔９は、第
１図の絞り手段２Ｂに於いて示すように４つの可
動片５ａ〜５ｄが夫々の移動経路の始端位置にあ
つて、最大状態に広がつている。

上記作用によつて麺皮３８は昇降シリンダー３
９の先端に被さつたカツプ形に成形され、その開
口周辺部が絞り手段２Ａ，２Ｂに於ける絞り孔９
内に位置している。昇降シリンダー３９が下降限
位置に到達したならば当該昇降シリンダー３９は
直ちに上昇移動させるが、内部の具充填ピストン
４１は更に下降を継続させることにより、昇降シ
リンダー３９内の具４０が具充填ピストン４１に
よつて昇降シリンダー３９内から押し出され、包
子受け３０Ａ，３０Ｂ内に挿入され且つ昇降シリ
ンダー３９が上昇脱出した後のカツプ形の麺皮３
８内に充填される。下降限位置まで下降した具充
填ピストン４１は直ちに上昇移動させる。

具４０の充填が完了し、上昇する昇降シリンダ
ー３９及び具充填ピストン４１が絞り手段２Ａ，
２Ｂの絞り孔９内から上方に脱出したならば、絞
り手段２Ａ，２Ｂを駆動手段１５により駆動す
る。即ち、カム１７の回転によりカム従動レバー
１８、帰形レバー１９、及びボルト２２ａ，２２
ｂを介して両被動レバー２１ａ，２１ｂをスプリ
ング２３ａ，２３ｂの付勢力で第３図の矢印方向
に揺動させ、被動レバー２１ａの運動はロツド２
４を介して絞り手段２Ａに於ける回転リング１０
に伝達し、被動レバー２１ｂの運動はロツド２６
ａ、作用方向転換レバー２５、及びロツド２６ｂ
を介して絞り手段２Ｂに於ける回転リング１０に
伝達させる。

これら回転リング１０が同一方向にスプリング
２３ａ，２３ｂの付勢力で回転することにより、
第１図の絞り手段２Ａで示すように各可動片５ａ
〜５ｄが夫々駆動溝１１及び被動ピン１３を介し
てガイドバー６に案内されながら同一回転方向に
直線的に移動し、各可動片５ａ〜５ｄの一側辺８
ａによつて形成されている正方形の絞り孔９が小
さく変化する。従つて第７図に示すように、この
絞り孔９内に位置している麺皮３８の開口周辺部
が可動片５ａ〜５ｄの側辺８ａによつて絞り込ま
れ、麺皮３８自体が有する接着性によつて絞られ
た部分が一体化して閉じられることにより、絞り
閉塞部３８ａの上側に口襞部３８ｂを有する包子
４２が出来上がる。

上記の絞り手段２Ａ，２Ｂによる絞り作用時に
於いて、回転リング１０の回転角、即ち可動片５
ａ〜５ｄの移動量は、絞り孔９内に位置する麺皮
３８の開口周辺部のボリユームによつて決まるの
で、当該ボリユームに差があつた場合、ボリユー
ムの大きい方の麺皮開口周辺部を絞る絞り手段の
絞り作用は、ボリユームの小さい方の麺皮開口周
辺部を絞る絞り手段の絞り作用が終了していない
にも拘わらず終了してしまうことになる。このよ
うな場合、先に絞り作用が終了した方の絞り手段
の被動レバー２１ａ又は２１ｂはスプリング２３
ａ又は２３ｂの付勢力に抗して停止するが、他方
の絞り手段の被動レバー２１ｂ又は２１ａは、カ
ム１７の回転に伴つてカム従動レバー１８及びコ
形レバー１９と共にスプリング２３ｂ又は２３ａ
の付勢力により、絞り作用が終了するまで揺動を
継続する。即ち、絞り孔９内に位置する麺皮開口
周辺部のボリユームが小さい方に対する絞り作用
もボリユームの大きい方に影響されずに確実に行
われる。

次に絞り手段２Ａ，２Ｂの回転リング１０を駆
動手段１５のカム１７によつて逆転させることに
より各可動片５ａ〜５ｄが後退移動して絞り孔９
が開かれる。この後、包子受け３０Ａ，３０Ｂを
下降させ、第８図に示すようにその受け台４３を
包子送り出し用ベルトコンベヤ３３と同一レベル
で停止させると共に周壁４４は更に下降させて受
け台４３よりも低い位置で停止させる。係る状態
に於いて、第９図に示すようにカツター３１の一
対の刃板４５ａ，４５ｂを接近移動させて前記包
子４２の絞り閉塞部３８ａと口襞部３８ｂとの境
界当りを切断することにより、不要な口襞部３８
ｂが切断除去された包子４６が完成する。この包
子４６はプツシヤー３２により受け台４３上から
ベルトコンベヤ３３上へ押し出すことが出来る。
４７は切断された口襞部３８ｂをカツター３１上
から後方へ吹き飛ばすエアーノズルである。

（考案の作用及び効果） 本考案の絞り装置は以上のように実施し且つ包
子製造装置に使用することが出来るものであつ
て、係る本考案の絞り装置によれば、同時に作動
する絞り手段が複数並設されているので、同時に
複数のカツプ形包子用皮体の開口周辺部に対する
絞り作用を行わせることが出来、包子の製造を能
率的に行うことが出来る。しかも絞り手段の数に
関係なく駆動機構としては一つのカム及びカム従
動レバーがあれば良いので、部品点数が少なくて
安価に実施することが出来るばかりでなく、各絞
り手段の絞り作用に時期的なバラツキが生じる恐
れもない。

更に実施例でも詳述したように、絞り手段の可
動片が絞り孔縮小方向に移動するときは、カム従
動レバー側の被動レバー押圧部（実施例ではカム
従動レバー１８に連設されたコ形レバー１９のボ
ルト２２ａ，２２ｂ）を各被動レバーがスプリン
グの付勢力で追つ掛けるように移動するので、絞
り対象部分（カツプ形麺皮の開口周辺部）のボリ
ユームが大きいために早く絞り作用を完了してし
まう絞り手段があつても、当該絞り手段に連動す
る被動レバーのみがカム従動レバー側の前記被動
レバー押圧部に対する追従を中止して停止するだ
けで、他の絞り手段に連動する被動レバーはスプ
リングの付勢力でカム従動レバー側の前記被動レ
バー押圧部に対する追従を支障なく継続すること
になる。

従つて、各絞り手段に於ける絞り対象部分のボ
リユームにバラツキがあつても、各絞り手段には
スプリングの付勢力による絞り作用を絞り対象部
分のボリユームに応じて確実に行わせることが出
来、カツプ形に成形された包子用皮体の開口周辺
部を確実に絞つて閉じることが出来る。即ち、絞
りが不完全で口を完全に閉じられなくなつたり、
絞りが強すぎるために絞り部分の皮体が破れてし
まうと云うような不都合の生じる恐れがなくな
り、常に商品価値の高い包子を製造することが出
来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は上側カバープレートを取り外した状態
の絞り装置の平面図、第２図は絞り装置の使用例
を示す一部縦断正面図、第３図は絞り装置の駆動
手段を示す概略平面図、第４図は同要部の縦断側
面図、第５図は第４図の横断平面図、第６図乃至
第９図は包子製造各工程を説明する概略縦断側面
図である。 １……絞り装置、２Ａ，２Ｂ……絞り手段、５
ａ〜５ｄ……可動片、６……ガイドバー、９……
絞り孔、１０……回転リング、１１……駆動溝、
１３……被動ピン、１５……絞り装置の駆動手
段、１７……カム、１８……カム従動レバー、１
９……コ形レバー、２１ａ，２１ｂ……被動レバ
ー、２３ａ，２３ｂ……スプリング、２７……麺
皮支持台、２９Ａ，２９Ｂ……具充填手段、３０
Ａ，３０Ｂ……包子受け、３１……カツター、３
２……包子押し出し用プツシヤー、３３……包子
送り出し用ベルトコンベヤ、３７……麺帯、３８
……麺皮、３９……昇降シリンダー、４０……
具、４１……具充填ピストン、４２，４６……包
子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 並設された複数の絞り手段を備え、各絞り手段
   には絞り孔開閉用可動片を設けた包子製造用絞り
   装置に於いて、前記可動片を駆動する被動レバー
   とこの被動レバーを絞り孔縮小方向に付勢するス
   プリングとを各絞り手段毎に設け、カムによつて
   駆動される一つのカム従動レバーに、前記各被動
   レバーを前記スプリングに抗して絞り孔拡大方向
   に押圧する押圧部を設け、各被動レバーと前記カ
   ム従動レバーの押圧部とは離間移動可能に構成し
   た包子製造用絞り装置。