JPS63273475A - アルカリ耐性セルラーゼ - Google Patents

アルカリ耐性セルラーゼ

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JPS63273475A
JPS63273475A JP1655287A JP1655287A JPS63273475A JP S63273475 A JPS63273475 A JP S63273475A JP 1655287 A JP1655287 A JP 1655287A JP 1655287 A JP1655287 A JP 1655287A JP S63273475 A JPS63273475 A JP S63273475A
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一志 押野
Shuji Kawai
川合 修次
Hiromi Ogoshi
大越 浩美
Susumu Ito
進 伊藤
Kikuhiko Okamoto
暉公彦 岡本
Hiroshi Mori
啓 森
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規なアルカリ耐性セルラーゼ及びこれを産生
する微生物に関する。
〔従来の技術〕
繊M素分解酵素セルラーゼの開発は、従来、バイオマス
資源、特にセルロース資源の有効利用を一大目標として
進められてきた。セルラーゼ生産菌として分離されて来
た菌株は多種類にわたり、アスペルギルス属、ペニシリ
ウム属、トリコデルマ属、フザリウム属、フミコーラ属
、アクレモニウム属等の糸状菌を中心に、シュウトモナ
ス属、セルロモナス属、ルミノコツカス病、バチルス属
等の細菌、更に、ストレプトマイセス属、サーモアクヂ
ノマイヒス属等の放線菌でも報告されている。しかしな
がら、現時点では、バイオマス用セルラーゼの工業的規
模での利用は、多くはない。
一方、セルラーゼの新規な産業的用途として、衣料用洗
浄剤の配合成分としての利用が検討され注目を集めてい
る(特公昭59−49279@公報、特公昭60−23
158号公報、特公昭6〇−3624([公報)。しか
し、自然界において従来見出されたセルラーゼのほとん
どは、中性乃至酸性領域に於いて最大且つ安定な酵素活
性を示す、所謂中性若しくは酸性セルラーゼに分類され
るものであって、衣料用洗浄剤配合成分としての必要条
件である、アルカリ領域で最大活性を示すか、あるいは
アルカリ耐性を有するセルラーゼ、所謂アルカリセルラ
ーゼ及びアルカリ耐性セルラーゼの存在は、極めて少な
いのが実情である。
ここで言うアルカリセルラーゼとは、至ipHがアルカ
リ領域にあるものを言い、アルカリ耐性セルラーゼとは
、至適pHは中性から酸性領域にあるが、アルカリ領域
に於いても至適pHに於ける活性に比較して充分に活性
を有しかつ安定性を保持するらのを言う。
また、中性とはI)H6〜8の範囲を言い、アルカリ性
とはそれ以上のl)H範囲をいう。
即ち、従来、衣料用洗浄剤組成物として使用し得るアル
カリセルラーゼ及びアルカリ耐性セルラーゼの生産方法
としては、好アルカリ性バチルス属細菌の培養によりセ
ルラーぜAを採取する方法(特公昭50−28515号
公報)、セルロモナス属に屈する好アルカリ性細菌を培
養してアルカリセルラーゼ301−Aを生産する方法(
特開昭58−224686号公報)、好アルカリ性バチ
ルス1IQ1139を培養してカルボキシメチルセルラ
ーゼを生産する方法(Fukumori、F、 、にu
do、 T。
and florikoshi、に、、 J、Gen、
Hicrobiol、、 131,3339゜(198
5))及びストレプトマイセス属の一種を用いてアルカ
リセルラーゼを生産する方法(特開昭61−19483
号公報)が報告されているに過ぎず、いずれも工業的発
酵生産に適うものでは無かった。
ところが、最近、本発明者らは好アルカリ性微生物の一
種であるバチルス エスピー(Bacillussp、
)KSM−635(FERM  P−8872)が、衣
料用洗浄剤組成物として適したアルカリセルラーゼKを
効率良く生産すること、及び更に培養条件を選択するこ
とにより、より高収率で、アルカリセルラーゼKが得ら
れ、アルカリセルラ−ゼ〔発明が解決しようとする問題
点〕 しかしながら、上記バチルス エスピーKSM−635
の培養条件は、必ずしも工業的に有利なものと言えない
。すなわち、好アルカリ性菌株は培養中、pHをアルカ
リ性に保ち続ける必要があるが、現在までのところ、好
アルカリ性菌株を用いる所謂アルカリ性発酵法の歴史は
浅く、通常の中性微生物と比較するとこれら好アルカリ
性微生物の生理、生化学についての知見は充分に蓄積さ
れておらず、工業的発酵生産を行うにあたっての培地調
製、培養方法が操作上の難点となっていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはかかる問題点を解決するためにアルカリ領
域に至適pl+を有するアルカリセルラーゼ或いは、ア
ルカリ領域に於いても、至適pHに於ける最高活性に比
較しても高活性を維持し得るアルカリ耐性セルラーゼを
生産する生竹細菌を得べく、中性frt域で生育する菌
株を宿主として、該当するセルラーぜ遺伝子をクローニ
ングする、所謂遺伝子組換えの手段と併行し、自然界に
おいて該細菌の探索を続けて来た。
そして、その結果、栃木県芳賀郡の土壌から分離した菌
株は、アルカリ側においても充分作用を有し、且つ安定
性を保持する、所謂アルカリ耐性セルラーゼを産生ずる
ことを見出し、本発明を完成した。
本発明において用いられる菌株は、次のような菌学的性
質を有する。なお、以下の分類同定において用いた培地
は次の通りである。
培地 1.肉エキス、 i、o :バクトベブトン、 
1.0 r NaCe。
0.5;バクト寒天、 1.5 (till  7.2
)  (表示は、重量%二以下同じ) 培地 2.肉エキス、 i、o :バクトベブトン、 
1.0 : NaCf!。
0.5 (ptl  7.2> 培地 3.肉エキス、 1.0 ;バクトペブトン、 
1,0 : NaCJe。
0.5;ゼラチン、 1.0 (pH7,2)培地 4
.バクトリトマスミルク、10.0培地 5.バクトペ
ブトン、 1.0 :にNO3,0,1培地 6.バク
トベブトン、 1.0 ;  Hatch、 1.0培
地 7.バクトペブトン、 0.7 :NaCe、 0
.5 ニブドウ糖。
0.5 (ptl  7.0> 培地 8.バクトベブトン、1.0 培地 9.TSI寒天(来朝化学製);指示量培地10
.肉エキス、 1.0 :バクトベブトン、 1.0 
; NaC1!。
0.5:可溶性澱粉、0.2:寒天、1.5培地11.
 NaNHa HPO4・4H20,0,15;KH2
PO4゜0.1 ;MGSOA・7H20,0,02;
クエン酸ナトリウム、 0.25 (pH6゜8) 培地12.クリステンセン培地(来朝化学製);指示m
培地13.ブドウ糖、1.O;KH2PO4、0,1:
MGSOA・7H20,0,05;KCJ!、 0.0
2 :  窒素源、0.1(窒素源は、硝酸ナトリウム
及びra酸アンモニウムを用いた>  (pH7,2) 培地14.キングA培地“来朝″(来朝化学製);指示
量培地15.キング8培地“来朝″(来朝化学製):指
示量培地16.尿素培地“来朝”(来朝化学製)二指水
量培地17.チトクローム・オキシダーゼ試験用濾紙(
日本製薬9A) 培地18,3%過酸化水素水 培地19.OF基礎培地(D i rco社製);指示
m培地20.  (Nt−14) 2 HPO4,0,
1:KCj!、 0.02 :MGSOA・7)120
.0.02 : vfEilエキス、 0.02 ; 
ハ’) t4:天、 2.0 ; BCP (0,2%
溶液)、0.4培地21.パクト・サブロー・デキスト
ロース寒天培地(Difco社製);指示m 培地22.肉エキス、0.3;バクトベブトン、0.5
:酵1()エキス、 1.0 ;グリセリン、2.0培
地23.フェニルアラニン マロン酸塩培地(日永製薬
社製);指示量 培地24.スキムミルク、 5.0 :バクト寒天、1
.5培地25.肉エキス、0.3:バクトベブトン、0
.5;L−チロシン、0.5:バクト寒天、1.5(菌
学的性質) (a)顕微鏡的i!京結果 菌体の大きさは、0.4〜0.8mx1.5〜6.5趨
の桿菌であり、菌体の中央に円柱形又は楕円形の内生胞
子(0,6〜0.8趨×1.0〜2.5趨)を作る。
周鞭毛を有し運動性がある。ダラム染色は陽性。
抗酸性はない。
(b)各種培地に於ける生育状態 ■肉汁寒天平板培養 (培地1) 生育状態は弱い。集落の形状は円形であり、表面は円滑
、周縁は円滑である。又集落の色調は淡黄色半透明で光
沢がある。
■肉汁寒天斜面地ll(培地1) 生育は弱く、その状態は拡布状で光沢が有り、淡黄色半
透明である。
■肉汁液体培!! (培地2) 生育するが、その状態は弱い。
■肉汁ゼラチン穿刺培養 (培地3) 表層部に生育し、ゼラチンの液化が認められる。
■リドマスミルク培地 (培地4) ミルクの液化は認められるが、リドマス色素の明確な変
化はない。
(C)生理学的性質 ■!lr4酸塩の還元及び脱窒反応(培地5.培地6)
共に、陰性。
■MRテスト (培地7) 陰性、陽性は、はっきりせず(DH5,2)。
■■Pテスト (培地7) 陰性、陽性は、はっきりせず(pH5,2)。
■インドールの生成 (培地8) 陰性。
■硫化水素の生成 (培地9) 陰性。
■澱粉の加水分解 く培地10) 陽性。
■クエン酸の利用 (培地11.培地12)コーサ培地
及びクリステンセン培地で、ともに陽性。
■無機窒素源の利用 (培地13) 硝酸塩、アンモニウム塩ともに利用する。
■色素の生成 〈培地14.培地15)陰性。
■ウレアーゼ (培地16) 陰性。
■オキシダーゼ (培地17) 陽性。
■カタラーゼ (培地18) 陽性。
■生育の範囲 (培地2) 生育の温度範囲は、15〜50℃、生育最適温度範囲は
25〜40℃ 生育の011範囲は、pH5〜11、生育最適1)11
範囲はI)H6−10であった。
[有]酸素に対する態度 通性嫌気性。
■O−Fテスト (培地19) 好気嫌気共に生育する。
[相]糖の利用性 (培地20>(+:利用する、−二
利用しない) 1、 1−アラビノース   + 2、  D−キシロース    + 3、 0−グルコース    + 4、 0−マンノース    + 5、 0−7ラクトース   + 6、  D−ガラクトース   − 7、麦芽糖        − 8、ショ糖        十 9、 乳糖         十 10、トレハロース     − 11、 D−ソルビット    + 12、0−マンニット    + 13、  イノジット      + 14、グリセリン      + 15、  デンプン       + ■VP培地に於けるpH(培地7) pH5,2 [相]食塩含有培地に於ける生育 (改変培地1)5%
で生育する。
7%で生育する。
10%で生育せず。
@ pH5,7に於ける生育 (培地21)生育する。
[相]ジハイドロキシアセトンの生成 (培地22)陰
性。
■フェニルアラニンの脱アミノ化 (培地23)陰性。
@カゼインの分解 (培地24) 陽性。
■チロシンの分解 (培地25) 陰性。
以上の菌学的性質について、バーシーズ・マニュアル・
オブ・デイタミネイティブ・バクテリオロジー(Ber
gey ’s Hannual of Detera+
1native8aCteriOIOQV )第8版及
びザージーナス・バチルス(”The Genus B
acillus”、 Ruth、 E、Gordon著
Agriculture Handbook  NH3
27、Aaricultu−ral  1lesear
ch  5ervice  、U、S、Departm
ent  ofAgriculture、 Washi
ngton D、C,(1973))を参照し比較、検
索した結果、本発明の菌株は、右胞子桿菌であるバチル
ス(Bacillus)属の一種であると認められる。
そして本菌株は、最近、掘越と秋葉(“Alkalop
hilic Hicroorganism”、 Jap
anScientific 5ociety Pres
s(Tokyo) 、 1982年刊)の主張している
、所謂好アルカリ性(^Ikal−ophilic )
微生物が0118以上のアルカリ培地に於いて生育し、
これ以下の中性1)H領域では生育出来ないのに対し、
弱酸性領域からアルカリ領域(p115〜11)に於い
て生育が可能である事から、この好アルカリ性微生物と
は明らかに異なるものであり、一般的な中性で生育可能
なバチルス属微生物と判断できる。
更に本菌株を他の公知のバチルス属の菌株と比較すると
、最も類縁の種としてバチルス・リケニホルミス(Ba
cillus l+ch[1iforlis)が挙げら
れる。しかしながら、公知のリケニホルミスに属する菌
株と本菌株とを比較すると、硝酸塩の還元能において相
異する。更に上記リケニホルミスに属する菌株は少なく
ともアルカリ耐性のセルラーゼを産生しないので本発明
省らは本菌株を新菌株と判断し、バチルス エスピー 
KSM−539と命名して工業技術院微生物工業技術研
究所に寄託した(FERM  P−9011)。
本発明の菌株を用いてアルカリ耐性セルラーゼ、セルラ
ーゼに−539を得るには、培地に該菌株を接種し、常
法に従って培養すれば良い。培地中には、責化し得る炭
素源及び窒yFi源を適当は含有せしめておくことが好
ましい。この炭素源及び窒素源については特に制限はな
いが、その例としては、窒素源として無機態の硝安、硫
安、協奏、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダや、コーン
グルテンミール、大豆粉、コーンスチーブリカー、カザ
ミノ酸、酵母エキス、ファーマメディア、イワシミール
、肉エキス、ペプトン、バイブロ、アジパワー、コーン
ソイビーンミール、コーヒー粕、綿実油粕、カルチベー
タ、アミフレックス及びアジプロン、ゼスト、アシック
スなどが挙げられる。
又、炭素源としては、籾殻、麩、濾紙、一般紙類、おが
屑などの植物繊維質、廃糖蜜、転化糖、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC) 、アビセル、セルロース綿、
キシラン、ペクチンに加え、責化し得る炭素源、例えば
、アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース
、フラクトース、蔗糖、乳糖、ソルビトール、マンニト
ール、イノシトール、グリセリン、可溶性デンプンや寅
化し得る有機酸、例えば酢酸、クエン酸等が挙げられる
また、その他、リン酸、HO2+ 、 CB2+ 、 
Hn2+ 、 7n2+。
Co2+ 、 Ha十、  に十などの無機塩や、必要
であれば、無機、有機微量栄養源を培地中に適宜添加す
ることもできる。
斯くして得られた培養物中からの目的物質であるセルラ
ーゼに−539の採取及び精製は、一般の酵素の採取及
び精製の手段に準じて行なうことが出来る。即ち、遠心
分離又は濾過等の通常の固液分離手段により菌体を培養
液から除去して粗酵素液を得ることが出来る。この粗酵
素液は、そのまま使用することも出来るが、必要に応じ
て、塩析法、沈澱法、限外か過払等の分離手段により粗
酵素を得、更に公知の方法により精製結晶化して、精製
酵素として使用することも可能である。
斯くして得られた本発明のアルカリセルラーゼに−53
9は、以下に示す酵素学的性質を右する。なお、酵素活
性の測定は、以下の方法に従って行ない、また用いた緩
衝液は次の通りである。
pH3〜8   マクルベイン緩衝液 p118〜11  グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液 1)1112〜13 塩化カリウム−水酸化ナトリウム
緩衝液 酵素活性測定法: (1)CMCアーゼ活性 10qCMC(A−011,山陽国策バルブ社)、10
0μmol各種緩衝液(マクルベイン、リン酸、グリシ
ン−NaOH等)を含む基質溶液0.9−に0.1dの
酵素溶液を加え、30℃、20分反応した。反応後、3
.5−ジニトロ−サリチル酸(3,5−dinitro
−salicylic acid(DNS) )法にて
還元糖の定量を行った。すなわち、反応液1.0dにD
NS試薬1.Odを加え、5分間、100℃で加熱発色
させ、冷却後、4.0 mの脱イオン水を加えて希釈し
た。これを波長535nmで比色定潰した。酵素力価は
、上記の条件下で1分間に1μsolのグルコースに相
当する還元糖を生成1゛る酵素量を1単位とした。
(2)p−ニトロフェニルセロビオシド分解活性0.1
μgoal p−ニトロフェニルセロビオシド(シグマ
社)、100μlol リン酸緩衝液(n117.0)
を含む反応液1.Od巾に適当量の酵素液を30℃テ作
用サセタ後、18 N82CO3を0.3 a! 。
脱イオン水を1.7ml!順次加え、遊離するp−ニト
ロフェノールを400 n11で比色定置した。酵素力
価は、上記の条件下で1分間に1μsolのp−二トロ
フェノールを遊離させる酵素量を1単位とした。
(3)アビセル、セルロース粉末、及び濾紙分解活性 20ηアビセル(メルク社)、200μlotリン酸a
m液(IIIH7,0)を含む反応液2.Od中に適当
量の酵素液を加え、30℃、25Orpmt’@とうし
ながら作用させた。反応後、冷却遠心分離(5℃、30
00rpm 、20分)を行い、その上清1.0dを3
,5−ジニトロ−サリチル酸(3゜5−dinitro
−salicylic acid(DNS) )法にて
還元糖の定量を行った。セルロース粉末分W4活性はセ
ルロース粉末(東洋濾紙社)を、濾紙分解活性は濾紙(
セルラーゼ活性検定用濾紙、東洋随51−特)を用い、
アビセラーゼ活性の時と同様に行った。酵素力価は、上
記の条件下で1分間に1μsolのグルコースに相当す
る還元糖を生成する酵素量を1単位とした。
(4)セロビアーゼ活性 109セロビオース(関東化学社)、100μmolリ
ン酸緩衝液(pH7,0)を含む反応液1、Od中に適
当量の酵素液を30℃で作用させた後、100℃、2分
処理し酵素を失活させた後、生成グルコース量をムロタ
ーゼ・GOD法(Glucose C−Te5t、和光
純薬工業社)で測定した。
酵素力価は、上記の条件下で1分間に2μsolのグル
コースを生成する酵素量を1単位とした。
(酵素学的性質) (1)作用 セルロース、濾紙、アビセル、CMC等のins素によ
く作用し、これらを溶解せしめ、グルコース等の還元糖
を生成する。
(2)基質特異性 本酵素はCMCの他にも、セルロース粉末、アビセル、
濾紙及びp−ニトロフェニルセロビオシドに対する活性
を有していた。
(3)作用pH及び最適pH 作用p++範囲は、3〜12,5と極めて広範囲に才た
る。最適pHは、7であり、4〜11の範囲にかいても
至適pHに於ける活性の50%以上の相対に性を有して
おり、過去に研究されたセルラーゼσ中でも最もアルカ
リ側で作用pH範囲が広い酵素2言える(第1図)。
(4)pH安定性 ゛各々のpl+で30℃、1時間保持した後の残存り性
を測定し、pH安定性を調べた。その結果、p115〜
12で極めて安定で失活せず、pH3,5〜12.5に
於いても、約50%以上の活性を維持していた。
本酵素は、このように高アルカリ領域に於いても充分に
安定である(第2図)。
(5) fin適温度 作用温僚は、15〜85℃の広範囲にわたり、その至適
温度は60℃であった。又、45〜75℃の範囲に於い
ても、至適温度での活性の50%以上を有していたく第
3図)。
(6)温度安定性 至適pHに於いて、30分間各温度で処理した模、) 
 残存活性を測定した結果、50℃では安定してお: 
 リ、60℃に於いても約50%の残存活性を有しi 
 ていたく第4図)。
)(7)分子量 本酵素をセファデックスG−100(“5epha−d
exG−100°゛)によるゲル濾過法に基づき分子量
を測定したところ、約1.8万と約2.9万に主5  
たるピークが観察された。
(8)金属イオンの影響 本酵素について、各種金属イオン(M3+ 、 F63
+。
Ba2” 、 Ca2+ 、 Cd2+ 、 Co2+
 、 Cr2+ 、 Cu2+ 、 Fc2÷。
11g”、  Hn”、  No”、  m”、  P
b”、  Zn”、  Li十 。
に十、 Ha” )を活性測定時に共存させて、その影
響を検討したく各種金属イオン濃度は1mH,K”。
Ha十は5QmHである)。
その結果、Hg2+で阻害が、Ca” 、 Cd2÷、
Ba2+1.:より活性化が認められた。
(9)界面活性剤の影響 各種界面活性剤(例えば、LAS、As、ES。
AO8,α−3FESSAS、石鹸、ポリオキシエヂレ
ンセカンダリーアルキルエーテル)の酵素活性に及ぼす
影響を調べた。界面活性剤0.05%溶液で30℃、1
5分間処理後、活性測定を行った。その結果、何れの界
面活性剤によってもほとんど阻害を受けなかった。強力
なデタージエントであるソデイウム・ドデシルサルフェ
ートによっても活性の阻害は認められなかった。
(10)プロテアーゼ耐性 洗剤用プロテアーゼ、例えばAPI−21(昭和電工)
、マクサターゼ(ギスト社)及びアルカラーt!(ノボ
社)を、活性測定時に共存(0,11Rg/d)させて
その影響を調べたところ、何れのプロテアーゼに対して
も強い耐性を有することがわかった。
(11)キレート剤の影響 キレート剤であるEDTA、EGTA、クエン酸、ゼオ
ライト、トリポリリン酸ソーダを活性測定時に共存させ
、その影響を検討したが、はとんど阻害は認められなか
った。
〔発明の効果〕
本発明のセルラーゼに−539は、至適pHを7に有す
るにもかかられず高アルカリのptlloにおいても最
適pHの80%以上、I)Hllに於いても60%以上
の相対活性を有し、p115〜12に於て極めて安定で
ある。また、界面活性剤、プロテアーゼ、キレート剤等
の洗浄剤配合成分によってもほとんど阻害を受けない。
したがって、本酵素は洗浄剤組成物の配合成分として有
利に使用することができるものである。
また、本発明の菌株、バチルス エスピーKSM−53
9は中性で生育する菌株であるので、好アルカリ性11
111と比べ容易にアルカリ耐性セルラーゼを工業的に
生産することができる。
(実施例〕 以下、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 栃木県芳賀郡市貝町の土壌を薬匙一杯(約0.59)を
滅菌生理食塩水に懸濁し、80℃で10分間熱処理した
。この熱処理液の上清を適当に希釈して、分離用寒天培
地(培地1)に塗布した。次いで、これを30℃にて3
日間培養し、集落を形成させた。集落の周囲にCMCの
溶解に基づく透明帯を形成するものを選出し、CMCア
ーゼ生産菌を取得した。更に、取得菌を培地2の液体培
地に接種し、30℃で3日間振盪培養した。培養後、遠
心分離した上清液についてCMCアーゼ活性を、p]1
3〜13にて測定し、アルカリ耐性セルラーゼ生産菌を
スクリーニングした。
上述の方法により、本発明のバチルス エスピー KS
M−539株(FERM  P−9011)を取得する
ことが出来た。
培地1.  CMC2% ポリペプトン        0.5%醇母エキス  
       0.05%KH2PO40,1% Na2HPO4・12H200,25%MgSO4・7
H200,02% 培地2.  CMo         1%ポリペプト
ン        1% 酵母エキス         0.5%KH2POa 
        O,1%Naz HPOa・12H2
00,25%MgSO4・7H200,02% 1)!1 6.8 実施例2 実施例1で得たバチルス エスピー KSM−539を
実施例1の液体培地2に接種し、30℃で3日間振盪培
養した。培養後、菌体を遠心分離して除き、粗酵素液を
得た。この粗酵素液11に対して、ドライアイス−エタ
ノール中で31のエタノールを加え、生じた沈澱を遠心
分離し更に凍結乾燥を行ない乾燥粉末としてセルラーゼ
に−53999(比活性26単位/!?;1)89にお
ける測定値以下同じ)を得た。
実施例3 液体培地2においてCMCを1%蔗糖に、ポリペプトン
を7%C3L(コーン・スチープ・リカー)に代えた培
地を用い、実施例2に準じて30℃で2日間振盪培養し
た。得られた培養液の遠心分離上清についてそのCMC
アーゼ活性を測定したところ40単位/iであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、酵素反応puと相対活性の関係を示す図面で
ある。 第2図は、酵素処理pl+と相対活性の関係を示す図面
である。 第3図は、酵素反応温度と相対活性の関係を示す図面で
ある。 第4図は、酵素処理温度と相対活性の関係を示す図面で
ある。 以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、次の酵素学的性質を有するアルカリ耐性のセルラー
    ゼK−539。 (1)作用 カルボキシメチルセルロース、セルロース、ろ紙、アビ
    セル等の繊維素によく作用し、これらを溶解せしめ、グ
    ルコース等の還元糖を生成する。 (2)基質特異性 カルボキシメチルセルロースの他にも、セルロース粉末
    、アビセル、濾紙及びp−ニトロフェニルセロビオシド
    に対する活性を有する。 (3)作用pH及び最適pH 作用pH範囲は、3〜12.5である。最適pHは、7
    であり、4〜11の範囲に於いても至適pHに於ける活
    性の50%以上の相対活性を有する。 (4)pH安定性 pH5〜12で極めて安定で失活せず、pH3.5〜1
    2.5に於いても、約50%以上の活性を維持する。 (5)最適温度 作用温度は、15〜85℃の広範囲にわたり、その至適
    温度は60℃である。また、45〜75℃の範囲に於い
    ても、至適温度での活性の50%以上を有している。 (6)分子量 約1.8万と約2.9万に分子量のピークを有する(セ
    ファデックスG−100を用いたゲルろ過法による)。 (7)金属イオンの影響 Hg^2^+で阻害され、Ca^2^+、Cd^2^+
    及びBa^2^+により活性化される。 (8)界面活性剤の影響 LAS、AS、ES、AOS、α−SFE、SAS、石
    鹸、ポリオキシエチレンセカンダリ−アルキルエーテル
    は、活性をほとんど阻害しない。 (9)プロテアーゼ耐性 プロテアーゼに対して耐性を有する。 (10)キレート剤の影響 EDTA、EGTA、トリポリリン酸ソーダ、ゼオライ
    ト、クエン酸は活性を阻害しない。 2、バチルス属に属し、セルラーゼK−539生産性を
    有する微生物。
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