JPS6328016Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両用座席のクツシヨンフレームに関
するものである。

車両用座席、特に運転席等においてはシートク
ツシヨンを前後にスライド調節可能とすると共に
シートバツクをシートクツシヨンに対して傾斜調
節可能として着座姿勢を自由に変えることができ
るようにシートクツシヨンのクツシヨンフレーム
にスライド調節装置の可動レールとリクライニン
グ装置が取付けられ、このリクライニング装置を
介してバツクフレームが取付けられている。

従つてこの構成においてバツクフレームからの
負荷はリクライニング装置からクツシヨンフレー
ムに伝達し、取付け部材を介してスライド調節装
置で受けられることになるのでリクライニング装
置とスライド調節装置が取付けられるクツシヨン
フレームは十分な強度を必要とし、そのため従来
は薄板により成形したクツシヨンフレームにおい
ては強度を必要とする部分即ち、各装置の取付部
に補強板を重合固着して補強するか、あるいはク
ツシヨンフレームを多分割して各々の部分に板厚
の異なる部材即ち、各装置の取付部分に板厚が大
の部材を配して接合して構成していたが、接合個
所が多くなるため組立てに手数を要し、コスト高
になると共に品質管理等に問題があつた。

そこで本考案は従来品の欠点を解消しようとす
るもので、通常クツシヨンフレームには一側部に
リクライニング装置を取付け他側部にバツクフレ
ームのフリーヒンジを取付けて構成され、バツク
フレームに作用した負荷はリクライニング装置か
らクツシヨンフレームの一側部を介してその下側
のスライド調節装置の片側レールに作用するの
で、クツシヨンフレームはリクライニング装置が
取付けられる一側部に強度を要し、他側部はフリ
ーヒンジのため強度は比較的小さくてもよいこと
になり、本考案はこの点を考慮してクツシヨンフ
レームを左右に分割し各々の板厚、形状等を変え
ることにより強度に差をもたせるようにした車両
用座席のクツシヨンフレームを提供するものであ
る。

以下図面について本考案の一実施例を説明す
る。

図において１は本考案を適用した車両用座席の
全体を示し、２はシートクツシヨン、３はシート
バツク、４はスライド調節装置、５はリクライニ
ング装置であり、シートクツシヨン２のクツシヨ
ンフレームに本考案が適用される。

クツシヨンフレーム６は第３図に示すように、
左右のフレーム部材６ａ，６ｂからなり、各々の
フレーム部材６ａ，６ｂは板厚の異なる平面コ字
状且つ断面略Ｌ字状にプレスで型抜きと絞り成形
したものでありリクライニング装置５が取付けら
れる側の一方のフレーム部材６ａは比較的厚い
（例えば1.0〜1.5mm）鋼板により成形し、バツク
フレーム７のフリーヒンジ８が取付けられる側の
他方のフレーム部材６ｂは比較的薄い（例えば
0.7〜0.8mm）鋼板により成形し、また本例におい
ては一方のフレーム部材６ａは側面部を高く形成
してある。

この両フレーム部材６ａ，６ｂの側部上縁部に
はパツド受け９のテンシヨンスプリング１０ａ，
１０ｂを引つかける係合孔１１ａ，１１ｂを、下
縁部には表皮の結着孔１２ａ，１２ｂを夫々複数
隔設し、また一方のフレーム部材６ａには側面後
部にリクライニング装置５の取付孔１３を穿設す
る。

この両フレーム部材６ａと６ｂとの端面を重合
溶接して四辺形状のクツシヨンフレーム６を形成
し、リクライニング装置５を一方のフレーム部材
６ａ側に取付孔１３において取付けると共に、フ
リーヒンジ８を他方のフレーム部材６ｂ側の後部
に溶接により固定し、また両フレーム部材６ａ，
６ｂ側の下面にスライド調節装置４の両レール４
ａ，４ｂを固定し、上面側にはパツド受け９をテ
ンシヨンスプリング１０ａ，１０ｂにより架張す
る。

以上のように構成したクツシヨンフレーム６に
リクライニング装置５とフリーヒンジ８を介して
バツクフレーム７を連結する。

なお、クツシヨンフレーム６及びバツクフレー
ム７にはパツドを取付け、表皮により被覆し、シ
ートクツシヨン２及びシートバツク３を形成する
がこれは通常実施されていることであるから図示
による説明は省略する。

以上のように本考案によればクツシヨンフレー
ムは左右の分割コ字状フレーム部材を接合して形
成するので両フレーム部材の板厚、形状を負荷に
応じて選定でき、即ち大なる負荷が加わる側、例
えばリクライニング装置を取付ける側のフレーム
部材を十分な強度を保有するように板厚を厚く
し、また比較的小なる負荷が加わる側、例えばバ
ツクフレームのフリーヒンジを取付ける側のフレ
ーム部材は板厚を比較的薄くすることにより、補
強部材を設置したり、また必要以上の強度を保有
する過剰品質となることなく、各部はその作用に
応じた必要な強度を保有して負荷を確実に支持で
き、また補強部材が不要になると共に一方のフレ
ーム部材は比較的薄い板厚の鋼板により形成でき
ることからクツシヨンフレームの軽量化が可能と
なる。しかも両フレーム部材はコ字状であるから
クツシヨンフレームの各角部は一体的に連続され
て剛性が向上し、負荷が片寄つて作用した場合で
も変形のおそれがなく、また両フレーム部材の素
材板からの型抜き成形においては食い違い型抜き
ができて素材の無駄が少なく歩留りが良く、また
クツシヨンフレーム形成時の接合も２個所だけで
あつてその工数も少なくなる等生産性も向上しコ
ストが低廉になる等の効果を有する。加えて、本
考案は平面コ字状且つ断面略Ｌ字状にプレスで絞
り成形した２ケのフレーム部材を溶接して一体に
するから、クツシヨンフレームを枠状にプレスで
型抜き成形するものに比べ前述の如く、軽量化が
図れることは勿論のこと、各フレーム部材をプレ
ス成形する際、そのフレーム部材の遊端側に余分
な塑性変形を逃がすことができるため、プレス加
工が容易に行ない易く、しかもその加工精度が向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した車両用座席の一例の
斜視図、第２図は同フレーム部の斜視図、第３図
はクツシヨンフレームの分解斜視図である。 図中１は座席、２はシートクツシヨン、３はシ
ートバツク、５はリクライニング装置、６はクツ
シヨンフレーム、６ａ，６ｂはフレーム部材、７
はバツクフレーム、８はフリーヒンジである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 クツシヨンフレームの一側部にリクライニング
   装置を取付けると共に他側部にフリーヒンジを取
   付けてバツクフレームを連結することによりシー
   トバツクをシートクツシヨンに対して傾斜調節可
   能とした車両用座席において、 前記クツシヨンフレームは平面コ字状且つ断面
   略Ｌ字状にプレスで絞り成形した２ケのフレーム
   部材を向かい合わせて溶接して枠状に形成し、且
   つ、上記リクライニング装置が取付けられる側の
   一方のフレーム部材の板厚を前記フリーヒンジを
   取付ける側の他方のフレーム部材の板厚に対して
   厚くして強度を保有させたことを特徴とする車両
   用座席。