JPS6326962Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、トラクタの機体フレームの前下部
を構成する部材であるフロントアクスルブラケツ
トに関するものである。

［従来の技術及び考案が解決しようとする課題］ 従来、トラクタはトラクタの下部に設けられて
いるラジエータやパワーステアリング本体、及び
舵取部材であるタイロツドアーム等がトラクタの
下部に大きく突出して設けられている。そこで、
之等のラジエータ、パワーステアリング本体、及
びタイロツドアーム等が畦、畝等地上に突出して
いる障害物に衝突し易く、トラクタの安全な走行
と正確な舵取動作が阻害せられるような欠陥があ
つた。そこで、之等の欠陥を克服するために、前
記各部材を上方位置に設けようとすれば、トラク
タ全体の高さが高くなり、依つて、その重心位置
も高くなつて、軟弱地や傾斜地における車体傾倒
の危険が増すことになる。依つて、このような危
険を防止し、更に、前記各部材を強固に保護して
円滑なる舵取動作を可能にする為に解決せらるべ
き技術的課題が生じてくるのであり、この考案
は、この課題を解決することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案は、上記目的を達成せんとして提案せ
られたものであり、動力農機の機体フレームの前
下部を構成しているフロントアクスルブラケツト
４を、上面が開口された厚肉の箱状に形成し、上
記箱状部分の内側には、縦方向に配設されたタイ
ロツド駆動軸１５を有するパワーステアリングの
本体７を該フロントアクスルブラケツト４に強直
に設けた取付座４ｄ上に取付けることにより、該
本体７を収納し、上記タイロツド駆動軸１５に固
設したタイロツドアーム１３のタイロツドエンド
部１３ａを、フロントアクスルブラケツト４の箱
状の空洞４ｃ内に位置せしめて設け、上記フロン
トアクスルブラケツト４の下腹部には、機体の進
行方向に平行な略水平状の支承部３を設けて、フ
ロントアクスル１をこの支承部３によつてフロン
トアクスルブラケツト４へ揺動自在に支承したこ
とを特徴とするトラクタのフロントアクスルブラ
ケツトを提供せんとするものである。

［実施例及び考案の作用効果］ 以下、本考案を別紙添付図面に従つて詳述す
る。１はフロントアクスルであり、このフロント
アクスル１をセンターピボツトの如き支承部３に
よつて左右方向揺動可能に枢着したフロントアク
スルブラケツト４を厚肉の箱形に形成して上面に
は開口部４ａを設け、又、このフロントアクスル
ブラケツト４の箱形の底部４ｂは上記支承部３よ
りも上方に位置せしめ、図示外のステアリングハ
ンドルの回動操作に連動してフロントアクスルを
回向させるためのベベルギヤー５付駆動シヤフト
６等を内装したパワーステアリングの本体７を前
記厚肉のフロントアクスルブラケツト４の箱形内
面に一体的成形等により強直に設けた取付座４ｄ
に取付けることにより、該本体７を該箱形内部収
納し、更に、この本体７に取付けて噛合うベベル
ギヤー８を軸支できるように形成したケース９を
前記フロントアクスルブラケツト４内の前部に収
納し、又、上記のパワーステアリング機構或は作
業機の昇降位置調節機構などに使用する油圧源発
生のためのギヤーポンプ１０ａ，１０ａをフロン
トアクスルブラケツト４内の左右側部に収納し、
更に、該パワーステアリングの本体７の後方にて
このフロントアクスルブラケツト４にラジエータ
１１の下部をラジエータ受１２を介して取付け
る。又、動力農機の進行方向に対して横向きに設
けたパワーステアリングの本体７より下方に垂設
されたタイロツド駆動軸にタイロツドアーム１３
の一端を連結し、他端のタイロツドエンド部１３
ａはフロントアクスルブラケツト４の下部に形成
した空洞４ｃ内に位置するようにして、このタイ
ロツドエンド部１３ａに左右のナツクルアームを
連結するタイロツド１４を枢着連結し、支承部３
の廻りに揺動するフロントアクスルハウジング２
はタイロツド１４及びタイロツドアーム１３に支
障を与えないように形成する。

この考案に係るフロントアクスルブラケツトは
上述のように構成したものであつて、トラクタの
前下部に設けられているパワーステアリングの本
体７及び、この本体７に設けられているタイロツ
ドアーム１３のタイロツドエンド１３ａは、フロ
ントアクスルブラケツト４の厚肉の箱状の空洞４
ｃ内に位置して、このフロントアクスルブラケツ
ト４によつて保護されるので、畦越え作業や畝を
跨いで行う農作業、更には、開墾作業のように地
表上に突出している畦、畝又は木の根、石塊等の
障害物に対して、上記パワーステアリングの本体
７、タイロツド駆動軸１５、タイロツドアーム１
３、タイロツドエンド１３ａ等の舵取部材は、厚
肉のフロントアクスルブラケツト４に保護せら
れ、以て、障害物の衝突から回避できてその破損
防止に寄与すると共に、常に、これらの舵取部材
の円滑な舵取動作が確保されるのであつて、走行
の際、トラクタの車体はフロントアクスルブラケ
ツト４の支承部３の廻りに、常に揺動するもので
ある為、上記の各作業に於て、特に左右或は前後
に傾いて上記舵取部材も地表に一層接近すること
になるが、フロントアクスルブラケツト４による
上記強力な保護効果のため、車体の揺動傾動に拘
らず、特別なカバーを要せずにタイロツドアーム
１３等の前下部の舵取部材が円滑に動作すること
ができるのである。

又、パワーステアリングの本体７及びタイロツ
ドアーム１３等の舵取部材は、機体フレームの前
下部を構成しているフロントアクスルブラケツト
４によつて強固に支架されて、これによつても円
滑な舵取動作が確保できたのてある。更に、フロ
ントアクスルブラケツト４は厚肉一体構造ではあ
るが、下方部に空洞４ｃが設けられていることに
より、トラクタの重量調整が容易であり、且つ、
前記支承部３の軸取付けも、該空洞４ｃ間に架設
できるので容易となる等、正に、著大なる効果を
奏する考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るフロントアクスルブラ
ケツトを適用した動力農機の前部縦断側面図、第
２図は第１図における要部縦断前面図である。 １……フロントアクスル、２……フロントアク
スルハウジング、３……支承部３、４……フロン
トアクスルブラケツト、４ａ……開口部、４ｂ…
…底部、４ｃ……穴、４ｄ……取付座、５，８…
…ベベルギヤー、６……駆動シヤフト、７……本
体、９……ケース、１０ａ，１０ｂ……ギヤーポ
ンプ、１１……ラジエータ、１２……ラジエータ
受、１３……タイロツドアーム、１３ａ……タイ
ロツドエンド部、１４……タイロツド、１５……
タイロツド駆動軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 動力農機の機体フレームの前下部を構成してい
   るフロントアクスルブラケツト４を、上面が開口
   された厚肉の箱状に形成し、上記箱状部分の内側
   には、縦方向に配設されたタイロツド駆動軸１５
   を有するパワーステアリングの本体７を該フロン
   トアクスルブラケツト４に強直に設けた取付座４
   ｄ上に取付けることにより、該本体７を収納し、
   上記タイロツド駆動軸１５に固設したタイロツド
   アーム１３のタイロツドエンド部１３ａを、フロ
   ントアクスルブラケツト４の箱状の空洞４ｃ内に
   位置せしめて設け、上記フロントアクスルブラケ
   ツト４の下腹部には、機体の進行方向に平行な略
   水平状の支承部３を設けて、フロントアクスル１
   をこの支承部３によつてフロントアクスルブラケ
   ツト４へ揺動自在に支承したことを特徴とするト
   ラクタのフロントアクスルブラケツト。