JPS63267136A - 工作機械の自動工具交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、工作機械の自動工具交換装置に関し、更に
詳しくは、フレームに対し主軸ヘッドを往復移動自在に
配設し、工具ホルダの把持手段を複数備えた工具マガジ
ンを回転させると共に、前記主軸ヘッドの往復移動によ
り前記主軸ヘッドと工具マガジンとの間で工具ホルダの
受渡しを自動的に行なう工作機械において、前記工具ホ
ル・ダの受渡しく工具ホルダの装着および抜き取り）に
要する時間を短縮化し得る自動工具交換装置に関するも
のである。

従、来技術 被加工物に対し、ねじ切りや孔開は等多種の加工を単一
の装置で複合的になし得るよう構成したマシニングセン
タ（ＭＣ）に代表される多機能工作機械では、タップや
ドリル等の工具を予め所定の収納個所に多数格納してお
き、所望の工具を適時に選択して、これを使用が終了し
た工具と自動的に交換する装置（ＡＴＣ）が一般に配設
されている。

この自動工具交換装置としては、種々の形式のものが提
案されているが、主軸ヘッドを垂直方向（以下ｒＺ軸方
向」という）に移動させ、この主軸ヘッドに対し昇降自
在に配設した工具マガジンとの間で、カム機構を利用し
て工具交換を行なうようにした機構が実用化されている
。

例えば出願人による先の出願に係る特開昭６０−１５５
３８８号公報に掲載される工作機械では。

工具の回転割出し可能な工具マガジンを、Ｚ軸方向に移
動可能に配設した主軸ヘッドとは独立してフレーム上に
昇降移動自在に配設し、前記主軸ヘッドの第１段階の復
動により工具マガジンに取付けた把持部材が主軸先端の
工具を把持し、主軸ヘッドの第２段階の復動により主軸
の工具に対する挟持を解除し、更に主軸ヘッドの第３段
階の復動により主軸から工具を完全に離脱させ１次いで
工具マガジンを回転割出しした後に、主軸ヘッドに先と
は逆の段階的な往動動作を行なわせて、一連の工具交換
シーケンスを達成するよう構成しである。すなわち、こ
の自動工具交換装置では、主軸から工具マガジンへの工
具ホルダの受渡しと、工具マガジンから主軸への工具ホ
ルダの受渡しの両動作の開始から終了までの間において
、前記工具マガジンを主軸ヘッドのＺ軸方向運動に対し
並走させて、工具ホルダの両受渡し運動を確実に行ない
得るようにしたものである。

発明が解決しようとする問題点 主軸ヘッドをＺ軸方向に移動させ、また主軸ヘッドとは
独立に工具マガジンを並走させて、主軸と工具マガジゾ
との間で工具の相互受渡しを行なう自動工具交換装置で
は、前述した如く工具の受渡し動作中に工具マガジン全
体が上下動する構成となっている。しかるに当該工具マ
ガジンには、工具ホルダを着脱自在に保持する把持手段
が放射状に多数配設されて、それ自体の重量は相当大き
なものとなっている。従って工具を迅速に受渡しするた
め、工具マガジンを高速で上下動させようとすると、当
該工具マガジンの質量に起因して大きな慣性モーメント
が発生し、工具ホルダを介して前記把持手段と主軸とが
衝合した際の機械的ショックが極めて大きくなる欠点が
ある。

そこで前記ショックを緩和するために、主軸ヘッドのＺ
軸方向への運動速度を小さくして、工具マガジンの質量
に起因する慣性モーメントを抑制する対策が一般に採ら
れている。しかし主軸ヘッドが、Ｚ軸方向に高速移動し
得る充分な能力を有しているにも拘らず、前述したショ
ック緩和の目的で当該主軸ヘッドの運動速度を低下させ
るということは、すなわち工具交換に多くの時間が掛か
ることを意味している。これは、現今の如く多品種少量
生産に対応するため頻繁な工具交換を要し、交換時間の
短縮が必要とされている現状に大きく逆行するものであ
る。

発明の目的 この発明は、移動している主軸ヘッドから工具を工具マ
ガジンに受渡し、また工具マガジンから工具を移動して
いる主軸ヘッドに受渡す際に、工具マガジンに配設した
工具ホルダ保持用の複数の把持手段を夫々独立して運動
可能に構成し、工具の受渡しに必要な運動部分の質量を
最小限に抑えることにより、主軸ヘッドを高速で往復移
動させても、工具マガジンに大きな慣性モーメントが生
ずるのを防止し、把持手段と主軸との衝合時の機械的シ
ョックを小さくして、工具交換時間を短縮化することを
目的とする。

問題点を解決するための手段 前記問題点を克服し、所期の目的を好適に達成するため
本発明は、工具ホルダを装着可能な工具保持部を備える
主軸を回転自在に支持し、往復駆動機構によりフレーム
に対して前記主軸の軸線方向に往復駆動される主軸ヘッ
ドと、前記フレームの固定位置に配設され、工具ホルダ
を多数保持したマガジンベースを回転割出し可能に備え
た工具マガジンとを備え、前記主軸を往復駆動して被加
工物に所要の加工を施す工作機械において、前記マガジ
ンベースの周りに放射状に配設した複数の枢支軸に夫々
揺動自在に枢支され、前記主軸ヘッドに指向する側にカ
ムフォロワが形成されると共に、自由端に前記工具ホル
ダを把持可能な２股部を備えるホルダ把持手段と、前記
主軸ヘッドの工具マガジンに指向する側に配設され、前
記カムフォロワと対応的に係合当接および離脱可能なカ
ム面を備えたカム体と、前記ホルダ把持手段に取付けら
れ、該ホルダ把持手段を常には前記主軸ヘッド方向に付
勢するための付勢手段とからなり、前記主軸ヘッドの往
復移動に伴い、前記カム面が前記カムフォロワをカム付
勢して、前記ホルダ把持手段に前記工具保持部に対する
工具ホルダの抜き取りおよび装着を可能とする揺動運動
を付与するよう構成したことを特徴とする。

実施例 次に、本発明に係る工作機械の自動工具交換装置につき
、好適な実施例を挙げて添付図面を参照しながら以下説
明する。第１図は本発明の好適な実施例に係る工作機械
の主要構成部を示す縦断面図、第２図は本発明に使用さ
れる工具マガジンの主要部を示す縦断面図、第３図は第
２図に示す工具マガジンのＡ矢視図、第４図は第２図に
示す工具マガジンのＢ矢視図、更に第５図は本実施例に
係る自動工具交換装置の主要部を概略的に示す分解状態
斜視図である。

（主軸ヘッドおよび工具マガジンについて）第１図に示
す自動工具交換装置を備える工作機械は、垂直なコラム
１０に固設したフレーム１２に配設されてＺ軸方向に往
復移動可能な主軸ヘッド２４と、前記フレーム１２にマ
ガジン支持台５８を介して配設され、内蔵の工具ホルダ
４８を回転割出し可能な工具マガジン６６とを基本的に
備えている。すなわち前記フレーム１２にガイドレール
１４が垂直に配設され、上下の関係で配設した一対の摺
動こま１６，１６を介して主軸ヘッド２４が、前記ガイ
ドレール１４に沿ってＺ軸方向に昇降自在に取付けられ
ている。この主軸ヘッド２４には適宜の位置にナツト１
８が固定され、前記ガイドレール１４に沿って平行に支
持した回転自在なボールねじ２０が、前記ナツト１８に
ねじ込み挿通されている。そして該ボールねじ２０をフ
レーム１２の上方に配置したサーボモータ２２により正
逆両方向に回転駆動することによって、前記主軸ヘッド
２４には、ナツト１８およびボールねじ２０の螺合作用
下に、′ガイドレール１４に沿ってＺ軸方向に昇降する
円滑な運動が付与される。

主軸ヘッド２４の内部には、下端部に工具保持部４２を
備えた主軸４０が回転自在に垂直に配設され、この主軸
４０はフレーム１２の上方に設け４た工具駆動用モータ
３６にカップリング３８を介して連結され、当該モータ
３６により回転駆動されるようになっている。主軸４０
の前記工具保持部４２は、先端に工具５０を装着した工
具ホルダ４８におけるアーバー５２を嵌挿可能になって
おり、この工具ホルダ４８を工具保持部４２に嵌挿する
と、該ホルダ４８に設けたプルスタッド５４が主軸４０
中に設けたホルダ挟持部材４４により′　　挟持（クラ
ンプ）される。またこのホルダ挟持部材４４を、主軸４
０の中心通孔中に同軸的に挿通配置したドローバ−４６
により押圧すると、該ホルダ挟持部材４４による前記プ
ルスタッド５４の挟持が解除（アンクラン・プ）され、
工具ホルダ４８の取外しが可能となる。

（工具ホルダの挟持・挟持解除機構について）前記工具
保持部４２に嵌挿された工具ホルダ４８をクランプし、
また当該クランプを解除するために、クランクレバーお
よびこれに揺動運動を付与するカム機構が設けられてい
る。すなわち主軸ヘッド２４の適宜位置に、支軸３２を
介してクランクレバー３０が揺動自在に枢支され、この
レバー３０における一方の短尺レバー３０ａの先端部が
、前記ドローバ−４６に直交的に突設したピン５６と係
合可能になっている。またクランクレバー３０の他方の
長尺レバー３０ｂに図示形状の板カム２８が固定され、
当該板カム２８はその移動軌跡に位置するよう前記サー
ボモータ２２に配設したカムフォロワ２６と係合離脱可
能になっている。なお前記長尺レバー３０ｂと主軸ヘッ
ド２４との間に引張コイルばね３４が弾力的に介装され
、クランクレバー３ｏを常には時計方向に付勢して、短
尺レバー３０ａによる前記ピン５６の抑圧を解除してい
る。

そして前記サーボモータ２２の駆動により主軸ヘッド２
４が上昇すると、その上昇過程においてクランクレバー
３０に設けた板カム２８が固定位置に配置した前記カム
フォロワ２６と係合し、当該クランクレバー３ｏに支軸
３２を中心とする反時計方向の動きを付与する。これに
より短尺レバー　３０　ａが前記ピン５６を下方に押圧
し、ドローバ−４６を介してホルダ挟持部材４４を付勢
し、工具ホルダ４８のプルスタッド５４に対するクラン
プを解除する。

（工具マガジンの回転割出機構について）フレーム１２
に固設したマガジン支持台５８には、第１図に示すよう
に、主軸ヘッド２４の昇降領域と隣接して斜め左下方に
指向する支持軸６０が配設され、この支持軸６０に図示
形状のマガジンベース６４が、軸受６２を介して回転自
在に枢支されている。当該マガジンベース６４には、後
に説明するホルダ把持手段として機能するグリップアー
ム８２が、放射状に所要の中心角で複数個（図示例では
１０個）揺動自在に配設されている。

このマガジンベース６４には、前記支持軸６０を中心と
する割出円板８０がボルト７９を介して固定され、この
割出円板８０の一側面にローラ形状のカムフォロワ７８
が、後述のグリップアーム８２の配設位置に対応させて
複数個（実施例では１０個）設けられている。

第１図および第１図のＣ矢視図である第６図に示す如く
、前記マガジン支持台５８に垂直配置したケーシング６
７の上部に割出し用モータ６８が倒立配置され、このモ
ータ６８の回転軸６９に駆動軸７０がカップリング７１
を介して接続・されている。この駆動軸７ｏの下端部に
はベベルギヤ７２が固定され、当該ベベルギヤ７２は軸
受７３゜・７３を介して水平に枢支した回転軸７５に設
けたベベルギヤ７４と噛み合って、当該回転軸７５に所
要方向の回転を付与し得るようになっている。

前記回転軸７５には、外周面に所要の曲線を描くカム溝
７６ａが形成されたバレルカム７６が配設され、このカ
ム溝７６ａに前記割出円板８ｏに放射配置した各カムフ
ォロワ７８が順次嵌合可能になっている。そして当該バ
レルカム７６の回転により１割出円板８ｏに間欠的な割
出し回転が付与される。

（ホルダ把持手段について） 次に、重連した回転割出し機構により割出される所要の
ホルダ把持手段、および当該ホルダ把持手段を工具ホル
ダ４８の受渡しのため揺動駆動する機構につき説明する
。第２図〜第４図に示す如く、工具マガジン６６の一部
を構成するマガジンベース６４には、前記支持軸６０を
中心とする円周方向に、所要の中心角でクレビス８１が
順次配設されている（図示例では１０個）。夫々のクレ
ビス８１には、枢支軸８４を介して図示形状のグリップ
アーム８２が揺動自在に枢支され、該アームの自由端を
半径方向外方に臨ませている。前記グリップアーム８２
の自由端には、殊に第３図に示すように、前記工具ホル
ダ４８の最大直径部を挟持可能な寸法に設定した２股部
８３が形成されている。この２股部８３の各内端部には
、アーム基部に対し直交する方向に行止り孔８３　ａが
穿設され、この行止り孔８３ａに圧縮コイルばね９９に
より弾圧される支持ピン９８が後退可能に収納され、当
該支持ピン９８の先端を２股部内方に臨ませている。従
って２股部８３の両端部では、１対の支持ピン９８．９
８が中心線を整列させてその先端を相互に指向させてい
ることになる。そしてグリップアーム８２の２股部８３
を前記工具ホルダ４８の最大外周部に嵌合させることに
より、１対の支持ピン９８．９８が前記最大外周部に周
設したＶ形溝部４８ａに当接し、圧縮コイルばね９９の
弾力に抗して後退した状態で工具ホルダ４８を保持する
。

またグリップアーム８２の他端部にも別の行止り孔８２
ａが穿設され、この行止り孔８２ａに圧縮コイルばね９
２と共に一球９０が弾力的に収納されて、当該鋼球９０
の一部を行止り孔８２ａの開孔から突出させている。ま
たマガジンベース６４におけるボス部６４ａには、第２
図に示すように、断面が円弧状を呈する案内面８８ａを
外周に周設したグリップ支持カラー８８が外挿され、こ
の案内面８８ａに前記グリップアーム８２に設けた鋼球
９０が弾力的に当接可能になっている。

なお前記案内面８８ａのマガジンベース６４側にはノツ
チ溝８８ｂが周設され、第１図で割出し待機状態にある
各グリップアーム８２は、その鋼球９０を前記ノツチ溝
８８ｂに落着させて、該アーム８２をその姿勢で安定保
持させ得るようになっている。

第４図および第５図に示す如く、前記グリップアーム８
２の枢支点となる枢支軸８４を挟むアーム長゛手方向の
前後で、かつ該アーム８２の中心線に対し左右に振分け
た位置に、ローラ形状を呈する第１カムフォロワ９４お
よび第２カムフォロワ９６が回転自在に枢支されている
。そしてこの第１カムフォロワ９４および第２カムフォ
ロワ９６は、第１図および第５図に示す複合カム体８６
に形成した第１カム面８６ａおよび第２カム面８６ｂに
、夫々対応的に摺動当接および離間可能となっている。

すなわち第１図に示す如く、主軸ヘッド２４の垂直面で
、かつ前記工具マガジン６６と指向する側に複合カム体
８６が垂直にポル１〜固定され、その第１カム面８６ａ
および第２カム面８６ｂを工具マガジン６６における所
望の工具ホルダ４８の割出し位＠（主軸４０の工具保持
部４２に対応的に割出されたグリップアーム８２と近接
する位置）側に臨ませている。

そしてグリップアーム８２に設けた前記第１カムフォロ
ワ９４および第２カムフォロワ９６は、第７図（ａ）　
〜（ｄ）　、第７図（ｇ）〜（ｉ）および第８図に関し
て後述する如く、原点Ｚを中心とする主軸ヘッド２４の
所要の昇降領域内で、前記複合カム板８６の第１カム面
８６ａおよび第２カム面８６ｂと夫々対応的に摺動自在
に当接するよう位置設定されている。そして前記主軸ヘ
ッド２４をＺ軸方向に昇降移動させると、後述する条件
の下で第１カムフォロワ９４が第１カム面８６ａに、ま
た第２カムフォロワ９６が第２カム面８６ｂに当接して
、各対応のカム作用下に前記グリップアーム８２は枢支
軸８４を中心として所定の揺動運動を行なう。このとき
グリップアーム８２の他端部に設けた鋼球９０は、グリ
ップ支持カラー８８に周設したノツチ溝８８ｂから離脱
し、その案内面８８ａに倣いつつ移動することになる。

（実施例に係る装置の動作） 次に、このように構成した実施例に係る自動工具交換装
置の動作につき、第７図（ａ）〜（ｉ）を参照して以下
説明する。なお前述した如く、主軸ヘッド２４およびこ
れに固定した複合カム体８６は、サーボモータ２２の回
転によるボールねじ２０とナツト１８との螺合作用下に
、Ｚ軸方向の昇降移動を与えられるが、工具マガジン６
６自体はフレーム１２上の定位置にあって、割出し用モ
ータ６８の回転によりマガジンベース６４を回転させ。

各グリップアーム８２に保持された工具ホルダ４８の割
出しを行なうものである。従って第７図（ａ）〜（ｉ）
の全てに亘って、主軸ヘッド２４の基準動作レベルとな
る２原点が設定されている。またこの第７図（ａ）〜（
ｉ）に関連する各部材の動作タイミングを、第８図にチ
ャートとして示す。

第７図（ａ）は、本発明に係る工作機械により、被加工
物９１を切削している状態を示す、主軸ヘッド２４にお
ける主軸４０の下部開放端は、ＺＪＪｉ点より下方に位
置していて、この状態でグリップアーム８２に設けた第
１カムフォロワ９４は、対応する複合カム体８６の第１
カム面８６ａを上昇しきった位置にある。また第２カム
フォロワ９６は対応する第２カム面８６ｂの最下部に位
置して、当該グリップアーム８２の２股部８３を最も左
方向に振り切った状態に保持している。すなわち２股部
８３は、主軸４０の工具保持部４２に装着した特定の工
具ホルダ４８から大きく離間して位置し、このため主軸
ヘッド２４は単独で被加工物９１に向は下降して所要の
切削加工を行なうことができる。

第７図（ｂ）は、主軸ヘッド２４が上昇して、主軸４０
の下部開放端が原点Ｚと略一致した状態を示している。

主軸４０はオリエンテーシミン（回転方向位置決め）終
了の状態となっており、グリップアーム８２の第１カム
フォロワ９４は前記第１カム面８６ａの中途に位置し、
また第２カムフォロワ９６は第２カム面８６ｂの中途に
位置して、当該グリップアーム８２を枢支軸８４を中心
として反時計方向に僅かに揺動させている。これにより
２股部８３に設けた一対の支持ピン９８．９８（第３図
）を、前記工具ホルダ４８の最大直径部に形成され水平
に位置している前記Ｖ形溝部４８ａに一致させて近接し
ている。すなわちこの時点では、支持ピン９８．９８は
Ｖ形溝部４８ａに未だ嵌合しておらず、従って工具５０
による被加工物９１に対する加工が可能である。なお２
股部８３の支持ピン９８．９８が、第７図（ｄ）に示す
グリップ動作の終了まで継続して工具ホルダ４８のＶ形
溝部４８ａに追従動作し得るよう、前記第１カム面８６
ａおよび第２カム面８６ｂのカム設計がなされている。

次に工具ホルダ４８を交換するべく、主軸ヘッド２４が
原点２よりも１例えば距離３０だけ上昇した状態を第７
図（ｃ）に示す。このレベルまで主軸ヘッド２４が上昇
する過程で、前述したクランクレバー３０の板カム２８
が前記カムフォロワ２６に接触係合するに至り、当該ク
ランクレバー３０は引張コイルばね３４の弾力に抗して
反時計方向への回動を開始する。また原点２より上方へ
の主軸ヘッド２４の上昇に伴い、複合カム体８６の第１
カム面８６ａおよび第２カム面８６ｂは、夫々対応の第
１カムフォロワ９４および第２カムフォロワ９６を付勢
して、グリップアーム８２を反時計方向に更に揺動させ
る。これによりグリップアーム８２の２股部８３に設け
た一対の支持ピン９８．９８は、工具ホルダ４８のＶ形
溝部４８ａに整列して追従移動し、当該支持ピン９８．
９８をコイルばね９９，９９の弾力に抗して後退させな
がら、主軸４０の中心線Ｃ上に位置するに至る。

なおこの時点で、前記クランクレバー３０の短尺レバー
３０ａがドローパー４６に設けたピン５６を押下げ始め
、工具ホルダ４８のプルスタッド５４に対するホルダ挟
持部材４４による挟持の解除を開始する。

第７図（ｄ）は、主軸ヘッド２４が原点２よりも距離５
０だけ上昇した状態を示している。第８図から判明する
如く、この状態に至る直前で、前記クランクレバー３０
は完全に揺動しきって、ホルダ挟持部材４４はプルスタ
ッド５４を解除し、工具ホルダ４８に対するアンクラン
プを終了している。

グリップアーム８２は１両カム面８６ａ、８６ｂと各対
応のカムフォロワ９４．９６との作用下に反時計方向に
更に揺動して、該アーム８２の鋼球９０をグリップ支持
カラー８８のノツチ溝８８ｂ中に落着させて安定しその
動作を終了している。またアーム２股部８３の支持ピン
９８．９８が、工具ホルダ４８のＶ形溝部４８ａを完全
に把持して、グリップアーム８２による工具ホルダ４８
のチャッキングがなされる。

またこの時点から、工具ホルダ４８の抜き取りが開始さ
れる。すなわち第７図（ｄ）に示す位置から主軸ヘッド
２４が更に上昇して、例えば第７図（ｅ）に示す如く当
該主軸ヘッド２４が原点Ｚから距離１３８だけ上昇する
と、被加工物９１の加工に使用されていた工具ホルダ４
８はグリップアーム８２に把持されたまま残留し、これ
により工具ホルダ４８の抜き取り（主軸ヘッド２４から
工具マガジン６６への受渡し）が完了している。この状
態で、第１図および第６図に関して説明した割出し用モ
ータ６８が回転駆動され、バレルカム７６およびカムフ
ォロワ７８のカム作用下に、割出円板８０の回転割出し
がなされる。これにより次に使用される工具ホルダ４８
を保持した別のグリップアーム８２が、前記主軸ヘッド
２４の工具保持部４２の直下に中心線Ｃを整列させて位
置する（第７図（ｆ）参照）。

次いで、この新たに割出された工具ホルダ４８に主軸ヘ
ッド２４の工具保持部４２が嵌挿される過程を説明する
。サーボモータ２２を逆方向に回転させると、ボールね
じ２０およびナツト１８の螺合作用下に主軸ヘッド２４
は、第７図（ｆ）に示す距１１ｉ１３８の位置から第７
図（ｇ）に示す距離５０の位置まで下降する。この主軸
ヘッド２４の下降により、新たに割出された工具ホルダ
４８のアーバー５２は工具保持部４２中に挿入される。

なお第７図（ｅ）および（ｆ）では、両カムフォロワ９
４．９６は複合カム体８６の両カム面８６ａ、８６ｂか
ら離脱していたが、この第７図（ｇ）に示す状態に至っ
て。

両カムフォロワ９４．９６は再び対応の両カム面８６ａ
、８６ｂと係合当接して、グリップアーム８２の逃し動
作が開始される。すなわちグリップアーム８２は、枢支
軸８４を中心とする時計方向への揺動を開始し、該アー
ム８２の二股部８３に設けた支持ピン９８．９８が、工
具ホルダ４８に形成したＶ形溝部４８ａの動きに追従す
る動作を行なう。

また主軸ヘッド２４が、第８図に示すように、距離４７
まで下降すると、今迄カムフォロワ２６に係合して当該
クランクレバー３０を反−針方向に揺動させていた板カ
ム２８は、前記カムフォロワ２６から逃げ始め、工具ホ
ルダ４８のプルスタッド５４に対するホルダ挟持部材４
４による挟持を開始する。

第７図（ｈ）に示す如く、主軸ヘッド２４が更に下降し
て原点Ｚに対し距離３０の位置まで近接すると、前記ク
ランクレバー３０における板カム２８はカムフォロワ２
６から完全に離脱し、これによりホルダ挟持部材４４が
プルスタッド５４を挟持してクランプ動作を終了する。

またグリップアーム８２は、その両カムフォロワ９４．
９６が対応の両カム面８６ａ、８６ｂと連繋動作するこ
とにより。

アーム先端に設けた鋼球９０がグリップ支持カラー８８
のノツチ溝８８ｂから離脱し、時計方向に揺動する。

更に主軸ヘッド２４が下降し、第７図（ｉ）に示す如く
、主軸４０の下部開放端が原点Ｚに一致すると、グリッ
プアーム８２は工具保持部４２に嵌挿保持された工具ホ
ルダ４８から完全に離脱する。

これにより主軸４０の回転が許容され、被加工物９１に
対する加工を可能とする。更にこの原点Ｚよりも主軸ヘ
ッド２４が下降すると、グリップアーム８２は、例えば
第７図（ａ）に示す如く、更に離間方向へ逃げ、主軸ヘ
ッド２４による被加工物９１に対する単独の下降が可能
とされる。従って本実施例においては、カム体８６に第
２カム面８６ｂを設けると共に、グリップアーム８２に
第２カムフォロワ９６を設けたので、主軸ヘッド２４の
移動によるグリップアーム８２の時計方向への過揺動を
防止することができる。

発明の詳細 な説明した如く、本発明に係る工作機械の自動工具交換
装置によれば、工具の交換に必要な各部材の運動を必要
最小限に止どめ、かつその運動部分を細分化することに
より各部品の質量の低減を図り、高速運動を可能とした
ものであって、従って主軸ヘッドが高速で移動しても容
易に工具交換を行なうことができ、工具交換時間を短縮
することができる有益な利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る工作機械の自動工具交換装置の好
適実施例に係る主要構成部分の概略構成を示す縦断面図
、第２図は工具マガジンの主要部分を示す縦断面図、第
３図は第２図に示す工具マガジンのＡ矢視図、第４図は
第２図に示す工具マガジンのＢ矢視図、第５図は本実施
例に係る自動工具交換装置の要部を概略的に示す分解状
態斜視図、第６図は本実施例に使用する工具マガジン割
出し機構の一実施例を示す第１図のＣ矢視図、第７図（
ａ）〜（ｉ）は、固定位置に配置した工具マガジンとＺ
方向に昇降する主軸ヘッドと当該工具マガジンに回転割
出し自在に設けたグリップアームの夫々の経時的な動作
を示す概略説明図、第８図は第７図（ａ）〜（ｉ）に示
す主軸ヘッドの移動に対応する各部材の動作を経時的に
示すタイムチャート図である。 １２・・・フレーム　　　１８・・・ナツト２０・・・
ボールねじ　　２２・・・サーボモータ２４・・・主軸
ヘッド　４０・・・主軸４２・・・工具保持部　４８・
・・工具ホルダ６４・・・マガジンベース ６６・・・工具マガジン ８２・・・ホルダ把持手段（グリップアーム）８３・・
・２股部　　　８４・・・枢支軸８６・・・複合カム体 ８６ａ・・・第１カム而８６ｂ・・・第２カム而９４・
・・第１カムフォロワ ９６・・・第２カムフォロワ 特許出願人　　　　　ブラザー工業株式会社手　　続　
　補　　正　　書（自発） 昭和６３年　２月−ダ日

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 〔１〕工具ホルダ（４８）を装着可能な工具保持部（４
   ２）を備える主軸（４０）を回転自在に支持し、往復駆
   動機構（１８、２０、２２）によりフレーム（１２）に
   対して前記主軸（４０）の軸線方向に往復駆動される主
   軸ヘッド（２４）と、前記フレーム（１２）の固定位置
   に配設され、工具ホルダ（４８）を多数保持したマガジ
   ンベース（６４）を回転割出し可能に備えた工具マガジ
   ン（６６）とを備え、前記主軸（４０）を往復駆動して
   被加工物（９１）に所要の加工を施す工作機械において
   、 前記マガジンベース（６４）の周りに放射状に配設した
   複数の枢支軸（８４）に夫々揺動自在に枢支され、前記
   主軸ヘッド（２４）に指向する側にカムフォロワ（９４
   ）が形成されると共に、自由端に前記工具ホルダ（４８
   ）を把持可能な２股部（８３）を備えるホルダ把持手段
   （８２）と、 前記主軸ヘッド（２４）の工具マガジン（６６）に指向
   する側に配設され、前記カムフォロワ（９４）と対応的
   に係合当接および離脱可能なカム面（８６ａ）を備えた
   カム体（８６）と、 前記ホルダ把持手段（８２）に取付けられ、該ホルダ把
   持手段（８２）を常には前記主軸ヘッド（２４）方向に
   付勢するための付勢手段（９２）とからなり、前記主軸
   ヘッド（２４）の往復移動に伴い、前記カム面（８６ａ
   ）が前記カムフォロワ（９４）をカム付勢して、前記ホ
   ルダ把持手段（８２）に前記工具保持部（４２）に対す
   る工具ホルダ（４８）の抜き取りおよび装着を可能とす
   る揺動運動を付与する よう構成したことを特徴とする工作機械の自動工具交換
   装置。 〔２〕前記カム体（８６）は、前記ホルダ把持手段（８
   ２）の前記付勢手段（９２）による反付勢方向への揺動
   を規制するカム面（８６ｂ）を備え、前記ホルダ把持手
   段（８２）は、前記カム面（８６ｂ）に係合当接可能な
   カムフォロワ（９４）を備えていることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の工作機械の自動工具交換装置
   。 〔３〕前記カムフォロワ（９４、９６）は、ホルダ把持
   手段（８２）の中心線に対し左右に振分けて夫々配置さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の
   工作機械の自動工具交換装置。 〔４〕前記カム面（８６ａ、８６ｂ）は、前記カム体（
   ８６）の中心線に対し左右に振分けて夫々配置されてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の工作機
   械の自動工具交換装置。 〔５〕前記２股部（８３）の各端部内方にアーム基部に
   対し直交する方向に行止り孔（８３ａ）が穿設され、こ
   の行止り孔（８３ａ）に圧縮コイルばね（９９）と共に
   支持ピン（９８）が後退可能に収納されて、工具ホルダ
   （４８）の最大外周部に周設したＶ形溝部（４８ａ）を
   両支持ピン（９８、９８）により弾力的に嵌合可能にな
   っていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   工作機械の自動工具交換装置。