JPH05309543A - 立形マシニングセンタにおけるワーク搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 立形マシニングセンタのＮＣ制御軸を利用し
てワークコンベア９とテーブル２間のワークＷの移載
と、搬送途中においてワーク下端部の取付面等の旋削加
工を行うことのできる簡素にして低コストのワーク搬送
装置を提供する。 【構成】 Ｙ軸方向に移動位置決め可能なテーブル上
に、自動開閉可能な把持爪３ａを有するワーク固定装置
３を設け、Ｚ軸及びＸ軸方向に移動位置決め可能な主軸
頭７に主軸８により回転可能なチャック本体１６を有す
るワーク把持アタッチメント１１を着脱可能に設け、主
軸軸心のＸ軸移動軌跡上に交換位置ａが位置するように
ワークコンベアを設けて、ワークコンベアとテーブル間
のワークの移載をする。また必要に応じて搬送途中にお
いて、テーブル上にバイト又はドリル等固定工具ＴＡを
着脱可能に取付けて、ワーク下端部の旋削加工を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は立形マシニングセンタに
おけるワーク搬送装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、比較的大型の立形マシニングセン
タでは、パレット交換装置を用いてワーク交換を行う方
法が多用されているが、図５に示すような比較的小型の
立形マシニングセンタでは、パレット交換装置は高価か
つフロアスペースを要し、そのうえパレット上のワーク
交換は手動で行わねばならない等の理由で、テーブル１
０１上のワークを手動着脱する方法が多い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術のワークを
手動着脱する方法は、人手間を要し、無人化への大きな
妨げとなっているという問題点を有している。本発明は
従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたも
のであり、その目的とするところは、簡素かつ低価格で
無人運転を可能とするワーク搬送装置を提供しようとす
るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明による立形マシニングセンタにおけるワーク搬
送装置は、Ｙ軸方向に移動位置決め可能なテーブルとＺ
軸方向及びＸ軸方向に移動位置決め可能な主軸頭を有す
る立形マシニングセンタにおいて、アタッチメント本体
に回転可能に軸承され本機主軸により回転される回転軸
に流体圧シリンダピストン部材により把持爪が開閉され
るチャックを同心に固着したワーク把持アタッチメント
を前記主軸頭の先端に着脱可能に設け、前記主軸頭の主
軸軸心のＸ軸移動軌道上に交換位置が位置するようにワ
ークコンベアを設け、本機のＮＣ制御駆動によりワーク
コンベアとテーブル間のワークの移載を行うものであ
る。またテーブルに固定工具を着脱可能に取付ける手段
を設けて、チャックに把持したワークに対して旋削加工
ができるようにすることもできる。

【０００５】

【作用】ワークコンベア上のワークが交換位置に割出さ
れると、ワーク把持アタッチメントが装着された主軸頭
が、Ｘ軸方向左端のワーク交換位置に位置決めされ、引
続き主軸頭がＺ軸方向下側に移動位置決めされて、ワー
ク上端部が開かれているチャックの把持爪内に挿入さ
れ、流体圧シリンダピストン部材によりチャックの把持
爪が閉じてワークを把持する。次いで主軸頭のＺ軸方向
上側への移動でワークがコンベアから離れたのち主軸頭
がＸ軸方向に移動し、同時にテーブルがＹ軸方向移動し
て、テーブル上のワーク固定装置の取付中心と、チャッ
クに把持されるワーク中心とが同心となった位置でそれ
ぞれ位置決めされる。

【０００６】次いで主軸頭のＺ軸方向下側への移動でワ
ークがワーク固定装置上に載置され、ワーク固定装置の
把持爪が閉じ、チャックの把持爪が開いて把持替えが行
われたのち、主軸頭がＺ軸方向上側に移動してワークが
離れる。また必要に応じてチャックに把持したワークを
テーブル上に搬送する途中において、テーブル上に設け
られた固定工具により取付面等の旋削加工を行うことも
できる。

【０００７】

【実施例】実施例について図１〜図４を参照して説明す
る。図４の立形マシニングセンタにおいて、ベッド１上
に設けられたＹ軸方向の案内上にテーブル２が移動位置
決め可能に載置されており、テーブル２上にワーク固定
装置３が固着されている。ワーク固定装置は図示しない
流体圧シリンダピストン部材により開閉される三個の把
持爪３ａを有し、円筒形状ワークＷの外周を着脱可能に
把持し、軸心を垂直にしてワークＷを固定する。ベッド
１の後側にコラム４が立設されており、コラム４に横桁
５が固着されている。横桁５はＸ軸方向の案内を有し、
この案内上にサドル６が移動位置決め可能に載置されて
いる。

【０００８】サドル６は前面にＺ軸方向の案内を有し、
この案内上に主軸頭７が移動位置決め可能に載架されて
おり、主軸頭７に主軸８が回転可能に軸承されている。
更にベッド１の左側床上に交換位置ａが主軸８軸心のＸ
軸移動軌跡上に位置するようにワークコンベア９が旋回
割出し可能に設置されている。一方主軸頭７の下端にワ
ーク把持アタッチメント１１が着脱可能に取付けられて
いる。このワーク把持アタッチメント１１のアタッチメ
ント本体１２の中心穴に回転軸１３が複数の軸受１４に
より回転可能に軸承されており、回転軸１３は上端がテ
ーパシャンク１３ａに形成され、中心に流体圧シリンダ
１５が穿設され、下端にチャック本体１６が同心に固着
されている。チャック本体１６の中心穴には駆動環１７
が軸方向移動可能に嵌挿されており、駆動環１７は流体
圧シリンダ１５のピストン１８と一体のピストンロッド
１９の下端に固着され、外周上等間隔に軸心に対して傾
斜角を有するＴ溝１７ａが三本刻設されている。

【０００９】チャック本体１６は下端面にＴ溝が三本放
射状かつ等間隔に刻設されており、このＴ溝にそれぞれ
移動可能にマスタジョー２１が嵌挿され、マスタジョー
２１はＴ溝１７ａに係合する係合爪２１ａを有し、マス
タジョー２１上に把持爪２２が固着されている。こうし
て把持爪２２は流体圧シリンダ１５に供給される圧力流
体の切り換えにより開閉されて、ワークＷの上端部外周
を把持するようになっている。更にアタッチメント本体
１２には主軸頭７の流体圧供給用流路７ａ，７ｂに連通
する流路１２ａ，１２ｂが穿設されており、回転軸１３
には流路１２ａ，１２ｂに回転継手を介して連通される
流路１３ｂ，１３ｃがそれぞれ穿設されており、流路１
３ｂは流体圧シリンダ１５の後室に、また流路１３ｃは
流体圧シリンダ１５の前室にそれぞれ開口されている。

【００１０】更にワーク把持アタッチメント１１には、
主軸頭７より取外されたときに、主軸８先端のドライブ
キー２３と係合するキー溝１３ｄと、アタッチメント本
体１２との位相を維持する図２に示すような回転防止機
構２４が設けられている。この回転防止機構は、二本の
ピン２５，２６がチャック本体１２に垂直に穿設された
心ずれ穴１２ｃ，１２ｄに軸方向移動可能に挿通されて
おり、ピン２５，２６はチャック本体１２の中央部に回
転可能に枢支され、ばね２７により常時時計方向に付勢
される揺動アーム２８を介して互いに反対方向に移動さ
れ、前記ばね２７により常時上下に突出勝手に付勢され
ている。

【００１１】従ってワーク把持アタッチメント１１が主
軸頭７に取付けられている間は、ピン２５の上端が主軸
頭の下端面と当接して押し込まれ、ピン２６の下端はア
タッチメント本体１２の下端より上に位置するが、主軸
８が所定位置に停止されてチャック本体１６の上端面に
穿設されている穴１６ａがピン２６と同心になり、この
状態でワーク把持アタッチメント１１が取外されると、
ばね２７によりピン２６が突出して先端が穴１６ａに係
合し、回転が阻止されて位相が維持される。更にテーブ
ル２上には固定工具ＴＡ，ＴＢを着脱可能に装着するた
めの取付穴２ａが穿設されており、この取付穴２ａの奥
に図示しない工具クランプ機構が設けられている。

【００１２】続いて本実施例の作用について説明する。
ワークコンベア９上に載置されたワークＷが交換位置ａ
に割出されると、ワーク把持アタッチメント１１を装着
した主軸頭７が、Ｘ軸方向左端のワーク交換位置に位置
決めされてチャック本体１６が交換位置ａのワークＷと
同心となり、主軸頭７がＺ軸方向下側に移動してワーク
Ｗ上端がチャック本体１６の開かれた把持爪２２内に挿
入される。次いで流体圧が流路７ｂ，１２ｂ，１３ｃを
経て流体圧シリンダ１５の前室に供給され、ピストン１
８，ピストンロッド１９が後退し、駆動環１７を介して
マスタジョー２１に固着の把持爪２２が閉じてワークＷ
を把持する。

【００１３】次いで主軸頭７がＺ軸方向上側に移動して
ワークＷが、ワークコンベアを離れ、更にＸ軸方向右側
に移動して、旋削のための初期位置に位置決めされ、同
時にテーブル２がＹ軸方向に移動して工具取付穴２ａに
装着されている固定工具（バイト）ＴＢが所定の切削位
置に位置決めされる。次いで主軸８が回転してチャック
本体１６に把持されるワークＷが回転し、主軸頭７のＸ
軸及びＺ軸送りでワーク下端部の旋削加工が行われる。
旋削加工が終わると、主軸頭７が一旦干渉のない位置に
移動して退避したのち、固定工具（バイト）ＴＢが固定
工具（ドリル）ＴＡに交換され、再びワークＷの下端面
の穴明け加工が行われる。

【００１４】旋削加工が終わると主軸頭７及びテーブル
２がそれぞれＸ軸方向及びＹ軸方向に移動して所定のワ
ーク取付位置に位置決めされ、チャック本体１６とテー
ブル２上のワーク固定装置３の把持中心が同心となる。
次いで主軸頭７がＺ軸方向下側に移動してワークＷの旋
削加工済の下端部が開かれている把持爪３ａ内に挿入さ
れ、ワーク固定装置の把持爪３ａが閉じてチャックの把
持爪２２が開いて把持換えが行われる。次いで主軸頭７
がＺ軸方向上側に移動してワークＷから離れたのち、ワ
ーク把持アタッチメント１１が主軸頭７より取外され、
代わって図示しないマシニングセンタ用工具が主軸８に
自動装着されて、テーブル２上のワークＷに対して切削
加工が行われる。そして切削加工が終わると再びワーク
把持装置が主軸頭に装着され、テーブル２上の加工済ワ
ークＷをワークコンベア９の交換位置ａ上に移載する。

【００１５】

【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。主軸頭にワーク把持ア
タッチメントを着脱可能に装着して、ワークコンベアと
テーブル間のワークの搬送を行うようにしたので、人手
間を要することなく自動でワークの移載ができるように
なり、無人運転が可能となる。またテーブル上に固定工
具を取付けてワーク下端部の旋削加工ができるようにし
たので、テーブル上にワークを取付ける前に取付面の旋
削加工を行うことができるようになり、素材より成品ま
での連続加工が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のワーク把持アタッチメントの断面図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ線視断面図である。

【図３】テーブル上のワーク固定装置と主軸頭のワーク
把持アタッチメントの間のワーク受け渡し状態を表す要
部拡大図である。

【図４】本実施例の立形マシニングセンタの斜視図であ
る。

【図５】従来の立形マシニングセンタの斜視図である。

【符号の説明】

２ テーブル ６ サドル ７ 主軸頭 ８ 主軸 ９ ワークコンベア １１ ワー
ク把持アタッチメント １２ アタッチメント本体 １３ 回転
軸 １５ 流体圧シリンダ １６ チャ
ック本体 １８ ピストン ２２ 把持
爪 ＴＡ，ＴＢ 固定工具 Ｗ ワーク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｙ軸方向に移動位置決め可能なテーブル
   とＺ軸方向及びＸ軸方向に移動位置決め可能な主軸頭を
   有する立形マシニングセンタにおいて、アタッチメント
   本体に回転可能に軸承され本機主軸により回転される回
   転軸に流体圧シリンダピストン部材により把持爪が開閉
   されるチャックを同心に固着したワーク把持アタッチメ
   ントを前記主軸頭の先端に着脱可能に設け、前記主軸頭
   の主軸軸心のＸ軸移動軌跡上に交換位置が位置するよう
   にワークコンベアを設け、本機のＮＣ制御駆動によりワ
   ークコンベアとテーブル間のワークの移載を行うことを
   特徴とする立形マシニングセンタにおけるワーク搬送装
   置。
2. 【請求項２】 テーブルに固定工具を着脱可能に取付け
   る手段を設けて、チャックに把持したワークを回転させ
   ながら切削加工ができるようにしたことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の立形マシニングセンタにおけ
   るワーク搬送装置。