JPH0938838A - 工作機械における工具クランプ・アンクランプ方法及びその装置 - Google Patents

工作機械における工具クランプ・アンクランプ方法及びその装置

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JPH0938838A
JPH0938838A JP21288295A JP21288295A JPH0938838A JP H0938838 A JPH0938838 A JP H0938838A JP 21288295 A JP21288295 A JP 21288295A JP 21288295 A JP21288295 A JP 21288295A JP H0938838 A JPH0938838 A JP H0938838A
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JP
Japan
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spindle
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unclamping
axis direction
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JP21288295A
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English (en)
Inventor
Tomomichi Kubota
友道 久保田
Yoshito Kitamura
義人 北村
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Hitachi Seiki Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 直交する軸方向に往復移動して工具交換する
主軸を有すし、簡単且つコンパクトな構造で工具交換時
間を短縮することができる工具クランプ・アンクランプ
方法を提供する。 【解決手段】 工具装着部10に工具ホルダ13を付勢
力によりクランプする工具クランプ手段14とを有し、
このクランプ手段14をアンクランプ状態にしたとき主
軸9軸線方向の進退移動により主軸装着部10にホルダ
13を着脱する工作機械において、装着部10にホルダ
13をクランプ・アンクランプする方法であって、主軸
頭5を工具装着位置Cに主軸軸線方向と直交する方向に
移動し、主軸頭5に設けられた揺動手段40が、アンク
ランプ用当接部材76に当接して揺動し、クランプ手段
14を付勢部材の付勢力に抗してアンクランプ状態と
し、ホルダ13を着脱するために主軸頭5を進退移動さ
せるときにも、揺動手段40の揺動状態を保ってアンク
ランプ状態を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸前
端に設けられた工具装着部に装着される工具ホルダをク
ランプ,アンクランプする方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動工具交換装置(以下、ATCと記
載)を備えたマシニングセンタなど工作機械において
は、工具が取付けられたシャンク(以下、工具ホルダと
記載)のテーパ部を、主軸前端に設けられた工具装着部
のテーパ穴に密着させ、工具ホルダを主軸軸線方向に引
っ張ることによりクランプしている。ATCにより主軸
と工具貯蔵マガジンとの間で工具交換を行う場合には、
通常はATCの工具ホルダ把持部又は工具交換アーム
が、主軸の工具装着部に装着された工具ホルダを把持し
た後に、シリンダ装置など工具クランプ・アンクランプ
装置により工具ホルダをアンクランプ状態にする。シリ
ンダ装置により工具をクランプ,アンクランプする場合
には、その構造や制御が複雑になり油圧回路も必要にな
る上に、時間損失も大きい。
【0003】近年の工作機械では、作業能率を向上させ
るために主軸の高速回転化や工具交換時間の短縮化が求
められている。特に、ATCを作動させて工具交換を行
っている時間は工具によるワーク(被加工物)の加工が
できないので、工具交換時間をできるだけ短縮する必要
がある。そこで、工具ホルダをクランプ,アンクランプ
する動作とATCの動作とを連動させて工具交換をする
技術が、特開平3−149150号公報や特公平5−3
7784号公報等に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記各
公報の技術はカム機構により連動させているので、工具
クランプ・アンクランプ装置が大型化するとともに複雑
な構造になっていた。一方、実公昭60−24523号
公報及び特開平4−183505号公報には、工具クラ
ンプ・アンクランプ装置を有し、主軸頭が主軸軸線方向
に往復移動する動作に工具クランプ,アンクランプ動作
を連動させて行う工作機械が開示されている。ところ
が、これら主軸頭は、主軸軸線方向のみに往復移動して
工具クランプ,アンクランプ動作を行う構成のため、工
具マガジンと直接工具交換を行うアームレスATCで
は、工具マガジン側把持部で工具ホルダの被把持部を把
持することができないため採用することができないとい
う課題があった。
【0005】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、主軸軸線方向に直交する軸方向に往復移
動して工具交換する主軸を有する工作機械において、簡
単且つコンパクトな構造で工具交換時間を短縮すること
ができる工具クランプ・アンクランプ方法及びその装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明に係る工作機械における工具クランプ・アン
クランプ方法は、主軸軸線方向及びこの主軸軸線方向と
直交する方向に移動可能な主軸頭と、この主軸頭に回転
自在に支持され、前端に工具装着部が設けられた主軸
と、この主軸内に設けられ、前記工具装着部に工具ホル
ダを付勢部材の付勢力によりクランプする工具クランプ
手段とを有し、この工具クランプ手段をアンクランプ状
態にしたとき前記主軸軸線方向の進退移動により前記主
軸装着部に前記工具ホルダを着脱する工作機械におい
て、前記工具装着部に前記工具ホルダをクランプ・アン
クランプする方法であって、前記主軸頭を工具装着位置
に前記主軸軸線方向と直交する前記直交方向に移動し、
前記主軸の後部の前記主軸頭に設けられた揺動手段が、
前記主軸頭の前記直交方向への移動動作に連動して前記
工作機械の基部に設けられたアンクランプ用当接部材に
当接して揺動し、前記揺動手段の揺動により、前記工具
クランプ手段を前記付勢部材の付勢力に抗してアンクラ
ンプ状態とし、前記工具ホルダを着脱するために前記主
軸頭を進退移動させるときにも、前記揺動手段の揺動状
態を保ってアンクランプ状態を維持する。
【0007】より好ましい方法は、主軸軸線方向及びこ
の主軸軸線方向と直交する方向に移動可能な主軸頭と、
この主軸頭に回転自在に支持され、前端に工具装着部が
設けられた主軸と、この主軸内に設けられ、前記工具装
着部に工具ホルダを付勢部材の付勢力によりクランプす
る工具クランプ手段とを有し、この工具クランプ手段を
アンクランプ状態にしたとき前記主軸軸線方向の進退移
動により前記主軸装着部に前記工具ホルダを着脱する工
作機械において、前記工具装着部に前記工具ホルダをク
ランプ・アンクランプする方法であって、前記主軸頭を
工具装着位置に前記主軸軸線方向と直交する前記直交方
向に移動し、前記主軸の後部の前記主軸頭に設けられた
揺動手段が、前記主軸頭の前記直交方向への移動動作に
連動して前記工作機械の基部に設けられたアンクランプ
用当接部材に当接して揺動し、前記揺動手段の揺動によ
り、前記工具クランプ手段の前記付勢部材の付勢力に抗
して、前記工具ホルダを前記付勢部材の付勢力より弱い
仮保持用付勢力で前記工具装着部に押し付けて仮保持す
る仮保持状態とし、前記工具ホルダを着脱するために前
記主軸頭を進退移動させるときにも、前記揺動手段の揺
動状態を保って仮保持状態を維持する。
【0008】前記方法を実現するための工作機械の工具
クランプ・アンクランプ装置は、主軸軸線方向及びこの
主軸軸線方向と直交する方向に移動可能な主軸頭と、こ
の主軸頭に回転自在に支持され、前端に工具装着部が設
けられた主軸と、この主軸内に設けられ、前記工具装着
部に工具ホルダを付勢部材の付勢力によりクランプする
工具クランプ手段とを有し、この工具クランプ手段をア
ンクランプ状態又は仮保持状態にしたとき前記主軸軸線
方向の進退移動により前記主軸装着部に前記工具ホルダ
を着脱する工作機械において、この工作機械の基部に前
記主軸軸線方向に延在して設けられたアンクランプ用当
接部材と、前記主軸の後部の前記主軸頭に設けられ、前
記主軸頭の前記直交方向への移動動作に連動して前記ア
ンクランプ用当接部材に当接して揺動し、前記工具クラ
ンプ手段をアンクランプ状態又は仮保持状態にする揺動
手段とを備え、前記主軸頭が前記主軸軸線方向に進退移
動したときにも、前記アンクランプ状態又は前記仮保持
状態を維持できるようにしている。前記工作機械は、主
軸頭が主軸軸線方向及びこの軸線方向と直交する方向即
ち上下方向に移動する構成の横形マシニングセンタであ
ることが好ましい。
【0009】前記揺動手段は、コラムに対して移動自在
な前記主軸頭に設けられた本体と、この本体に揺動自在
に取付けられ、前記主軸が前記工具装着位置に対して前
記直交方向に進退移動する動作に連動して、前記コラム
に設けられた前記アンクランプ用当接部材の当接面に押
し当てられて揺動するレバーと、前記本体の中空部に嵌
合し、前記レバーに連結されてこのレバーにより前記主
軸軸線方向に移動する進退部材と、この進退部材に取付
けられドローバを押して前後方向に移動させる押圧部材
とを備えていることが好ましい。
【0010】また、好ましい一態様として、前記工具ク
ランプ・アンクランプ装置は、前記工具ホルダがアンク
ランプ状態の時に前記工具ホルダを弱い付勢力で前記工
具装着部に押付けて仮保持する仮保持装置を有してい
る。この仮保持装置は、前記主軸の貫通孔内に前記主軸
軸線方向に移動自在に設けられて前記弱い付勢力で後方
に付勢された保持体と、この保持体の前端側に保持さ
れ、主軸半径方向に移動して前記工具ホルダのプルスタ
ッドに係合離脱する第1の係合体と、この第1の係合体
より後方に配設され、前記保持体に主軸半径方向に移動
可能に保持された第2の係合体と、この第2の係合体に
係合離脱自在に前記ドローバの前端部に設けられ、前記
第2の係合体と係合して前記保持体を後方に引っ張る係
合部とを備えていることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
乃至図8を参照して説明する。図1は横形マシニングセ
ンタの正面図、図2は工具クランプ状態における主軸後
部を含む断面図、図3は図2の状態における主軸前部の
断面図である。
【0012】図1に示すように、本実施形態では工作機
械として横形マシニングセンタ(以下、MCと記載)1
の場合を示しているが、主軸頭と自動工具交換装置を有
する工作機械であれば、立形MCやターニングセンタな
ど他の種類の工作機械であってもよい。MC1において
は、ベッド2の上にコラム3がX軸方向に移動可能に立
設しており、コラム3には昇降台4がY軸方向(上下方
向)に移動可能に取付けられている。昇降台4には主軸
頭5がZ軸方向(主軸軸線方向)に移動可能に取付けら
れている。ベッド2上には、テーブル5aが取付けら
れ、フレーム6が枠状に立設固定されている。Y軸上方
の工具交換位置に配設されたアームレス型自動工具交換
装置(ATC)の工具マガジン7が、フレーム6の上部
の梁8に吊下げ状態で固定されている。
【0013】主軸頭5の内部には、高速で回転する中空
軸状の主軸9が軸受(図示せず)によって回転自在に支
持されており、主軸9は、ロータとステータを主軸9と
主軸頭5との間に配したビルトインモータ31(図2)
により回転駆動される。主軸9の前端部に設けられた工
具装着部10(図3)には、工具11とプルスタッド1
2(図3)とが固定された工具ホルダ(シャンク)13
が装着されるようになっている。コラム3の移動方向X
軸と、昇降台4の移動方向Y軸と、主軸9の軸線D方向
即ちZ軸とは直交座標系をなしている。なお、+(プラ
ス)Z軸方向を前方として説明する。
【0014】ベッド2の上面20には、一対の平行なX
軸ガイドレール21がX軸方向に向けて固定されてい
る。コラム3の下部に取付けられた複数のスライドブロ
ック22がX軸ガイドレール21にそれぞれ摺動自在に
係合しているので、コラム3は、ベッド2に取付けられ
たX軸サーボモータ(図示せず)及びボールねじ19に
よりX軸方向に往復移動する。コラム3には、一対のY
軸ガイドレールがY軸方向に向けて平行に立設されてお
り、昇降台4に取付けられた図示しない複数のスライド
ブロックがY軸ガイドレールに摺動自在に係合してい
る。これにより、昇降台4は、コラム3の上部に取付け
られたY軸サーボモータ24と立設されたボールねじ
(図示せず)によりY軸方向に往復移動する。昇降台4
には、Z軸方向に向けて一対のガイドレール25が平行
に取付けられており、主軸頭5の下部に設けられた複数
のスライドブロック26がガイドレール25に摺動自在
に係合している。これにより、主軸頭5は、昇降台4に
取付けられたZ軸サーボモータ27及びボールねじ(図
示せず)によりZ軸方向に往復移動する。
【0015】加工作業時には、加工位置Bでコラム3が
ベッド2上をX軸方向に移動し、昇降台4がコラム3に
沿ってY軸方向に移動し、主軸頭5が昇降台4に沿って
Z軸方向に移動することにより、テーブル5aに載置さ
れたパレット14上のワーク15が、主軸9に装着され
た工具ホルダ13の工具11により切削加工される。工
具交換時には昇降台4が昇降することにより、主軸頭5
と主軸9は、加工位置Bとその上方の工具装着位置Cと
の間でY軸方向及びZ軸方向に往復移動して、工具マガ
ジン7との間で工具交換が行われる。
【0016】工具装着位置Cでは、主軸9と工具マガジ
ン7のマガジン30との間で工具交換が行われる。割出
し制御されるマガジン30は、割出し駆動装置7aによ
り割出し動作される。複数の工具ホルダ把持部32が、
マガジン30の回転中心から半径方向外方を向いて放射
状に配設されている。主軸9が、Y軸方向の工具交換の
ための工具係合位置に移動後、+Y軸方向に直線的に上
昇移動することにより、主軸9の工具装着部10に着脱
自在に装着された工具ホルダ13は、マガジン30の工
具ホルダ把持部32にダイレクトに係合して把持され
る。
【0017】図2及び図3に示すように、主軸9の中心
部に主軸軸線D方向に形成された貫通孔33内には、工
具ホルダ13をクランプ,アンクランプするためのドロ
ーバ34が、軸線D方向に進退移動自在に挿通されてい
る。ドローバ34は、図示しない複数の皿ばね又はコイ
ルばねなど付勢部材の強い付勢力により常時後方に付勢
されて、主軸9に工具ホルダ13がクランプされてい
る。ドローバ34の前端部83には工具クランプ手段3
7が配設されている。工具クランプ手段37は、半径方
向に移動可能な複数個のボール状の係合体35を利用
し、工具ホルダ13の後部に固定されたプルスタッド1
2の被係合部36を掴んで後方に引っ張って、工具ホル
ダ13を工具装着部10に装着するための機構である。
工具クランプ手段37は、ボール式引っ張り機構の他
に、プルスタッド12をコレットにより引っ張るコレッ
ト式引っ張り機構を用いてもよい。
【0018】図1及び図2に示すように、主軸9及び主
軸頭5が工具装着位置Cに対して昇降移動する時、この
動作に連動して揺動するアンクランプ装置である揺動手
段40が、主軸9の後部に位置して主軸頭5に設けられ
ている。揺動手段40は、主軸頭5がY軸方向の工具装
着位置Cに上昇移動したとき、付勢部材に抗してドロー
バ34を前進させ仮保持状態とする。
【0019】主軸頭5の後端部には、ベアリング42を
介して主軸9を回転自在に軸支する支持部材43が、ボ
ルト43aなど締結部材により締付け固定されている。
支持部材43の後部には、揺動手段40の本体44がボ
ルト45など締結部材により締付け固定されている。本
体44は、軸線D方向後方に膨出して設けられ主軸9の
後端部46を跨いだ形状を有しており、本体44の後端
部にはカバー47がボルト48など締結部材により取付
けられている。本体44及びカバー47の中心部は、軸
線Dと同心の中空状になっており、断面円形の中空部4
8には、断面円形の進退部材49が軸線D方向に往復移
動自在に嵌合している。
【0020】進退部材49の大径部50は本体44の大
径穴部51に嵌合し、進退部材49の前方の小径部52
及び後方の小径部53は、本体44の小径穴部54及び
カバー47の内周部55にそれぞれ嵌合している。大径
部50は、大径穴部51の前方側段部56とカバー47
とにより軸線D方向の移動範囲を規制されて、前進位置
と後退位置との間で往復移動する。圧縮ばね57の前端
部が小径穴部54の後側段部58に係止され、後端部
が、大径部50の前面側に形成された凹部59内に係合
しており、この圧縮ばね57により進退部材49は常に
後方に付勢されている。
【0021】進退部材49の中心部には、ドローバ34
の後端面60を押圧可能な押圧部材としての小径の押圧
軸61が挿入固定されている。なお、進退部材49と押
圧軸61とを別部材にしないで一体化してもよい。押圧
軸61の前端面62が進退部材49の前端面63より若
干前方に突出しているので、押圧軸61が前方に移動す
ると、押圧軸前端面62がドローバ後端面60を押圧し
て移動させる。押圧軸61の中心部に軸線D方向に形成
された流体通路64は、押圧軸61に取付けられた配管
部材65に連通している。工具交換時には、押圧軸61
がドローバ34に密着した状態で、圧縮空気である清掃
用エアーが供給される。この清掃用エアーは、配管部材
65から流体通路64,ドローバ34内に形成された通
路66,主軸9内の貫通孔33等を流れて、工具ホルダ
13と工具装着部10との間の清掃を行う。
【0022】「く」の字状のレバー70が、本体44の
上面側に取付けられ、中心軸Eまわりに揺動自在になっ
ている。レバー70は、外方に延出し先端部に回動自在
な転動体71を有する第1のアーム72と、第1のアー
ム72と一体化し、ピン73など連結部材を介して進退
部材49を進退移動させる第2のアーム74とを有して
いる。レバー70は、第1,第2のアーム72,74の
クランプ回転位置F1 ,F2と、アンクランプ(仮保
持)回転位置G1 ,G2 との間で、角度θの範囲で揺動
する。工作機械の基部としてのコラム3には、水平方向
に形成された下面をなす当接面75を有するアンクラン
プ用当接部材76が主軸軸線D方向に延在して設けられ
ている。
【0023】即ち、揺動手段40は、コラム3に対して
移動自在な主軸頭5に設けられた本体44と、本体44
に揺動自在に取付けられ、主軸9が工具装着位置Cに対
して上下方向に進退移動する動作に連動して、コラム3
に設けられたアンクランプ用当接部材76の当接面75
に押し当てられて揺動するレバー70と、本体44の中
空部48に嵌合し、レバー70に連結されてレバー70
により軸線D方向に移動する進退部材49と、進退部材
49に取付けられドローバ34を押して前後方向に移動
させる押圧軸61とを備えている。
【0024】主軸頭5の上昇動作により揺動手段40が
当接面75に近づくと、この動作の最終ストローク(例
えば、約40mm)において、レバー70の転動体71
が当接面75に転動自在に当接するとともにレバー70
が時計回り方向に揺動する。これにより、第2のアーム
74とピン73を介して、進退部材49が圧縮ばね57
のばね力に抗して前方に移動して、押圧軸61が付勢部
材の付勢力に抗してドローバ34を押して前方に移動さ
せる。したがって、ドローバ34はクランプ位置とアン
クランプ(仮保持)位置との間を往復移動する。また、
レバー70が当接面75に当接してアンクランプ(仮保
持)回転位置G1 ,G2 側に押し下げられた状態で主軸
頭5が軸線D方向に進退移動すると、工具ホルダアンク
ランプ状態を保ちながら転動体71は当接面75をZ軸
方向に自在に転動する。
【0025】工具クランプ・アンクランプ装置41によ
る工具クランプ・アンクランプ方法は、加工位置Bと工
具装着位置Cとの間で軸線D方向に直交する軸方向(即
ち、Y軸方向)に往復移動する主軸頭5に設けられた主
軸9が工具装着位置Cに進退移動し、工具ホルダ13が
工具マガジン7の工具ホルダ把持部32に係合離脱する
と同時に、主軸9の後部に位置する揺動手段40が主軸
9の移動動作に連動して揺動して、工具ホルダ13をク
ランプ,アンクランプするドローバ34を前後方向に移
動させて、工具ホルダ13をアンクランプ,クランプ状
態にしている。
【0026】したがって、工具交換時に工具ホルダ13
をアンクランプ状態にするタイミングが難しい。即ち、
工具ホルダ13をアンクランプ状態にして工具ホルダ把
持部32に主軸9の工具ホルダ13を係合させれば、工
具交換時間を短縮することはできるが、アンクランプ状
態開始から工具ホルダ把持部32への把持完了までの間
で、工具ホルダ13が不安定になる可能性がある。これ
を防止するために、主軸9の工具ホルダ13が工具ホル
ダ把持部32に把持された後に工具ホルダ13をアンク
ランプ状態にすれば、工具ホルダ13は安定化するが工
具交換時間が長くかかってしまう。
【0027】そこで、この実施形態では工具クランプ・
アンクランプ装置41に仮保持装置80(図3)を設け
て、工具交換時に工具ホルダ13を仮保持するようにし
ている。仮保持装置80は、本出願人の出願に係る発明
(出願番号:特願平7−7315号,出願日:平成7年
1月20日)と略同一の構成を有しており、揺動手段4
0が揺動動作した時に工具ホルダ13を弱い付勢力で工
具装着部10に押付けて仮保持状態にしている。
【0028】図3に示すように、工具クランプ手段37
に含まれる仮保持装置80は、主軸貫通孔33内に軸線
D方向に移動自在に設けられて弱い付勢力で後方に付勢
された円筒形の保持体81と、保持体81の前端側に保
持され、主軸半径方向に移動して工具ホルダ13のプル
スタッド12の被係合部36に係合離脱する第1の係合
体としての第1のボール35と、第1のボール35より
後方に配設され、軸線D方向に移動可能に保持体81の
途中に保持された第2の係合体としての第2のボール8
2と、第2のボール82に係合離脱自在にドローバ34
の前端部83に設けられ、第2のボール82と係合して
保持体81を後方に引っ張る係合部84とを備えてい
る。
【0029】主軸貫通孔33内には円筒形のカム部85
が設けられており、保持体81はカム部85の内周面8
6に摺接して軸線D方向に進退移動する。貫通孔33内
に配設され弱い付勢力を有する圧縮ばね88の後端部
が、保持体81の後端部外周に形成された鍔部87に係
合し、前端部がカム部85に係合することにより、保持
体81は常時後方に付勢されている。圧縮ばね88の付
勢力は、仮保持中の工具ホルダ13が工具ホルダ把持部
32により主軸9に対して相対的に前方に引っ張られた
とき引抜き可能なような弱い力に設定されている。
【0030】保持体81の前端側には、貫通孔89が半
径方向に穿設されている。貫通孔89は保持体81の円
周上に均等間隔で複数個(好ましくは、3個乃至5個)
設けられており、各貫通孔89内には第1のボール35
がそれぞれ挿入されている。貫通孔89の孔径につい
て、保持体81の内周面側の孔径が外周面側孔径より小
径になるように形成することにより、複数の第1のボー
ル35が貫通孔89から内方に脱落しないように保持し
ている。ドローバ34の前後方向への移動によって保持
体81が軸線D方向に進退移動したときに、第1のボー
ル35は、カム部85の前端縁のテーパ面90に沿って
主軸半径方向に移動し、プルスタッド12の被係合部3
6と係合離脱できるようになっている。
【0031】保持体81には、貫通孔89と同様な貫通
孔91が、貫通孔89の後方に位置して設けられてい
る。貫通孔91は、保持体81の円周上に均等間隔で複
数個(好ましくは、3個乃至5個)設けられており、各
貫通孔91には第2のボール82がそれぞれ挿入されて
いる。複数の第2のボール82は、保持体81の進退移
動動作によりカム部85の形状に沿って主軸半径方向に
移動自在になっている。第2のボール82は常時保持体
81の内周面側に突出しており、保持体81内を挿通す
るドローバ34の前端部83に形成されたテーパ状の係
合部84と係合離脱するようになっている。そして、ド
ローバ34が皿ばね等の付勢力により後方に移動した時
に、係合部84と第2のボール82とが係合して保持体
81を後退させ、保持体81に保持された第1のボール
35を介してプルスタッド12が後方に引っ張られるよ
うにしている。
【0032】カム部85の内周面86には、第2のボー
ル82に係合離脱自在な浅底の凹部92が形成されてい
る。凹部92は、その断面が第2のボール82の外径よ
り若干大径に形成されている。保持体81が前方に前進
することにより第1のボール35とプルスタッド12の
被係合部36との係合が解除され、工具ホルダ13がな
い状態で保持体81をクランプする場合に、第2のボー
ル82が凹部92内に係合する。
【0033】保持体81の貫通孔89と貫通孔91との
間の前端側には、貫通孔93が主軸半径方向に穿設され
ており、貫通孔93内には、第3の係合体としての複数
(好ましくは、3個乃至5個)の第3のボール94が主
軸半径方向に移動自在に挿入されている。貫通孔91,
93の孔径については、貫通孔89の場合と同様に、保
持体81の内周面側孔径が外周面側孔径より小径になる
ように形成することにより、第2,第3のボール82,
94が貫通孔91,93から内方に脱落しないように保
持されている。カム部85には、第3のボール94と同
数の係合溝95が前方側位置に形成されている。係合溝
95は、保持体81が前進することにより第1のボール
35とプルスタッド12の被係合部36との係合が解除
された状態で第3のボール94と係合可能になってお
り、第3のボール94の直径より若干大きめの直径の断
面円弧状をなしている。
【0034】ドローバ係合部84の前方に形成された先
端部83aの外周面には、円筒状の規制部材96が、軸
線D方向に進退移動自在に嵌合している。規制部材96
は、保持体81の内周面に摺接しており、先端部83a
に嵌挿された圧縮ばね97により常時前方側に付勢され
ている。貫通孔93の前方側には段部98が形成されて
おり、規制部材96は段部98に当接することにより前
方への移動位置が規制されている。規制部材96は、工
具装着部10に装着された状態の工具ホルダ13のプル
スタッド12に当接するようになっている。
【0035】工具ホルダ13が工具装着部10に挿入さ
れた時には、規制部材96はプルスタッド12により後
方側へ押し戻されるが、工具ホルダ13が工具装着部1
0から抜き取られると、圧縮ばね97のばね力により段
部98に当接するまで前進して貫通孔93を塞ぐ。規制
部材96が貫通孔93を塞ぐと、第3のボール94は係
合溝95内に係合した状態のままで主軸半径方向に移動
できなくなるので、第3のボール94を介して保持体8
1とカム部85とが係止されて一体化した状態になり、
保持体81の軸線D方向への移動が規制される。即ち、
工具クランプ・アンクランプ装置41が駆動されドロー
バ34が後方に引っ張られて後退しても、保持体81は
工具ホルダ13が工具装着部10から抜き取られた位置
即ち次回の工具ホルダ13を受入れ可能な位置でカム部
85により保持されることになる。
【0036】図2に示すように、揺動手段40は、押圧
軸61が前進位置及び後退位置のいずれにあるかを検出
するための検出手段100を備えている。固定部である
カバー47には、軸線Dと平行に且つ後方に突出するブ
ラケット101が取付けられている。ブラケット101
の上面にはリミットスイッチ102が取付けられ、進退
部材49の後部に固定された配管部材65には、板状の
支持部材103が軸線D方向の位置を調節可能に取付け
られている。
【0037】支持部材103に支持された被検出部10
4がリミットスイッチ102を押すと、オン(又はオ
フ)信号(即ち、クランプ状態確認信号)が出力され
る。リミットスイッチ102,支持部材103及び被検
出部104により、検出手段100が構成されている。
押圧軸61及び進退部材49が後退位置にあると、支持
部材103を介して被検出部104はリミットスイッチ
102を押してオン(又はオフ)状態にする。押圧軸6
1及び進退部材49が前進すると、支持部材103を介
して被検出部104も前進してリミットスイッチ102
から離れてオフ(又はオン)状態にする。検出手段10
0により、押圧軸61が前進位置及び後退位置のいずれ
にあるかが検出される。
【0038】次に、本発明の動作を図1乃至図8に基づ
いて説明する。図1乃至図3に示すように、工具11に
よりワーク15を切削加工する時には、工具ホルダ13
をクランプ状態にし、主軸頭5を加工位置Bに移動さ
せ、主軸9をビルトインモータ31により高速で回転す
る。この時、押圧軸61は後退位置にあるので、被検出
部104がリミットスイッチ102を押してオン(又は
オフ)の状態が検出される。これにより、リミットスイ
ッチ102はクランプ状態確認信号を出力し、押圧軸6
1はドローバ34の後端面60から離れているので、主
軸9が回転される。
【0039】工具ホルダ13の被係合部36には第1の
ボール35が係合し、第2のボール82がドローバ前端
部83の係合部84に係合し、ドローバ34は皿ばね等
の強い付勢力により後方に付勢されている。これによ
り、工具ホルダ13は、保持体81を介してドローバ3
4により後方に強く引っ張られてクランプされている。
そして、X軸サーボモータ(図示せず)及びY軸,Z軸
の各サーボモータ24,27を駆動して、主軸9の工具
11の位置を制御することによりワーク15が切削加工
される。
【0040】現在の工具11による加工が終了して次回
の工具11に交換する場合には、主軸9の回転を停止
し、主軸オリエンテーション動作を行い、回転方向の位
置を定める。X軸サーボモータとZ軸サーボモータ27
とを駆動して、主軸9の工具ホルダ13を、マガジン3
0の最も下部に位置している、現在の工具11の収納番
地の工具ホルダ把持部32の真下の工具交換動作開始位
置に位置させる。次いで、Y軸サーボモータ24を駆動
して主軸頭5を矢印Hに示すように+Y軸方向に上昇さ
せて、主軸9を工具交換動作開始位置から工具装着位置
Cに直線的に上昇移動させる。主軸9が上昇し、工具ホ
ルダ把持部32の近傍でレバー70がコラム3の当接面
75に当接し且つ下方に押されて時計回り方向に揺動
し、工具ホルダ13を漸次アンクランプ(仮保持)状態
にすることにより、工具ホルダ13は主軸9に仮保持さ
れた状態になる。これと同時に、主軸9が工具装着位置
Cに到着することにより、工具ホルダ13は工具ホルダ
把持部32に把持される。
【0041】即ち、主軸9の上昇移動動作に連動して、
レバー70が角度θだけ時計回り方向に揺動する。これ
により、進退部材49と押圧軸61が、圧縮ばね57の
付勢力に抗して前進し、押圧軸61の前端面62がドロ
ーバ後端面60を前方に押して、ドローバ34を所定距
離前方に移動させ、工具ホルダ13をアンクランプ(仮
保持)状態にする。進退部材49が前進することによ
り、被検出部104がリミットスイッチ102から離れ
てオフ(又はオン)状態になるので、リミットスイッチ
102のクランプ状態確認信号は解除される。
【0042】図4は工具ホルダ13を仮保持した状態に
おける主軸後部を含む断面図、図5は図4の状態におけ
る主軸前部の断面図である。図4及び図5に示すよう
に、リミットスイッチ102からのクランプ状態確認信
号の出力が解除されると、主軸9が後退することによ
り、マガジン30の工具把持部32に把持された工具ホ
ルダ13が主軸9の工具装着部10より離脱する。即
ち、押圧軸61の前方への押圧力により、ドローバ34
が皿ばね等の付勢力に抗して前進位置まで前進すると、
ドローバ34による工具ホルダ13の引っ張り力は解除
されるが、保持体81は圧縮ばね88による後方への付
勢力が作用しているので前進することができず、第2の
ボール82と係合部84との係合が解除される。これに
より、工具ホルダ13は仮保持状態になり、第1のボー
ル35に係合した状態で圧縮ばね88の弱いばね力によ
り後方に引っ張られて仮保持される。
【0043】次いで、Z軸サーボモータ27を駆動し
て、矢印I(図1,図4,図5)に示すように主軸頭5
とともに主軸9を後退させる。この時、第1のアーム7
2に設けられた転動体71は当接面75を転動し、レバ
ー70の旋回角が保たれるため、主軸9の工具クランプ
手段37は、主軸頭5がZ軸方向に後退移動中もアンク
ランプ状態を保持している。したがって、主軸9の後退
動作により、主軸9に装着されている工具ホルダ13
は、工具ホルダ把持部32に把持された状態で工具装着
部10から抜き取られる。
【0044】図6は工具ホルダ13が抜き取られた待機
状態における主軸後部を含む断面図、図7は図6の状態
における主軸前部の断面図である。上述のように主軸9
が後退すると、工具ホルダ13は圧縮ばね88のばね力
に抗して相対的に前方側に引っ張られることになり、保
持体81に対してカム部85が相対的に後方に移動す
る。第1のボール35は、カム部85のテーパ面90の
形状に沿って主軸半径方向外側に移動するので、プルス
タッド12の被係合部36と第1のボール35との係合
が解除される。これにより、工具ホルダ13の仮保持状
態が解除され、工具ホルダ13は工具装着部10から抜
き取られて図6及び図7に示す待機状態になる。
【0045】この状態では、第3のボール94が係合溝
95に係合するとともに、段部98に当接した規制部材
96が貫通孔93を塞いで第3のボール94の主軸半径
方向の移動を規制するので、カム部85に対する保持体
81の軸線D方向の相対移動が規制される。したがっ
て、保持体81は、工具装着部10から工具ホルダ13
が抜き取られた状態のまま次回の工具ホルダ13の受け
入れが可能な状態でカム部85に保持されて待機する。
第2のボール82はカム部85の凹部92に係合してい
るが、係合部84と第2のボール82との間には隙間が
あるので、第2のボール82は主軸半径方向に自由に移
動できる。この時、図6に示すように、押圧軸61はド
ローバ34を押して前進位置にあるので、被検出部10
4はリミットスイッチ102から離れた状態を維持し、
クランプ状態確認信号が解除されている。
【0046】次に、マガジン30を回転駆動して、次回
の工具ホルダ13が把持されている工具ホルダ把持部3
2を主軸9の軸線Dに一致させるようにマガジン割出し
を行う。次いで、Z軸サーボモータ27を駆動して主軸
頭5とともに主軸9を矢印J(図1,図6,図7)に示
すように前進させ、次回の工具ホルダ13を工具装着部
10に挿入する。これにより、図7に示す待機状態から
図8に示す仮保持状態に移行する。
【0047】図8は、次回の工具ホルダ13が装着され
て仮保持された状態における主軸前部の断面図である。
工具交換中には、レバー70は当接面75に当接して押
し下げられた状態を維持しており、これは仮保持の時の
図4に示す主軸後部の状態と同様である。上述のよう
に、次回の工具ホルダ13が工具装着部10に挿入され
ると、図8に示すように、保持体81内に進入してきた
プルスタッド12により規制部材96が保持体81に対
して相対的に後方に押し戻されて移動する。これによ
り、第3のボール94の主軸半径方向への移動が可能に
なって、カム部85に対する保持体81の係止状態が解
除され、保持体81はカム部85に対して相対的に軸線
D方向に移動可能になる。
【0048】第2のボール82はカム部85の凹部92
内に係合しているが、係合部84と第2のボール82と
の間には隙間があるので、保持体81は圧縮ばね88の
ばね力によって後退する。そして、第1のボール35が
プルスタッド12の被係合部36と係合するので、工具
ホルダ13は図5に示した仮保持の状態になる。なお、
工具交換時には、清掃用エアーなど流体を配管部材65
から適宜供給して、工具ホルダ13と工具装着部10と
の間の清掃を行う。
【0049】次いで、図1に示すように、Y軸サーボモ
ータ24を駆動して主軸頭5を矢印Kに示すように−Y
軸方向に直線的に下降させれば、次回の工具ホルダ13
は工具ホルダ把持部32から離れ、主軸9は工具装着位
置Cから工具交換開始位置を経由して加工位置Bに移動
する。主軸9のこの移動動作に連動して、レバー70が
反時計回り方向に揺動するので、進退部材49と押圧軸
61は前進位置から後退位置に移動し、押圧軸61はド
ローバ34の後端面60から離れて図2に示す状態にな
る。すると、ドローバ34は皿ばね等の強い付勢力によ
り工具ホルダ13のプルスタッド12を後方に引っ張っ
て図3に示すクランプ状態にする。この時、図2に示す
ように被検出部104がリミットスイッチ102を押す
ので、リミットスイッチ102はクランプ状態確認信号
を出力する。これにより、工具交換動作が終了するとと
もに主軸9及び各軸が回転駆動されて、次回の工具11
による切削加工が開始される。
【0050】上述のように、本発明によれば、主軸9の
移動動作に連動して揺動動作する揺動手段40がドロー
バ34を前後方向に移動させて工具ホルダ13をアンク
ランプ,クランプの状態にするとともに工具ホルダ13
が工具マガジン7の工具ホルダ把持部32に係合離脱す
るので、主軸9の移動動作と、工具ホルダのクランプ,
アンクランプ動作と、工具ホルダを把持する動作とを同
時に進行させることができる。したがって、工具の交換
動作全体に必要な時間を短縮することができ、その結
果、切削加工時間が増えてMC1の作業能率が向上す
る。
【0051】また、従来は主軸9のY軸方向の移動動作
とアンクランプ動作と工具交換動作とをそれぞれ独立さ
せ各動作の終了を確認して次の動作に移るものもあった
が、本発明では上述のように各動作を連続的且つ同時に
進行させることができる。即ち、主軸9が上昇して工具
装着位置Cに到着した時点で、アンクランプ動作が終了
して工具ホルダ13はアンクランプ状態になるとともに
工具把持部32に把持されて工具交換可能な状態になっ
ている。したがって、アンクランプ状態か否かを確認す
ることなく直ちに工具交換動作に移行することができる
ので、工具交換時間を短縮することができる。
【0052】シリンダ装置によりクランプ,アンクラン
プ動作をさせる従来の構造のものでは油圧回路や複雑な
制御が必要であったが、本発明では、工具交換時に主軸
9が工具交換動作開始位置と工具装着位置Cとの間を移
動する動作を利用して、この動作に連動する揺動手段4
0を介してクランプ,アンクランプ動作を機械的に行っ
たので、従来のような複雑なカム機構やシリンダ装置等
が不要になり、簡単且つコンパクトな構造で工具ホルダ
13を確実にクランプ,アンクランプすることができ
る。また、本発明では、工具交換のために主軸9が工具
装着位置Cに位置している間は、必ずレバー70が当接
面75により押し下げられて、押圧軸61がドローバ3
4を前方に押して前進位置に保持している。したがっ
て、工具交換中は必ずアンクランプ状態がメカニカル的
に保証されることになり、工具交換動作を安全且つ確実
に行うことができる。
【0053】本実施形態では仮保持装置80を設けたの
で、工具交換時にドローバ34が前進して工具ホルダ1
3がアンクランプ状態になっている時には、工具ホルダ
13が仮保持されている。したがって、工具交換時に工
具ホルダ13が工具装着部10内で不安定な状態になる
ことがない。仮保持装置80を設けたことにより、主軸
9が工具装着位置Cに到着する前からアンクランプ動作
を始めて工具ホルダ13を仮保持している。したがっ
て、主軸9が工具装着位置Cに到着した時には既にアン
クランプ動作が完了しているので、直ちに次の工具交換
動作に移ることができる。これにより、アンクランプ動
作のための時間とその確認時間とを別途設ける必要がな
くなり、工具交換時間の短縮化を実現できる。また、工
具ホルダ13が後方から大きな力で押されても、工具ホ
ルダ13は仮保持装置80により仮保持されているので
主軸9から飛び出す虞がなく、工具ホルダ13の飛び出
しを防止するための保持機構も不要になる。その結果、
主軸9の内部の構造を簡素化することができる。
【0054】なお、ATCは、主軸が主軸軸線方向に直
交する軸方向(例えば、Y軸方向)に直線的に移動する
ことにより、主軸に装着された工具ホルダがATCの工
具ホルダ把持部にダイレクトに係合離脱する構造であれ
ばよく、アームレス式のものでもツインアームなど工具
交換アームを有するものでもよい。なお、各図中同一符
号は同一又は相当部分を示す。
【0055】
【発明の効果】本発明は、主軸軸線方向に直交する軸方
向に往復移動して工具交換する主軸を有する工作機械に
おいて、既存の主軸頭の前記主軸軸線方向及び前記直交
軸方向の動作を利用して主軸への工具ホルダの装着,離
脱動作を行っているので、簡単且つコンパクトな構造で
工具交換時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1乃至図8は本発明に係る実施の形態を示す
図で、図1はマシニングセンタの正面図である。
【図2】工具クランプ状態における主軸後部を含む断面
図である。
【図3】工具クランプ状態における主軸前部の断面図で
ある。
【図4】工具ホルダを仮保持した状態における主軸後部
を含む断面図である。
【図5】図4の状態における主軸前部の断面図である。
【図6】工具ホルダが抜き取られた待機状態における主
軸後部を含む断面図である。
【図7】図6の状態における主軸前部の断面図である。
【図8】次回の工具ホルダが装着されて仮保持状態に移
行する様子を示す主軸前部の断面図である。
【符号の説明】
1 マシニングセンタ(工作機械) 3 コラム 5 主軸頭 9 主軸 10 工具装着部 12 プルスタッド 13 工具ホルダ 32 工具ホルダ把持部 33 主軸の貫通孔 34 ドローバ 35 第1のボール(第1の係合体) 37 工具クランプ手段 40 揺動手段 41 工具クランプ・アンクランプ装置 44 本体 49 進退部材 61 押圧軸(押圧部材) 70 レバー 75 当接面 76 アンクランプ用当接部材 80 仮保持装置 81 保持体 82 第2のボール(第2の係合体) 83 前端部 84 係合部 B 加工位置 C 工具装着位置 D 主軸軸線 Y 主軸軸線に直交する軸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸軸線方向及びこの主軸軸線方向と直
    交する方向に移動可能な主軸頭と、この主軸頭に回転自
    在に支持され、前端に工具装着部が設けられた主軸と、
    この主軸内に設けられ、前記工具装着部に工具ホルダを
    付勢部材の付勢力によりクランプする工具クランプ手段
    とを有し、この工具クランプ手段をアンクランプ状態に
    したとき前記主軸軸線方向の進退移動により前記主軸装
    着部に前記工具ホルダを着脱する工作機械において、前
    記工具装着部に前記工具ホルダをクランプ・アンクラン
    プする方法であって、 前記主軸頭を工具装着位置に前記主軸軸線方向と直交す
    る前記直交方向に移動し、 前記主軸の後部の前記主軸頭に設けられた揺動手段が、
    前記主軸頭の前記直交方向への移動動作に連動して前記
    工作機械の基部に設けられたアンクランプ用当接部材に
    当接して揺動し、 前記揺動手段の揺動により、前記工具クランプ手段を前
    記付勢部材の付勢力に抗してアンクランプ状態とし、 前記工具ホルダを着脱するために前記主軸頭を進退移動
    させるときにも、前記揺動手段の揺動状態を保ってアン
    クランプ状態を維持することを特徴とする工作機械にお
    ける工具クランプ・アンクランプ方法。
  2. 【請求項2】 主軸軸線方向及びこの主軸軸線方向と直
    交する方向に移動可能な主軸頭と、この主軸頭に回転自
    在に支持され、前端に工具装着部が設けられた主軸と、
    この主軸内に設けられ、前記工具装着部に工具ホルダを
    付勢部材の付勢力によりクランプする工具クランプ手段
    とを有し、この工具クランプ手段をアンクランプ状態に
    したとき前記主軸軸線方向の進退移動により前記主軸装
    着部に前記工具ホルダを着脱する工作機械において、前
    記工具装着部に前記工具ホルダをクランプ・アンクラン
    プする方法であって、 前記主軸頭を工具装着位置に前記主軸軸線方向と直交す
    る前記直交方向に移動し、 前記主軸の後部の前記主軸頭に設けられた揺動手段が、
    前記主軸頭の前記直交方向への移動動作に連動して前記
    工作機械の基部に設けられたアンクランプ用当接部材に
    当接して揺動し、 前記揺動手段の揺動により、前記工具クランプ手段の前
    記付勢部材の付勢力に抗して、前記工具ホルダを前記付
    勢部材の付勢力より弱い仮保持用付勢力で前記工具装着
    部に押し付けて仮保持する仮保持状態とし、 前記工具ホルダを着脱するために前記主軸頭を進退移動
    させるときにも、前記揺動手段の揺動状態を保って仮保
    持状態を維持することを特徴とする工作機械における工
    具クランプ・アンクランプ方法。
  3. 【請求項3】 主軸軸線方向及びこの主軸軸線方向と直
    交する方向に移動可能な主軸頭と、この主軸頭に回転自
    在に支持され、前端に工具装着部が設けられた主軸と、
    この主軸内に設けられ、前記工具装着部に工具ホルダを
    付勢部材の付勢力によりクランプする工具クランプ手段
    とを有し、この工具クランプ手段をアンクランプ状態又
    は仮保持状態にしたとき前記主軸軸線方向の進退移動に
    より前記主軸装着部に前記工具ホルダを着脱する工作機
    械において、 この工作機械の基部に前記主軸軸線方向に延在して設け
    られたアンクランプ用当接部材と、 前記主軸の後部の前記主軸頭に設けられ、前記主軸頭の
    前記直交方向への移動動作に連動して前記アンクランプ
    用当接部材に当接して揺動し、前記工具クランプ手段を
    アンクランプ状態又は仮保持状態にする揺動手段とを備
    え、 前記主軸頭が前記主軸軸線方向に進退移動したときに
    も、前記アンクランプ状態又は前記仮保持状態を維持で
    きることを特徴とする工作機械の工具クランプ・アンク
    ランプ装置。
  4. 【請求項4】 前記揺動手段は、 コラムに対して移動自在な前記主軸頭に設けられた本体
    と、 この本体に揺動自在に取付けられ、前記主軸が前記工具
    装着位置に対して前記直交方向に進退移動する動作に連
    動して、前記コラムに設けられた前記アンクランプ用当
    接部材の当接面に押し当てられて揺動するレバーと、 前記本体の中空部に嵌合し、前記レバーに連結されてこ
    のレバーにより前記主軸軸線方向に移動する進退部材
    と、 この進退部材に取付けられドローバを押して前後方向に
    移動させる押圧部材とを備えたことを特徴とする請求項
    3に記載の工作機械の工具クランプ・アンクランプ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記工具ホルダがアンクランプ状態の時
    に前記工具ホルダを弱い付勢力で前記工具装着部に押付
    けて仮保持する仮保持装置を有することを特徴とする請
    求項3又は4に記載の工作機械の工具クランプ・アンク
    ランプ装置。
  6. 【請求項6】 前記仮保持装置は、 前記主軸の貫通孔内に前記主軸軸線方向に移動自在に設
    けられて前記弱い付勢力で後方に付勢された保持体と、 この保持体の前端側に保持され、主軸半径方向に移動し
    て前記工具ホルダのプルスタッドに係合離脱する第1の
    係合体と、 この第1の係合体より後方に配設され、前記保持体に主
    軸半径方向に移動可能に保持された第2の係合体と、 この第2の係合体に係合離脱自在に前記ドローバの前端
    部に設けられ、前記第2の係合体と係合して前記保持体
    を後方に引っ張る係合部とを備えたことを特徴とする請
    求項5に記載の工作機械の工具クランプ・アンクランプ
    装置。
JP21288295A 1995-07-28 1995-07-28 工作機械における工具クランプ・アンクランプ方法及びその装置 Pending JPH0938838A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009160690A (ja) * 2008-01-07 2009-07-23 Brother Ind Ltd 数値制御装置、数値制御プログラム及び記憶媒体
JP2009178795A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Brother Ind Ltd 数値制御装置、数値制御プログラム及び記憶媒体
JP2013248688A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Nakajima Steel Pipe Co Ltd 鋼管の切断・開先加工用刃体交換設備
KR20200009231A (ko) * 2018-07-18 2020-01-30 첸 사운드 인더스트리얼 씨오., 엘티디. 사전-언클램핑 공정을 갖는 신속한 공구 교환 방법
CN111408949A (zh) * 2020-05-07 2020-07-14 王天云 一种立式数控车削中心
KR20200126728A (ko) * 2019-04-30 2020-11-09 두산공작기계 주식회사 램 스핀들을 구비하는 공작기계

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