JPS6327567B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は開口を有するパネルに使用するフア
スナに関し、特に自動車にトリムパネルを固着す
るのに適したフアスナに関する。トリムパネルは
普通フアイバーボート板からなり、車輛の内部に
外せる様に固着して装飾的効果をもたらす。

この発明のフアスナは、半径方向に拡がつた頭
部を上端に有するほゞ剛性の柱と、前記柱の側面
から外向きに突出して縦方向に延び、挿入すべき
円形開口の内周に外縁が近接する複数の剛性なウ
エブと、上記ウエブの相互の隣接間隔に、該隣接
したウエブの少なくとも一つに結合して前記柱の
軸心と交わる方向に設けられた弾性のプレートを
備え、上記プレートは、前記隣接したウエブとウ
エブの間に前記円形開口の半径よりも大きな張出
し部を有することを特徴とする。

この発明の好ましい実施例では柱は四つの縦ウ
エブを有して断面Ｘ形ないし十字形をなし、各ウ
エブは柱の先端部に向け突出量を少くしてテーパ
になつていることが好ましいが、勿論断面はそれ
以外のＬ形、Ｙ形、Ｈ形、Ｉ形、Ｚ形でもよい。

又、柱は正反対に突出する二つのウエブしかな
く、三角形、半円形、半だ円形をしたプレートが
上記ウエブの面の片側または両側から、柱の軸心
に対し垂直または斜めに設けることもできる。

ウエブは柱の全長にわたり設けられていても、
或いは全長の一部だけに設けられていてもよい。

隣接したウエブの各対間に横方向のプレートを
備えさせる場合、各ウエブ対間のプレートを１枚
とするときには各プレートは柱の軸心に垂直な一
つの同じ面内に配置するのが通常であるが、しか
しそれらのプレートを互い違いにずらして配置し
てもよい。また、隣接したウエブの各対間に２枚
またはそれ以上の数のプレートを設ける場合には
各対間のプレートの各１枚宛を夫々同じ直角方向
の内に配置してもよいし、互い違いにずらして配
置してもよい。

ウエブ間に斜めにプレートを備えさせる場合
は、それらのプレートは柱に対し半径方向に傾斜
させても、円周方向に傾斜させてもよい。そし
て、プレートを直角方向に設けた場合と同様に、
この斜めのプレートは隣接したウエブ間に１枚設
けても、複数枚設けてもよい。

各隣接ウエブ対間に斜めのプレートを１枚宛設
ける場合には、それらのプレートは柱の同じ高さ
の所に設けても、或いは互い違に高さをずらして
設けても、更に螺旋状の配置となる様に設けても
よい。

隣接した二つの各ウエブ間に複数の傾斜プレー
トを設ける場合には、それらのプレートはプロペ
ラの羽根に似た配列、または螺旋状或いは互い違
い状に多数の不連続位置に延びるよう配置するこ
ともできる。

頭部には、柱と反対側に、パネルに対して二次
物体を係合また保持するための構成部を備えさせ
ることもできる。この構成部はヘツドから突出
し、上端に半径方向に広がつた保持円板を有する
トリムパネル用の係合シヤンクとして形成した場
合に付き説明するが、しかしこの構成部は省略し
てもよいし、何か別の固定部材、クリツプ、スタ
ツドにしてもよい。

ここに示したフアスナは皿形スカートとして構
成された頭部と、前記スカートの凸面側から突出
したトリムパネルの保持構成部があり、前記構成
部はスカートから突出したシヤンクで支持されて
いる鍔に張出した円板を含む。好ましくはシヤン
クは筒形で、横から見ると膨れた輪郭を有してい
る方がよい。それはシヤンクとトリムパネルが線
接触し、トリムパネルの厚さとは無関係にトリム
パネルを均斉に保持できるからである。

このフアスナは、フアスナ自体にも、フアスナ
を適用するパネルの塗装面に損傷を与えることな
く何回でも着脱できるという特性を有す。

作業の安全性を高め、かつフアスナによつて保
持されているソフトなトリム材に損傷を与えるの
を防止するために、柱の先端部は弧形にするとよ
い。

以下、この発明を図示の実施例を参照して説明
する。

第１図ないし第４図には円板１、シヤンク２、
およびこの実施例では皿形スカート３として構成
されている頭部を有する本発明のフアスナの一実
施例を示した。円板１はシヤンク２と同心であ
る。シヤンク２の外面は断面で見てほぼ円形であ
るが、二つの窪み４を有し、この窪みによつて半
径方向に弾性的に変形できる。尚、シヤンクの断
面形状は、この実施例では窪み４，４によつてＳ
形ないしＺ形である。シヤンク２の中間部は両端
部より大径に形成されて凸状に膨れ、球の一部に
なつている。スカート３の厚さは外周縁に向け薄
くなつて居り、その上面５と下面６は、第４図に
示した様に滑かにカーブして深さＤを形成する一
方、更に２枚鋳型での製造を可能にしている。ス
カートの外周縁は非常に薄いので、パネルの表面
にペンキ滴や、はんだの余剰分が付くなどした
り、或いはザラザラになつていてもスカートの外
周縁はパネル表面に確実に密着する。

フアスナの下部は、第１図、第４図に見られる
ように、中心柱７を含む。この中心柱からは直角
状に等間隔離れて半径方向に剛性の四つの縦ウエ
ブ８が突出している。各ウエブ８はこの実施例で
は柱の先端に向つてテーパになつているが、しか
し、その半径方向突出量は全長にわたつて同量で
あつてもよい。

ウエブ８に隣接する各対間には柱を横切つて延
びる弾性プレート９がある。第１〜４図の実施例
では、ウエブ８の隣接する各対間にあるプレート
９の数は１枚であるが、２枚以上適宜の数設ける
こともできる。各ウエブ対間にプレートを１枚だ
けしか設けない場合は、それらのプレートはスカ
ート３の下側から等距離離して設けてもよいし、
例えば隣り合わせでない２枚のプレートはスカー
ト下面から或る距離離し、他の２枚の隣り合せで
ないプレートはそれは異つた距離スカートから離
して設けるなどスカートからの距離を異らせても
よい。第５図の実施例では、ウエブ８の隣接する
各対間に３枚宛のプレート９が三段階の高さに設
けてある。しかしながら、これらのプレートは互
い違いにずらして配置してもよいし、或いは螺旋
状に配置することもできる。

これらのプレートの、柱７の軸心から半径方向
に最も張出した張出部１０までの距離は、柱の軸
心から各ウエブ８の外縁１１までの突出距離より
も大きい。

その作用を説明すると、パネルには柱の軸心か
らウエブ８の外縁までの突出距離よりもわずかに
大きいが、しかし軸心からプレートの張出部１０
までの距離よりも小さい半径の円形開口Ｈ（第２
図参照）を設け、これにパネルの表面からウエブ
を通し、プレート９の下面をパネルの表面に接触
させる。

これにより各ウエブ８は外縁を円形開口Ｈの内
周に近接し、フアスナを円形開口に対して非常に
正確に位置決めする。

それから少し力を加えてフアスナを下に押す
と、プレート９の張出部１０は撓んでめくれなが
らパネルの開口を通過し、通過すると張出部は元
の平らな状態に戻る。

パネルの厚さが一定であれば隣接するウエブの
各対間にはスカートの下側からプレート厚さより
少し小さい間隔だけ上面を離して１枚宛プレート
を設け、スカートをパネルの上面に気密係合させ
ると共に前記プレートの張出部上面をパネルの下
面に係合させればよい。

これに反し、種々な厚さのパネルに適用するに
は、スカートから種々異つた距離離してプレート
を設けなければならない。例えば、第５図のフア
スナを薄いパネルに用いると、第６図の左側に示
したように下の方にあるプレートが開口を通過
し、上の方にある一つのプレートの張出部がパネ
ルに下から係合してフアスナを保持する。又、第
６図の右側に示したように、厚いパネルにこのフ
アスナを用いると、下の方にあるプレートの張出
部がパネルに下から係合し、それよりも上のプレ
ート開口の孔壁に係合してめくれた状態になる。

第６図から明らかなように、このフアスナは厚
さが数段階に異つた種々のパネルに使用すること
ができる。

第１図、第４図、第５図および第６図に示した
様にプレートにテーパがあるとプレートの張出部
は柔軟性があり、プレートを破損させることなく
確実に変形させ得る。勿論、プレートはテーパが
なく厚さが一定であつてもよい。

フアスナの先端部には球形の先端片１２を備え
させ作業の安全性を高めることができる。

ウエブ８、プレート９はいろいろな形状のもの
が考えられる。例えば、プレートはダイヤモンド
形またはたこ形で、ウエブは120゜の間隔で設けら
れた三つ、或いはＨ形、Ｚ形、Ｌ形断面形状をな
すなどである。

パネルの開口が大きい場合は中心柱を中空の多
角形断面形状とし、この柱のコーナないし角（か
ど）から半径方向にウエブを突出させ、そのウエ
ブ間にプレートを設けてパネルの下側と係合させ
るようにするとよい。

このように本発明によれば外縁が円形開口の内
周に近接する複数の剛性なウエブにより円形開口
に対して同心状に正確に位置決めして保持され、
上記円形開口に対して保持を行なう弾性のプレー
トは前記隣接した剛性なウエブの一方又は双方に
結合しているので強力な保持力を発揮するフアス
ナが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるフアスナの一実施例の
側面図、第２図は第１図の−線での断面図、
第３図は第１図の−線に沿う断面図、第４図
は第２図の−線に沿う断面図、第５図はフア
スナの他の一実施例の側面図、第６図は第５図の
フアスナの使用状態の説明図、第７図は本発明の
フアスナの更に他の一実施例を示す側面図で、図
中、３は頭部として例示した皿形スカート、７は
柱、８はウエブ、９はプレートを示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 半径方向に拡がつた頭部を上端に有するほゞ
   剛性の柱と、前記柱の側面から外向きに突出して
   縦方向に延び、挿入すべき円形開口の内周に外縁
   が近接する複数の剛性なウエブと、上記ウエブの
   相互の隣接間隔に、該隣接したウエブの少なくと
   も一つに結合して前記柱の軸心と交わる方向に設
   けられた弾性のプレートを備え、 上記プレートは、前記隣接したウエブとウエブ
   の間に前記円形開口の半径よりも大きな張出し部
   を有することを特徴とする一体のフアスナ。 ２ プレートが隣接した二つのウエブに結合して
   いる特許請求の範囲第１項記載のフアスナ。 ３ 二つのウエブの隣接する各対間に夫々プレー
   トが配置されている特許請求の範囲第１項又は第
   ２項記載のフアスナ。 ４ 二つのウエブの隣接する各対間に設けられて
   いるプレートの数は同数である特許請求の範囲第
   ３項記載のフアスナ。 ５ プレートは柱の軸心に直角に交わる方向に設
   けられ、各隣接する二つのウエブ間のプレートの
   数は等しい特許請求の範囲第４項記載のフアス
   ナ。 ６ プレートは柱の軸心に直角に交わる方向に設
   けられ、各隣接する二つのウエブ間のプレートの
   数はウエブの数よりも小である特許請求の範囲第
   ３項又は第４項記載のフアスナ。 ７ プレートは柱の軸心に斜めに交わる方向に設
   けられ、且つプレートは円周方向に傾斜している
   特許請求の範囲第１項から第４項のどれか１項記
   載のフアスナ。 ８ プレートは柱の軸心に斜めに交わる方向に設
   けられ、且つプレートは半径方向に傾斜している
   特許請求の範囲第１項から第４項のどれか１項記
   載のフアスナ。 ９ 柱は、放射方向、等間隔に離れた四つのウエ
   ブを有する特許請求の範囲第１項から第８項のど
   れか１項記載のフアスナ。 １０ 各ウエブは、柱の頭部とは反対側に先端部
   でテーパになつている特許請求の範囲第１項から
   第９項のどれか１項記載のフアスナ。 １１ 柱は先端部が円形になつている特許請求の
   範囲第１項から第１０項のどれか１項記載のフア
   スナ。 １２ 柱は先端部に球形の先端片を備えている特
   許請求の範囲第１１項記載のフアスナ。 １３ 各ウエブは柱の全長に沿つて延びている特
   許請求の範囲第１項から第１２項のどれか１項記
   載のフアスナ。 １４ 半径方向に拡がつた頭部は皿形スカートに
   なつている特許請求の範囲第１項から第１３項の
   どれか１項記載のフアスナ。 １５ 柱はスカートの凹部側から突出している特
   許請求の範囲第１４項記載のフアスナ。 １６ 頭部には、柱と逆の側に、２次材に係合す
   るか或いは２次材を保持するための構成部材があ
   る特許請求の範囲第１項から第１５項のどれか１
   項記載のフアスナ。 １７ 前記構成部材は、頭部から突出し、先端に
   半径方向に拡がつた円板を支持するシヤンクを含
   んでいる特許請求の範囲第１６項記載のフアス
   ナ。 １８ シヤンクの径は両端部よりも中間が大きい
   特許請求の範囲第１７項記載のフアスナ。 １９ シヤンクは半径方向に弾力的に変形可能で
   ある特許請求の範囲第１７項又は第１８項記載の
   フアスナ。 ２０ 柱が中空である特許請求の範囲第１項から
   第１９項のどれか１項記載のフアスナ。 ２１ 柱の断面形状は多角形で、ウエブはそのコ
   ーナから放射状に突出している特許請求の範囲第
   １項から第２０項のどれか１項記載のフアスナ。